Transcript Webデザイン演習
Webデザイン演習 白 井 豊 第1章 Webページ製作の基礎知識 1.1 Webページとは 1.2 Webページの製作 1.3 Webサイトのテーマ 1.4 Webページの構成 1.5 演習の準備 1.1 Webページとは 1.1.1 インターネットとWebページ 1.1.2 HTMLとは 1.1.3 スタイルシートとは 1.1.4 Webブラウザ 1.1.1 インターネットとWebページ インターネットとは (1)背景 TCP/IPベースのLANを接続し,全世界規模まで拡大したネットワーク ① インターネットの原点は,米国空軍の防空システムSAGE(Semi Automatic Ground Environment)である。核攻撃等で一部が破壊されても機能が失わ れない分散型システムとして構成するために,1969年,米国防省の国防高 等研究計画局DARPAが開設したARPANETである。 ② 1979年,ノースカロライナ州の2大学で,ARPANETと同一方式で接続する ネットワークを構築 。 1986年には,全米科学財団が研究目的のネットワー クとしてNSFNETを構築した。 ③ 日本でも,1984年,大学教官やソフトウェア企業の技術者たちが中心にな り,UUCPベースで相互接続するJUNETを運用開始 。 1988年には,大学を 中心として専用線・IP接続による実験ネットワークWIDEプロジェクトが発足 している。電子メールとネットニュースが中心であった。 (2)インターネットの階層 [4層で構成] ① インターネットにおけるデータリンク層,物理層のデータ転送は, イーサネット,トークンリング,FDDIやフレームリレー等で行われ, 物理層,データリンク層の独自のプロトコルを持たない。 ② IP(Internet Protocol)はネットワーク層, TCP(Transmission Control Protocol)はトランスポート層に属す。 両者をあわせてTCP/IPと呼ぶ。 プロトコル構成 [プロトコルを構成するソフトウェア] TCP-IPという名称は,これらのソフトウェアの集合体を指す場合と, TCP プロトコルと IP プロトコルだけを指す場合がある. OSI参照モデル インターネットのプロトコル構成 アプリケーション層 プレゼンテーション層 TELNET FTP SMTP セッション層 トランスポート層 TCP UDP ネットワーク層 IP イーサネット X.25 データリンク層 物 理 層 物 理 層 PPP ・・・・・ (3) WWW(Word Wide Web) HTTPまたはHTTPSプロトコルで動作し, Webページを格納するサーバをWWWサーバ, Webページを閲覧する側のコンピュータをWWWクライアントと呼ぶ。 ① WWWサーバへのアクセスでは,アクセス方法と接続先を指定する。 ② アクセス方法の指定をURL(Uniform Resource Locator)と呼び, プロトコルの名前(HTTPまたはHTTPS)で指定する。 ③ 接続先は,WWWサーバのドメイン名, コンピュータ内のディレクトリ名とファイル名で指定する。 ディレクトリ名とファイル名を省略すると, WWWサーバのトップページを指定することになる。 1.1.2 HTMLとは (1)HTML(Hypertext Markup Language) 電子的な文書交換を行うためSGMLを簡略化した文書記述言語。 HTMLでは,タグ(<と>で挟まれた予約語)を使い, SGMLを簡略化して記述を容易にしている。 HTMLの仕様は,WWWコンソーシアムと呼ばれる標準化団体が作成している。 従って,HTMLで記述されたページは,WWWサーバ内のテキストとして 使われるのでWebページとも呼ばれる。 HTMLの他, ① ② ③ ④ モバイルインターネット用のHDML(Handheld Device Markup Language) WML(Wireless Markup Language) MML(Mobile Markup Language) CHTML(Compact HTML) もHTMLの仲間である。 (2) XML(Extensive Markup Language) XMLは,HTMLで失われたSGMLの拡張性を補強し, 電子商取引等でも利用できるようにしたもの。 ユーザ独自のタグを使って,データの属性情報や論理構造を独自に定義できる。 ① データ構造を定義する記述方法をXMLスキーマと呼び, 要素と属性の概念により,プログラミング言語でのデータ型等を指定できる。 ② XML文書を格納するためのデータベースをXMLデータベースと呼ぶ。 リレーショナルデータベースに比べ高速であり, かつプログラミング言語からアクセスしやすい。 ③ XML文書の構文を解釈して閲覧するためのソフトをXMLブラウザと呼ぶが, このブラウザの機能を,従来のHTML用ブラウザの機能として 取り込んでいるブラウザもある。 ④ XMLでは複数のXML文書の混在を許しており, これを表現するための概念を「XML名前空間」と呼ぶ。 (3) HTTP(Hyper Transfer Protocol) インターネットで,WWWサーバとWWWクライアントの間で, HTMLテキストを送受信するためのプロトコル。 リクエストとレスポンスからなる単純なプロトコルである。 HTTP(Hyper Transfer Protocol)と HTTPS(Hyper Transfer Protocol Security)がある。 (4) HTTPとHTTPSの動作 ① WWWサーバへのアクセスでは,WWWクライアントから WWWブラウザと呼ばれるソフトを起動し, WWWサーバのHTTPデーモンと呼ばれるソフトに接続する。 ② WWWブラウザで,URLと接続先を指定すると, HTTPデーモンの論理的会話セッションHTTPセッションが開始される。 ③ HTTPセッションが開始されると, WWWサーバのWebページがダウンロードされ, WWWブラウザで閲覧できるようになる。 ④ HTTPとSSL(Secure Sockets Layer)の暗号化を組み合わせたプロトコルを, HTTPSまたはHTTP over SSLと呼ぶ。 1.1.3 スタイルシートとは (1)スタイルの分離 Webページの見栄えを良くしたり ページレイアウトを細かくデザインするようになった。 複雑なデザインを表組み用のタグ等で指定したりなど 最初想定された使用法と異なる形で表現することが 多くなった。 1996 W3C(The World Wide Web Consortium) スタイルシートのVersion1勧告 現在,1998年勧告のVersion 2.0 (2)文書構造とスタイルの分離 1997年HTML Version4勧告 HTML : 文書の構造 スタイルシート : デザイン(文字サイズ,カラー,レイアウト) スタイル シート HTML スタイル シート スタイル シート (3)最近の傾向 1998年 Version 2.0 (この頃から徐々に利用される) ブログの普及 スタイルシートの利用が一般的に (ほとんどのブログでスタイルシートが用いられている) 1.1.4 Webブラウザ (1)ブラウザの種類 Webページを見るためのソフト ①画像とテキストを表示するブラウザ ②テキストのみを表示するブラウザ ③音声ブラウザ(音声合成によるテキスト読み上げ) (2)インターネット普及時のブラウザ Netscape Navigator(Netscape Communication社) Internet Explore (Microsoft社) サポートされるタグの相違 独自タグの増加 IETFによるHTMLの標準化 (現在,W3Cで標準化が行われている) (3)現在 ■画像とテキスト Internet Explore Firefox(Mozilla Foundation) Safari(Mac OS X) Opera(Opera社) ■テキストブラウザ Lynx ■音声ブラウザ IBM ホームページ・リーダ ■その他 PDA,携帯電話用,家庭用ゲーム機用 1.2 Webページ製作に必要なソフト 1.2.1 必要なソフト 1.2.2 テキストエディタ 1.2.3 グラフィックソフト 1.2.4 FTPソフト 1.2.1 必要なソフト (1)最低限必要なソフト ①テキストエディタ ワードパッドやメモ帳でも代用可能 ②FTPソフト Webサーバにアップロードするためのソフト ③ブラウザ Webを閲覧するためのソフト (2)あれば便利なソフト ①グラフィックソフト 素材を別に用意できればいらないが,効果的な画像に仕立て 上げるには必要。Photoshop, Paintshop, Illustratorが有名。 ②動画作成ソフト 動画を自分で作るには便利。 Flash, Animation Shop等が有名。 ③ホームページ作成ソフト HTMLの仕様を知らなくても作成することができる。 IBMホームページビルダー,Dreamweaver(Adobe Systems 社)が有名。 ④その他 素材作成用の色々なソフトが数限りなく提供されている。 1.2.2 テキストエディタ ■テキストファイルを作成・編集するソフト Windows メモ帳 Simple Text(Mac OS X) TeraPad CotEditor その他フリーソフトも豊富 1.2.3 グラフィックソフト (1)ソフトの例 ■写真やイラストなどの画像を扱うソフト Windowsペイント Paintshop Photoshop Illustrator Fireworks ■動画用 Animationshop Flash (2)Webページで使用可能な画像形式 ■通常,以下の3種類 ① GIF(Graphic Interchange Format) 表示色 : 256色 透過色 : 可能 ② JPEG(Joint Photographic Expert Group) 表示色 : 1677万色 透過色 : 不可能 ③ PNG(Portable Network Graphic) 表示色 : 1677万色 透過色 : 可能 (PNGに対応していないソフトが多いので要注意) 1.2.4 FTPソフト ■ ファイルをサーバに転送するソフト FTP:File Transfer Protocol OS付属,HTML製作ソフトに付属, ブラウザに付属,シェアウェアや フリーソフトも数多い 1.3 Webサイトのテーマ 1.3.1 テーマと目的 1.3.2 自分自身が興味あるテーマ 1.3.3 頻繁に更新できるテーマ 1.3.4 競合サイトの分析 1.3.1 テーマと目的 ① Webサイトを製作する目的 ② どんな人に閲覧して欲しいか ③ 自分が表現したいことは何か (サイトで取り扱いたい題材・テーマ) 1.3.2 自分自身が興味あるテーマ 自分自身が,今最も興味のあるテーマを選ぼう!! 自分自身が,今最も興味のあるテーマを選ぼう!! ① 最近知りたいと思っていること ② 少しは知っているが,もっと深く知りたいこと ③ 今,自分が表現できること ④ 自分が面白い・楽しいと思うこと ⑤ 他者と会話して盛り上がりそうなこと ⑥ 今,自分が話題にしたいこと (以下は,必要条件ではないが) ⑦ 自分がそのテーマに詳しいこと 1.3.3 頻繁に更新できるテーマ 気楽に,無理なく,更新できるテーマを選ぼう!! スタートして最初は頻繁に更新するが, ネタ切れで更新回数が少なくなる傾向にある。 キーワード: 気楽に,無理なく 1.3.4 競合サイトの分析 似たテーマは世の中にどのくらいあるか? ① 検索してできる限り覗いてみよう。 ② 似たテーマでもコンセプト,切り口,視点が異なる こともある。 ③ そっくり同じテーマがあったら,自分色を出す工 夫をしよう。 1.4 Webサイトの構成 1.4.1 内容を考える 1.4.2 構成図を作る 1.4.3 サイトのタイトルを考える 1.4.4 見栄えを考える 1.4.1 内容を考える 中身をできるだけ洗い出してみる… ① 自分が知っていること ② 自分が知りたいこと ③ Webの訪問者に教えたいこと ④ Webの訪問者から教えて欲しいこと 1.4.2 構成図を作る 中身を吟味して,整理する… ① 同じような内容はまとめる ② 今のところ無理なのことは削除する (あくまで無理なく,気楽に書けること) ③ 構成図を作成する 構成図の例 欲張ってたくさんのコーナを考えない 環境問題Web 森林の働き ごみの回収問題 環境にやさしい取り組み リサイクルデータ リンク集 管理人紹介・サイト概要 1.4.3 タイトルを考える タイトルは重要であることに留意 ① 内容が分かりやすいこと ② 独自性があること ③ Webを検索してタイトルが一致してないことを確 認しよう こんなタイトルはやめよう 白井豊の作曲講座(自分の名前) Creative Japan(全部英語) 非凡なる矛盾性(抽象的であいまい) 魅力ある表情を描く画家たちの素顔に迫ります!! (長い!!) 1.4.4 見栄えを考える 見栄えも大事!! ① 見た目が内容とかけ離れないこと ② 作成するWebのコンセプトにあったものにする。 ③ 文字が見にくいのはやめよう。 ④ 見て欲しい訪問者が好まれそうなのが最適 【注意】 スプラッシュページ(情報がなくサイトの入り口だけ のページ)は避けたほうが良い?