Transcript テキスト - 国土交通省

GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
GISを用いたマッピングと分析
【地方公共団体向け】
開発担当者 ：首都大学東京 都市環境科学研究科 教授 若林芳樹
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
0
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
作業の概要
 様々なデータを用いて地域の現状と課題を考える
市町村レベルでの分析に適したデータを収集する（目的や対
象地域のスケールによって利用可能なデータは異なる）
住所情報から緯度経度データを作成し，GISに取り込む
小地域統計を取り込んで，人口特性の地域差を把握する
主題図を作成し，地域の現状と課題を考える
 習得するスキル
アドレスマッチングの方法：住所から緯度経度情報を取得
既成の地理空間情報とオリジナルなデータとを組み合わせた
解析方法
地図の読図と表現、地理空間データ分析の技法
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
1
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
スケジュール
テーマ「災害時の避難所の配置と人口特性の把握」
1. 避難所の設置状況の把握＜90分＞
 住所情報の緯度経度変換（アドレスマッチング）
 緯度経度データの地図化
2. 地区ごとの人口特性の把握＜60分＞
 統計データの地図化と読図
3. 人口特性からみた避難所配置の問題点と改善策の検
討＜60分＞
 地図の重ね合わせ、空間情報の検索・分析
4. 自治体業務への応用について考える＜30分＞
 グループ討論
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
2
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
使用するデータ
フォルダ名
ファイル名
【地図データ】
基盤地図25000
FG-GML-13-AdmArea****
FG-GML-13-AdmPt****
FG-GML-13-Cstline****
FG-GML-13-RdEdg****
FG-GML-13-Rail****
FG-GML-13-WL****
基盤地図50mメッシュ標高
FG-GML-533****
統計GIS
H17ka13201
H17ka13202_Dissolve
内容
形式
範囲
データソース
座標系
行政区画境界線
行政区画代表点
海岸線
道路縁
軌道の中心線
水崖線
ベクタ（線）
ベクタ（点）
ベクタ（線）
ベクタ（線）
ベクタ（線）
ベクタ（線）
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
基盤地図情報
基盤地図情報
基盤地図情報
基盤地図情報
基盤地図情報
基盤地図情報
緯度経度
緯度経度
緯度経度
緯度経度
緯度経度
緯度経度
50mメッシュ標高DEM
ラスタ
東京都
基盤地図情報 緯度経度
小地域境界
八王子市行政界
ベクタ（線） 八王子市
ベクタ（線） 八王子市
統計GIS
統計GIS
【住所データ】
八王子施設
広域避難場所_八王子
避難所_八王子
広域避難場所
その他の避難所
街区住所
街区住所
八王子市
八王子市
八王子市資料
八王子市資料
【属性データ】
統計GIS
年齢総数
年齢比率
年齢別人口総数
年齢別人口比率(%)
町丁字
町丁字
八王子市
八王子市
統計GIS（2005年国勢調査）
統計GIS（2005年国勢調査）
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
緯度経度
緯度経度
3
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
１．避難所の設置状況の把握
① アドレスマッチング
住所情報の緯度経度変換
② 背景地図の作成
①アドレス
マッチング
②背景地図の作成
ラスタ：50mメッシュ標高
ベクタ：基盤地図情報
ラスタデータ：数値地図50m
メッシュ標高
ベクタデータ：基盤地図情
報25000
③ ユーザレイヤの作成
アドレスマッチングした経度
緯度データのCSVファイ
ルを取り込む
④ 地図表示
地図記号の調整
③ユーザ（編集）レイヤ作成
緯度経度の読み込み
④地図の表示
※ 詳しい手順は別冊（３）を参照
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
4
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
①アドレスマッチング＜その１：住所情報の収集＞
 Web上で公開された様々な住
所情報をコピーペーストで
EXCEL等の表計算ソフトに取
り込む
 自治体のホームページ：公共施
設（ex.認可保育所，学童保育，
広域避難所，高齢者施設，学
校・・・）
 Yahoo!電話帳，インターネットタ
ウンページなど：各種施設の種
類別に検索し，住所情報が取
得できる
※ 自治体の内部資料（台帳類
の住所情報など）で住所を含
むデータも利用可能
八王子市のホームページの例
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
5
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
①アドレスマッチング＜その２：CSVアドレスマッチングサービス＞
東京大学空間情報科学研究センターの
CSVアドレスマッチングサービスを利用する
http://newspat.csis.u-tokyo.ac.jp/geocode/
住所を含むカラムの順番を予め調べておく
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
6
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
①アドレスマッチング＜その３：経度緯度座標を付けたCSVデータ＞
