Transcript DTM

DTM講習 第2回
MIDI基礎・Dominoの簡単な使い方
※右利きという前提で進みます。ご了承ください。
MIDIとは、「Musical Instrument Digital Interface」の
省略形で、主に「~.mid」という拡張子で表されます。
音楽系のファイルの扱いですが、MP3ファイルやWave
ファイルとは全くの別物です。
WaveやMP3ファイルは音を波形のファイルとして考
えるのに対し、MIDIは専用のハード/ソフトウェアに
登録された「音色」を鳴らす命令文が記されたファイ
ルとして考えます。Wave・MP3は完成されたゲーム作
品、MIDIはプログラム文のようなものでしょう。
そもそも、MIDIて何
ぞ?
前回の資料中で「Microsoft GS Wavetable SW Synth」
というものが登場しました。これは、ローランド社が
開発、マイクロソフト社がアレンジした、いわゆる
「DTM音源」のひとつです。DTM音源というのは、例
えるならば「音色の保管庫」でしょう。
MIDIは、この保管庫から音色を選び、加工する役割
をします。しかしこの「Microsoft GS Wavetable SW
Synth」、同時に限られた音数(具体的には16個)し
か、保管庫の出入りを認めていません。同時に複数の
音を発すると、音が途切れてしまうことがあります。
そもそも、MIDIて何
ぞ?
まずはDominoを起動し、ピアノロール(縦に鍵盤が
並んでいる部分)の右側のスペースで右クリックをし
てみましょう。すると、ピアノの音が発されたと思い
ます。これは、MIDIが「Microsoft GS Wavetable SW
Synth」から「piano1」という音色を取り出し、鳴らし
たということです。
この他にも、ストリングスやブラス、更に民族楽器
など、様々な音が用意されています。
Dominoを起動したとき、左側に「255 Rest(休符)、
152 音程微調整」などと書かれているボックスがある
と思います。その中の、「PC:Piano1」をダブルクリッ
クしてください。
Dominoで音を鳴らそ
う
Dominoで音を鳴らそ
う
「PC:Piano1」をダブルクリックすると、こんなものが
出てくると思います。
Dominoで音を鳴らそ
う
さきほどの画面で、音色の変更、分かり易く言えば
楽器の変更を行います。
左のボックスから順に、マップ・PC#・バンクと書
いてあると思います。マップというのは、いわゆるス
トリングスやブラスといった、楽器を種類ごとに別け
たものの一覧です。
PC#というのは、マップを具体化したものです。
バンクというのは、PC#をさらに具体化したもので、
このバンクを選ぶことにより、鳴らす楽器を決定しま
す(が、PCによってはどちらを選択しても音に変わり
がないものもあります。ちなみに貸与PCは、これに該
当します)。
Dominoで音を鳴らそ
う
この「(例)PC:Piano1」というエフェクト(?)は、
プログラム・チェンジと呼ばれており、楽曲の最初に
置くだけでなく、途中に置くことも可能です(こう
いったエフェクトの設置方法は後ほど説明致します)。
ところで、「あれ?パーカッションはどこ?」と思
われた方もいらっしゃると思います。
実は、パーカッションは特別扱いがなされています。
そのため、パーカッションの鳴らし方の説明の前に、
「チャンネル」という概念の説明をしていきます。
Dominoで音を鳴らそ
う
チャンネルというのは、ひとつの音色から構成され
るもので、1~16チャンネルまで存在します。つまり、
最大で16種の楽器を用いて演奏させることができる、
ということです(実際16種というのは間違いですが)。
チャンネルの選択は、Domino画面中の左上のボック
スから行います。五線譜のアイコンの横に、「A1
(Piano1)」と書かれているはずなので、そのボック
スをクリックしてみてください。すると、
「Conductor」から始まり「A16(Piano1)」で終わる
リストが出てくると思います。
チャンネルって何ぞ
や
チャンネルって何ぞ
や
「Conductor」では、その名の通りテンポや拍子を
指定できます。テンポとは、音楽理論と全く同じで
「1分間で四分音符を打つ回数」です。
「A1~A9, A11~A16」は、先ほど説明した通り楽器を一
種類ずつ構成するチャンネルです。
問題は「A10」です。ここでドラムを鳴らしたりす
ることができます。試しに、A10を選択してください。
すると、次ページのような画面になると思います。
左のボックスから、「Program Change(赤枠部)」を
ダブルクリックしてください。
チャンネルって何ぞ
や
チャンネルって何ぞ
や
では、副題を戻しまして。先ほど「PC:Piano1」をダ
ブルクリックした時と同じような画面になったと思い
ます。ここでは、マップは「MSGS Drum」を選択した
ままにし、PC#の中だけを弄ってみましょう。
「001 STANDARD」から「057 SFX」までの中から、好き
なものを選択してください。個人的なおすすめは、上
記の2種です。
選択を終えたらOKを押し、ピアノロールの右側で右
クリックをしてみましょう。他のチャンネルと違って、
様々な音が鳴っていると思います。
