2008年 国家試験 解答 3

Download Report

Transcript 2008年 国家試験 解答 3

期末試験
7月17日(金) 13:00 ー 14:30
プリント、ホームページスライドに
載っている問題のみ。
2009年
国家試験
解答 1、3
心電計や脳波計に CR結合回路が利用されている。
心電計の時定数は 3秒 (教科書的には 3.2秒以上)
遮断周波数=1/(2πx 3) = 0.053 Hz
0.053 とは 約 1/20 = 3/60。
1分に3回以下の振動しか示さない緩い波は、
心臓からの信号ではなく、呼吸等によるドリフト雑音
なので、CR回路(時定数回路)で除去する。
脳波計の時定数は、0.3 秒
遮断周波数=1/(2πx 0.3) = 0.53 Hz
0.5 とは 1/2 = 30/60。 1分間に30回以下しか振動
しない緩い波は、脳波ではないので除去する。
2009年
国家試験
解答 1
熱電対 (熱電子対)
異なる材料の2本の金属線を接続して1つの回路
をつくり、ふたつの接点に温度差を与えると、
回路に電圧が発生する。(ゼーベック効果)
片端を開放すれば、温度を電位差で検出できる。
この現象を利用した温度計を熱電対という。
サーミスタ
半導体の温度特性を利用した温度センサ。
温度が上昇すると抵抗値が下がる。(上がる製品もある)
体温計、呼吸モニタ、電子部品(CPUなど)の温度センサ
サーミスタ温度計
2008年 国家試験
解答 4
焦電効果 = ピエゾ効果
セラミック等に圧力を加えると電圧が発生する。
光導電効果
光によって電圧が生じる。フォトトランジスタ等。
2008年 国家試験
解答 1
電極の分極電圧
体表に電極を付ける場合、ペースト(電極のり)を塗る。
ペーストは、電子を通す必要があり電解液(主成分は NaCl)
が入っている。
測定装置から電極に電流が多く流れると、金属電極から
ペースト内に電子が流れる。
ペーストは電気抵抗(電極インピーダンス) R を持つので
電圧が発生する。
また、電極自体にイオン化傾向の異なる部位があると
(一部分が錆びているなど)、ペーストを介して電極の
局所間で電圧 が発生する。
これらの電極接触面に生じる電圧を、分極電圧という。
接触皮膚面と金属電極の間の電解質に、電子(電荷)が
たまるので、静電容量(コンデンサ)と等価の状態にもなり、
CR結合回路のように、入力信号が変動すると検出電圧の
変動が生じる。
電極接触面の 抵抗 R、静電容量 C、分極電圧 E は、
測定値を不正確にするので、小さいほうが望ましい。
電極接触面の、分極電圧を下げるためには、
錆びた電極を使わない。
錆びにくい、イオン化傾向の小さい金属の電極を使う。
銀、水銀、白金、金 など。
Ag-AgCl (銀電極の表面に塩化銀の膜が形成されたもの)
(古い銀電極はペーストのCl で表面に塩化銀の膜が付く)
は、ペースト内の Cl とは イオン交換しないので、理想的な
電極として、不分極電極 と呼ばれる。
生理的食塩水に入れて保存する。塩化銀の膜が維持される。
(わざと古くする処理なので、Aging という。)
負帰還回路 ( NFB )
負帰還回路の利点
1.設計者が希望する増幅率のアンプを作成できる。
2.オペアンプ自体の増幅度が温度上昇などで
変動しても、増幅率が安定した回路になる。
3.増幅率が安定した回路になるので、過剰な入力
信号でも出力信号の波形が歪まない。
( 直線性が良くなる。)( 内部雑音の低減。)
ノイズが出にくい。 S/N比が良くなる。
差動増幅器の特性
1.反対位相信号を増幅して、同位相信号
(同相信号、主に商用交流雑音(ハム))を
抑制できる。 ( ハム は 外部雑音 )
2.2点間の電位差を増幅できる(心電図や脳波等)。
3.電源電圧の変動(ドリフト)に対して安定である。
4.直流バイアスを伴う信号の、交流信号だけを
増幅できる。
第Ⅰ誘導の R波が 正常では 1~1.5 mV程度。
第Ⅰ誘導の R波高 = 1mV 程度 = 1cm 程度
臨床では、1cm目盛り1マスで1mV が 普通の表示。
1cm =1mV
主な生体信号の周波数