八王子市の避難所の事例
ID
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
名称
第一小学校
第二小学校
第三小学校
第四小学校
第五小学校
第六小学校
第七小学校
第八小学校
第九小学校
第十小学校
中野北小学校
清水小学校
大和田小学校
小宮小学校
高倉小学校
宇津木台小学校
横山第一小学校
横山第二小学校
散田小学校
長房小学校
船田小学校
館小学校
山田小学校
椚田小学校
緑が丘小学校
旧稲荷山小学校
元八王子小学校
元八王子東小学校
上壱分方小学校
城山小学校
所在地
東京都八王子市元横山町2－14－3
東京都八王子市八木町7－1
東京都八王子市寺町29－15
東京都八王子市明神町2－15－1
東京都八王子市千人町3－7－7
東京都八王子市子安町2－19－1
東京都八王子市台町4－2－1
東京都八王子市石川町2065
東京都八王子市中野上町2－14－1
東京都八王子市大和田町7－5－1
東京都八王子市中野山王3－1－1
東京都八王子市中野山王3－25－1
東京都八王子市大和田町4－19－1
東京都八王子市小宮町1128－3
東京都八王子市高倉町67－2
東京都八王子市久保山町2－18
東京都八王子市館町74
東京都八王子市並木町26－1
東京都八王子市散田町5－23－1
東京都八王子市長房町340－4
東京都八王子市長房町1041－2
東京都八王子市館町1097-15
東京都八王子市山田町1553
東京都八王子市椚田町571－2
東京都八王子市寺田町405－5
東京都八王子市寺田町1455－3
東京都八王子市弐分方町761
東京都八王子市叶谷町1521
東京都八王子市上壱分方町799－2
東京都八王子市元八王子町2－1767
信頼度（5以外は要確認） 地名の種類
経度 緯度
LocName
fX
東京都/八王子市/元横山町/二丁目/１４番
139.3364
東京都/八王子市/八木町/７番
139.3223
東京都/八王子市/寺町/２９番
139.3321
東京都/八王子市/明神町/二丁目/１５番
139.3461
東京都/八王子市/千人町/三丁目/７番
139.3084
東京都/八王子市/子安町/二丁目/１９番
139.3429
東京都/八王子市/台町/四丁目/２番
139.3236
東京都/八王子市/石川町/２０６５番地
139.3608
東京都/八王子市/中野上町/二丁目/１４番
139.3248
東京都/八王子市/大和田町/七丁目/５番
139.3438
東京都/八王子市/中野山王/三丁目/１番
139.3284
東京都/八王子市/中野山王/三丁目/２５番
139.3194
東京都/八王子市/大和田町/四丁目/１９番
139.3546
東京都/八王子市/小宮町/１１２８番地
139.3675
東京都/八王子市/高倉町/６７番
139.3657
東京都/八王子市/久保山町/二丁目/１８番
139.3542
東京都/八王子市/館町/７４番地
139.3046
東京都/八王子市/並木町/２６番
139.3017
東京都/八王子市/散田町/五丁目/２３番
139.3015
東京都/八王子市/長房町/３４０番地
139.2997
東京都/八王子市/長房町/１０４１番地
139.288
東京都/八王子市/館町/１０９７番地
139.2879
東京都/八王子市/山田町/１５５３番地
139.3137
東京都/八王子市/椚田町/５７１番地
139.3019
東京都/八王子市/寺田町/４０５番地
139.304
東京都/八王子市/寺田町/１４５５番地
139.3013
東京都/八王子市/弐分方町/７６１番地
139.2915
東京都/八王子市/叶谷町/１５２１番地
139.304
東京都/八王子市/上壱分方町/７９９番地
139.2849
東京都/八王子市/元八王子町/二丁目/１７６７番地
1 39.2766
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
fY
iConf
35.66132
35.66177
35.65533
35.65757
35.65908
35.6498
35.65673
35.67166
35.67067
35.66571
35.67366
35.67631
35.6655
35.68356
35.66293
35.68668
35.63377
35.6538
35.64737
35.65623
35.65789
35.62295
35.64667
35.63691
35.61931
35.62068
35.66966
35.67067
35.68412
35.66048
iLvl
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
地理空間情報活用人材育成プログラム
GISを用いたマッピングと分析
①アドレスマッチング＜その４：精度の比較＞
 アドレスマッチング：街区（大字・町丁目）の代表点座標
 国土地理院地図閲覧サービス（ウォッちず)上の緯度経度座標
（例）下柚木小学校：東京都八王子市下柚木3-9
アドレスマッチング： 東経139.3808度
北緯35.62262度
ウォッちず：
東経139.380972度 北緯35.622177度
※ 街区レベル位置参照情報の内容（国土交通省）
都道府県名市区町村名大字・
町丁目 街区符号・
座標系番号
地番
Ｘ座標
Ｙ座標
東京都
八王子市 下柚木三丁目
1
9 -41897.5 -41262.1
東京都
八王子市 下柚木三丁目
2
9 -42209.4 -41184.3
東京都
八王子市 下柚木三丁目
3
9 -42076.1 -41165.1
東京都
八王子市 下柚木三丁目
4
9 -41942.4 -41126
東京都
八王子市 下柚木三丁目
5
9 -42007.6 -41081.9
東京都
八王子市 下柚木三丁目
7
9 -41909.1 -40918
東京都
八王子市 下柚木三丁目
8
9 -41824.2 -40865.6
東京都
八王子市 下柚木三丁目
9
9 -41774.5 -40992.2
東京都
八王子市 下柚木三丁目
10
9 -41764 -40857.5
東京都
八王子市 下柚木三丁目
10
9 -41634.8 -40862.2
東京都
八王子市 下柚木三丁目 Copyright ©995
9 -41654.
