改正薬事法及び血液法をご存じですか。

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Transcript 改正薬事法及び血液法をご存じですか。

~本年7月30日より
新しい薬事法・血液法が施行されます~
厚生労働省
1
薬事法と医療機関
• 薬事法は、「有効」で「安全」な「高品質」の医薬
品・医療機器などを「正しく」使っていただくため、
企業が行う製造・販売や医療機関における業務
等に関して必要な安全対策を行うための法律で
す。
医療機関の業務との関連では、例えば、
①医薬品等の取り扱い
②添付文書の記載内容
③治験の実施
などが薬事法には定められています。
2
薬事法と血液法の関係
• 今回の法改正では、薬事法と併せて採血及び供血あつせん業
取締法が改正され、安全な血液製剤の安定供給の確保等に
関する法律(血液法)となりました。
• 生物由来製品のうち血液製剤については、それぞれ安全対策
については薬事法、安定供給と適正使用については血液法に
基づいて、施策が講じられることになります。
血液製剤
薬
事
法
生物由来製品として
の安全性向上
国内自給原則、安定
供給確保
市販後対策の充実
強化
適正使用の推進
血
液
法
3
平成14年薬事法改正の骨子
薬事法は、国際的な整合性や、科学技術の進展、企業行動の
多様化等、社会情勢の変化を踏まえて、適宜見直しが必要。
平成6年改正 医療機器の特質に応じた安全性確保
平成8年改正 医薬品の治験から承認審査、
市販後までに至る安全性確保
–今回の改正は「 21世紀=ライフサイエンスの世紀」の
ニーズに合わせた薬事制度の見直し
• バイオ・ゲノムの技術の進展と応用
• 産業活動等のグローバル化と国際的な整合性
平成14年7月31日公布。
平成15年から平成17年にかけて段階的に施行
平成15年分 7月30日施行
4
薬事制度見直しの理念
1.医療機器の安全対策の抜本的見直し
– 医薬品以上に多様な技術・素材が用いられる医療機器の特性に対応
2.生物由来製品の安全確保対策の充実
本年
– 生物由来製品の安全確保に向けての法的整備
施行
3.市販後安全対策の充実と承認・許可制度の見直し
– 企業の安全対策責任の明確化
– 国際整合性を踏まえた製造承認制度の見直し
平成15年7月30日から
改正薬事法に基づく新たな医療機関の取組とは?
1.医療関係者による、生物由来製品の安全性確保
2.医療機関が、医薬品の副作用、医療機器の不具合やこれ
らによる感染症などについて厚生労働省に報告
3.医療機関が主体となって実施する治験
5
医療機関と改正薬事法
ポイント1
生物由来製品の安全確保
6
生物由来製品・特定生物由来製品の概念図
今回の薬事法の改正では、「生物由来製
品」 「特定生物由来製品」という概念を新しく
定義し、その特性に応じて安全対策を行うこ
とになりました。
医薬品
医療機器
生物由来製品
主に動物に由
来する原料又
は材料を用い
た製品
特定生物
由来製品
医薬部外品
化粧品
主に人の血液や
組織に由来する原
料又は材料を用い
た 製品
7
生物由来製品の特性に応じた安全対策の充実
生物由来製品とは
○人その他の生物(植物を除く。)の細胞、組織等
に由来する原料又は材料を用いた製品のうち、
保健衛生上特別の注意を要するもの
(例) 血液製剤、ワクチン、細胞培養/遺伝子組換え
製剤、細胞組織医療機器等
○主な特徴
1. 未知の感染性因子を含有している可能性が否
定できない場合がある。
2. 不特定多数の人や動物から採取されている場
合、感染因子混入のリスクが高い。
3. 感染因子の不活化処理等に限界がある場合が
ある。
8
特定生物由来製品に係る安全確保対策の概要
情報の評価と改善措置
回収による感染拡大の防止
製造工程
生物由来とい
う特性を踏ま
えた「上乗せ」
部分
一般の医薬
品・医療機器
対策
市販段階
・適切な表示
ドナーの選択基
準など原材料の
安全性確保
GMP
使用段階
・情報提供
・適正使用
・ドナー、使用者の追
跡 ・感染症定期報告
◎患者への説明
◎使用記録の保管
◎感染症情報の提供
GPMSP等
○原材料の受入検査
○製造設備要件
GMP:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理規則等
GPMSP:医薬品の市販後調査の基準に関する省令
製造業者、販売業者
医療機関
薬局
9
生物由来製品・特定生物由来製品の定義
生物由来製品に関する規定は平成15年7月30日から施行されます。
• 改正薬事法第2条第5項
生物由来製品とは、人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料
