限界費用C

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課
題
A
1
2
3
<2> インセンティブと社会
~<A> 経済分析の基礎~
「合理的主体」の行動原理  <N 序文・訳者あとがlき>
人間行動とインセンティブ(誘因)
悩みの種は「フリーランチはない」
★★数量選択モデルと限界原理
Microeconomics 競争市場と公共政策
[email protected]
Q 読解力チェック P.17-21
Slide 2
経済学の基礎概念を理解できた?
「希少性」とは?
「選択」が必要になる理由は?
「トレードオフ」とは?
★「合理的無知」とは?  P.12&19, 34
★「限界」の意味および「限界分析」とは?
1.
2.
3.
4.
5.

 グラフの勾配 ≒ 1単位追加した場合の増分
1 人間行動とインセンティブ
Slide 3
人の目的・行動・悩み等は多様 but 共通点は?

1.
2.
3.
単純化した本質に注目: モデル(模型)思考
目的は多様でも,どんな主体も合理的に行動
=主体の目的に最もトク(効率的)な行動を選択
∴ 最大の余剰・利得・純便益(≡便益Bー費用C)
疑問: この仮定は現実的?,非合理な行動は?
 「科学的手続き」,「行動経済学・実験経済学」
インセンティブ(誘因)
Slide 4
経済学の核心  ランズバーグ L (04, p.18,30)
1.
2.
3.
人はインセンティブ(誘因)に反応する
=合理的  現実の予測力が大: 科学的
∴最大の余剰S(≡便益B - 費用C)を常に追求
意思決定に影響する費用C = 機会費用C
1.
2.
=その便益Bを得るために諦めた価値C
=直接的な金銭+次善の純便益 ≒ 次善の便益 if
Q1 択一的選択のインセンティブ
Slide 5
同じバイト・時給の太郎は講義に出席し,花子
はバイトで欠席。経済学的に考えて
1.各自の余剰Sは講義とバイトのいずれが大きい?
2.バイトや講義の便益Bとは?
3.★太郎の講義出席の費用Cとは?  機会費用C
埋没費用(サンクコスト):もう回収不能な費用
 例: 授業料・定期代  出欠と無関係で回収不能
A1 択一的選択の費用は機会費用
Slide 6
太郎は講義,花子はバイトを選択
1.太郎は講義の余剰S,花子はバイトの余剰Sが大
 Why?  たぶん「太郎のB > 花子のB」 Why?
2.バイトのB=収入,講義のB=「将来収入 or 効用」
1. 生産の便益B=収入, 消費の便益B=効用
2. 経済学: 大学は人的資本への投資  B=将来収入
3.太郎の出席費用C = 交通費等+(バイト収入ー交通費
等) ≒バイト収入 if 埋没費用は含まれない
Q2 サンクコストと択一的選択
Slide 7
1.
2.
3.
1000円のチケットの落語に2000円の効用を感じ
劇場前で紛失に気づいた,どうする?
その時1500円の効用を感じる漫才のチケットが
1000円だと知る,どうする,その費用は?
80億円投資したスマホ開発にまだ20億円かかり,
収入予想も90億円に低下,どうする?
A2 機会費用・埋没費用と合理的選択
Slide 8
1.
紛失券は埋没費用  C=1000で再購入
 実際に再購入する人の割合は?
2.
行動経済学
落語  落語の余剰の方が大きいから
 ただし落語のC
= 1000 + (1500-1000)=1500 に上昇
  他に是非したい欲求が高いほど,費用も高い
3.
継続  投下した80億円は埋没費用
C=20億円  余剰S=70億円
 ∴ C=20億でS=70億以上の投資があるか? という問題
 B=90億円,
インセンティブと主体の行動
Slide 9
例:バイトしてた人が講義に出席する要因?
1.
出席の余剰Sの向上または「その主観的評価↑」
 出席の便益B↑:
内容充実・将来収入,出席点
 出席の費用C↓: 通学支援,but 授業料引下げは× 
2.
バイトの余剰Sの低下 大学の外部ゆえ裁量外
 バイトの便益B
↓ : 時給低下・税率上昇
 バイトの費用C ↑ : 罰則・禁止令
2 悩みの種は「フリーランチはない」
Slide 10
希少な資源: 天然資源,所得,時間,‥
 希少性
 欲求量>存在量,otherwise 自由財
トレードオフ: 出席すればバイトできない
 出席の費用
= 犠牲にしたバイト時間 収入
希少な資源を使う選択には常に機会費用

