Transcript 新しい人事制度
新しい人事制度
2014年11月11日
人事労務管理論B (第7回)
LT1011教室
LT1012教室
先週の復習から①
「能力主義管理」
(1970年代以降の人事管理制度)
日経連が1969年に打ち出した
ねらいは年功制の弊害の克服
各人の職能(職務遂行能力)による処遇
能力一般ではない
企業目的達成のために貢献する能力
職能資格制度
能力主義管理のための中心制度
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先週の復習から②
職能資格制度の問題点・限界
「底なしの」競争主義
従業員同士の相互競争
年功的な運用
仕事に専念させる
会社人間!
働き過ぎを助長
過労死!
経験を考慮:必要滞留年数、最長滞留年数
→ つまり年功的な運用
意欲を考慮:努力に報いてきた
→ つまり年功的な運用
一律的な処遇、コスト増
創造的な仕事に報いることができない
しかし高い企業忠誠心と労働意欲をもたらした3
ところが・・・大変化がおきている!
これまでの人事制度を支えていた前提
大量生産・大量消費:
アメリカではフォード生産システム
→
日本ではトヨタ生産システム
→
前提の崩壊
大量生産・大量消費の崩壊:高度成長の終焉
→
4
新しい人事制度
なぜ新しい人事制度か
これまでの人事制度では仕事(職務)と労働力(ヒト)
の適合性を確保できなくなった
仕事の変化
ヒトの側の変化
・
・IT化 →
・グローバリゼーション→
→
・
・
5
今という時代を概観すれば(1)
IT革命(情報処理と通信技術の進化)
→ 仕事の質的変化(労働の2極分化)
膨大な情報入力作業:
情報解析・開発・交渉:
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今という時代を概観すれば(2)
グローバリゼーション
市場原理の拡大、規制緩和、
地球的規模の大競争
アメリカのホンダ VS 日本のフォード(マツダ)
デルのソリューションセンターは中国に
そして最近ではインドが!
コストダウンが至上命令!
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旧日経連「新時代の日本的経営」
処遇の多様化
長期蓄積能力活用型(正規雇用従業員)
業績・実績重視
雇用柔軟型(非正規雇用)
コース別雇用管理から雇用形態の多様化へ
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能力主義から成果主義へ
ヒト基準からシゴト基準へ
「能力主義」:潜在能力を評価し、企業目的達成に向
けてガンバラせる
↓
がんばっても成果が出ない
「成果」は簡単には計れない
職務等級制度
役割等級制度
コンピテンシー
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コンピテンシー!
職能からコンピテンシーへ
Competency (能力)
「~ができる」ではなく
潜在能力ではなく
能力というよりは
処遇基準の変更 →
役割と職務等級を重視
仕事と期待された役割にどれだけ貢献したか
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コンピテンシー
の概念図
スキル
成果
行動
知識
自己概念
性格
動機・気質
図の中で重なり合う部分が
コンピテンシー
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富士通が成果主義を導入!
能力主義から成果主義人事へ
年功的な運用に流れやすい
目標管理制度(Management by Objective)を使い
失敗!
処遇が目標達成度で決まるから
従業員は容易に達成できるように
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混乱の中の成果主義人事制度
富士通の失敗
「成果」とは何か、どう計るかが不明のまま導入
トヨタは「成功」??
「成果」ではなく
ただし、潜在能力ではなく
職能資格制度の解体ではなく修正
期待貢献(ソニー)、役割貢献(トヨタ)、
役割価値(三菱電機)
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結局、成果主義とは何だったのか
ねらいは年功制の打破・一掃
成果を上げること、人件費コストを下げること
「成果」をどう計る?
人事考課査定制度、査定者の訓練
労働意欲は?
2008年度の「労働経済白書」
業績成果主義によってかえって意欲低下が懸念
成果主義だけで従業員の意欲向上を図ることは好ましくない!
しかし・・・
年功制度に戻れないとすれば、実際はどうなった?
賃金制を振り返って、この点を考えよう
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人事制度と賃金制度
人事制度
人事制度は働かせ方のための制度
→
賃金制度
賃金は「労働の対価」だとすれば
→ 「働かせ方」に規定される
人事制度と賃金制度
賃金制度の変化をみることで
→
15
「賃金の決め方」の意義
賃金の決め方・決まり方
①賃金を決める「基準」:賃金の決定基準
②賃金の上がり方・賃金の水準
「年功賃金から成果主義賃金へ」という掛け声は、主として①
の問題
賃金決定基準の重要性
経営側からみて:①
②
労働側からみて:①
②
労使のせめぎ合い:経営側の意図と労働側の願い
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賃金制度と賃金決定基準
仕事そのものの価値←「仕事基準」→業績と成果(顕在能力)
(
個
人
査
定
な
し
)
何
ら
か
の
集
団
に
対
す
る
評
価
2
1
3
4
生活←「ヒト(属人)基準」→潜在能力
個
人
に
対
す
る
評
価
(
個
人
査
定
あ
り
)
17
アメリカの賃金の決め方・決まり方
仕事の値段
人事査定なし
人事査定あり
人
18
アメリカの賃金の決まり方(1)
ブルーカラーの場合
・ほとんど時給
・
・用語も wage
Ⓓ
賃
金
Ⓒ
Ⓑ
Ⓐ
職
種
19
アメリカの賃金の決まり方(2)
ホワイトカラーの場合
賃
Ⓩ
Ⓨ
金
Ⓧ
職
種
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日本の賃金の決め方・決まり方
人
個人査定なし
(人物評価)
個人査定あり
仕事
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日本の賃金制度の実際
電産型賃金=敗戦直後の
→年齢別生活保障(年齢と家族数)
春闘、定期昇給制度=
→1955年以降の第1次高度成長期に普及
職能給=職務遂行能力の査定による賃金
+勤続給=
→1970年代から現在に至るまで広く普及
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電産型賃金(年の功賃金)
電産型賃金=敗戦直後の
→年齢別生活保障(年齢と家族数)
産別会議10月闘争(1946年秋)
日本電気産業労働組合協議会(電産協)が主導し
て新しい賃金体系を要求
電産型賃金体系の賃金構成
本人給47%
生活保証給67%
賃金
基本賃金92%
地域賃金8%
能力給
20%
勤続給
5%
家族給20%
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春闘と定期昇給制度
ーーその後の「年功(年の功)」賃金ーー
春闘
毎年春、労働組合が賃上げや労働条件の改善を求
めて一斉に要求し、交渉をおこなってきた
第1次高度成長期(1955年以降)から始まった
定期昇給制度
毎年の大幅賃上げ、労使紛争回避を狙って日経連
が提唱
→
→
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第2次高度成長期以降:職能給
ーーー「年と功」賃金ーーー
「年の功」賃金の問題性
企業への貢献度を賃金に反映できない
仕事へのインセンティブ(動機付け)が不十分
従業員の間での不公平感
職務遂行能力
何らかの形で仕事に関連した要因で賃金決定
職務遂行能力(職能)の程度を賃金に反映させる
職能給へ
年齢と経験を考慮しつつ(
)で賃金決定
(
)の点数で賃金を決定
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職能給のモデル
職
能
資
格
給
M-5
M-4
J-3
J-2
J-1
年齢・勤続
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年功賃金と職務遂行能力の関係
+
賃金カーブ
働き(成果)カーブ
-
+
→年齢
?歳
40歳
27
ところが・・・大変化がおきている!
これまでの人事制度を支えていた前提
大量生産・大量消費:
アメリカではフォード生産システム
→
日本ではトヨタ生産システム
→
前提の崩壊
大量生産・大量消費の崩壊:
→
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