心電図 0.05 ~ 100 Hz
脳波
0.5 ~ 60 Hz
心音図
20 ~ 600 Hz
筋電図
5 ~2000 Hz
眼振図 0.05 ~ 20 Hz
2008年 国家試験
解答 2
マクロショック 体表に受ける電撃。
許容電流は、100μA ( 最小感知電流の10% )
ミクロショック 直接、心臓に流れる電撃。
許容電流は、10μA ( 心室細動の危険電流 100μA の10% )
離脱電流 10mA 以上で、筋肉の不随意収縮が生じ、動けなくなる。
100mA 以上の電流が体表を通ると、心筋に 100μA以上の電流が
通り、心室細動の危険がある。
2008年 国家試験
解答 4、5
GraphicTablet
入力装置の一つ。画面上の位置を指
示するためのペン型の装置と、位置を
検出するための板状の装置を組み合
わせた構造になっている。
2009年 国家試験
解答 3、4
検体の情報 (患者ID、採取日、検体種類、
検査項目など)は、バーコードシールで
記録される。
2008年 国家試験
解答 1、4
ADSL 電話線を利用したデジタル通信方法。 モデム(AD変換器)が必要。
無線LANは、利用者が不特定多数になり、セキュリティは低下する。
リピータハブとは、普通のハブのこと。
受信したデータをそのまま他の端末すべてに送信する。機密性が低い。
特定の受信端末だけに送信する機能をもつスイッチングハブが普及している。
2009年 国家試験
解答 5
プロキシサーバ
企業や病院などの内部ネットワークとインターネットの境にあって、
直接インターネットに接続できない内部ネットワークのコンピュータ
に代わって、代理(proxy)としてインターネットとの接続を行なう
コンピュータ。セキュリティ向上に寄与する。
TCP/IP
インターネットで使う通常のパケットデータ送受信プロトコル。
データ暗号化やユーザー認証などの機能は含まれていない。
データ内容が盗聴されたり改ざんされたりする恐れがある。
そこで、データを送る前に暗号化し、ユーザー認証で特定の
ユーザーしかアクセスできないようにした機能を付加した
プロトコルが開発され、専用回線を設置した場合と同等の
セキュリティを確保する方式が実現した。
これを VPN (virtual private network 仮想私設回線)という。
2008年 国家試験
解答 4
水中、人体内の音速は、約 1530 m/sec
(空気中の音速は、約 340 m/sec)
音、超音波は、物質(質量のある物)の振動
エネルギー。 硬い物質内ほど速く伝わる。
2008年 国家試験
解答 2
MRI装置内は強い磁力線があり、金属は磁石になる。
電子機器は故障する危険あり。
磁化した金属は、磁場内で動く危険あり。
(ただし、チタンは磁化しない。チタンクリップはOK)
2008年 国家試験
解答 3、4
辺縁平滑(病変の辺縁に被膜がある)=良性病変
病変の内部密度が均一(膿腫など)=良性病変
肝内に密度の異なる粒子(脂肪)
が、びまん性に存在。
病変の内部密度が不均一 = 癌
脂肪肝 Fatty liver
脂肪の粒子が肝細胞内にびまん性にあるためエコー反射が
強くなる(bright liver)。(音は密度変化部位で反射する。)
腎臓のエコーと比較して判断する。(肝腎コントラスト陽性)
正常
脂肪肝
辺縁平滑(病変の辺縁に被膜がある)=良性病変
病変の内部密度が均一
(膿腫など)=良性病変
病変の内部密度が不均一 = 癌
2008年 国家試験
解答 2
MRI 画像は、1H(水素原子核)の分布図。
T1強調像は、炭素元素と結合したH(主に脂肪)の分布図。
T2強調像は、酸素元素と結合したH(主にH2O)の分布図。
T2像が高信号(白く描画)=水分が多い部位。
(梗塞、壊死、血液、髄液、尿、胆汁など)
T1強調像
OH 分布
64 yrs old CH
Male.分布
Lt IC Oculusion +T2強調像
Lt Occipital infarction
主に脂肪の分布図。
主にH2Oの分布図。
脳梗塞
2008年 国家試験
解答 3
入力インピーダンスが高い
= 入力端子間に流れる電流が少ない
(通る電子が少ない).
