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全国社会福祉協議会 第24期社会福祉士通信課程
相談援助演習
地域福祉の事例演習
中部学院大学人間福祉学部
宮嶋 淳(博士(ソーシャルワーク))
http://web2.chubugu.ac.jp/blog/web_labo/miyajima/index.html
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1
ソーシャルワークとは何か

ソーシャルワーク専門職は、人間の福利
(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会
の変革を進め、人間関係における問題解決
を図り、人びとのエンパワメントと解放を促
していく。

ソーシャルワークは、人間の行動と社会シ
ステムに関する理論を利用して、人びとが
その環境と相互に影響し合う接点に介入す
る。人権と社会正義の原理は、ソーシャル
ワークの拠り所とする基盤である。
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2
ソーシャルワークの領域と目標

資料参照
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地域福祉とは~基本的な概念確認

地域=コミュニティ

地域福祉=コミュニティ・ウェルフェア/コミュニティ・ウエルビーイング

地域福祉を支える専門職=コミュニティ・ワーカー/コミュニティ・ソー
シャルワーカー

その役割
〇推進者・・調査分析者/サービス提供者/刺戟者
〇アシスタント・・情報・技術提供者/表出者/調整者

活用する技術
①関係付け
②組織化
⑤コミュニケーション
⑦エンパワーメント
③プランニング
④行動(Action Skill)
⑥政治的技術(Political Skill)
⑧リンケージ
⑨ネットワーキング
⑩コーディネーション
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地域の福祉の根源
=「幸せ」な生活

生活とは何か
◦ 連続性のある習慣化、あるいは文化と化
した構造的な営み・・構造化、類型化可能

生活を見つめる尺度
◦ 新国民生活指標体系
・8つの活動領域
・4つの生活評価軸
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5
8つの活動領域
・・PLI8領域

住
む
…
住居、住環境、近隣社会の治安等の状況

費やす
…
収入、支出、資産、消費生活等の状況

働
く
…
賃金、労働時間、就業機会、労働環境等の状況

育てる
…
(自分の子供のための)育児・教育支出、教育施設、進学率
等の状況

癒
す
…
医療、保健、福祉サービス等の状況

遊
ぶ
…
休暇、余暇施設、余暇支出等の状況

学
ぶ
…(成人のための)大学、生涯学習施設、文化的施設、学習時間
等の状況

交わる
…
婚姻、地域交流、社会的活動等の状況
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4つの生活評価軸

安全・安心 … 個人の欲求として
より基本的な軸

公正 … 格差の少なさや社会のやさしさ度
を表す軸

自由 … 個人生活面での選択の幅を示す軸

快適 …より気持ちよく生活できるかを示す軸
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コミュニティ・ワークのプロセス
地域診断
・・・演習1
 グループの形成
 学習(再診断)
 計画の作成
・・・演習2
 計画実行の準備
 計画の実行と進行管理
 実行後の評価
 課題の再発見

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地域診断演習・・フィールド調査結果
より
インタビュー調査・・・教材①
統計資料分析・・・・・教材②
具体的問題の発見と確認
問題発生原因の考察
援助機関内での問題の共有化
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グループの形成

住民or市民のグループ形成への呼掛け・根回し

新たな結成への呼掛け・既存グループへの働き掛
け等

当事者や関連グループとの調整

住民or市民のグループ形成
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学習(再診断)

コミュニティの意向の確認

確認された課題についての学習の展開
(問題の構造化)

他地域の類似課題の解決状況の取材
(情報収集)

社会資源調査
(自分達の地域の資源の確認)
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計画の作成

問題解決目標案の作成

解決案を具体的に実行する活動計画の
作成

評価計画の作成
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計画実行の準備

広報活動の展開(情報の発信)

問題解決に取り組む住民を増やす。
(多数派の形成)

インターグループ・ワーク

社会資源の動員
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計画の実行と進行管理

関係者による対話集会の開催

解決行動の実施

ソーシャルアクション

自分たちでの解決行動の実施

課題解決に向けての進行(運営)管理
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実行後の評価

総括記録の作成とアカウンタビリティの確認

解決状況(タスク・ゴール)評価

活動経過(プロセス・ゴール)評価

関係拡大等評価(リレーションシップ・ゴール )
評価
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課題の再発見

