明るさの単位を説明する方法

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明るさの単位を説明する方法
照度(lx)
光束(lm)
光度(cd)
輝度(cd/㎡)
以上、4種類の明るさの単位がそれぞれ何を意味して
いるかを理解してもらうための、うまい説明の方法を
考えます。
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照度の説明(1)
光源
照明をつけて、机の上で本を読む
ようなシーンを考えます。
このとき、その「本」にどれだけの
光が当たっているか、を表すのが
「照度」です。
照度はルクス(lx)という単位で表し
ます。
本
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照度の説明(2)
同じ光源でも、距離が違っていれば、手元の照度には差が出ます。
この3つは同じ光源。
光の広がり方は同じ。
光源
光源
光源
本
本
本
光の束が一本し
か当たってない
→暗い
光の束が三本
当たる
→明るい
光の束が5本
当たる
→もっと明るい
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光束の説明(1)
照明が周囲を照らすとき、「光の束を放射している」と考えて、
「光の束の量」のことを光束と言い、ルーメン(lm)で表します。
光源
本
ルーメン(lm)は、光源そのものの全
体の明るさを表す
その光が対象物に当たったときの、対象物
の明るさを照度と言い、ルクス(lx)で表す
たとえば、60W型白熱電球は約800ルーメン程度の光束を発します。
それが1メートル離れた面に当たると、その面の照度は約64ルクスになります。
読書をするときの照度は300ルクス以上必要とされているので、60W電球1個・1メートルではちょっと暗いですね。
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光度の説明(1)
ここに、ある点光源があって、360度全方向に同じ強さの光を放射
しているとします。
360度全方向に同じ強さの光
を放射する点光源
光源
その「光」の束をもし一本だけ取りだ
したとして、その一本だけの光の強さ
をその光源の「光度」といい、カンデ
ラ(cd)で表します
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光度の説明(2)
もし360度全方向に1カンデラの光度で光を放つ点光源があると、
その点光源から出る光束(光の量)の合計は約13ルーメン(*1)です。
全方向に
1カンデラの
光度を持つ
点光源
全方向に放射する光束を合
計すると約13ルーメン
光源
*1:60W電球の60分の1程度の明るさ。
13は半径1メートルの球の面積 ( 4×3.14×1×1)に該当する。
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輝度の説明(1)
ところでその「全方向に1カンデラの光度で光を放射する点光源」と
同じ量の光束を放つ、面積1㎡の面光源があったとしましょう。この
とき、その面光源は1cd/㎡の「輝度」を持つ、と言います。
全方向に
1カンデラの
光度を持つ
点光源
1㎡の面積を
持つ面光源
光源
全方向に放射する光束を合
計すると約13ルーメン
光
源
1カンデラの点光源と同じ
13ルーメンの光束を発する
輝度 1cd/㎡
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輝度の説明(2)
「輝度」とは、光源が「単位面積あたりに発する光の強さ」のことで、
カンデラ/㎡(cd/㎡)で表します。
輝度の低い光源
輝度の高い光源
光源
光源
ルーメン(光束の総量)は同じ
光源の「面積」が関係してくるため、「輝度」は液晶ディスプレイパネルのような、「面
で発光するもの」について使われる概念です。 通常、屋外で発光体を視認できるた
めには300cd/㎡以上の輝度が必要とされています。
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光束・照度・輝度・光度の関係
光束(ルーメン):光源か
ら放射される光の総量
光
源
照度(ルクス):対象物
の表面での明るさ
対
象
物
単位面積
輝度(cd/㎡):光源の単位
面積あたりの光の強さ
光度(カンデラ):1つの
方向に向かう光の強さ
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「光束」を使う場面
1つの光源で近距離の、ただし角度が広い範囲の対象物を明るく照らしたい、
と言う場合は、光の総量=「光束」が重要です。
そのため、家庭用照明器具では光束の単位である「ルーメン」を使います
光源
対
象
物
角度の広い範囲を
照らすので光の総
量が重要
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「光度」を使う場面
1つの光源で遠くを照らしたい、ただし角度範囲は狭くていい、という場合は、
1つの方向に向かう光の強さ=「光度」が重要です。
そのため、自動車ヘッドライトなどでは光度の単位「カンデラ」を使います。
前方を集中的に照らしたい
対
象
物
光源
少しでも外れたと
ころは暗くてよい
1つの方向に向かう
光の強さが重要
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「輝度」を使う場面
周囲が明るい場所で、何かが光っているかどうかを認識するためには、発
光体の単位面積あたりの明るさ=「輝度」が重要です。
そのため、発光体そのものを直接見て情報を得るような用途の発光体(液
晶ディスプレイ、LEDなど)の明るさを示すときは「輝度」を使います。
周辺から光(環境光)が当たっている
発
光
体
環境光の反射
発光体自身の発する光
これを区別するためには、
発光体自身の単位面積
あたりの明るさが重要
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