真空管 (電子管) Vacuum tube
真空管の電極間は真空 なので、入力インピーダンスは
極めて高いが、ヒータで加熱したカソード電極から
プレート電極に電子が飛び、その間の金網状のグリッドに
電圧をかけてプレートに飛ぶ電子の量を調節するので、
真空中を飛ぶ電子の流れが入力端子間に電流を発生する。
MOS形 FET
金属電極 Metal、 酸化膜 Oxide、
半導体 Semiconductor の、3層構造なのでMOS。
入力電極間は、 酸化膜 で絶縁されている。
MOS FET は、
入力端子間 (ゲートG、ソースS)
に電圧を加えても、
入力端子間に電流が流れない
(電子が流れない)。
入力インピーダンスは無限大。
ゲートGに+の電圧を
かけると絶縁体の酸化膜
の内部と周囲に静電気が
発生する。
ソースとドレインの間の
P半導体内部に電子の層
が出現する(チャンネル)
(channel : 水路)。
チャンネルを伝って
ソースからドレインに電子
が流れる。
トランジスタの欠点
電流増幅素子なので、入力電極間に電流が流れないと
動作しない。
入力に電流が流れる=入力インピーダンスが低い
ベース、コレクタ、エミッタの各端子の間の抵抗値が小さい。
端子間に電流が常に流れている。
半導体の内部で電子と正孔が常に動いているので
発熱しやすい。 高密度な集積回路には向かない。
温度で増幅率が変動する。
この問題を解決するために
FETが作られた。
2008年 国家試験
解答 3
電撃 = 機器から人体に漏れる電流
人体を模擬した抵抗器が必要なのは電撃の測定
= 電流の測定
抵抗値や電圧はテスターで測定できる。
患者漏れ電流Ⅰ
= ME機器の電極から患者に漏れる電流
(正確には、電極から患者を通して大地(アース)に
流れる電流)
患者漏れ電流Ⅱ
= ME機器の電源回路から電極を介して
患者に漏れる電流
(フローティング回路のある機器では 0 )
接地漏れ電流 = ME機器からアースに流れる電流
(接地線(アース線)を流れる電流)
フローティング Floating
漏れ電流の発生箇所は、装置の電源回路。
特に商用交流電源を利用した電源回路が原因。
被検者に着ける電極と、電源回路が電気的につながって
いると、漏れ電流を防ぐのは困難。
そこで、電源回路から増幅回路に供給する電力を、
トランス(絶縁トランス)を介して渡す絶縁方法がある。
これを、フローティングという。 電気的に浮いた状態を示す。
電源に、電池やバッテリを使うのも有効なフローティング。
フローティング
電極からの漏れ電流 (F型では患者漏れ電流Ⅰ)
の程度による分類
B形 装着部 ( Body 形 ) (患者漏れ電流Ⅱを含む)
漏れ電流 100μA 以下
フローティング回路なし。
体表にのみ使用。 心電図電極など。
BF形 装着部 ( Body 形 & Floating )
漏れ電流 100μA 以下
フローティング回路あり。
体表にのみ使用。 エコーのプローブ(探触子)など。
CF形 装着部 ( Cor (心臓)形 & Floating )
漏れ電流 10μA 以下
フローティング回路あり。
直接心臓に使用可。 カテーテル電極など。
B、BF、CF 形 機器、装着部の許容電流は、
危険電流の 10% に設定してある。
故障時は、50% まで許容されている。
( 装置が故障しても 危険電流の50% 以下に抑えられる
ように設計することが義務付けられている。)
マクロショック 体表に受ける電撃。
許容電流は、100μA ( 最小感知電流の10% )
ミクロショック
直接、心臓に流れる電撃。
許容電流は、10μA ( 心室細動の危険電流の10% )
2008年 国家試験
解答 2
電磁妨害による雑音 = 外部雑音
フリッカ雑音 = 装置の部品(半導体やスイッチ等)
の内部のわずかな接触不良などで生じる機器の
内部雑音。入力信号の周波数が低いほど目立つ
ので 1/f 雑音ともいう。
flicker 【名】 明滅する光、(光の)ゆらめき、揺らぎ。
drift 【名】
漂うこと、吹き流されること、あてもなくあちこち動くこと、