解決課題についての追跡(調査)

発見された新たな課題への取り組み
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地域診断の具体的な展開

何がニーズとして捉えられるか
◦ ニーズ・アセスメント
◦ ミクロ、メゾ&マクロ・レベル

地域診断の内容と技法
◦ 活用できる社会資源の把握
◦ 地域課題の抽出
◦ 地域における問題解決の三つのゴール
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ニーズとは

ある基準からのニーズ(ノーマティブ・ニーズ)を発見
するためには、関係資料を検索し、何がどのレベル
でニーズと見做されるのが一般的かを知っているこ
とが必要。

数値を比較する中からニーズ(コンパラティブ・ニー
ズ)を見出すことも必要。

個人が自覚しているが顕在化していないニーズ(フェ
ルト・ニーズ)

個人がニーズを主張し申請などを行っているニーズ
(エクスプレスド・ニーズ)
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ニーズ・アセスメント

快適なコミュニティ生活を阻害する要因とし
ての地域課題や生活課題

コミュニティの優れた特徴(地域の宝物)を
見つけだすこと

ミクロ・ニーズがコミュニティニーズに転化

メゾ・マクロ・レベルのニーズの発見
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ミクロニーズ・アセスメント
アセスメントに関する専門的な枠組み
基本的には、ミクロ・ニーズのアセスメントが先行する
ニーズ・アセンスメントの方法としての住民インタビュー調査
アクション・リサーチ
問題を住民意識してもらうための調査
住民の個別ニーズ把握のための聞取り調査
数量化を前提とした調査ではない・・質的調査
住民の意識の構造的把握の予備調査
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ミクロ・メゾ&マクロ・レベル
のニーズ・アセスメント

ミクロレベルのニーズ・アセスメントの結果
からの類推

住民が解決したい問題は、抽象的問題ではな
く具体的問題。

具体的課題の解決への取り組みを想定

地域住民、誰にでも起こりうるニーズと
そうでないニーズ(特殊なニーズ)を
色分けしてください。
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統計データから生活課題や地域課題
を探るポイント
①生活課題の発見方法として統計調査の活用
②統計資料は数字の羅列であるが、グラフにして
みると見えることが多くなる
③時系列の変化を見ることで課題を発見する方法
④他市町村との比較で課題を発見する方法
⑤データを組み合わせることで課題が見えてくる。
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地域課題の抽出

課題の解決に向け、創造力を発揮し、どう問
題解決を進めるか考える。
①得られた情報と統計データ等の材料をもとに地域課題
(ニーズ)を抽出し、
②それらについて改めてそのニーズの具体的内容、ニーズ
となる理由を確認。
③その解決がどういう意味を持ち得るかについて当事者、
コミュニティ、行政、その他の側面からアセスメントを
行う。
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④アセスメント結果を踏まえて、具体的な解決に向け
てのゴールを考える。
(1)緊急でかつ重要な課題
(2)成功確立が高く、容易に取り組める課題
の両者を抽出。
⑤二つに対応する社会資源について整理する。
⑥ニーズに対する「タスク・プロセス・リレー
ションシップ」の各ゴールや、
援助モデルを再度、整理する。
⑦課題への取り組みを、年次計画として作成。
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Q.インタビュー調査結果
(ミクロ・レベルのニーズ)
と
統計データ
(メゾ・マクロレベルのニーズ)
の
組み合わせ
から
この町の地域福祉の課題を考える
*ニーズを持つ人々を類型化(≒一般化≒代表性を持
たせる)することにより、人と社会を結び付け
やすい
「こういう人たちがいるから、ここをこうすべき」
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解決を要する地域での生活上の課題(生活問題・ニー
ズ)は、インタビュー結果だけでも、統計数値の解釈か
らだけでも発見できる。
生活問題(ニーズ)は、インタビュー結果と統計データ
を組み合わせて、両方から説明できる問題点である場
合は、確実に解決を必要とする。
従って、インタビューで出ている問題を統計資料で追
確認しておくことは大切。
インタビューで出た具体的問題は、どの統計に出てい
るかを考える応用能力が専門的力量として問われる。
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地域における問題解決の
三つのゴール

