雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価 (kuba_03.08.27
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共生課題2
2.温暖化・大気組成変化相互作用モデル開発
温暖化-雲・エアロゾル・放射フィードバック精密評価
久芳奈遠美
KUBA Naomi
項目
1.土壌粒子のCCNとしての振る舞いについて
2.NICAMの現状報告
3.CCSR/NIESへの雲物理パラメタリゼーションの導入
4.詳細雲微物理モデルの力学モデルへの搭載
項目
1.土壌粒子のCCNとしての振る舞いについて
2.NICAMの現状報告
3.CCSR/NIESへの雲物理パラメタリゼーションの導入
4.詳細雲微物理モデルの力学モデルへの搭載
SPRINTARS
エアロゾル輸送モデル
sea salt
SO4
SO2
DMS
BC
OC
soil dust
雲物理パラメタリゼーション
CCSR/NIES
AGCM
新村典子氏(東京理科大学)
・透過型電子顕微鏡により個々のエアロゾル粒子に含まれる水溶性
と非水溶性物質の割合を推定。
・半径1から2ミクロンの土壌粒子を対象として、粒子採集後、シャド
ウイングし形態観察・元素組成分析する。水透析しさらにシャドウ
イングし、形態観察と元素組成分析をする。
・昨年秋の黄砂に付着していた水溶性物質の割合を測定
観測結果
・土壌粒子がCCNとして働くことは確か
・長距離輸送中、化学的変質(ガス反応により硫酸塩付着)および
物理的変質(衝突により海塩粒子付着)すると推定される。
・鉱物の半分以上が海塩を付着していた。
・海塩の多くが変質海塩(黄砂時には硫酸塩により、非黄砂時は
硝酸塩による変質)になっている。
・付着している海塩成分はNaCl, Na2SO4, NaNO3
・黄砂の土壌粒子に付着している水溶性物質(海塩)の体積割合は
半径によらず、10~90%。
・土壌粒子単独ではCCNとしては働かない
方針
・土壌粒子そのものは凝結核としての能力は無視でき、海塩および
硫酸塩が付着する事により凝結核として機能するようになると考
えると、土壌粒子は凝結核数に含めなくてもいいかもしれない。
・海塩粒子、硫酸粒子を核とする雲粒が土壌粒子を捕獲して
その後乾燥して凝結核となると考えられるので(海塩粒子、硫酸
粒子と土壌粒子の衝突して併合する確率は極めて低い)、土壌粒
子により凝結核としての海塩粒子、硫酸粒子の総質量、数密度は
変わらない。
・複数の海塩粒子、硫酸粒子を核とする雲粒が併合して粒径分布が
変わる効果は土壌粒子の存在とは関係なく検討されるべき課題。
項目
1.土壌粒子のCCNとしての振る舞いについて
2.NICAMの現状報告
3.CCSR/NIESへの雲物理パラメタリゼーションの導入
4.詳細雲微物理モデルの力学モデルへの搭載
NICAM
・水平格子
5km、鉛直格子
100m。
・完全圧縮非静力学方程式系。有限体積法。
・修正型正20面体格子。格子は三角形。
・水物質のトレーサーと飽和調節過程は実装済み。
・力学過程のみのテスト実験(波の伝播実験・温帯
低気圧ライフサイクル実験)
・スペクトル法との計算時間の比較(T1000以上、
すなわち30~40km以下の解像度の場合、格子法が有利)
物理過程実装の開発戦略
全球3.5km格子での試行錯誤は無理なので、一部集中格子
の使用(Schmidt 変換によるstretched grid)
トレーサー移流の実装完了
飽和調節の実装(水蒸気から雲粒への相変化のみ)
stretched grid 上で簡単なテストを行う
格子平均の上昇流から雲が作れるのは解像度が4km
くらいまでか。
雲物理パラメタリゼーションをいれてみる
予定
・冷たい雨を含めた雲物理バルクで(8,9月)
・積雲パラメタリゼーションの実装(中解像度用)(9・10月)
・乱流モデル、地表面過程の実装(9,10月)
・放射過程の実装(10、11月) Nakajima scheme
テスト計算
Squall line 実験(10月~)warm rain で検討
水惑星実験(12月~)
AMIP実験
項目
1.土壌粒子のCCNとしての振る舞いについて
2.NICAMの現状報告
3.CCSR/NIESへの雲物理パラメタリゼーションの導入
4.詳細雲微物理モデルの力学モデルへの搭載
CCSR/NIES + SPRINTARS
・間接放射強制力の評価には、従来は沼口さんの式からだした
有効半径や降水形成率を使っている。
・新スキームでは、雲粒数密度の式は
1998により出す。
Abdul-Razzak et al.,
・新スキームにして改善がみられたのか?:はっきりしない
・衛星データの信頼性とGCM、SPRINTAERSの入力値が妥当性の
問題か?
