生活期からの発信!「連携シート」

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Transcript 生活期からの発信!「連携シート」

“想い”を受け継ぎ,“想い”を繫ぐ
~生活期からの発信!「連携シート」の活用を試みて~
長崎県 介護老人保健施設 恵仁荘
通所リハビリテーション
○秀嶋敏和(PT)吉井秀人(PT)
山口竜介(PT)高橋慎也(OT)
はじめに
我が国は⇒高齢化が進行
地域の関係機関が連携
包括的な支援
安定したサービス提供体制の構築
各地域
では…
急性期から回復期へ病院間のクリティカルパスの整備が進み
回復期から生活期の連携強化に向けての体制が強化されている!
しかし
➢ 現在の「クリティカルパス」の種類としては『一方向型』
➢フィードバック機能はなく『循環型』の連携パスではない
➢リハビリ職種間でも病期の時間差による視点の違いが見られる
今回、医療と介護のリハビリ職種間の連携強化を目的に「生活期連携シート」
を作成し生活期からの情報提供を行い、アンケートを通して地域の医療と介護
の情報共有および相互理解を深める事について検討したので報告する。
対象・方法
対象
平成23年4月~平成26年3月
病院/施設(当入所施設を除く)を退院/退所したご利用者の内
リハビリ情報提供書を頂き、継続して通所リハビリを利用した方。
方法
<情報提供>
当通所リハ利用開始より、6ヵ月以上から1年以内の経過を目途に
病院/施設に対して「生活期連携シート」を作成し経過報告を行う。
<アンケート>
「生活期連携シート」を活用したフィードバックの報告書を郵送後
リハビリ担当者に対し経過報告の内容についてアンケートを実施。
《倫理的配慮》
送付先の病院及び施設に対して「連携シート」の趣旨ならびに個人情報保護の厳守を説明した書面を郵送し返送を持って
アンケートの同意を得た。また、ご利用者に対しては対面して同様の説明を行い、個別に調査参加の同意を得たものとした。
『生活期連携シート』の紹介
生活期連携シート①
生活期連携シート②
シート①
病院/施設 リハビリテーション科
担当者殿
日頃の生活の様子(リハサービス利用時)
<午前>
下記の利用者様について、現在の状況をご報告致します。
0
12
6
12
シート②
日頃の生活の様子(療養棟・自宅)
<午後>
<午前>
0
12
18
6
18
24
12
24
<午後>
利用者基本情報
氏名
生年月日
診断名
(
)
年
月
日
歳
性別
# 1.
(発症:
)
要介護度
# 2.
(発症:
)
日常生活自立度
# 3.
(発症:
)
前施設退院日
平成
年
月
日
# 4.
(発症:
)
当施設開始日
平成
年
月
日
認知症自立度
基本動作・日常生活動作
項目
基
本
動
作
自立度
環境
寝返り
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
起き上がり
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
座位保持
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
立ち上がり
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
移乗
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
屋内
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(補装具)
屋外
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
動作
自 立
見守り
一部介助
全介助
備考
利用時の様子
【 】
移動
経 口
方法
経 菅
IV H
(補装具)
(使用用具)
胃ろう
(その他)
食事
日
常
生
排尿
活
動 排泄
作
排便
・
社
会
入浴
活
動
整容
主食
常食
2度炊き
粥
ミキサー
ゼリー
その他
副食
常食
きざみ
軟菜
ミキサー
ゼリー
その他
日中
自 立
見守り
一部介助
全介助
(使用用具)
夜間
自 立
見守り
一部介助
全介助
(使用用具)
日中
自 立
見守り
一部介助
全介助
夜間
自 立
見守り
一部介助
全介助
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
更衣
【 】
(使用用具)
(使用用具)
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
動作
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
内容
洗 濯
(手段)
家事
料 理
