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太陽風と星間ガス中性成分の相互作用
寺澤敏夫(東大宇宙線研)
現在の観測(←後述)を説明するVLISM
(=very local interstellar matter)のモデル
(heliosphereから十分遠方の上流でのパラメタ)
Heerikhuisen et al. (2014) ApJ 784, 73を基に加筆
磁場強度は
未確定
電離度 np/(np+nH)
V
V
V
V
40%
38%
32%
24%
「確定」した
パラメタ*
ただし磁場の向きには
180度の不定性あり
太陽風と星間ガス中性成分の相互作用
内容
Introduction
VLISM (VLISM=very local interstellar matter)の観測手段(荷電交換X線以外)
紫外線吸収、太陽Lyα光の散乱光観測、ピックアップイオン観測、中性粒子観測
VLISMの概要(紫外線吸収観測)
ピックアップイオンの観測(He+)
Lyαによる中性水素成分の観測
中性水素、中性ヘリウム速度ベクトルの差→星間磁場方向の推定
中性粒子そのものの検出
IBEX衛星による観測
リボン構造の発見とその解釈
関連した観測
TeV宇宙線の異方性観測→太陽圏のまわりの宇宙線の密度勾配・磁場方向推定
中性H,Heから決めた星間磁場方向とconsistent
Reviewをまとめるにあたり、大平豊氏(青山学院大)、浅野勝晃(宇宙線研)の協力を得ました。
VLISM(=very local interstellar matter)の観測手段(X線観測以外)
近傍の星からの紫外光の吸収
太陽紫外光の照り返し
中性水素 Lyα 121.6nm, 中性ヘリウム58.4nm
太陽圏に侵入した中性粒子→電離→ピックアップイオン(PUI)
Bにトラップされて
サイクロトロン運動
を開始
B
B
電離(光電離、CX、電子インパクト)
太陽風
ピッチ角散乱を受け、
速度空間のシェルを形成
中性粒子
太陽風のcomoving frame
シェルの検出により、PUIを同定
(Moebius+ 1985)
中性粒子そのものの検出
(技術的に難しく、漸く最近になって実用化)
LIC (Local Interstellar Cloud)
Redfield & Linsky, ApJ, 535, 2000
近傍の星の紫外光の吸収の精密観測から
• Heliosphere is located just inside LIC boundary.
• LIC filled with warm interstellar medium is sweeping past the
heliosphere at a speed of ~26 km/s.
• In less than 3000 years, LIC will have passed us by.
旧い値
T~7000K, nH~0.1/cc
Ionization rate~0.52
Dist. to LIC boundary 0.08pc ~26km/s3000y
↑境界に非常に近い。
c.f. rc~ 0.01pc for 10TeV 陽子 in 1mG
Max. dimension ~ 6.8pc
Min. dimension ~ 4.7 pc
Heliosphere 太陽圏(~100AU)
26km/s
Bow shock?
26km/sは音速ぎりぎりなのでbow shockが形成されるかどうか疑問
McComas et al. (2012):
速度を改訂→23.2km/sとし、bow shockは「ない」と結論
(しかし、まだ議論の余地あり?)
以下引用する多くの図はやや古いためbow shockが描かれているも
のが多い(できるだけ、bow waveに修正)
古い速度の値26km/sが使われている図もまだ多く残っている。
極近傍星間物質(VLISM)は部分電離ガスなので
Galactic Cosmic Ray
星間物質の太陽圏への流入
中性成分は磁場構造を越えて太陽圏内部まで侵入。
→水素は3-4AUまで
→ヘリウムは0.3AU以内まで
Anomalous Cosmic Ray
Interstellar neutral He
Interstellar Pickup He+
太陽圏尾 (heliotail)
太陽
太陽風終端衝撃波
Interstellar wind
(~23.2km/s)
Heliopause
100 AU
Bow wave
VLISMの中性Heは太陽圏奥深くまで侵入
Gravitational focusing of the LISM wind
LISM wind
VLISMの中性Heは太陽圏奥深くまで侵入
春分点方向
Wu-Judge model
流れが重力により収束…古典的重力レンズ
He密度のコントラストは数倍程度
23 Sep
VLISM 風/He成分
VLISM風
23.2km/s, 6300K
中性水素0.2個/cc
(Heはその10%)
電離度24-40%
22 Jun
22 Dec
(不定性大、電離非平衡状態)
1 AU
20 Mar
He density (10-2 cm-3)
0
3
6
春分点方向
23 Sep
22 Jun
日本の寄与
○ハレー探査機「すいせい」が0.7AUで
ヘリウムPUIを検出(1985、太陽からの近距離レコード)
○火星探査機「のぞみ」の惑星間空間巡航中
にヘリウムPUIを検出
(野田、博士論文2001; 山崎、博士論文、2001)
○Geotailでも観測
ヘリウムPUIとbow shockの相互作用など
Nozomi
22 Dec
2000-2001の2回、地球(12月)
とは違う時期(4月、6月)に重力
収束コーンを横切った
He density (relative unit)
20
10
0
20 Mar
地球・太陽のラグランジェ点L2にいるACE衛
星によるヘリウム PUI の常時観測
1998 Dec
1999 Dec
重力収束コーンの位置、幅、コーン内外のHe密度のコントラ
ストはVLISMの流れの3D速度、温度を反映している。(毎年
の形状変化は主に太陽UV光の変化による)
2000 Dec
2001 Dec
2002 Dec
観測されたコーンの形状から、
VLSIMの速度、温度、密度,電離
度が決められる
VLISM中性水素成分の検出: 地球軌道までは侵入しない
→Lyα観測によるremote sensing
光るのは~10AU近辺
水素の流れの速度+地球公転速度によるドップラー効果が重要
↓
季節による見かけの明るさの変動
Fig. 1. Two examples of absorption cell transmission maps recorded by SOHO/SWAN (on 25 April 1996 and 29 December 1996). Maps
are in ecliptic coordinates. Blank areas correspond to the absence of measurements or to contaminated data. Maximum absorption
directions (green areas) form a pattern close to a great circle. This ZDSC (zero-Doppler shift circle) is in a plane that is perpendicular
to the interstellar gas velocity in the observer frame, i.e., the difference between the H flow motion (green dashed vector) and the Earth
velocity (black vector). The data used for the present analysis (black dots) are series of secants of the ZDSC.
