発達障がい者への支援

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Transcript 発達障がい者への支援

発達障がい者への支援
―社会性指導とその応用―
2010年1月27日(水)
三重県津市
小栗正幸(特別支援教育ネット代表)
支援・指導上の留意点①
• 当事者にとって自然な場所での支援
– 自然な場所
• 職場・学校での教室・廊下・運動場・体育館など
– 特別な場所
• カウンセリングルームなど
• 集団の中での支援
– 治療の方法論と支援の方法論
• 一対一の人間関係と社会性(フロイト先生の憂うつ)
– トラブルを避ける方法の学習→トラブルが減る
• 不適切な行動を助長している刺激を取り除く
– 社会性を育てる練習(SST)
• ロールプレイとスモールステップの留意点
支援・指導上の留意点②
• 行動のパターン化(不登校による例示)
– 勉強→「勉強しない・勉強できない」ことに決めた
• 全教科・特定教科がだめ・特定教科はできる
– 対人関係→「うまくいかない」ことに決めた
• 学級全員とだめ・あの子がいるからだめ
– 不登校→「登校しない・できない」ことに決めた
• 教室には入らない・特定教科がダメ・保健室なら行く
• 行動のパターン化のメカニズム
– 現在の状況や観念にこだわる
– 過去の事象や観念にこだわる
支援・指導上の留意点③
• パターン化した行動への対処法
– 当事者の言葉を真正面から受け止めない
• 受容・反論・励まし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・×
• 過去や現状への振り返り・・・・・・・・・・・・・×
– 折り合いを付けられる場所への状況操作
• 状況操作の手順①
– 視点は未来へ(現在・過去×)
• 中学生→進路をどうするか(高校選びなど)
• 高校生→進路をどうするか(進学か就職か)
• ひきこもり青年→どうしたいのか
– そのためにいま必要になるのは何か
支援・指導上の留意点④
• 状況操作の手順②
– 肯定的フィードバック
• 何も考えていない→迷うことは素晴らしい
• 何もしてほしくない→慎重さは素晴らしい
• 状況操作の手順③
– 当事者のこだわり領域の活用
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(事例)勉強を一切拒否する不登校生徒
特定領域への関心の検索
特定領域を用いた状況操作
進路指導の導入
• ケロリとすることの意味
保護者支援で心がけていること
• 保護者の正当性
– 保護者が攻撃的になるとき
– 学校の教師に教えてあげたいこと
• 保護者支援の留意点
– 愛情という呪縛
• 子どもを虐待する母親の本質にあるもの
• 子どもに愛情を感じられないと訴える母親
– 学校の先生対応マニュアル
– 子ども支援と保護者支援のチャーミングな関係
まとめ
• 効果のある支援とは
– 死人のテストに合格していないか
• 死人にでもできることは指導の標的にしない
• 学習性無気力(無力感)への対応
– 注意欠陥多動性障害のある人
• みんなでできた感動 自分が評価された感動
– 広汎性発達障害のある人
• すごい人と出会った感動 哲学的な感動
• 究極の支援(動機付け)
引用文献・参考文献
• ジェームズ・K・ルイセリー他編(園山繁樹他訳)、挑
戦的行動の先行子操作、二瓶社、2001
• レイモンド・G・ミルテンバーガー著(園山繁樹他訳)、
行動変容法入門、二瓶社、2006
• ユーナス・ランメロ他著(松見淳子監修・武藤崇他訳)、
臨床行動分析のABC、日本評論社、2009
• 小栗正幸(分担執筆)、少年非行と二次障害、学研の
フューマンケアブックス、齊藤万比古編著、発達障害
が引き起こす二次障害へのケアとサポート、
132-149、学研、2009
• 小栗正幸、発達障害児の思春期と二次障害予防の
シナリオ、ぎょうせい、2010年2月発刊予定
おしまい