モニタリングサイト1000里地調査の概要

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Update 2014/5/20
モニタリングサイト1000
里地調査の概要
(財)日本自然保護協会
※目的以外での写真・図等の利用を禁止します
モニタリングサイト1000里地調査の概要
日本の生物多様性に迫る危機
第1の危機:
開発による危機
第2の危機:
管理放棄による危機
第3の危機:
移入種・化学物質による危機
第4の危機:
地球温暖化による危機
モニタリングサイト1000里地調査の概要
国の取った対策
第2次生物多様性国家戦略(2002年)
絶滅の防止と生態系の保全
里地里山の保全
自然の再生
移入種対策
モニタリングサイト1000
市民参加・環境学習
国際協力
2003年から事業開始
モニタリングサイト1000里地調査の概要
重要生態系監視地域モニタリング推進事業
モニタリングサイト1000(略してモニ1000)
実施者
環境省
期間
100年程度
凡例
●高山帯
●森林・草原
●里地里山
●●湖沼・湿原
●砂浜
●磯・アマモ場・藻場
●干潟
●サンゴ礁
●島嶼
対象
1000箇所程度の調査サイト
森林や里地里山など、景観タイプごとに実施方法が異なる
里地里山の分野 は(財)日本自然保護協会が事務局を
担当
モニタリングサイト1000里地調査の概要
プロジェクトの目的
モニ1000全体の目的
基礎的な環境情報の収集を長期にわたっ
て継続して、日本の自然環境の質的・量
的な変化を発見
+里地分野の目的
各サイトの自然環境の変化を把握する
各サイトの保全活動に直結させる
モニタリングサイト1000里地調査の概要
モニ1000里地調査の特徴
総合的な調査
複数の分類群の生物の変化を捉える
水環境や、人の土地利用の影響も捉える
市民による調査
広大な範囲(国土の4割)、私有地での調査を可能に
地域に愛着を持って長く活動していくことができる地
域の「市民」を調査の主体とし、保全に結びつける
モニタリングサイト1000里地調査の概要
調査方法
全国で統一された9項目の調査
C NACS-J
○
モニタリングサイト1000里地調査の概要
調査方法
市民が実施可能なシンプル&効率的な調査に設計
項目名
期間・
頻度
調査手法
植物相
調査ルート上の植物の種名を記録
毎月1回
鳥 類
調査ルート上の種名・個体数を記録
繁殖期、越冬期に各2日
中・大型哺乳類
自動撮影カメラにより種名・撮影頻度を記録
春~秋に、毎月フィルム交換
水環境
水位・流量、水温、水色、pH、透視度を記録
毎月1回~年4回
カヤネズミ
調査区画内の巣の有無と、環境条件を記録
初夏と秋の年2回
カエル類
アカガエル類の卵塊数と、環境条件を記録
産卵期間中、2週に1回程度
チョウ類
調査ルート上の種名・個体数を記録
春~秋に月2回
ホタル類
成虫の個体数と、環境条件を記録
発生ピークまで 7-10日に1度
相観植生図を作成
5年に1回
指
標
種
群
人為的インパクト
モニタリングサイト1000里地調査の概要
調査地(サイト)
コアサイト
18ヶ所
複数項目の総合的調査を長期(100年)実施
多様な気候帯へ均等配置
一般サイト 約180ヶ所
公募方式で選定・配置
最低1項目の調査を5年間実施
モニタリングサイト1000里地調査の概要
調査地(サイト)
全国で約200ヶ所
のサイトが登録
各サイトから調査
結果を送ってもら
い、里やまの生物
多様性の現状や変
化を解析
2014年4月現在
モニタリングサイト1000里地調査の概要
コアサイトの分布
モニタリングサイト1000里地調査の概要
調査の実施体制
連携
モニタリングサイト1000里地調査の概要
成果の広報
最新情報はウェブサイト
やニュースレターで発信
ウェブサイト
ニュースレター
調査地、調査マニュアル、調査速報の公開
調査講習会の案内 http://www.nacsj.or.jp/project/moni1000/
モニタリングサイト1000里地調査の概要
里山の危機~開発・分断~
森林面積が減少すると、鳥類の種類も減少
繁殖シーズン(5~6月)における在来鳥類
の種数と調査地周辺の森林面積率(半径
1km円内での比率)との関係を調べた結
果、森林面積が少ないサイトほど鳥類の
種類数が少ないことが明らかとなった。
モニタリングサイト1000里地調査の概要
里山の危機~外来種~
外来種アライグマの生息地の広がりを確認
C NACS-J
○
アライグマ
アライグマ
夜間撮影カメラによって、中・大型哺乳類を調
べた結果、生態系への被害が大きい特定外
来生物「アライグマ」の分布状況や定量的
データが得られた。
この調査により、2008年度に山梨県、2009年
度に愛媛県で、県下で初めて生息している証
拠を得ることができた。
撮影頻度(個体/日)
撮影なし
0~0.01未満
0.01~0.05未満
0.05以上
過去の調査(環境省2008)の
分布地域
モニタリングサイト1000里地調査の概要
里山の危機~温暖化~
主に南方に分布するナガサキアゲハの生息地が変化
C NACS-J
○
ナガサキアゲハ
2002年の調査では関東で見られなかった
チョウが、この調査では複数のサイトで見
られるようになった。チョウの性質(耐寒性
など)が変化していないことや、ヒートアイ
ランドの影響の少ない農村部でも確認さ
れたことから、この分布の変化は地球温
暖化によりもたらされた可能性が大きいと
いえる。
2009年度までの調査で
確認できた調査地
確認できなかった調査地
過去の調査(環境省2002)の
分布地域