Transcript 人 - 日本耳鼻咽喉科学会宮城県地方部会

口の中のできもの
仙台医療センター耳鼻咽喉科
舘田 勝
本日の内容
•
•
•
正常の口の中
できものなどいろいろ
宮城県の舌がんの情報
口のできものの注意
•
•
•
•
•
がんこな痛み
みてあやしい（白い、潰瘍、腫脹）
さわって硬い
いじると血がでやすい
首がはれている
耳鼻咽喉科医にすぐ相談（開業医でも病院でも）
口の中
口蓋垂
舌小帯
舌下小丘
舌下ヒダ
口蓋扁桃
口蓋弓
臓単（NTS）より改変
口の中
•
•
•
•
有郭乳頭
糸状乳頭
茸状乳頭
葉状乳頭
ゆうかくにゅうとう（舌咽神経）
しじょうにゅうとう
じじょうにゅうとう（じょうじょう）
ようじょうにゅうとう（舌咽神経）
• 味蕾は有郭乳頭に多い（他の乳頭にもある）
• 化学感覚（味覚・嗅覚）物理感覚（視覚・聴覚）
口の中
臓単（NTS）より改変
口の中
有郭乳頭ゆうかくにゅうとう
できのもではありません
口の中
糸状乳頭しじょうにゅうとう
茸状乳頭じじょうにゅうとう（じょうじょう）
口の中
葉状乳頭ようじょうにゅうとう
舌とのどのいろいろ
できもの
舌いろいろ
口腔咽頭の臨床（口腔・咽頭科学会）より改変
鉄欠乏性貧血
舌乳頭の萎縮・消失
鉄欠乏性貧血・悪性貧血、VB2,B6,B12欠
乏により糸状乳頭が消失。思春期の女性
や妊婦、中年女性。貧血の改善
地図状舌
Geographic tongue
舌背、原因不明、一般に症状無い（不快感、
感染で灼熱感）、治療法無
鑑別：カンジダ、扁平苔癬、天疱瘡
舌いろいろ
口腔咽頭の臨床（口腔・咽頭科学会）より改変
こうじょうぜつ
溝状舌
Fissured tongue (scrotal tongue)
先天異常により舌背に多数の溝。一般に無症状、感染を起こ
すと疼痛。無症状で治療無。感染予防で口腔清掃。
舌いろいろ
口腔咽頭の臨床（口腔・咽頭科学会）より改変
正中菱形舌炎
舌の先天異常。胎児期における不対結合の残存。
鑑別：血管腫・リンパ管腫。症状なければ治療無。
舌いろいろ
口腔咽頭の臨床（口腔・咽頭科学会）より改変
こくもうぜつ
黒毛舌
Black hairly tongue
舌背の糸状乳頭の角質の増生。黒色の色素沈着をきたしたものを黒毛舌。原因：抗
菌薬・抗がん剤使用による菌交代現象が考えられている。口腔衛生不良、喫煙者。
症状少ないが異常感・味覚障害を訴える。含嗽薬など。
のどいろいろ
急性扁桃炎
細菌感染
伝染性単核球症
ウイルス感染
のどいろいろ
扁桃がん
みやぎの舌がん情報
口腔がん
•
•
•
•
•
•
•
•
•
口腔がん罹患者数は増加傾向
1975年2100人、2005年6900人、2015年予想7800人
男女比3：2、年齢は60歳代に最も多い
高齢化に伴い増加傾向
全癌の1-2％、全頭頸部がんの40％
喫煙と飲酒の両方を嗜好する国が多い
ビンロウジュ、噛みタバコ
本邦では60％が舌がん
ほとんどが扁平上皮がん
口腔癌診療ガイドライン2009年度版
口腔がんの危険因子
•
•
•
•
喫煙
飲酒（ALDH2ヘテロ欠損型）
口腔衛生、慢性の機械的刺激、化学的刺激
HPVウイルス感染
Annals of Human Genetics (2009) 73,335–345より改変
白板症のがん化率
•
•
•
•
•
口腔白板症は口腔粘膜の角化亢進によって
生じる白斑状の病変“他のいかなる疾患として
も特徴づけられない著明な白色の口腔粘膜の
病変”とされている。
病理学的には上皮の過角化から、上皮性異
形成を伴うもの。
がん化率は人種、生活習慣等により異なる。
日本3.1～16.3％
海外0.13～17.5％
年齢調整罹患率 舌
舌
愛知県
福井県
広島市
宮城県
長崎県
大阪府
男性
1998-2002 Vol IX
女性
人
罹患率
人
罹患率
59
33
74
142
130
560
1.5
1
1.8
1.5
1.9
1.6
28
33
42
96
76
288
0.7
0.7
1
0.8
0.9
0.7
合計（人） 年間（人）
Cancer Incidence in Five Continents Vol IX
87
66
116
238
206
848
17.4
13.2
23.2
47.6
41.2
169.6
年齢調整罹患率 口腔
1998-2002 Vol IX
口腔
愛知県
福井県
広島市
宮城県
長崎県
大阪府
男性
女性
人
罹患率
人
罹患率
計（人）
年間（人）
33
39
81
137
131
510
0.8
0.9
1.9
1.3
1.9
1.4
41
20
29
91
75
341
0.9
0.3
0.5
0.6
0.8
0.7
74
59
110
228
206
851
14.8
11.8
22
45.6
41.2
170.2
Cancer Incidence in Five Continents Vol IX
2003年症例数
人
%
舌
下歯肉
897
333
47.2
17.5
上歯肉
口腔底
頬粘膜
226
189
154
11.9
9.9
8.1
63
21
17
3.3
1.1
0.9
頭頸部
人
%
口腔