掃 除
その他
動作
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(介助者)
範囲
自宅周囲
町 内
市 内
市 外
交通機関
(移動方法)
外出
身体状況 運動麻痺
上肢
廃用
補助
左
実用
感覚障害
褥瘡
部位
フォーマル
失調・不随運動
欠損
部位
通所介護
回/週
訪問入浴
回/週
筋力低下
ROM制限
疼 痛
切断
部位
通所リハ
回/週
配食サービス
回/週
訪問介護
回/週
ショートステイ
回/月
言語機能障害
特記:
訪問看護
回/週
福祉用具
訪問リハ
回/週
その他
摂食・嚥下機能障害
リハビリについて
ご本人
ご家族
目標設定
短期目標
長期目標
残された課題・今後の取り組みについて
嫁
孫
配偶者
娘
息子
婿
介護者状況
問題なし
高齢・病弱
基本動作訓練
経済状況
問題なし
問題あり
歩行訓練
家屋状況
一戸建
マンション
ADL訓練
有無
IADL訓練
その他(心理面など)
インフォーマル
社会的背景
筋力強化訓練
高次脳機能訓練
利用頻度
フォーマル
H D S -R : /3 0
リハビリテーション < □入所 □通所 >
関節可動域訓練
利用頻度
認知機能障害
高次脳機能障害
下肢
意向・希望
介護保険サービス利用状況 < □有り □無し >
右
育児
経過(コメント)
アパート
必要なし
必要あり
( 場所
玄関
廊下
寝室
内容
手すり
段差解消
貸与
車椅子
歩行補助具
住宅改修
摂食・嚥下訓練
その他
仕事・介護で多忙
公営住宅
済 )
未
トイレ
浴室
その他
その他
ベッド
手すり
スロープ
言語訓練
その他
施設名
マシントレーニング
介護老人保健施設 恵仁荘 リハビリテーション科
記載日
記載者
平成
PT
年
月
日
OT
介護老人保健施設 恵仁荘 リハビリテーション科
実際に使用した連携シート(その1)
基本動作・ADL
基本動作・日常生活動作
項目
基
本
動
作
自立度
環境
寝返り
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
起き上がり
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
座位保持
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
立ち上がり
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
移乗
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(使用用具)
屋内
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(補装具)
屋外
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(補装具)
動作
自 立
見守り
一部介助
全介助
方法
経 口
移動
経 菅
IV H
(使用用具)
胃ろう
(その他)
食事
日
常
生
排尿
活
動 排泄
作
排便
・
社
会
入浴
活
動
整容
主食
常食
2度炊き
粥
ミキサー
ゼリー
その他
副食
常食
きざみ
軟菜
ミキサー
ゼリー
その他
日中
自 立
見守り
一部介助
全介助
(使用用具)
夜間
自 立
見守り
一部介助
全介助
(使用用具)
日中
自 立
見守り
一部介助
全介助
(使用用具)
夜間
自 立
見守り
一部介助
全介助
(使用用具)
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
動作
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
内容
洗 濯
動作
自 立
見守り
一部介助
全介助
行わず
(介助者)
範囲
自宅周囲
町 内
市 内
市 外
交通機関
(移動方法)
更衣
(手段)
家事
料 理
掃 除
その他
外出
備考
実際に使用した連携シート(その2)
身体状況
介護保険サービス関係
身体状況 運動麻痺
上肢
廃用
右
補助
介護保険サービス利用状況 < □有り □無し >
左
実用
下肢
感覚障害
褥瘡
部位
フォーマル
利用頻度
利用頻度
失調・不随運動
欠損
部位
通所介護
回/週
訪問入浴
回/週
高次脳機能障害
切断
部位
通所リハ
回/週
配食サービス
回/週
回/月
フォーマル
筋力低下
認知機能障害
H D S -R : /3 0
訪問介護
回/週
ショートステイ
ROM制限
言語機能障害
特記:
訪問看護
回/週
福祉用具
訪問リハ
回/週
その他
疼 痛
リハビリテーション
摂食・嚥下機能障害
リハビリテーション < □入所 □通所 >
関節可動域訓練
リハビリについて
