システムズアプローチ(配布用

Download Report

Transcript システムズアプローチ(配布用

システムズアプローチ
工学部 経営工学科 非常勤講師 大成幹彦
● 文化の違い
高い/低い コンテクスト
● 情報システム開発の手順
● システムズアプローチ
問題の構造化
解決代替案
評価
● わからせるには・・・Visual化
● まとめ
URL: http//www.rs.kagu.tus.ac.jp/ohnari/se/se.htm
20081113
1
文化の違い
文化 = 有形物 ・ 思考 ・ 規範
言語メッセージでのコミュニケーションのパター
ンは文化により異なる。
低コンテクスト文化での言語コミュニケーショ
ン ・・・ アメリカが代表
(1) 言語的緻密性をもつ
(2) 明示的言語コミュニケーション
(3) 言語メッセージにだけ頼る。非明示的なも
のに依存しない
2
高コンテクスト文化 ・・・ 日本
高コンテクスト文化での言語コミュニケーショ
ン ・・・ 日本が代表
言語メッセージ以外に送受信者の内部に存在
する人間関係などの非明示的なものに依存す
る
問 学校から帰ってきた小学生に対する母親
小学生 「お腹すいた」
アメリカ人の母親なら 「?」
日本人の母親ならどうする?
3
民族別のコンテクストの比較
低コンテクスト文化(明示的コミュニケーション)
ドイツ系スイス人
ドイツ人
スカンジナヴィア人
アメリカ人
フランス人
イギリス人
イタリア人
スペイン人
ギリシャ人
アラブ人
中国人
日本人
高コンテクスト文化(非明示的コミュニケーション)
4
動作動詞に見る文化の違い
高コンテクスト文化の言語
確認する
接続する
低コンテクスト文化の言語
目で確認する: make sure
テスタで確認する: check
回路の導通を確認: insure
端子に接続:
terminate
線と線とを接続: splice
コンピュータと周辺機器
とを接続する:
connect
法律的判断
(Product Liability問題)
日本:主観的意思があったか 欧米:書いてあるか
20091207
5
情報システム開発の手順
目的・課題
製作
要求分析
Requirement
Engineering
prototyping
ヒューマンイン
タフェース,
使い勝手
要求仕様
Requirement
Specification
Verification
仕様書どおりに
作られているか
Validation
利用者の真の
要求を満たして
いるか
6
Systems Engineering
要求分析
USER
写像
Mapping
逆写像
MAKER
技術
7
システムズ
アプローチ
システムの特徴
システム計画技法(構造化技法)
目的樹木法,目的樹木展開
システム計画手順
うまい報告書の書き方
システムの評価
マトリックス法
8
システムの基礎知識(1)
システムの語源
System: organization, method, mode, order, regularity
ラテン語:SYSTEMA ギリシャ語:SYNISTANAI
システムの定義
システムとは
機械学会システム制御分科会
単独の機能を持つ多くの要素が有機的に結
合され,全体としてある目的に沿って高度
の機能を発揮するように構成されたもの
JIS
8121 OR用語
多数の構成要素が有機的な
秩序を保ち,同一目的に向
かって行動するもの
システムの特徴
全体としての目的を
持っている
2つ以上の構成要素
を含んでいる
大成研究室 経営科学II 要素相互間の機能が
規定されている
小櫃敬介 作 9
1-
システムの基礎知識(2)
システムの基本的性能
制約条件(constraint)
有用性
usefulness
経済性
economy
環境条件(environmental condition)
物理的条件
周辺条件
人的条件
信頼性
両立性
reliability compatibility
システムの概念
システム概念
システム科学
一般システム理論
システム方法論
(手順、 技法)
システム工学
個々のシステム
大成研究室 経営科学II 小櫃敬介 作 10
1-b
システムの概念
システムズ アプローチ
システム概念
全体は部分より成る。全体は部
分に依存し,部分は全体を前提
として存在する。
全体のベスト ≠ 部分のベスト
全体 ≧ 部分の集合
期間のベスト ≠ 瞬間のベスト
Structuring
(構造化)
Solving
評 価
システム
問題設定
解決策
評 価
製品戦略
要求分析 Product
Portfolio
Management
戦 略
業 績
設計業務
要求分析
設 計
評 価
制御方策
検 証
相反する概念
エンジニアリング
アナリシス(分析)
全体を部分に,部分をそのまた
部分にと分析を進め,全体への
認識を深める方法。
分 析
制 御
要求分析
ソ
フ
ト
要求仕様
大成研究室 経営科学II Prototyping
製 作
Validation
Verification
11
飯田雄二郎 作 システム開発の手順
システムの開発の活動は,図1に示す3次元の形態学的空間に位置付けられる。時
間軸はシステムのライフサイクル上のフェーズを表し,論理軸は問題解決のステッ
プを表す。知識軸は各活動に必要な専門知識を表す。時間軸と論理軸とからなる平
面が活動平面となる。図2の矢印の順に実行すれば,システムが構築していける。
Arts
Social Science
Management
Law
Business
Architecture
Medicine
Engneering
-
logic
知
識
time
1
2
論 理
ステップ
活動平面
フェーズ
Definition System
5
6
7
Systems
3
Systems
4
Optimi-
Decision
Plann-
Synthesis
Analysis
zation
making
ing for
Design
Action
Program
Planning
Project
Planning
図1 システム工学に関する形態学的空間
Development
5
6
7
大成研究室 経営科学II 2
Value
System
3
4
時 間
1
Problem
Production
Distribution
Operation
Retirement
図2 活動マトリックス (A.D.Hall)
12
飯田雄二郎 作 システム計画手順
問題設定
13
報告書をうまく書くにはどうすればよいか
‐ ブレーンストーミング ‐
解決策
(1)言いたいことを限定する
(2)キーワードを拾いだし、それらのつながりを考える(構造化)
(3)執筆者のポテンシャルや感度を高める。けちをつけるのが有効
(4)目次を作ってみる
(5)見本をみる
14
目的樹木の作り方
(1) 2項関係の表示“1”が一つもない行を探す。その行の項目を抽出する。
(2) (1)で探した項目の行と列を削除する。
抽出された項目は,下位の階層レベルの項目に対しては,目的となり,
上位レベルの項目に対しては手段となる。
(3) 残りのマトリックスに対して,(1)と(2)を繰返し適用する。
目的樹木
目的
↑
|
手段 目的
↑
|
手段 目的
↑
|
手段
A
↑
┏━━┻━━┓
B
C
↑
↑
┏┻┓
┏┻┓
D E
F G
↑
|
H
項目関連マトリックス
着
発
A
B
C
D
E
F
G
H
A B C D E F G H
1
1
1 1
1 1
1
1
1
1
1 1
1
15
評価
評価とは 渡辺編“システムと評価”昭49
評価の重要性
評価の効用
評価の時点
評価の4段階
共立出版
事前評価と予測
予測の手法
(次に続く)
計画決定が
合理的に
行える
評価とは 成果の
向上が期
事前
評価
待される
追跡
真の波及
効果を確
認できる
評価
研究開発
システムや
研究者の評
価が行える
試行途上で
目的変更
ができる
適時に
必要な手
を打つこと
中間
ができる
評価
直後
評価
代替案とその評価
大成研究室 経営科学II 直後評価
追跡評価
目的に即し
た成果を定
量的に把
握できる
目的外
の成果も
確認できる
マトリックス法
費用
各評価に期待される効用
目標の定量化
中間評価
目的関数
重要度の評価
対
効果分析
多目的システムの評価
テクノロジーアセスメント
16
杉本夏子 作 評価技法(1)
時間経過考慮
マトリックス法
Relevance Matrix法
なし
Cross Support Matrix法
なし
Cross Impact Matrix法
あり
修正Cross Impact Matrix法
あり
Relevance Matrix法
評価対象間に相互作用のある場合,代替案選択などに用いる。
(重量)(容積)(価格)(信頼性)
a
b
w1
w2
w3
w4
A(第1案)