として製造(小分けを含む。以下同じ。)をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医
療用具のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食
品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。
• 改正薬事法第2条第6項
特定生物由来製品とは、生物由来製品のうち、販売し、賃貸し、又は授与した後にお
いて当該生物由来製品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための
措置を講ずることが必要なものであつて、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の
意見を聴いて指定するものをいう。
○生物由来製品・特定生物由来製品は、製品の感染症
の伝播のリスクに応じて指定されます。
生物由来製品は、ワクチン、遺伝子組換え製品、動物成分抽出医薬品などが、
特定生物由来製品は、主として凝固因子製剤のような血液製剤が対象です。
10
生物由来製品には…
例えば
・ワクチン、トキソイド
・遺伝子組換え製剤
・動物成分抽出製剤
・動物由来心臓弁
医療機関・薬局
においては
等があります。
製品に由来すると疑われる感染症等が
発生した場合には厚生労働省への報
告が必要です。
11
特定生物由来製品には…
例えば
・輸血用血液製剤
血液凝固因子
人血清アルブミン
人免疫グロブリン
などの血液製剤
・人胎盤抽出物
医療機関・薬局
においては
等があります。
①患者への適切な説明
②使用記録の作成、保管
③感染症等情報の報告 が必要です。12
特定生物由来製品について
医療機関・薬局が行うことは?①
感染症に関する使用時の安全確保のため、以下の取組みをより入念に行っ
て頂くことになります。
薬事法第68条の7 (使用における説明と理解)
特定生物由来製品を使用する際には、製品のリス
クとベネフィットについて患者(又はその家族)に説
明を行い、理解を得るようにして下さい。
13
特定生物由来製品について
医療機関・薬局が行うことは?②
万が一、感染症が発生した場合、使用対象となった患者の特定を容易に行うため、
特定生物由来製品を使用した患者の記録を作成し保管することとなりました。
薬事法第68条の9 (記録の作成、保
管)
※ 現在、ガイドラインで示している血液製剤の管理簿(現行保存期間10
年)が法制化され、記録の保存期間が20年になります。
特定生物由来製品を使用した場合の情報を記録し、
医療機関で使用日から少なくとも20年間保管します。
具体的には、管理簿等を作成す
ることとなります。製薬企業等か
ら提供される製品のシール等が
活用できます。
○○○○注射液100
製造番号
100I.U./0.5mL
MHLW07
記録する情報:
製品名、
製造番号(製造記号)、
患者の方の氏名、住所、
投与日
14
患者情報記録のための管理簿の一例
製品名:○○○○注射液100
製 造 番 号 投与(調剤)日
M H L W 07
H 15.7.30
投与量
100I.U .
患者氏名
厚労 太郎
住 所
東京都千代田区霞が関1-2-2
製 造 番 号 投与(調剤)日
投与量
患者氏名
住 所
製 造 番 号 投与(調剤)日
投与量
患者氏名
住 所
投与量
患者氏名
記録する情報:
住 所
製 造 番 号 投与(調剤)日
製品名
製品番号(製造記号)
患者の方の氏名、住所
投与日
15
生物由来製品には
次のようなラベル表示がされています
・直接の容器包装に白地、黒枠、枠囲い黒字をもって
「生物」と表示されています。
・製造番号・記号も合わせて表示されています。
生物由来製品(例)
生
物
生物
「生物」の表示
生物
生
物
MHLW07
MHLW07
製造番号・記号
16
特定生物由来製品には
次のようなラベル表示がされています
・直接の容器包装に白地、黒枠、枠囲い黒字をもって
「特生物」と表示されています。
・製造番号・記号も合わせて表示されています。
特定生物由来製品(例)
特生物
特
生
物
特生物
「特生物」の表示
さらに、血液製剤と、血液製剤と代替
性のある遺伝子組換え製剤には、
・原料となる血液の採血国
・「献血」又は「非献血」の区別
が表示されます。これは、当該製品を
お使いになる患者の方の選択に資す
るためのものであることに御留意下さ
い。
MHLW07
献 血
採血国:日本
MHLW07
献 血
採血国:日本