Dominoで音を鳴らそ
う
ちなみに、どれを選んでも大差はないのですが、こ
の「057 SFX(Special Effects)」は異端児(?)で、面
白い効果音が沢山収録されています。正直使い難いの
一言です。
では、次にエフェクトの使い方について説明します。
Dominoで音を鳴らそ
う
では、チャンネルA1(System Setupではない方)に戻り、
ピアノロールの左側を見てみましょう。当資料中では、簡
単なエフェクトのみ説明いたします。すべてダブルクリッ
クで編集できます。上の方から順に(順が違う場合もあり
ますが)、
「PC:Piano1」プログラム・チェンジ。先程説明したとおり
です。
「Panpot」音を左右に移動させます。
「Volume」チャンネル内の音量を決定します。
「Reverb」ホールなどで音楽を聴いてるような音色にしま
す。
「Expression」これは「クレッシェンド」にあたります。
「Modulation」みんなだいすきビブラートを掛けます。
「Pitch Bend」音色を「ビヨーン」という風にしたりすること
ができます。
エフェクトの使い方
こういった基本的なエフェクト類は、簡単に設定で
きるようになっています。Domino起動時の画面下方に、
またまたボックスがあると思います。
では、試しにピアノロールの横で「左クリック」を
してみてください。すると、青いバーが出てくると思
います。
これはノートと呼ばれており、自由に引き伸ばした
り、消したりすることができます。音楽でいう「音
価」にあたります。
次に、プログラム・チェンジを「PC:Piano1」から
「PC:Violin」にしてください。
エフェクトの使い方
下方では、黒い凸の字のようなアイコンを選択し、
ボックス内で線を描きましょう。
以上のことが終わりましたら、画面上部の再生ボタ
ンを押してください(スペースキーでも可能です)。
参考に、次ページの画像と同じような状態にしてみ
てください。赤枠の部分が、今回弄るところです。
エフェクトの使い方
エフェクトの使い方
この他にも様々なエフェクトが用意されているので、
試したいという方はいじり倒しちゃってください。
エフェクトの置き方は、そのエフェクトによって
少々変わります。今(ピッチ・ベンド)のような、流
動的なエフェクトには先ほどの方法が適切ですし、プ
ログラム・チェンジのような、変化を頻繁に行う必要
がないエフェクトは好きな場所に一つ置けば充分です。
こちらの場合、
メニューの「挿入」→「コントロールチェンジ」を選
ぶか、
使いたいエフェクトをコピーして貼り付けてください。
エフェクトの使い方
ではでは。最後にDominoの便利機能をご紹介します。
便利機能というよりは基本的な機能も含みますが。
加え、かなりざっくりと説明していきます。分から
ないことは、直接私の方へ質問をどうぞ。
Dominoの便利機能
「ファイル」→「曲のプロパティ」
で、右画像のような画面が
表示されます。
ここの「分解能」の数字を
大きくすればするほど、音楽の
細かな表現が可能です。
作業時間なんてものも
確認できたりします。
Dominoの便利機能
範囲を選択し「イベント」→「一括変更」
で、右画像のような画面が
表示されます。
指定したノートの音量や
長さなどを一括変更
できます。重宝してます。
Dominoの便利機能
「トラック」→「トラックの追加」
のあと、「トラックのプロパティ」
を選択してください。このような
画面が出たら、ポートを
Aに指定し、好きな
チャンネルを指定してください。
すると、まっさらなチャンネルが
追加されます。同じチャンネル
番号とデータを共有できます。
Dominoの便利機能
「表示」→「トラックリスト」または「演奏モニ
ター」を選択してください。再生中の音楽を広範囲で
見渡すことができます。
「トラックリスト」では、スピーカーのアイコンをク
リックして演奏するチャンネル(トラック)を指定し
たり、小節を選択したりできます。ループ演奏すると
きに便利です。
「演奏モニター」では、同じく演奏するチャンネルを
指定したり、鳴っている和音(コード)の確認ができ
ます。
Dominoの便利機能
Dominoの便利機能
Dominoの便利機能
「オニオンスキン」について、他のチャンネルのデー
タを表示中のチャンネル内で確認できるという優れも
のです。もちろん、複数のチャンネルを指定できます。
どこかに玉葱のアイコンがあると思うので、そのア
イコンの横の下向きの三角形をクリック、「ピアノ
ロールに指定のトラックを表示」を選択してください。
次ページの画像を参考にどうぞ。
Dominoの便利機能
Dominoの便利機能
Dominoの便利機能
オニオンスキンの右側のアイコンをクリックしてみ
てください。このような画面が出ると
思います。こちらで、スケール
(音階)の表示・コード(和音)
の表示ができます。
スケールやコードについては
次回の講習で簡単な説明を
させていただきます。
Dominoの便利機能
お疲れ様でした。これで第2回の資料は終わりです。
第3回は、作曲のコツを伝授&講習中に一曲作成を
予定しております。おたのしみに!
おまけ:MMC公式Wikiの団員専用ページに、むかしつ
くった曲のサンプルMIDIをアップロードしました。参
考にどうぞ。
以上、お疲れ様でし
た!