タスク・ゴール
問題解決(課題達成)ゴール
=具体的な課題の協働的解決
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
プロセス・ゴール
参加者がそれぞれに、又は 組織として、問
題解決過程を修得するという学習的ゴール≒
教育的実践を含む
◦ 協力・協働的な態度の育成・・民主的方法と
して、目的と手段の一致
◦ コミュニティの全体的調和
 コミュニティ・コンセンサス
 地域社会の問題解決能力(community capacity)
を増強
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リレーションシップ・ゴール
メンバー及びその組織がどれだけ色々な
(良好な)関係を広げられたかというゴール
コミュニティにおいて、様々な関係自体が少なすぎる
(=社会資源を知らない、
活用がスムースに進まないことに繋がっている)
ことが問題だという発想からのゴール
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ゴールを考えるときのポイント
難易度・緊急度を推測する
想定される援助モデル
課題のしぼりこみ
教育的実践としての効果
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ソーシャル・キャピタルを育む
高橋 満(2013)
『コミュニティワークの教
育的実践 教育と福祉とを
結ぶ』 東信堂より
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学習としての
コミュニティワーク

一定の地域に責任をもつ専門職が、地域の
well-beingを高めるという意味で
<福祉コミュニティ>づくりに参加する中
で、実践の質を転換する契機を得ると想定

大切なことは、あくまで主体は住民であり、
住民の参加と学びを実践の中で
作り上げていくこと
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「人のつながり」の大切な性格

信頼関係で結ばれていること

人びとが互酬性、で結ばれていること

そういう人たちが協同の活動をするこ
と
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ソーシャルキャピタル(social
capital)=社会関係資本

パットナムの定義
◦ 人びとの協調行動を活発にすることによって社会の効率
を高めることのできる「信頼」「規範」「ネットワー
ク」といった社会組織の特徴である。

内閣府の概念構造
◦ 社会的信頼
◦ ネットワーク
◦ 互酬性の規範
「お互い様の関係」+「一般化された互酬性(自分に戻ってくる)」
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ソーシャルキャピタル概念図
主体A
規範
信 頼 関 係
主体B
規範
主体C
規範
高橋 満(2013)より
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ソーシャルキャピタルの二類型

結 合 型 : 地縁組織のネットワーク
◦ 同質的な人びとの内部志向
 安心を生み出すが、血縁や地縁をもたない人を排除したり、個
人の自由や考え方を拘束・規制する

橋渡し型 : 市民活動のネットワーク
◦ 異質的な人びとの外部志向
 「好み縁」に代表される自由で広範なネットワーク
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コミュニティ・キャパシティ
コミュニティに存在する人的資源、組織的資
源、社会関係資本から構成され、
 コミュニティの諸問題を解決したり、
 コミュニティのwell-beingを改善し、高める力
を持っていること。


コミュニティ・キャパシティの4つの次元
◦ 個人・組織・ネットワーク・制度政策
(環境的基盤)
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評価の指標
1.
2.
「それは正しいか」・・・活動の妥当性を吟味する
「行っていることは正しいか」・・・FIT基準からみて、
質的に適切か
3.
「参加者が変化したか」・・・参加者の知識や意識の肯定
的な変化に焦点をあてる
4.
「コミュニティに変化を生じさせたか」・・・コ
ミュニティの変化の具合
5.
現在の介入方法とは異なるアプローチはない
か、再検討する
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指標の例

短 期 ・中 期
を想定
・長 期 のアウトカム
個人的
成長
リーダーとして
の役割と位置
コミュニティ発展
キャパシティ・
ビルディング
「力がついた」と自信を持っていえるロジック(理路)を用意する。
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Q.計画作成演習

住民が取り組む=コミュニティ福祉活動計画

ワーカーが行う=コミュニティ・ワーク計画

共通項としての「課題の概要」「ゴール」
「援助モデル」「準備とその期間」

主体が明確でない場合、主体形成、あるいは
キーパーソンやグループの発掘、
から始まる
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ロジック・モデルの利点
1.
参加者の議論の結果を図によって示す方法をとる
2.
計画の妥当性と実行可能性を検討する際に重要とな
るポイントを明示化する
3.
積極的な参画型の学習機会を提供するツール
4.
ロジック・モデルをつくること自体が協同の実践で
あり、かつ協同の学習のプロセスである
⇒計画・評価のプロセス自体が、
ソーシャル・キャピタルを豊かにする実践ともなる
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変化の理論の構成