 「フリーランチはない」
希少性は「数量選択」も悩ませる
Slide 11
「時間」が希少  欲求時間 > 24時間
YA
 希少でないなら?
バイトY・学習X・睡眠等
Y
≦ 14 ー X 睡眠等10
∴フリーランチはない
 学習1時間↑
14
選択不能
な領域
B
14
X
 バイト1時間↓  時給が犠牲
選択の悩みへの2つの対処法
Slide 12
選択の悩み  希少性: 欲求量 > 存在量
1.
宗教・禁欲的アプローチ  欲求の抑制・克服
 希少性がなくなれば,選択の悩みからも解放される
 But
2.
「技術革新  経済成長」も低下するかも?
経済学・効率的アプローチ  資源の効率的な利用
 存在する資源を効率的に活用すれば,悩みは軽減
 But
経済成長は更に欲求を膨らませる無間地獄かも?
賢明な選択の重要性
Slide 13
現在の人生は「過去の無数の選択」の結果
1.
2.
But 過去の選択は変更不可能  経路依存性
∴将来を見通し現在を選択  バックワードインダクション
賢明な選択の必要条件  目標と選択肢
1.
2.
3.
消費と投資の便益Bの識別  投資: 将来収益
選択の費用Cの認識  機会費用と埋没費用
択一選択と数量選択の識別  最適な数量選択
3 ★★数量選択モデルと限界原理
Slide 14
1.
2.
択一選択:大きな余剰Sを選択
数量選択:Sを最大化する数量Xを選択
 余剰S(X)
= B(X)-C(X) は,数量Xの関数
 X↑ B↑but C↑  S???  限界原理
★複数の数量選択  消費&生産の理論
★他人の意思決定の影響  ゲーム理論
学習する数量選択モデルの仮定
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余剰S(X) = B(X) - C(X) は,単峰山型と仮定
 B(X)は逓減的増加:
B’>0, B”<0 or 不変的増加:B”=0
 C(X)は逓増的増加: C’>0, C”>0 or 不変的増加:C”=0
関数・導関数・2階の導関数? 勾配(傾き・増分)
 元の関数B(X)の勾配
 2階の導関数B”  1階の導関数B’の勾配
 (1階)の導関数B’
S’>(<)0  Sは増加(減少)関数:右上(下)がり
図解★ 余剰Sが単峰山型になる条件
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単頂点山型の余剰S  可能なB・Cの形状
S
S*
S(X)=B(X)-C(X)
S’>0
S’=0
B
C
S’<0
B:逓減的増加
不変的増加
C:逓増的増加
X*
X
X*
X
★★ 限界原理
Slide 17
単峰山型の余剰S(=B-C)を最大にするXとは?
1.
2.
3.
頂点S*をもたらす最適なX*を見つければ良い
左図:頂点はS’= B’-C’= 0  右図:B’= C’
∴ 限界便益B’=限界費用C’となるX*が最適値
限界原理が成立する理由
1.
2.
If B’> C’  X↑すればS↑  B’= C’
If B’< C’  X↓すればS↑  B’= C’
Q3 ★ 確認: 限界値と限界原理
Slide 18
S, B, Cのグラフ  S’, B’, C’のグラフ
1.
余剰S(X)の限界値S’(X)のグラフ?
1.
2.
横軸にX,縦軸に勾配値S’(X)をとると?
最適値X*はグラフのどんな点?
逓減的増加Bと逓増的増加Cのグラフ?
2.
1.
限界値B’とC’のグラフ?
2. X*はどんな点?
A3 図解 限界原理
Slide 19
限界余剰S’(X*) = 0  限界便益B’と限界費用C’の均等
S’
O
S’(X) = B’(X) - C’(X)
X*
B’
C’
B’:限界便益 C’:限界費用
X
X*
X
Q4 「B: 競争市場」の生産モデル
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ビールX缶を売る収入B・費用C・余剰S
 Bは
250, 500, 750,‥と不変的増加  1缶\250
 Cは 50, 200, 450, 800, 1250,‥と逓増的増加
1.
2.
3.
X = 0,‥,5の時のB,C,Sの値とグラフは?
限界収入B’と限界費用C’の値とグラフは?
最適数量X*とその最大余剰S*は?
A4 「市場価格=限界費用」まで生産
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不変的増加B・逓増的増加C  単峰山型S
1.
2.
略 Q6: Bは不変的増(直線) ,Cは逓増的増
When X=0,1,2,3,4から1増えた場合の増分値
 限界収入B’
= 250, 250, 250, 250, 250, ‥ = 市場価格
 限界費用C’ = 50, 150, 250, 350, 450, ‥
3.
限界原理 最適数量X*=2or3  S*=S(2)=300
 整数では,B’(3)
< C’(3) but S(3) = 300 = S(2)
Q5 「B: 競争市場」の消費モデル
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ビールX缶を飲む効用B・費用C・余剰S


1.
2.
3.
Bは 1000,1414,1732, 2000, 2236,‥と逓減的増加
Cは 250, 500, 750,‥と不変的増加  1缶\250
X = 0,‥,5の時のB,C,Sの値とグラフは?
限界効用B’と限界費用C’の値とグラフは?
最適数量X*とその最大余剰S*は?
A5 「限界効用=市場価格」まで消費
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逓減的増加B・不変的増加C  単峰山型S
1.
2.
略 Q6: Bは逓減的増,Cは不変的増(直線)
When X=0,1,2,3,4から1缶増えた場合の増分値
 限界効用B’
= 1000, 414, 318, 268, 236, ‥
 限界費用C’ = 250, 250, 250, 250, 250, ‥= 市場価格
3.
限界原理 最適数量X*=3.?≒4 S*=S(4)=1000
 整数では,B’(3) > C’(3) & B’(4) < C’(4)
but S(3)<S(4)
★★Q6&A6 関数例と厳密な値
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関数の具体例: S(X) = B(X) – C(X)
S(X) = 250X ー 50X2
 消費モデルQ4: S(X) = 1000X1/2 ー 250X
 生産モデルQ3:
限界原理B’=C’: X*  S*
250 = 100X  X*=2.5 S*=312.5
 Q4: 500 / X1/2 = 250  X*=4 S*=1000
 Q3:
要点
本日のポイント
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人はインセンティブ(誘因)に常に反応する

常に最大の余剰S(=B-C)を選択
 選択費用C: 希少性 トレードオフ 機会費用
数量選択には限界原理「B’=C’」が便利
 <B>
生産:価格=限界費用,消費:限界効用=価格
次回準備: N4章 & <A1>