社会的背景
社会的背景
嫁
孫
配偶者
娘
息子
婿
筋力強化訓練
介護者状況
問題なし
高齢・病弱
基本動作訓練
経済状況
問題なし
問題あり
歩行訓練
家屋状況
一戸建
マンション
ADL訓練
有無
IADL訓練
その他(心理面など)
摂食・嚥下訓練
言語訓練
その他
マシントレーニング
育児
場所
玄関
廊下
内容
手すり
段差解消
貸与
車椅子
歩行補助具
寝室
その他
仕事・介護で多忙
アパート
必要なし
必要あり
( 住宅改修
高次脳機能訓練
インフォーマル
公営住宅
済 )
未
トイレ
浴室
その他
ベッド
手すり
スロープ
その他
実際に使用した連携シート(その3)
日頃の生活スケジュール(通所利用時・自宅)
日頃の生活の様子(リハサービス利用時)
<午前>
0
12
6
12
日頃の生活の様子(療養棟・自宅)
<午後>
0
12
18
6
18
24
12
24
通所利用時・自宅での様子
利用時の様子
【 】
【 】
<午前>
<午後>
実際に使用した連携シート(その4)
意向・希望
意向・希望
ご本人
ご家族
目標設定
目
標
短期目標
長期目標
残された課題・今後の取り組みについて
残された課題・今後必要な取り組み
経過(コメント)
経
過
施設名
記載日
記載者
平成
PT
年
月
日
OT
介護老人保健施設 恵仁荘 リハビリテーション科
結果(基本情報について)
10名のご利用者に対して「生活期連携シート」を使用し報告を実施
アンケートを配布した10施設中9施設より回答を得た
理学療法士:13名、作業療法士:6名、言語聴覚士:5名の計24名
(経験年数は、1~16年目で、平均経験年数は7.4年)
Q2. 病院/施設の形態
Q.1
介護老人
保健施設
2施設
(22%)
回復期
5施設
(56%)
Q2. 生活期からの情報提供の有無
Q.2
有り
4名
(17%)
急性期
2施設
(22%)
無し
20名
(83%)
結果(連携シートについて)
Q.3 「生活期連携シート」をどのように思われたか?
「良かった」:24名(100%)/「良くなかった」:0名 /「どちらともいえない」:0名
Q.4 どの項目の情報が良かったか?
12
①基本動作・日常生活動作
Q.5
Q5. 情報提供の適切な時期は?
退院/退所後1ヶ月
3
10
②身体状況
14
③リハビリテーション
退院/退所後3ヶ月
12
11
④介護保険サービス利用状況
退院/退所後6ヶ月
10
⑤社会的背景
13
20
⑥日頃の生活スケジュール
22
⑦ご利用時・ご自宅での様子
退院/退所後1年
6
生活機能に改善
6
10
⑧意向・希望
8
⑨目標設定
12
⑩経過
⑪残された課題・今後の取り…
0
サービスに変化
2
14
5
10
15
20
25
0
2
4
6
8
10
12
14
結果(感想・意見など)
Q6. 「生活期連携シート」に関しての感想(自由記載)
Q.6
■ 回復期リハで達成できなかったことが明確に分かった!
■ 写真付きの情報提供書は初めてで、インパクトがあり理解しやすかった!
■ 記載する量が多く、自分が使用するとなると大変な作業になると感じた!
Q7. 「生活期」に対してご意見・ご要望(自由記載)
Q.7
■ 入院中に行った住宅改修や福祉用具が適切だったかを知りたい!
■ 回復期のアプローチが、退院後の生活で上手く活用されているのか?
■ 勉強会などを通して、それぞれの立場から求める事など意見交換を!
考 察
地域の情報共有及び連携強化を目的に「生活期連携シート」を作成した
➢
生活期からの情報提供が十分に実施できていない事が考えられた。
➢
「生活期連携シート」の情報内容としては、
日頃の生活スケジュール、利用時・自宅での様子の項目が良かったと回答。
生活の匂い
➢
暮らしぶり
“生活感”の見える報告
情報提供の時期としては、退院/退所後3~6ヵ月の期間が多く
短期集中リハが可能な時期に、結果を出すことが重要である。
今回の連携を通して、生活期をイメージしてもらい、地域包括ケアの重要な
役割を担っていく立場として、また地域の社会資源として理解して頂けるよ
うに生活期からのメッセージをしっかりと伝え、他の機関と繋がる仕組みを
作っていくことが重要であると考える。
『たて』×『よこ』
今後の課題
急性期
リハ
同職種間の連携
(縦シート)
急性期・回復期から繋いできた“想い”完結する
「最後の一手」として発信!
回復期
リハ
多職種間の連携
(横シート)
生活期からの“想い”を地域に繋いで広げていく
「始まりの一手」として発信!
生活期
リハ
福
祉
用
具
業
者
通
所
介
護
訪
問
看
護
訪
問
介
護
訪
問
リ
ハ
通
所
リ
ハ
ケ
ア
マ
ネ
か
か
り
つ
け
医
歯
科
医
師
そ
の
他
の
医
療
行
政
ご
家
族
・
親
族
生活期は“地域力”の拡大が必要
近
隣
住
民
そ
の
他