1901
59.1
喉頭
504
15.7
下咽頭
308
9.6
中咽頭
269
8.4
上咽頭
71
2.2
鼻腔
49
1.5
上顎
117
3.6
硬口蓋
臼後部
口唇
計
3219
100%
口腔NOS
1
0.1
計
1901
100%
Japanese Journal of Head and Neck Cancer 2007 vol 33 Supplement
2
4
8
7
6.4
1.3
6.1
1.8
6
2.6
5.9
0.9
5.9
1
5.3
5.1
1.6
6.6
男性
女性
5
0.9
2.9
1.1
イ
ン
ド
、チ
パ
ス
フ
ラ
ン
6
1.1
、ロ
ワ
イ
フ
ブ
ン
ー
ラ
イ
ラ
ド
ル
ェ
ン
キ
ン
フ
、
ジ
ン
ス
フ
ス
ド
ト
ラ
ア
ル
マ
、ニ
ラ
、
リ
タ
ン
ト
カ
、
イ
ン
ヴ
ン
ス
ラ
サ
ル
（
ュ
ス
ァ
、南
マ
ン
、バ
ン
ー
ン
ヴ
、ソ
ア
山
宮
大
広
長
テ
ド
パ
デ
ド
ァ
カ
メ
ラ
形
城
阪
島
崎
‐ラ
ィ
ン
ラ
ド
ウ
リ
ラ
リ
ッ
ス
県
県
府
市
県
ム
ス
ム
ー
カ
チ
ン
ロ
ク
）
0
0.9
1
0.7
0.8
0.7
1.9
1.8
1.6
1.5
1.5
Cancer Incidence in Five Continents Vol IX
2000年から2009年までの耳鼻咽喉科370症例
症例数
%
症例数
%
仙台市
151
40.8
川崎町
0
0.0
青葉区
34
9.2
丸森町
1
0.3
宮城野区
28
7.6
亘理町
8
2.2
若林区
22
5.9
山元町
4
1.1
太白区
34
9.2
松島町
4
1.1
泉区
33
8.9
七ヶ浜町
6
1.6
石巻市
22
5.9
利府町
6
1.6
塩竈市
10
2.7
大和町
1
0.3
大崎市
16
4.3
大郷町
0
0.0
気仙沼市
8
2.2
富谷町
4
1.1
白石市
7
1.9
大衡村
0
0.0
名取市
8
2.2
色麻町
1
0.3
角田市
4
1.1
加美町
2
0.5
多賀城市
11
3.0
涌谷町
2
0.5
岩沼市
9
2.4
美里町
3
0.8
登米市
13
3.5
女川町
1
0.3
栗原市
7
1.9
南三陸町
2
0.5
東松島市
4
1.1
県内不明
1
0.3
蔵王町
1
0.3
県合計
334
90.3
七ヶ宿町
0
0.0
福島県
10
2.7
大河原町
8
2.2
岩手県
18
4.9
村田町
4
1.1
その他
8
2.2
柴田町
5
1.4
全体合計
370
100.0
年齢
平均61歳（22歳から95歳）
120
97
87
100
78
80
31
31
15
10
7
4
11
21
24
男
28
40
0
36
24
60
20
女
32
54
65
51
3
14
14
20-29 30-39 40-49 50-59 60-69 70-79 80-89
1
2
90-
40歳未満12%、50歳未満21%、80歳以上8%
年別
年間平均37人（31から45人）
50
45
35
31
44
35
34
40
30
15
20
10
28
16
12
13
21
23
38
34
9
16
9
22
25
38
13
22
7
36
23
31
27
12
26
0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
男性242人、女性128人 男女比 1.9：1
女
男
重複がん
2重がん 48人
3重がん 11人
4重がん 1人
60人 73病変
16% (60/370)
4%
1%
4% 3%
21%
10%
11%
19%
12%
15%
頭頸部がん
食道がん
胃がん
大腸・直腸がん
泌尿・生殖器がん
肺がん
血液
乳がん
肝臓がん
甲状腺がん
重複がん
頭頸部がん
前
9
同時
2
後
3
不明
1
計
15
食道がん
胃がん
大腸・直腸がん
3
6
5
4
2
2
6
2
1
1
1
1
14
11
9
泌尿・生殖器がん
肺がん
血液
3
0
1
2
1
1
3
6
1
0
0
0
8
7
3
乳がん
肝臓がん
甲状腺がん
3
0
0
0
2
1
0
0
0
0
0
0
3
2
1
計
30
17
22
4
73
生存率（％）
生存率曲線
5年疾患特異的生存率 64％
CSS
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
OS
5年粗生存率 60%
0
5
10
15
生存期間（年）
２０００年から２００９年
生存率（％）
生存率曲線
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
人
5年
0
8
86%
I
92 75%
II
96 72%
III 80 52%
IV 94 35%
0
5
10
15
生存期間年
２０００年から２００９年
口のできものの注意
•
•
•
•
•
がんこな痛み
みてあやしい（白い、潰瘍、腫脹）
さわって硬い
いじると血がでやすい
首がはれている
耳鼻咽喉科医にすぐ相談（開業医でも病院でも）