製造番号・記号
17
医療機関と改正薬事法
ポイント2
医療機関からの副作用等報告制度
18
医療機関からの副作用等報告制度とは
従来
医療機関
薬局
厚生労働省
製造業者等
医療機関から厚生労働省へ
の直接の副作用等報告につ
いては、これまで運用上の制
度により行われておりました。
•
新制度
法制
化
医療機関
薬局
厚生労働省
製造業者等
制度の定着を踏まえ、今回、
医療機関からの直接の副作
用等報告について法制化さ
れました。
改正薬事法第77条の4の2 第2項
薬局開設者、病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者又は医師、歯科医師、薬剤師、獣
医師その他の医薬関係者は、医薬品又は医療用具について、当該品目の副作用その他の事由
によるものと疑われる疾病、障害若しくは死亡の発生又は当該品目の使用によるものと疑われる
感染症の発生に関する事項を知つた場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止す
るため必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。
19
企業や医療機関からの報告件数の推移
医薬品の副作用
10000
9000
22451
8000
7000
6000
5000
4000
3000
4094
2000
1000
0
166
度
13
年
度
12
年
度
11
年
度
119
2
年
度
13
年
度
12
年
度
年
11
10
年
度
9年
8年
度
0
度
1914
10
5000
度
10000
度
16831
15000
8年
20000
8608
9年
25000
医療機器の不具合
企業からの報告
医療機関からの報告
20
医療機関からの副作用等報告制度の概要
医療機関で得られた医薬品・医療機器の使用による副作用、感染症、不具
合等の情報を適正使用に生かし、速やかな安全対策を行うための制度です。
必要に応じ、確認の依頼
企業
必要に応じ、調査の指示
厚生労働省
医療機関
薬局
医薬品、医療機器との関連が疑
われる副作用、不具合、感染症、
などであって生命に重篤な影響
があると思われる場合
厚生労働省にご報告
を!
医療機関 薬局
有効な安全対策を企画・立
案し、医療機関や企業に
フィードバックしています。
21
例えば、こんな時には
厚生労働省までご報告を!①
医薬品の使用により
○死亡、障害、治療のための入院又はその延長が
起 こったとき
○使用対象者の子に先天異常が認められたとき
○感染症が起こったとき
○添付文書に記載されていない事象が起こったとき
など
~ご協力をお願いします~
引き続き、製薬企業等が収集する副作用等の情報収集活動にもご協力をお
願いします。
22
例えば、こんな時には
厚生労働省までご報告を!②
医療機器の不具合により
○死亡、障害、治療のための入院又はその延長が
起こったとき、又はそのおそれがあるとき
○感染症が起こったとき
○添付文書に記載されていない事象が起こったとき
など
~ご協力をお願いします~
引き続き、医療機器企業等が収集する不具合等の情報収集活動にもご協力
をお願いします。
23
副作用等報告様式
医療機器安全性情報報告書
○当該報告制度は、医療機器の不具合(欠陥・故障等)の発生又は医療機器に起因して患者等に健康被害が生じた際に
ご報告いただくもので、医療機器との因果関係が必ずしも明確でないものであってもご報告ください(平成15年7
月30日より、保健衛生上の危害発生の防止等のために必要があると認めた場合に、厚生労働省へ報告しなければな
)
らないこととされました。
。厚生労働省では同種の報告が集積されることにより、より迅速な安全対策が講じられ
ることになります。(□医療用医薬品 □大衆薬 □医薬部外品 □化粧品)
○当該報告制度は、医薬品による副作用等が発生した際にご報告いただくもので、医薬品との因果関係が必ずしも明確
○報告された情報については、必要に応じて、厚生労働省から当該製品を供給する製造業者等へ情報提供させていただ
でないものであってもご報告ください(平成15年度薬事法の改正で、保健衛生上の危害発生の防止等のために必要
きます。また、当該情報については、安全対策の強化のため、報告書の出所や患者のプライバシーに関する部分を除
。
)
があると認めた場合に、厚生労働省へ報告しなければならないこととされました
。厚生労働省では同種の報告が
き、公開させていただくことがあります。
集積されることにより、より迅速な安全対策が講じられることになります。
患者略名
妊娠:無・有(妊娠
週)
・不明
