⑧ 安全な農作物生産管理技術とトレーサビリティシステムの開発

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⑧ 安全な農作物生産管理技術とトレーサビリティシステムの開発
溝口 勝(大学院情報学環/農学生命科学研究科)・二宮正士(農業・食品産業技術総合研究機構)・鳥谷均(農業環境技術研究所)
1.目標
2.概要
農業生産管理支援情報や、地球温暖化による食料生産への影響等を長期的にも短期的にも、誰でも簡単に知るこ
とができ、政策決定者ばかりでなく農業者の判断のよりどころとなるシステムを実現し、安全で安心かつ安定的
で高品質な食料供給を求める公共益に供する。
現状
ニーズ:農業関係政策決定者、農業
者(農林水産省、農業試験場、農
協、農家)
○ 次代の担い手不足の問題も含め
て、日本の農業の在り方が真剣
に検討されている。
○地球温暖化の進行により、食料
生産に多大な影響が及ぶ懸念が
ある。
→必要な農産物を、必要なときに、
必要なだけ適切に生産できる農
業の創出が必要。また、多様な
作物・品種ごとに短期的、長期
的な気候変動による影響を評価
し、その対応を行う必要がある。
データ統合・解析システム
期待される成果
衛星データ:地球観測衛星「Terra」および「Aqua」の
陸上植生指数や土壌水分のデータ
数値気象予報モデルデータ:全球予測モデル(GPV)や
気候変動予測モデル(MIROC)等
地上観測データ:フィールドサーバによる農作物の状況
(画像を含む)および気温、湿度、日射、
土壌水分などの環境データ
農地データ:農地の地勢、作付け分布等
社会経済データ:農業歴、農業用水の権利等
方法
○ 稲作をはじめとする農作物の栽培
に必要な、農作業の時期や内容
について適切な情報を提供できる。
○地球温暖化の進行に対応した農
作物と、その導入時期を提示でき
る。
→ 農業を支援する情報が提供でき
ることとなり、農作物の安定的な
収穫が可能となるため、次代を担
う農業従事者の確保の助けとなる。
また、地球温暖化の進行に応じた
農作物や農作業の情報提供に
よって、温暖化に適応することが
可能となる。
1.気象データ、フィールドサーバデータ、稲作モデル
などから水稲適地適作検証ツールを作成する。
2.他の農作物にも拡張し、農作業のスケジュールに対
応した収穫時期予測情報を提供する。
フィールドサーバによる
水田モニタリング
データ処理
アプリケーション
・フィールドサーバ画像データ
の電子化、数値化
・稲作モデルなど各品種モデルに
気候変動予測モデル出力を投入
・代掻き、田植え、施肥な
どの時期、量などについて
適切な情報を提供。
・気候変動に伴う適地適
作地マップ
3.平成19年度まで 農業生産管理支援情報などを提供するシステム構築に向けて
・画像を含むフィールドサーバデータをコアシステムに投入した。
の成果
・衛星による土壌水分データを検証する地上の観測点を整備した。
・Webページ用の水稲適地適作検証ツールを開発した。
4.今後の計画
Web水稲適地
適作システム
農業系の研究機関と連携して農産物情報伝達ツールを整備する。
・平成20年度までに農業生産モデルの高機能化を行う。
・平成21年度までに多様な作物・品種ごとに情報提供できる基盤を整える。
・以後、ニーズに対応した農業生産管理支援情報を提供する。
最適作付け日
予測情報図
⑧ 安全な農作物生産管理技術とトレーサビリティシステムの開発
(これまでの研究成果と今年の計画)
溝口 勝(大学院情報学環/農学生命科学研究科)・二宮正士(農業・食品産業技術総合研究機構)・鳥谷均(農業環境技術研究所)
1.
コアシステムにある地上気象観測データ群をメッシュ気象値化
・フィールドサーバおよびMetBrokerによる画像を含む地上気象観測データをコアシステムに
構築
・データベース生成ツールとフィールドサーバ画像データ解析ツールを開発
→ データの統融合による農作物管理情報生成の基盤ができた
3. 広域土壌水分モニタリング・評価システムの拡張
・東北タイにおける広域土壌水分モニタリングサイトを拡張
・全天日射量と炭酸ガス濃度モニタリング機能を追加
→ 衛星による土壌水分バリデーションサイトの運用基盤ができた
→ 土壌水分の有効利用による適地適作検証用サイトとしても発展させる
→ 高度データマイニングによる安全安心な農産物情報伝達ツールの開発につなげる
1.2
1
0.8
作
付
け
画像データと数値デー
タの統合利用ツール
0.6
0.4
画像算出被覆率の変動幅が
キャベツの生育と関係してい
るのかも知れない!
収
穫
2006/09/14 16:30
2006/09/17 11:30
2006/09/19 15:30
2006/09/22 10:30
2006/09/05 09:00
2006/09/07 13:00
2006/09/10 08:30
2006/09/12 12:30
2006/08/26 10:00
2006/08/28 15:00
2006/08/31 10:00
2006/09/02 14:00
2006/08/14 08:00
2006/08/16 12:00
2006/08/18 16:00
2006/08/21 11:00
2006/08/23 15:00
16:30
11:30
15:30
10:30
14:30
10:00
14:00
14:00
2006/07/14
2006/07/17
2006/07/19
2006/07/22
2006/07/24
2006/07/27
2006/07/29
2006/08/01
2006/08/04 09:00
2006/08/06 13:00
2006/08/09 08:00
2006/08/11 13:00
08:00
12:00
16:30
13:30
08:30
12:30
2006/06/30
2006/07/02
2006/07/04
2006/07/07
2006/07/10
2006/07/12
0
土壌水分バリデーションサイト
2006/09/24 14:30
2006/09/27 09:30
2006/09/29 13:30
0.2
06/27
07/23
08/12
08/22
08/02
コアシステム
地上観測データ群
GPV予報データ群
09/02
イネの湛水面積の変化
MetBrokerインタフェース
成長が速い!
土浦より1ヶ月早い収穫
同じ方式で全球レベルで栽培可能性を判定できる!
(ただし、現時点では十分な水があるという条件付)
水利用可能性とのリンクが必要
地上観測とGPVの比較
2. 長期気象予測変動データMetBrokerインタフェースの開発
水稲適地適作検証ツール
4. グローバルスケール・ボトムアップアプローチ農業生産モデルの開発
・Web水稲適地適作検証ツールを開発
・CMIP3/AR4長期気象予測変動データのグリッド化のためのプログラム開発
・多様な作物・品種の生育パラメータ推定を簡便化するツールを開発
→ 地上観測気象DBとGPV短期気象予報DBを時間軸上で統合した
→ 全球レベルでイネの適地適作予測が可能になった
→ 各種気象観測データ群をシームレスに統合できるようにする
→ 任意の作物・品種の栽培可能性をマップ表示できるようにする
2