2 -40796
2011 首都大学東京 都市環境学部
教授 若林芳樹
東京都
八王子市 下柚木三丁目
1057
9 -41838.7 -40807.9
緯度
35.6215
35.61869
35.61989
35.6211
35.62051
35.62141
35.62217
35.62262
35.62272
35.62388
35.62371
35.62204
経度
139.3778
139.3787
139.3789
139.3793
139.3798
139.3816
139.3822
139.3808
139.3823
139.3822
139.383
139.3828
8
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
②背景地図の作成
背景地図として
使用するデータ
の取り込み
 基盤地図情
報50mメッシュ
標高（ラスタ
データ）
 基盤地図情
報25000（ベク
タデータ）
 市町村界（ベ
クタデータ）
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
9
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
③ユーザレイヤの作成，④地図の表示
1. 避難所と広域
避難場所の住
所を緯度経度
にしたデータ
を取り込む
2. 記号と色を調
整して地図を
作成する
Q：避難所は市域
を適性に配置
されている
か？不足して
いる地域は？
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
10
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
２．地区ごとの人口特性の把握
 避難所の配置と関係する小地域
統計データを選んで地図化する
①背景地図の作成
②ユーザ（編集）レイヤの作成
 小地域境界データ（Shape
ファイル）を読み込む
③属性データの作成
小地域統計データをEXCELで
編集し，CSV形式で保存する
④属性データの結合
境界データに国勢調査データ
を結合する
⑤人口分布図を作成し、避難所の
分布図と重ね合わせる
①背景地図の作成
②ユーザ（編集）レイヤの作成
小地域統計境界データ
③属性データの作成
小地域統計の編集・保存
④属性データの結合
⑤地図の表示、重ね合わせ
※ 詳しい手順は別冊（４）を参照
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
11
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
①背景地図の作成、②ユーザ（編集）レイヤの作成
1. 背景地図を表示
する（作成済み）
基盤地図情報
50mメッシュ標
高
基盤地図情報
25000
市町村界
2. 新たにユーザレ
イヤを読み込む
小地域統計境
界（町丁字界）
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
12
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
③属性データの作成、④属性データの結合
1. EXCELで属性デー
タ（年齢別人口）か
ら年齢別人口比率
を計算し、CSVファ
イルとして保存す
る（「年齢比率」フ
ァイルは、すでに
百分率に比率化さ
れている）
2. 地図太郎のユー
ザレイヤ（町丁字
界）に属性データ
を結合する
属性データ
対応する小地域コードでデータを結合する
小地域境界
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
13
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
⑤地図の表示、重ね合わせ
1. 属性データから
使用する項目を
選ぶ（例：老年人
口率）
2. 地図の表示方法
を選ぶ（例：コロプ
レスマップ＝色分
け表示）
3. 前に作成した避
難所のレイヤを
重ねて表示する
Q：高齢者対策が必
要な避難所は？
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
14
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
地図の読み取りにとっての背景地図の効果
 背景地図なし
2次元的位置情報から分布の
おおまかな傾向はわかるが，
土地勘がないと，深い解釈が
できない
 背景地図を表示
土地勘がなくても地域の様子
をつかんで解釈できる
ex.)西側の山間部と中心市街
地で比較的高い。南東部
（ニュータウン地区）では低
い。市街地周辺（高度成長期
の住宅地）でも島状に高齢者
の多い地区がある。
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
15
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
主題図の効果的読み方
 レイヤの表示を切り替えて地図の見え方を比較する
背景地図の違いにより読み取れることが違う
異質なデータを統合して処理し，レイヤ間の関係を推理する
 熟練度の違い
初心者：全体的傾向を表面的にとらえる、重要でない細部に
とらわれる
上級者：一般的傾向とそこから外れた傾向にも着目し、その
傾向が生じた原因も推理できる
 一般的（法則的）知識と個別的（地誌的）知識を組み合
わせて地図を読みとる
対象地域の個別的知識を引き出す背景地図→ GISが支援
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
16
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
主題図の仕上げと出力
 方位と縮尺を付ける
→ 地球上での位置や空