○報告された情報については、必要に応じて、厚生労働省から当該製品を供給する製造業者等へ情報提供させていただ
不具合・健康被害発現年齢
歳 体重
kg
きます。また、当該情報については、安全対策の強化のため、報告書の出所や患者のプライバシーに関する部分を除
その他特記すべき事項
き、公開させていただくことがあります。
男・女
○なお、医薬部外品、化粧品による疑いのある健康被害についても本報告用紙によりご報告ください。
医薬品安全性情報報告書
。
)
患者略名○不具合・健康被害の原因と考えられる医療機器(特定できない場合は複数記載して頂いて結構です
身長
cm
妊娠:無・有(妊娠
週)
・不明
副作用発現年齢
歳
体重
kg
製品名
その他特記すべき事項
(種類
)
男・女
・飲酒
1日量
製造業者名
(具体的に
)
・喫煙
販売業者名
○現在治療中の病名
○主な既往歴:無・有・不明
1
(有りの場合、□に  )
承認番号・ロット番号
□アレルギー性疾患
・製造番号等
2
□肝機能障害
□腎機能障害
○不具合・健康被害の状況
3
□その他(
医療機器の不具合 (□無し
□有り(内容:
患者等の健康被害 (□無し
○副作用等の症状・異常所見
1
2
3
○副作用歴等:無・有・不明
(有りの場合)
JANコード
医薬品等:
)
副作用等:
)
)
□有り(内容:
(発現日:
(発現日:
(発現日:
)
)
年
年
年
月
月
月
日)
日)
日)
24
医療機関と改正薬事法
ポイント3
医師主導の治験制度
25
医療機関・医師主導の治験について
・これまでは、企業が依頼した治験においてのみ、企業が未
承認薬物を医療機関に提供することが認められており、企業
が依頼した治験以外で、医療機関が未承認薬物を企業から
提供をうけることは薬事法上認められていませんでした。
今回の薬事法改正により、医療機関・医師が主体となって行
う治験ができるようになります。
これにより以下のような臨床試験が可能となります。
・未承認薬物の提供を受けて行う臨床試験
・未承認薬物を外部に製造委託し、行う臨床試験 など
26
医療機関・医師主導の治験を行うに当たって
前提として、本制度は医薬品の承認申請の資料
とする目的で行うものであることにご留意下さい。
治験の実施には、治験責任医師が、いままでの治験の
実施と同様に、
①治験計画を作成し、
②院内の治験審査委員会に諮り、
③治験届を提出し、
④被験者の安全性及びデータの信頼性の確保のため、
「医薬品の臨床試験の実施の基準」を遵守しなければな
りません。
27
医療機関・医師主導の治験を行う場合の手続き
は?
治験計画届出:医師・医療機関が主体となって治験を行うときに
は、必ず、治験責任医師から「治験計画届出」を提出してくださ
い。
・薬事法第80条の2 第2項
治験(厚生労働省令で定める薬物を対象とするものに限る。以下この項において同じ。)の
依頼をしようとする者又は自ら治験を実施しようとする者は、あらかじめ、厚生労働省令で定
めるところにより、厚生労働大臣に治験の計画を届け出なければならない。ただし、当該治
験の対象とされる薬物を使用することが緊急やむを得ない場合として厚生労働省令で定め
る場合には、当該治験を開始した日から三十日以内に、厚生労働省令で定めるところにより、
厚生労働大臣に治験の計画を届け出たときは、この限りではない。
提出先: 医薬品医療機器審査セン
※ター
治験計画届出の提出後30日は、治験届出調査を行うため、治験を
実施することはできません。また、届出には、被験薬の安全性等に関す
る資料の提出が求められます。
28
血液法
ポイント4
新しい血液事業の構築
29
血液製剤とは…
•人血液を分離し、若しくは人血液中の血漿たん白を分画精製して製造した医薬品です。
•人血液を主成分とした、感染症のリスクの高い医薬品については、特定生物由来製品
に指定されています。
血漿分画製剤
人血液
血漿
血球
分画
分離
輸血用血液製剤
30
血液製剤の国内自給の歩み
•血液製剤は、倫理的観点及び国際的公平性の観点から、国内の医療に必要な量の製
剤を国内の献血でまかなうこと(=国内自給)が望ましいとされています。
•しかし、国内自給を目指した取組をしておりますが、依然として海外に依存する製剤が
あります。
昭和39年 ライシャワー事件
昭和49年 すべての輸血用血液
※売血由来保存 血液による輸血後肝炎感染。
製剤が献血由来に切り替わり。
昭和39年 「献血の推進について」閣議
決定
1980年代 HIV感染問題
※輸入血漿を原料とする非加熱血液凝固因
子製剤による血友 病患者等のHIV感染。
昭和63年 血液凝固因子製剤の国内
自給に係る国会決議