Lallement et al., Science, 307, 1447- (2005)
観測されるHとHeの流れの方向の食い違い(~数度)
イオン
中性粒子
水素←→プロトン
荷電交換反応を繰り返すので磁場によるプロ
トンの流れの変化が水素にも反映。
一方、ヘリウムは荷電交換反応は無視できる
ので、もともとの星間ガスの流れを保存。
Fig. 3. A schematic view of the heliosphere in the case of a BIS
inclined with respect to the flow direction [adapted from (24) and (25)].
Neutral (red arrows) and plasma (electrons and ions, black arrows)
flows are sketched in the plane containing BIS (dashed lines) and the
wind flow vector. The secondary flow of H atoms (marked 2) is
generated between the bow shock and the heliopause in a region
between the Sun-wind axis and the displaced stagnation line (green
dashed line). According to such a scheme, the plane containing the
primary flow (nondeviated, marked 1) and the secondary flow also
contains the magnetic field, and the secondary flow arrival direction
lies between the wind axis and the field direction.
中性粒子そのものの検出
中性粒子フラックス
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
中性粒子の検出原理:
金属表面でイオン化して、
そのイオンを質量分析
(Hsieh & Gruntman, 1993)
IBEX (International Boundary EXplorere) として実現
2008~
視線方向(視野角6.5度×6.5度)
スピン軸
(太陽指向)
IBEX打ち上げ前に
期待されていた観測結果
(全天を半年でスキャン)
IBEX観測:中性粒子による全天イメージ (McComas et al., 2012)
IBEX観測:中性粒子による全天イメージ→「リボン構造」
アイデア
Heliopause(法線ベクトルn)
に星間磁場Bが巻き付く
↓
(n,B)=90度となる領域付近
で星間プラズマの濃度上昇
↓
そこで起こる荷電交換により
生まれた高速中性粒子
↓
リボン状となって観測される
MHDモデルによ
る説明の試み
↓
Heerikhuisen et al.
(2014)
磁場方向はH-Heの速度ベクトルの違いで決めたもの
Ribbon構造をMHDモデルにより説明する試み→Heerikhuisen et al. (2014)
宇宙線の異方性(数~20TeV領域)
Tibet/IceCubeによる異方性観測
(SKのμの異方性もconsistentな結果)
宇宙線の異方性(数~20TeV領域)
Schwadron et al. (2014) Science
http://www.nasa.gov/sites/default/files/styles/673xvariable_height/public/sun_position_0.jpg?itok=FljhudbO
仮定:
○宇宙線粒子は局所標準静止系(LSR
=local standard of rest)で等方的
○太陽圏のLSRに対する相対運動uLSR
により、宇宙線粒子密度f0に勾配が
作られる
ここで、x軸をuLSRに平行な方向にとった。
異方性ξは次式で与えられる:
ただし、
bは磁力線方向の単位ベクトルで、
κ∥、κ⊥、κTは拡散係数テンソルの
対角成分、非対角成分
宇宙線の異方性(数~20TeV領域)
観測された宇宙線異方性
Schwadron et al. (2014) Science
モデルから得られた宇宙線異方性
磁場方向、 uLSRにはIBEXなどの
最新の結果を使用
太陽風と星間ガス中性成分の相互作用
寺澤敏夫(東大宇宙線研)
現在の観測を説明するVLISM
(=very local interstellar matter)
のモデル(heliosphereから十分遠方でのパラメタ)
Heerikhuisen et al. (2014) ApJ 784, 73を基に加筆
磁場強度は
未確定
電離度 np/(np+nH)
V
V
V
V
40%
38%
32%
24%
「確定」した
パラメタ*
ただし磁場の向きには
180度の不定性あり
太陽風と星間ガス中性成分の相互作用
内容
Introduction
VLISM (VLISM=very local interstellar matter)の観測手段(荷電交換X線以外)
紫外線吸収、太陽Lyα光の散乱光観測、ピックアップイオン観測、中性粒子観測
VLISMの概要(紫外線吸収観測)
ピックアップイオンの観測(He+)
Lyαによる中性水素成分の観測
中性水素、中性ヘリウム速度ベクトルの差→星間磁場方向の推定
中性粒子そのものの検出
IBEX衛星による観測
リボン構造の発見とその解釈
関連した観測
TeV宇宙線の異方性観測→太陽圏のまわりの宇宙線の密度勾配・磁場方向推定
中性H,Heから決めた星間磁場方向とconsistent
Reviewをまとめるにあたり、大平豊氏(青山学院大)、浅野勝晃(宇宙線研)の協力を得ました。