陸上のエアロゾルを過小評価しているのでは?
(オーストラリアと南米の雲粒数密度が過小評価されている:
自然起源CCN、土壌粒子のCCN性)
・極域が重要だが観測値がないので検討課題
項目
1.土壌粒子のCCNとしての振る舞いについて
2.NICAMの現状報告
3.CCSR/NIESへの雲物理パラメタリゼーションの導入
4.詳細雲微物理モデルの力学モデルへの搭載
雲物理モデルの分類
[ カテゴリー分け:水粒子(雲粒、雨粒)
氷粒子(氷晶、雪、あられ)]
1) 粒子法
変数
:粒子の質量(半径)
入力値
:CCNスペクトル、氷晶核数密度
クラス分け : CCNの溶質量基準
(1つのクラスに属するCCN数密度は雲粒数密度に対して
充分小さくする)
2) ビン法
変数
入力
ビン構成
: 1-moment 各ビンに属する粒子の数密度
2-moment 各ビンに属する粒子の数密度と総質量
:初期分布
: m ( i ) = m ( 1 ) R i–1
3) 基底関数展開法
4) バルク法
変数
: 1-moment 総質量 (混合比)
2-moment 総質量 (混合比)と数密度
計算法の分類
1) Lagrange 法
移流
: パーセル法
凝結成長 : 粒子法
2) Euler 法
移流
: 格子法
凝結成長 : ビン法
1モーメント ビン法
各ビン内の雲粒(雨粒)の総個数が変数
Bott, A., 1989:
A positive definite advection scheme obtained by nonlinear
renormalization of the advective fluxes.
Mon. Wea. Rev., 117, 1006-1015.
2モーメント ビン法
各ビン内の雲粒(雨粒)の総個数と総質量が変数
Chen, J. –P. and D. Lamb, 1994:
Simulation of cloud microphysics and chemical processes
using a multicomponent framework.
Part I Description of the microphysical model.
J. Atmos. Sci. 51, 2613-2630.
CCN size distribution
constituent
Updraft
S(x(t),y(t))
Smax
Cloud Droplet
Concentration
Maximum value of
super saturation
Smax
S(t) ; x=xi
y=yk
S(x,y) ; t=tn
Smax
S
Smax
t
Lagrangian
spatial
temporal
Two schemes of cloud microphysics.
Particle method in Parcel
Framework
Lagrangian
nj
Fixed values
Eulerlian
(j = 1, 2,…,200)
Number concentration of CCN
included in each class
Variable values
Bin method at each grid points
rj (t)
ri = r12(i-1)/3k
(i = 1, 2,…,200)
Representative radius of
droplets included in each bin.
ni (t)
Radius of droplets forming
on CCN included in each class.
Number concentration of
droplets included in each bin.
Activation
Takeda and Kuba (1982)
Condensation
Takeda and Kuba (1982)
modified Bott’s (1989) method
not considered
Bott’s (1998) method
Coalescence
Dt
0.05 s
not considered
0.5 s
Parcel model is triggered
Bin on the grid point
When relative humidity at the grid point reaches
100% for the first time
Initial cloud droplets size distribution
When relative humidity at the grid point is larger than
100% and cloud water on the windward side of
the point does not exist
Influx of droplets from the windward
課題
・簡易雲モデルへの1モーメントビン法雲物理モデル装着 :済み
・簡易雲モデルへの2モーメントビン法雲物理モデル装着:進行中
・NHMへの2モーメントビン法雲物理モデル装着
:これから
・NHMへの雲物理パラメタリゼーションの導入
:これから
・NICAMへの雲物理パラメタリゼーションの導入
:これから
・NICAMへの基底関数雲物理モデル装着
:進行中