平成6年 人血液凝固第Ⅷ因子製剤
の国内自給達成。
遺伝子組換
え 製剤を除く。
自給率
自給率
83.3%
36.4%
(平成14年)
免疫グロブリン製剤
アルブミン製剤
(平成14年)
31
従来の法律(採供法)の概要
• 血液製剤は人の血液を原料とする医薬品であることから、原
料の採取段階である採血について「採血及び供血あつせん
業取締法」(採供法)を適用し、特別の規制をかけていました。
<採供法の内容>
① 採血業は大臣の許可制
② 供血者の保護のための採血基準
採供法を改正し、血液事業の新たな枠組みとして、
「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法
律」(血液法)が制定されました。(平成14年7月公
布)
32
新しい血液法の概要
法律の目的を拡大
血液事業の運営指針となる
基本理念を設定
①血液製剤の
血液製剤の
安全性の向上
・安全性の向上
・安定供給の確保
②献血による
・適正使用の推進
国内自給の原則、
安定供給の確保
国民の
③適正使用の推進
保健衛生の向上
④血液事業運営に
係る公正の確保と
透明性の向上
血液事業に携わる
関係者の責務を明確化
基本理念にのっとり、
【国】 安全性向上・安定供給確保
に関する基本的・総合的施策の策
定・実施
【地方公共団体】 献血に関する住
民の理解、献血受入を円滑にする
ための措置
【採血事業者】 献血受入の推進、
安全性向上・安定供給確保への協
力、献血者等の保護
【製造・輸入業者等】 安全な血液
製剤の安定的・適切な供給、安全
性向上のための技術開発と情報収
集・提供
【医療関係者】 適正な使用、安全
性に関する情報収集・提供
33
血液法における医療関係者の責務とは
•血液法では、医療関係者の責務を以下のとおり定めています。
• 血液法第8条(医療関係者の責務)
医師その他の医療関係者は、基本理念にのつとり、血液製剤の適正
な使用に努めるとともに、血液製剤の安全性に関する情報の収集及び
提供に努めなければならない。
• 血液法第9条(基本方針)
厚生労働大臣は、血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図
るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。(抄)
六 血液製剤の安全性の向上に関する事項
七 血液製剤の適正な使用に関する事項
•基本方針では、医療関係者の責務とされた安全性の向上や適正使
用の取組について、その基本的な方向を明らかにしています。
•基本方針は、平成15年7月に、血液法と同時に施行されます。
34
血液製剤について
医療関係者が行うことは?①
特定生物由来製品である血液製剤の感染症に関する使用時の安全確
保と適正使用を推進するため、以下の取組をより入念に行って頂くこと
になります。
血液製剤を使用する際には、製品のリスクとベネ
フィットについて患者(又はその家族)に説明を行い、
理解を得るようにして下さい。
※血液製剤と代替性のある遺伝子組換え製剤(遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製
剤と遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤)については、血液製剤と同様に取
り扱ってください。
35
血液製剤について
医療関係者が行うことは?②
感染症に関する使用時の安全確保、万が一、感染症が発生した場合
の遡及調査を容易に行うため、以下の取組を行ってください。
※ 現在、通知で定めている血液製剤の管理簿が法制化されました。
血液製剤を使用した場合、情報を記録し、医療機
関で使用日から少なくとも20年間保管します。
※血液製剤と代替性のある遺伝子組換え製剤(遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製
剤と遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤)については、血液製剤と同様に取
り扱ってください。
具体的には、管理簿等を作成す
ることとなります。製薬企業等か
ら提供される製品のシール等が
活用できます。
○○○○注射液100
製造番号
100I.U./0.5mL
MHLW07
記録する情報:
製品名、
製品番号(製造記号)、
患者の方の氏名、住所、
投与日
36
患者情報記録のための管理簿の一例
製品名:○○○○注射液100
製 造 番 号 投与(調剤)日
M H L W 07
H 15.7.30
投与量
100I.U .
