Transcript 85歳 女性への処方薬
24班 85歳 女性への処方薬 23 大内、 47 杉山 71 西村、 95 室谷 処方薬 ①テルミサルタン錠(商品名:ミカルディス) ②アムロジピン(商品名:アムロジンOD錠) ③クロピドグレル硫酸塩製剤(商品名:プラビッ クス錠) ④フルルビプロフェン(商品名:ゼポラスパップ) ⑤アレンドロン酸ナトリウム水和物錠(商品名: ボナロン錠) テルミサルタン錠(商品名:ミカルディス) • 効能:高血圧症 一日一回の服用で十分 • 作用:アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 (Angiotensin Receptor Blocker=ARB) ARBの作用機序 • テルミサルタンは、 AT1受容体に結合 し、アンジオテンシ ンⅡの働きをブロッ クする。 • アンジオテンシンⅡ アンジオテンシンⅡ受容体 AT1受容体 血管収縮 血圧上昇 アルドステロン分泌 細胞増殖 AT2受容体 血管拡張 血圧下降 NO産生 細胞増殖抑制 アポトーシス促進 血圧低下 副作用 • めまい、眠気 • 血管浮腫 • 高カリウム血症 • 肝機能障害/黄疸 • 腎機能障害 禁忌 1.両側性腎動脈狭窄症 2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。 3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 4.胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害 のある患者。 相互作用:非ステロイド性抗炎症薬 COX-2選択的阻害剤 非ステロイド性抗炎症薬<NSAIDs>、 COX-2選択的阻害剤との併用 糸球体濾過量がより減少し、腎障害の ある患者では、急性腎不全を引き起こ す可能性がある 降圧薬の効果を減弱させる アムロジピン(商品名:アムロジンOD錠) • 効能:高血圧症、狭心症 効果発現は長時間持続するが、緩徐であるため,緊急な治 療を要する不安定狭心症には効果が期待できない. • 作用:Ca²チャネル拮抗薬 Ca²チャネル拮抗薬の作用機序 ・血管 L型カルシウムチャネル に特異的に結合 血管平滑筋の拡張 (冠動脈/末梢細動脈) 血圧減少 降圧剤 ・心筋 L型カルシウムチャネル に特異的に結合 心筋収縮力の低下、刺激伝導系の抑制 =心筋の酸素消費量の低下 抗狭心症薬 副作用 1.肝機能障害,黄疸 2.血小板減少,白血球減少 3.房室ブロック 慎重投与 1.過度に血圧の低い患者 2.肝機能障害のある患者 3.重篤な腎機能障害のある患者 禁忌 • 1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 • 2.ジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の 既往歴のある患者 相互作用 • 降圧作用を有する薬剤 相互作用により作用の増強 • CYP3A4阻害剤 シトクロームP450の薬物代謝酵素CYP3A4に対する 競合的阻害作用により,本剤の代謝が阻害される クロピドグレル硫酸塩製剤 (商品名:プラビックス錠) 効能:虚血性脳血管障害後の再発抑制 作用:抗血小板凝集 作用機序 クロピドグレル硫酸塩の活性代謝物が、 不可逆的に血小板のADP受容体である P2Y12受容体(7回膜貫通型Gタンパク共有 型受容体)に作用し、ADPの結合を阻害する ことにより、血小板凝集を抑制する 作用機序 ADP クロピドグレル ADP受容体 (P2Y12受容体) 抑制 抑制 アデニル酸シクラーゼ ATP cAMP 抑制 細胞内カルシウム濃度上昇 血小板凝集 副作用 • 出血(頭蓋内出血、胃腸出血等の出血) • 肝機能障害、黄疸 • 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP) 禁忌 • 出血している患者 (血友病、頭蓋内出血、消化管出血、喀血等) • 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者 フルルビプロフェン (商品名:ゼポラスパップ) • 適応 変形性関節症 、肩関節周囲炎 、腱・腱鞘炎、 腱周囲炎 、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛 、 外傷後の腫脹・疼痛 • 作用機序 経皮吸収型鎮痛・消炎剤 (NSAID) →COX阻害によるプロスタグランジン生合成 副作用 • アスピリン喘息 • 掻痒、発赤、発疹 • ショック、アナフィラキシー様症状 禁忌 • 本剤又は他のフルルビプロフェン製剤に対して 過敏症の既往歴のある患者 • アスピリン喘息またはその既往歴のある患者 アレンドロン酸ナトリウム水和物錠 (商品名:ボナロン錠) • 適応 骨粗鬆症 破骨細胞 骨芽細胞 ロビンス基礎病理学 第7版より引用 アレンドロン酸ナトリウム水和物錠 • 作用機序 破骨細胞が存在する骨表面に特異的に分布し 破骨細胞に取り込まれることによりその活性を抑制 →骨の溶解およびCa2+の流出が減少 →骨密度 アレンドロン酸 破骨細胞 ヒドロキシアパタイト結晶 Ca2+ 副作用 • 食道・胃・十二指腸障害 • 低カルシウム血症 • 顎骨壊死・顎骨骨髄炎 など ※男性での安全性・有効性は確立されていない ? 併用注意 • カルシウム製剤 • マグネシウム製剤 カルシウム、マグネシウム等の 金属を含有する経口剤 アレンドロン酸が多価の陽イオン(Ca2+,Mg2+等)とキレートを形成するため これらの薬剤と併用するとアレンドロン酸の吸収を低下させる →アレンドロン酸の服用後少なくとも30分経ってから服用すること 禁忌 ・食道狭窄又はアカラシア等の食道通過を 遅延させる障害のある患者 ・30分以上上体を起こしていることや立っている ことのできない患者 ・低カルシウム血症の患者 ・本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬に 対し過敏症の既往歴のある患者 まとめ:処方薬から予想される疾患 ①テルミサルタン錠(ミカルディス) 高血圧 ②アムロジピン(アムロジンOD錠) 高血圧 ③クロピドグレル硫酸塩製剤(プラビックス錠) 過去の脳梗塞 ④フルルビプロフェン(ゼポラスパップ) 関節症等 or 外傷後の腫脹・疼痛 ⑤アレンドロン酸ナトリウム水和物錠(ボナロン錠) 骨粗鬆症 なぜ降圧剤としてARBとCa拮抗剤が 選択されたか? 高齢者であるため • ACE阻害薬 副作用として強い咳 →骨粗鬆症では簡単に骨折する • 交感神経系抑制薬 α1遮断薬 起立性低血圧を生じやすく、 高齢者では転倒の危険性 • 利尿薬 糖、尿酸、脂質の代謝異常の危険性 またARBは、心臓や腎臓への予防効果もある。 骨折→寝たきり この処方から予想される既往歴 高血圧 動脈硬化 85歳 女性 骨粗鬆症 脳梗塞 転倒による外傷(?)