防災訓練の必要性

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Transcript 防災訓練の必要性

日本における図上訓練の
実態と問題
独立行政法人 消防研究所
防災研究グループ 胡 哲新
目次

防災訓練の必要性

防災訓練の種類と特徴

現状の図上訓練における問題

問題点に向けての取り組み

今後の課題
防災訓練の必要性
‧‧‧災害は忘れた頃にやってくる‧‧‧
有備無患
(備えあれば憂いなし)
危機が生じた場合に、特に問題になると思われるもの:
0
10
20
30
40
50
6.3
臨時的な対応組織の形成が遅い
8.1
対応方針等の意思決定の所在が不明確
51.6
職員への初動の手順の周知不徹底
35.8
職員の専門的知識の不足
16.4
組織内の情報収集・分析体制が未確立
都道府県・国との連携体制が不十分
1.8
警察などとの連携・協力体制が不十分
1.2
事態処理に適切な権限がない等法令上の問題
4.2
市民への情報提供体制が未確立
マスコミへの対応体制等が不十分
他自治体との広域的な連携・協力が不十分
29.6
4.2
5.4
市民・事業者等との連携・協力体制が未確立
15.8
ボランティア・N P O 等との連携・協力体制が未確立
19.7
避難所の配置や施設・備蓄等の問題
28.7
財政的問題により危機管理対策の優先順位が低い
その他の危機的状況
60
26
4.2
*明治大学危機管理研究センター: 行政の危機管理現状の関する調査報告 2005年6月 (全国計487自治体を対象とした)
防災訓練の種類と特徴
実働訓練
機能別訓練
総合訓練
図上訓練
救助、医療等の 意思決定や状況
実行動を行うた 判断を実践的に
めに必要な時間、
物資及び行動要 実施できる
領を把握できる
防災訓練の種類と特徴
実働訓練
機能別訓練
総合訓練
図上訓練
救助、医療等の 意思決定や状況
実行動を行うた 判断を実践的に
めに必要な時間、
物資及び行動要 実施できる
領を把握できる
防災訓練の種類と特徴
実働訓練
機能別訓練
総合訓練
図上訓練
救助、医療等の 意思決定や状況
実行動を行うた 判断を実践的に
めに必要な時間、
物資及び行動要 実施できる
領を把握できる
図上訓練の手法
 状況予測型:Image training
 DIG:Disaster Imagination Game
 図上シミュレーション:Role Playing
災害図上訓練 DIG
特徴:

地図により災害状況の可視化

まちを知る、災害を知る、対策を考える→ 気づく

面白い、楽しい防災訓練
図上シミュレーション訓練
特徴:

地図だけでなく、臨場感重視

意思決定や状況判断能力の検証

緊迫感のある訓練
防災訓練に期待されるもの:
実効性

防災意識の普及と啓発

防災計画、災害対応体制等の修正

応急対応活動における技能の向上

・・・
普及性
現状の図上訓練における問題:
実効性

防災意識の普及と啓発

計画、体制等の修正

応急対応技能の向上
災害時に近い状況設定の
限界があり
教育・訓練効果を図りにく
い
訓練結果が防災計画等の
改訂に生かされず
現状の図上訓練における問題:
普及性
定期的に実施,
9 .6 0 %
訓練する余裕を取れない
図上訓練の具体的ノウハ
ウがない
実施を検討中,
2 0 .3 0 %
不定期に実施,
1 9 .5 0 %
実施していない,
5 0 .6 0 %
*明治大学危機管理研究センター: 行政の危機管理現状の関する調査報告 2005年6月 (全国計487自治体を対象とした)
問題点に向けての今現在の取り組み
限りなく実災害に近い状況設定
しかし、身体・心理状態など人に起因する要素の模擬が難しい
問題点に向けての今現在の取り組み
教育・訓練効果を測る
手段が進歩しているが、評価基準、方法が確立されておらず
問題点に向けての今現在の取り組み
訓練結果が防災計画等の改訂に生かすため
地域防災計画、防水計画を除き、災害時の行動や手続き等を示すマ
ニュアルを作成していますか?
初動も含め、全般的
なマニュアルがある,
22.00%
マニュアルはない,
52.40%
初動マニュアルのみ
がある, 25.60%
*明治大学危機管理研究センター: 行政の危機管理現状の関する調査報告 2006年6月 (全国計487自治体を対象とした)
問題点に向けての今現在の取り組み
訓練結果が防災計画等の改訂に生かすため
災害対応課題の全般に視点を置き、段階的・連動的に実施していく
防災力向上の
客観的評価
訓練後
訓練の計画
訓練前
訓練開始
1 .オリ エ ン テ ー
ショ ン
2 .図上訓練
4 .総合訓練
3 .実働訓練
問題点に向けての今現在の取り組み
普及させていくために
市町村防災図上訓練推進モデル事業(2006年4月から5年度間)
事業主体
(財)消防科学総合センター+実施市町村
総務省消防庁
事業内容
市町村長を中心とした図上シミュレーション訓練
住民参加のDIG
実施方法
選定したモデル市町村に、(財)消防科学総合センターから「図上訓
練支援チーム」を派遣し、訓練の実施を支援する
支援項目
訓練の企画支援、条件付与等のサポート、
実施結果の評価、訓練結果報告書の作成に当たっての助言等
住民参加型DIGの開催の支援
問題点に向けての今現在の取り組み
普及させていくために
災害対応訓練支援システム等の開発
現状の訓練手順等を電子化しただけで、
図上訓練が抱える外的問題そのものの
解決とはなっていない
災害対応演習システム
大規模災害対応訓練システム
今後の課題
実効性
災害対応マニュアル作成(標準化)の促進
災害対応課題の全般に視点を置いた訓練計画
過去の災害対応状況(記録)のデータベース化
訓練結果の評価手法の開発
普及性
訓練人材の育成
外的問題の解決に向けての情報システムの開発