a
a
a
B(第2案)
a
尺度(因子)(j)
ウエイト
評価対象
(i)
c
d
正規化された
評価値
評価値
WiN
wi
4
C(第3案)
D(第4案)
a
a
11
21
31
a
a
a
42
12
22
32
41
a
a
a
13
23
a
14
W 1 =Σ wj a 1 j
WN
24
W 2 = Σ wj a 2 j
WN
34
W 3 = Σ wj a 3 j
WN
44
W 4 =Σ wj a 4 j
W4N
j=1
4
j=1
4
33
43
a
a
j=1
4
2
3
j=1
計
大成研究室 経営科学II 1
Σ
Wi
100
17
杉本夏子 作 ビジュアル表現とは
A から酒屋に寄って B へ行く
○
●B
○
〒
酒屋○
●酒屋
• 直進する。
• 突き当たりを左折する。
• 最初の四つ角を,鋭角になって
いる右側へ折れて進む。
• T字路に出たらT字路の縦棒の
左側にある酒屋に寄る。
• T字路を右折して進む。
• 突き当たりの5差路に出たら,
正面の郵便局の左側の路地
に進む。
●A
• 突き当たりのT字路を左折する。
• 最初の四つ角を右折して2軒目
が目的地 B。
18
情報処理システムとしての人間
感情系
注意系
感
覚
情
報
貯
蔵
庫
短
期
記
憶
長
期
記
憶
Short term
Long term
memory
memory
Magical number: 7±2 Chunk 19
感情の役割
高
い
短
期
記
憶
の
処
理
効
率
感情のレベル
強い
感情のレベルと短期記憶の処理効率
20
システム的な表現(1)
システムエンジニアの役割の一つ
対象をシステム的に理解し,visual に
表現すること。
システム的,visual な表現法
図表,イメージ図を用いて,項目や
key word の関連を明示する。
21
システム的な表現(2)
システム的表現法の順序
(1) 要素の関連を明示
要素の関連:並列/直列,上下,包含,・・
構 成
ハード
機能
ソフト
原 理
動作/手順
フローチャート,PAD
22
システム的な表現(3)
(2) システムズアプローチ
課 題
項目の抽出,構造化: KJ法,ISM,・・
解決代替案
課 題
目的樹木法, ・・
方策1
評価
方策2
具体案1 具体案2 具体案3 具体案4 具体案5
Relevance Matrix, ・・
23
システムのまとめ(1)
システムのまとめ
システムとは
組み合わせによる新機能:相乗効果
システム開発
新システム
目標が新規:アポロ
合理化,機能改良
対象科学
userの立場
Philosophy:新しい価値観
常識,バランス感覚
開発手順
システム開発管理技法
技術力
大規模,複雑なシステムの取り扱い技術
システム理論:システム構成技術
制御理論:feedbackの概念
大成研究室 経営科学II 林陽子 作 24