間スケールを知る手が
かり，他地域との比較が
容易になる
 凡例を付ける
→ 地図記号の「辞書」
 地図表現は適切か
→ 不適切な表現は，ミス
リーディングな情報を伝
えてしまう
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
17
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
【課題１】新たな避難所の設置場所を考える
 避難所を新たに
設置すると場合、
どこが最適か？
1. 属性データから
人口総数を選ん
で比例記号図
（グラフ表示）を
作成する。
2. 避難所の配置と
人口分布を比較
して、不足してい
る地区を見つけ
出す。
※ 人口規模の大小を表すため，比例記号図を用いる
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
18
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
【補足説明】様々な主題図の表現技法
地図太郎で表示できる主
題図
• コロプレスマップ（階級
区分図）→ 比率化され
たデータには適する（単
位地区の規模に差が大
きい場合には不適切）
• 比例記号図（図形図）
→ 量の大小を表すの
に適する。
出典：Kraak and Ormeling (2003)
ドットマップ
等値線図
流線図
コロプレスマップ（階級区分図）
立体図（鳥瞰図）
カルトグラム
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
ダイアグラムマップ
比例記号図（図形図）
19
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
３．問題点と改善策の検討
 広域避難場所周辺の人口
特性を把握し、避難所ごと
の災害時の対策を考える。
① 広域避難所と年齢別人口
データの読み込み
② 範囲（空間）検索：いくつか
の広域避難場所を選んで、
1km以内の地区を検索する
③ 検索したデータの保存
④ 検索したデータの分析：
EXCELで集計・グラフ化
⑤ 問題点と改善策の検討
①ユーザ（編集）レイヤの作成
年齢別人口データ
②範囲（空間）検索
広域避難場所近傍の小地域
を抽出する
③検索したデータの保存
④検索したデータの分析
⑤問題点と改善策の検討
※ 詳しい手順は別冊（５）を参照
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
20
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
①ユーザレイヤの追加、②範囲検索、③検索データの保存
1. 広域避難所の緯度
経度データ、小地域
境界データを取り込
み，ユーザレイヤに
追加
2. 年齢別人口のCSV
ファイルを小地域境
界にレイヤ結合する
3. 任意の避難所を選
び、1km圏内の小地
域を検索する
4. 検索した結果をCSV
ファイルに保存する
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
21
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
④検索したデータの分析、⑤問題点と改善策の検討
1.
2.
3.
前述の手順で，他の避難所
についても同様に、1km圏の
人口特性を調べ，CSVファイ
ルに保存する
EXCELを開く。避難所ごとの
CSVファイルを開いて統合す
る。各避難所周辺の人口構
成を集計して比較する（ex.３
つの避難所周辺の年齢別人
口構成を表すグラフ）
避難所周辺の人口特性に対
応した備蓄物や防災対策を
考えてみる（ex.高齢者が多
い地区，子どもが多い地区）
3つの避難所周辺の年齢別構成比（％）
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
22
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
※ 地図を重ね合わせることの意味とGISの役割
 地図から得られる情報は，読み手が持っているメンタルマップの
レイヤによって違ってくる
 どんなレイヤを重ねるかによって読み取れる情報も違う
 GISは多数のレイヤを提示することで空間的思考を支援する道具
になる
 どんな情報を重ねるかは，使い手の（地理的）センスによる
 どのような地図に表現するかで伝わる情報も違ってくる→ 情報共有にと
って地図表現（デザイン）が重要
 解析機能を組み合わせることで，推論の妥当性・客観性が高まる→ 説得
のツールとしての地図
 GISは単なる地図作成の道具ではない：意思決定支援ツールとし
てのGIS
 地図から何を読み取った情報をどう使うかが重要
 汎用GISソフトには様々な解析機能がある
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
23
GISを用いたマッピングと分析
地理空間情報活用人材育成プログラム
【課題２】GISを用いた自治体業務について考える
1. 自治体業務の遂行にGISがどのように活用できるか、
GISを使わない場合との違いなどについて話し合い、
事例を一つとりあげる
(例）インフルエンザ対策，災害対策，小中学校の統廃合・・・
2. そのために必要なデータの収集・処理方法を考える
地図データ：ex.基盤地図情報，国土数値情報，町丁字境界…
属性データ：ex.国勢調査結果，各種台帳の住所情報…
処理：ex.（属性，空間）検索，バッファ処理，地図化…
3. 結果をテンプレートファイルにまとめて発表する
※ 用いるGISソフトは地図太郎に限定しない。GPSやアドレスマ
ッチングを用いてもよい。
Copyright © 2011 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
24