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質量1kg
質量mkg
g倍
(9.8倍)
重力(重さ)9.8N
重力mg N
〇重力加速度
地球の重力によって生じる加速度を重力加速度(通常
は,記号gを用いて表す)と呼ぶ。高校物理のレベルでは,
一定の値とし,9.8m/s2を用いる。中学校理科のレベルで
は,重力加速度を直接的に問題にすることはないが,それ
をおよそ10m/s2とし,質量1kg(1000g)の物体に働く重力の
大きさ(重さ)を考えさせるようにしている。すなわち,「およそ
100gの物体に働く重力の大きさを1Nとする」との定義を用
いる。
〇ニュートンの第二法則 F(N)=m(kg)×a(m/s2)
質量1kgの物体に1m/s2の加速度を生じさせる力の大きさ
を1Nと定義する。地球上で物体を落下させると,重力(重さ)
の作用により,9.8m/s2の加速度が生じる。このとき,物体
の質量が1kgであれば,その物体に働く重力は,以下のよう
になる。
F(N)=1(kg)×9.8(m/s2)=9.8N
*中学校理科では,質量1kgの物体に働く重力をおよそ
10Nとして扱う。したがって,およそ100g(0.1kg)の物
体に働く重力は1Nとなる。
〇質量と重さ
地球上の物体には重力が働く。質量と重力の関係は,
ニュートンの第二法則により求められる。質量m(kg)の物体
に働く重力は,mg(N)である。
浮力(結論)
結論的には,物体Aが押しのけた物体B(通常は密度が
1g/cm3の水を取り上げることが多い)の質量(g)に働く重力
(N)が浮力として働くと考えれば良い。
物体B
物体A
例えば,水の中に,10cm3の物体が完全に沈められていると
き,その物体は,10g(水の密度1g/cm3×体積10cm3)の質量
の水を押しのけたことになる。10g(0.01kg)の質量の水に働く
重力は,重力加速度を9.8m/s2とすると,ニュートンの第二法
則より,0.098Nとなる。したがって,この物体に働く浮力は,
0.098Nとなる。
a(cm)
b(cm)
x(cm)
水深
S(cm2 )
水深x(cm)の水圧は,どの方向も同じ大きさ
になる。つまり,水圧は,深さのみによって決
まる。
水深x(cm)に位置するS(cm2)の面に働く力
の大きさは,その面の上に存在している水の
重さ(N)となる。
面の上にある水の体積は,
S(cm2 )× x(cm)=Sx(cm3)となる。
水の密度を1(g/cm3)とすると,その水の質量
は, 1(g/cm3)×Sx(cm3)=Sx(g)となる。
Sx
質量Sx(g)は,1000 (kg)である。
Sx
質量1000 (kg) の物体に働く重力の大きさ
(重さ)は,F=ma(この場合のaは重力加速度g)
Sxg
より,1000(N)となる。この重さが,S(cm2)の面
に働くことになるため,圧力は,
Sxg
xg
(N)÷ S(cm2)=
(N/cm2)となる。
1000
1000
水深x(cm)の位置の水圧は,すべての方向で
xg
等しく, 1000(N/cm2)となる。
水の中に沈められた直方体にかかる水圧
の大きさは,深さによって異なる。
横の面にかかる水圧は,深くなるほど大きく
なるが,どの深さであっても,全方向から同じ
水圧かがかかることになるため,相殺される。
上の面にかかる水圧と下の面にかかる水圧
は,深さが異なるために,その大きさも異なる
ことになる。したがって,面全体に働く力の大
きさも,上の面と下の面とでは異なる
ことになる。この二つの力の差が,浮力の
正体である。
浮力が生じるメカニズムとその値を,以下の図を用いて説明すること。
必要に応じて適当な文字を使用すること。
直方体の上に働く力の大きさは?
直方体の下の面に働く力の大きさは?
直方体の下の面に働く力と下の面に働く力の差は?
図のように,一辺の長さが10(cm)の立方体の物体Aを静かに水に浮かべたところ,
水面から4(cm)でた状態で静止した。水の密度を1(g/cm3 )としたとき,この物体
に働く浮力の大きさを求めなさい。また,この物体Aの密度を求めなさい。
図のように,体積が100(cm3)の球体を水の中にすべて沈めたところ,ばねはかりの
目盛りが690gを指した。水に沈める前の状態で,ばねはかりが指していた目盛りは何g
であったと考えられるか答えなさい。ただし,水の密度を1(g/cm3 )とすること。
また,上の実験で用いた水を,密度1.1(g/cm3)の泥水に変え,泥水に球体をすべて
沈めたときに,ばねはかりの目盛りが690gであった。泥水に沈める前の状態で,ばね
はかりが指していた目盛りは,何gであったと考えられるか答えなさい。