人が育つ「トヨタ式」

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「トヨタ生産方式」

~人も育つ、「トヨタ式カイゼン」~

中部ビジネスコンサルタント㈱

トヨタ生産方式は、トヨタ自動車創業者・豊田喜一郎氏の 「ものづくり」の基本原理である 大量生産方式 高度成長期 作れば売れた 消費者ニーズの変化 需要の激しい変化 世界と戦える コスト競争力 の実現 多くのムダを生み出す 企業から競争力を奪う ムダを徹底的に排除 生産効率を上げる 多品種少量生産 日々の改善

多くの企業が取り入れているものの・・・

     トヨタ生産方式を成功させている企業は少ないの が現状です。 「改善」と称して、 5 Sや細かい改善をしても、それ は部分的で一時的な改善でしかありません。 トヨタ生産方式の「改善」は、「部分改善」で終 わってはいけません。 「改善」とは「全体改善」のことです。 継続した「改善活動」こそが「トヨタ生産方式を成 功させるしくみ」そのものなのです。

中小企業は小さいことが武器になります

 「部分改善」 = 「全体改善」 となります。  ただし、この場合はトップ自らが率先して推進するこ とです。 ①終わらない ムダ取り ②知恵の活用 そこから 得られるものは・・・ 強 い 競 争 力 人 材 育 成

人間の知識

全体活動の構築

☆自社の実態に応じ、段階的に進めていきましょう トヨタ生産方式とは「理想の姿」を 徹底的に追求していく活動です 第一段階・・・トヨタ方式の理解と改善力の養成をはか ります 第二段階・・・自社の「理想の姿」とは何かを考え、構 築します 第三段階・・・「理想の姿」を求めて徹底的な改善を進 めます 第四段階・・・「理想の姿」の完成度を高めるために、 さらなる飽くなき挑戦をし続けましょう

ものづくりの単なる手段や手法ではありません

      トヨタ生産方式は人間の知識をベースとした経 営哲学であり、 ものの見方や考え方を根元から変えて取り組ま ないと効果は期待できません。 トヨタ生産方式の導入に当たってはトップの“本 気”が絶対条件です。 部下に丸投げして知らん顔をしているようでは 失敗は目に見えています。 トヨタ生産方式 = トップの改革にかける熱意

トヨタ生産方式を成功させるには

1.

トップがその気になる

 トップが導入の強い意思を示すこと トップダウンで進めましょう トップ方針を出しましょう  トップは体制作りをして、バックアップをすること 指導者の受け入れをはかります 推進体制をつくりましょう  トップは途中で迷わないこと ちょっと違うのではないかと思っても、元に戻してはいけま せん

2.

全社活動に位置づける

 単なる現場の改善活動とは違います  ましてや現場の自主活動ではありません  全社的な改革運動だという位置づけにしましょう  選任の推進組織を編成します  選任の改善担当者を任命します  トップ直属とすることです  予算の配慮もしましょう

3.

毎日、実践・改善し続ける

 改善実施者は、知識や技術を身に付けることも もちろん必要ですが、まずは実行あるのみです  ねらったことは、必ずものにするまでやりましょう  毎日、報告会、反省会、作戦会議などを開催し てください  半期、または一年ごとに、成果または結果発表 会を行いましょう

トヨタ式のキーワード

 動きと働き  ジャスト・イン・タイム  自働化  少人化  多能工  かんばん方式

動きと働き

現場の作業 作業 正味作業 付加価値 を生み出す 付随作業 ムダ 原価だけを 高める要素 この比率の 向上が理想 ムダではあるが 必要なものも多い トヨタ式で「動きを働きにする」というのは、どんなに忙しく働いたとしても 正味作業以外は、単なる「動き」であり 「動き」からいかに「働き」に変えていくかが重要であるという意味

ジャスト・イン・タイム・自働化

必要なものを 必要なときに 必要なだけ 目で見 る管理 自動化 異常で止ま る 異常が判る 平準化が必要 ムダがなくなり 生産が向上 イ ン ・ タ イ ム ジ ャ ス ト ・ 自 働 化 た ニ ン ベ ン が つ い

人間の知恵

作業者自身の判 断で機械を止め、 問題の真因追及 品質は工程で つくりこむ

少人化・多能工

省人化・・・従来

10

人でやる仕事を

8

人でやるようにして、人間 を

2

人省くこと 小人化・・・生産量に応じて

5

人でも

3

人でもやれるようにするこ と 単能工・・・一人の作業者が一つの 仕事しかできないこと 多能工・・・それぞれの作業者が、 いくつもの工程の仕事を行 える 一人の人間がいくつもの仕 事、分野を担当できるという こと 多能工が欠かせない 星取表などのツール

かんばん方式

⑤ 生産指示 かんばん ポスト かんばん受付 生産 指示 生産 指示 生産 指示 ⑥ 前工程 生産 かんばんの動き パレットおよび物の動き パレット 製品 引取 ④ 目で見る管理 情報伝達と物の流れの同期化 ⑤ 引取 後工程 ③ 引取 ② ① 引取 引取 かんばん ポスト 生産

見える・わかる・明らかにする

3

つの視点で理解する「視える化」

1.

見えないモノを視えるようにする → 問題の早期発見と解決 2.

仕事や会社の仕組みを誰にでもわかるようにする → 情報公開とカイゼン活発化 3.

問題やトラブルを隠さずにはっきり見せる → 問題の顕在化と再発防止

トヨタ式の

5

つのルール

毎日のカイゼンを 進めていくために 1.

成功は次の成功のための出発点と考える 2.

「これでいい」という言葉はない 3.

カイゼン・ムダ取りを永遠の課題とする 4.

昨日と同じ成功は、もう成功といえない 5.

成功したときこそ反省を開始する

ムダの悪循環

「ムダ」はどこまでも連結して 最終的にはとてつもない「ムダ」に膨張します これを避けるためにも、 日常からどんな小さなムダも見逃すことなく、 徹底的な「ムダ取り」を追求するのが トヨタ式なのです

     ライバルとの競争も大事です しかし、本当に大事なのは自分自身との競争です 目先のことにとらわれないためには、 自分が目指す目標を具体的にイメージすることです 「いつまでに」「どうなりたい」「なにをする」 どんなときもカイゼンを続けていく まさにそれは トヨタが世界の超優良企業に上り詰めた 方法論なのです

時代の変化は仕事観にも大きく影響します

前時代的な 仕事への考え方 トヨタ式の 仕事への考え方 ①与えられるもの (マイナス思考) ②評論家的 ③頭で覚えようとして忘れがち 机の上の空論に陥りやすい 会議が多い ④モノの質こそ品質 ①自ら楽しく取り組むもの ②自主的 ③体で覚えようと実践する 現場での知識に基づく 会議は少ない ④人間の質こそ品質をつくる

トヨタ式は人間自体も変えます

当たり前の毎日を 過ごしている人 自分の毎日が トヨタ式になった人      物事は全体で考える 知恵を出すより知識が大事 デスクは書類で山積み 体力に自信がない 腰が重い      物事は分類して考える 知識やお金より知恵が大事 機能的なデスクが特徴 旺盛なフットワーク 体力に自身あり