変化の理論モデル・・・・概念的であり、プログラムの骨格
Do:戦略 ⇒ Get:結果

プログラム・ロジック・モデル・・・操作的であり、
骨格に筋肉や血管
をつける
問題の設定⇒ 目標 ⇒ 根拠・前提 ⇒ 資源
⇒ 活動 ⇒ アウトプット ⇒ アウトカム の循環
どのような資源を使い、どのような活動を、
どの位するのか、それが何を産み出すのか
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焦点を定める基準

重要性:その問題にねらいを定めることが、あ
なたの機関の使命に合致しているか

変革可能性:先行する諸条件は、変えうる可
能性を持っているのか

妥当性:あなたが選択した戦略は、「目標」を
実現するうえで十分な根拠を持っているのか

実行可能性:あなたが利用できる資源で実現
可能か
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点検の基準
:
SMART と
FIT

特定性(specific):するべきことは何か。行為する

測定可能性(measurable):内容は量的にも質的

行為志向性(action-oriented):内容は、認知、
のに十分明確であり、アウトカムと結びついているか
にも捉えられる
知識、スキルそして行為における変化を引き起こすように選
択される

現実性(realistic):内容の妥当性、実現可能性

適時性(timed):内容は期間を特定しており、結果
に向けての進歩のためにアウトカムの時間による順序を説明
する
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FIT基準

頻度(frequency):発生の頻度

強度(intensity):所与のエフォートの程度また
は強度

狙い(targeted):特定のマーケートまたは対象
者にねらいを定めること
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評価の指標
2.
「それは正しいか」・・・活動の妥当性を吟味する
「行っていることは正しいか」・・・FIT基準からみて、
3.
「参加者が変化したか」・・・参加者の知識や意識の肯定
4.
「コミュニティに変化を生じさせたか」・・・コ
5.
現在の介入方法とは異なるアプローチはない
か、再検討する
1.
質的に適切か
的な変化に焦点をあてる
ミュニティの変化の具合
これらを意識しながら、年次計画を作成していく
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地域福祉活動計画を作る

地域福祉活動計画≒CO福祉活動計画+
コミュニティ・ワーク計画
◦
◦
◦
◦
解決目標案の作成
目標に向かって進むための行動計画の作成
取り組むべき順序
評価計画の作成
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コミュニティにある
グループの類型

当事者グループ

周辺グループ

取りまとめグループ

それぞれのグループの役割は異なる
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グループから組織へ

任意の集まりとしての「グループ」

目的やルールに基づく「組織」

法人格を持つ組織
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ワーカーの任務:連絡調整活動の推進
住民参加の促進と連絡調整
①連絡調整活動の推進
②活動主体(代表者)間の連絡調整
(インターグループ・ワーク)
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専門職の問題解決の基本

自分の問題は自分で、家族の問題は家族で、コ
ミュニティの問題はコミュニティで、(自助力)

しかし、現代社会では、個人や家族やコミュニティ
への相互の影響力が極めて大きい(共助力)

自分で、家族で、コミュニティで解決できない問題
の解決を、
様々な立場(行政、社協、関連NPO等)の人・組織
が支援する(公助力)
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コミ・ワーカーのチーム・アプロー
チ

地域課題を発見し、その問題解決を促し
ていく仕事

地域コミュニティは、その主体である住
民の意思によって組織されるべきである
という基本的な考え方
 方法としての地方自治体(最低水準維持)と、先
進的問題解決への取り組み や その伝統を踏ま
えたNPOの活動
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活動内容評価の諸問題

Plan(計画) Do(実行) Check(検証) Action(見直し)
前提条件としての「計画」と「実行」

「Check」

≒「エヴァリュエーション(事後)」と「アセスメント(事前)」

「検証」≒「評価」

「評価」の中心は、ゴールへの寄与、SP、CD、CP

「最終的評価」や「序列」を作ることが最終目標ではない。
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全 体 発 表 会 (分かち合い)
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