患者氏名
厚労 太郎
住 所
東京都千代田区霞が関1-2-2
製 造 番 号 投与(調剤)日
投与量
患者氏名
住 所
製 造 番 号 投与(調剤)日
投与量
患者氏名
住 所
投与量
患者氏名
記録する情報:
住 所
製 造 番 号 投与(調剤)日
製品名
製品番号(製造記号)
患者の方の氏名、住所
投与日
37
血液製剤の適正使用について(①)
<現状分析>
国内自給率の低いアルブミン製剤の
使用量は、適正使用指針及び実施指針
の普及により、減少傾向にあります。
しかし、国際的に使用量は多く、地
域間格差もあることから、さらなる
適正化が可能と見込まれます。
アルブミン製剤使用量の国際比較
(100万人あたり使用量)
(Kg)
国内におけるアルブミン製剤の使用量の推移
(原料血漿換算量)
(万L)
900
800
400
808.6
700
384.36
600
360
479.8(日本)
500
400
320
300.38
280
209.7(ドイツ)
200
252.79
266.02
300.9(米国)
300
158.8(フランス)
77.2(英国)
100
265.57
240
0
S60
200
160
S62
日本
205.09
H2
米国
H5
ドイツ
H8
フランス
H11
英国
※血液製剤調査機構のデータをもとに厚生労働省作成
都道府県別アルブミン製剤使用量
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12
※血液製剤調査機構のデータをもとに厚生労働省作成
(1,000病床当たり)(平成14年度)
最多 66.3Kg
全国平均 38.3Kg
最少 15.3Kg
38
血液製剤の適正使用について(②)
<適正使用の推進>
-基本方針(案)より-
•適正使用指針及び実施指針の一層の普及に御協力をお願いします。
•血液製剤の適正使用を進めるための院内体制の整備をお願いします。
•厚生労働省は、血液製剤の使用状況を定期的に評価するなど、適正使用
のためのよりよい方法を検討し、その普及に努めます。
医療機関
輸血療法委員会
適正な輸血療法の検討
指針等の改
訂と普及
責任医師の配置
輸血部門
適正な血液製剤の管理
使用状況等
厚生労働省
薬事・食品衛生審議会
血液事業部会
適正使用調査会
適正使用のための
・ 使用状況の評価
・ よりよい方法の検討
血液製剤使用部門
39
その他:血液製剤の表示について(①)
血液製剤と、血液製剤と代替性のある遺伝子組換え製剤(人血液を使
用しているもの)には、以下の事項が表示されます。
・原料となる血液の採血国
・原料となる血液の採取方法として「献血」又は「非献血」のいずれか
これは、当該製剤をお使いになる患者又はその家族の選択の機会を
確保するためのものです。
表示例
※ 現在(平成15年4月)、
国内に流通している血液製
剤の採血国は、
日本、アメリカ、ドイツ、オー
ストリア、スウェーデンです。
MHLW07
献 血
採血国:日本
MHLW07
献 血
採血国:日本
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その他:血液製剤の表示について(②)
<「献血」・「非献血」の区別>
「献血」とは、「自発的な無償供血」を意味します。
自発的な無償供血とは、供血者が血液、血漿、その他の血液成分を自らの意思で提
供し、かつそれに対して、金銭または金銭の代替と見なされる物の支払いを受けないこ
とをいう。この支払いには休暇も含まれるが、供血及び移動のために合理的に必要とさ
れる休暇は含まれない。少額の物品、軽い飲食物や交通に要した実費の支払いは、自
発的な無償供血と矛盾しない。(1991年国際赤十字・赤新月社決議)
採血国の政府が いる その定義が1991 同じ趣旨
「自発的な無償供
年国際赤十字・赤
血」の定義を有し
新月社決議と同じ
ているか
趣旨か
いない
異なる
当該国の「自発的な
無償供血」の定義に
そって採血されたこと
が確認できるか
確認できない
確認できる
「非献血」の表示
「献血」の表示
※採血方法を示すものであり、安全性の優劣を示すものではありません。
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より安心のできる医療の提供に向けて
• このように、新しい薬事法及び血液法では、医薬品や医療機
器を使用する医療関係者に新たな取組を課すこととなりました。
• これらの取組が実施され、より安心のできる医療が提供される
よう、厚生労働省としても積極的に情報提供及び指導を行っ
てまいりますので、御協力をお願いします。
国内におけるアルブミン製剤の使用量の推移
(原料血漿換算量)
(万L)
400
384.36
360
320
300.38
280
252.79
266.02
265.57
240
200
160
205.09
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12
※血液製剤調査機構のデータをもとに厚生労働省作成
患者等への説明
適正な使用
MHLW07
献 血
採血国:日本
表示事項の把握
記録の作成・保存
副作用等報告
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