いつの間にか流されること、成り行き。
ドリフト雑音 Drift noise
低域遮断フィルタで除去できる。
センサの電極端子と、測定対象臓器との間の距離や
インピーダンスが、呼吸などの緩やかな動きで変動する
ことに伴う低周波ノイズ。 基線の変動、動揺を生じる。
その他、測定装置を長時間使っていると、
装置の温度上昇によって、回路で使われている電子素子の
電気特性が微妙に変化して、測定結果に少しずつ変動や
誤差が加わっていくこと。
雑音 Noise
内部雑音: 増幅回路自体が発生するノイズ。
( = フリッカ雑音)
出力信号の波形が歪むなどのノイズ。
外部雑音: 入力信号に含まれているノイズや、
電源回路などから混入するノイズ。
商用交流雑音(ハム)が主なもの。
負帰還回路は、内部雑音の抑制には寄与するが、
外部雑音の抑制機能はない。
2008年 国家試験
解答 3、5
MEDLINE : 医学文献検索システム
MEDLINE PubMed
医学文献検索HP
HL7
Health Level Seven
医療情報交換のための標準規約。
医療情報システム間の第7層アプリケーション層。
患者管理、オーダ、照会、財務、検査報告、マスタ
ファイル、情報管理、予約、患者紹介、患者ケア、
アプリケーション管理、人事管理などの
情報交換を病院間で容易に実現させるための
プロトコル。
インターネット プロトコル 階層図。
RIS (Radiology Information System)
放射線部門情報システム
放射線画像(MRIやエコー画像も含む)検査の依頼、予約、
実施情報の管理および画像診断報告書作成システム。
PACS 医用画像管理運用システム
(Picture Archiving and Communication System)
デジタル医用画像フォーマットを規格化し、 (DICOM :
Digital Imaging and Communication in Medicine )
コンピュータで医用画像を保管、検索を行うシステム
ICD: 疾病及び関連保健問題の国際統計分類
International Statistical Classification of
Diseases and Related Health Problems
死亡や疾病の体系的な記録、分析、比較を行うため、
世界保健機関(WHO)が作成した分類。
最新の分類は、ICDの第10回目の修正版として、
ICD-10 (1990)と呼ばれている。
その後、ICD-10を一部改正した ICD-10(2003)
にて「疾病、傷害及び死因分類」が作られ、医療機関
における診療録の管理等に活用されている。
ICDコード 分類見出し
1
A00-B99
感染症および寄生虫症
2
C00-D48
新生物
3
D50-D89
血液および造血器の疾患ならびに免疫機構の障害
4
E00-E90
内分泌,栄養および代謝疾患
5
F00-F99
精神および行動の障害
6
G00-G99
神経系の疾患
7
H00-H59
眼および付属器の疾患
8
H60-H95
耳および乳様突起の疾患
9
I00-I99
循環器系の疾患
10
J00-J99
呼吸器系の疾患
11
K00-K93
消化器系の疾患
12
L00-L99
皮膚および皮下組織の疾患
13
M00-M99
筋骨格系および結合組織の疾患
14
N00-N99
尿路性器系の疾患
15
O00-O99
妊娠,分娩および産じょく<褥>
16
P00-P96
周産期に発生した病態
17
Q00-Q99
先天奇形,変形および染色体異常
18
R00-R99
症状,徴候および異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの
19
S00-T98
損傷,中毒およびその他の外因の影響
20
V00-Y98
傷病および死亡の外因
21
Z00-Z99
健康状態に影響をおよぼす要因および保健サービスの利用
22
U00-U99
特殊目的用コード
2009年 国家試験
解答 3