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『菜の花里美発見展』
活動報告書
慶應義塾大学文学部
岡原正幸研究室
12・10・02


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club OyumiNo


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作品コンセプト
『アート・ファミレス』 から 〝club OyumiNo〟 へ
地域にすまう人たちと生活空間をデザインする。デザインするなら「ワクワク」の
生活がいい。そんなイキイキ生活につきものなのは、きっと、人それぞれの 《が
むしゃらな感情表現》。 だから、当初のプロジェクトは、
「アート・ファミレス―お好きな表現メニューをどうぞ」
「アートファミリーレストランに店舗はありませんが、ひとに何かを伝えることの 『ワクワク』 を
好みのテイストでお楽しみいただけます。大声、小声、色とりどりに無色透明、誰にも知られ
たくない、みんなに知って欲しい、そんな色々な伝え方を、”感情Tシャツ” ”人形” ”四コ
マ漫画パフォーマンス” ”おゆみ野全域図” ”パーティ主催” といったメニューで、それを
希望する子供たちと一緒に試していきたいと思ってます。」 (別途の文書ファイル参照)

でした。
でも、ワークショップに参加する子供たちが熱狂するメニューはしぼられる、中学
生以上の参加を期待したい、誰からも見られ誰もが顔をだせる屋外でワーク
ショップしたい、となると・・・それはcamp,party,workshopのコンビネーション、
club OyumiNo へ。


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作品コンセプト
• camp, party, workshop
自分の住む町にキャンプ。立ち入り禁止の空き地がキャンプ場になる。キャンプはい
つだってその場の意味を新しく塗り替えるインスタレーション。家屋にあるような
壁や天井がないから、自分の体でまわりの空間をいっぱい吸い込めるし、いっぱ
い感じられる。キャンプでは、食事や就寝や着替え、そんな日常がルーティンで
はなく仮設の姿をまとう。
見知らぬ者が留まることを許されるのもキャンプ。キャンプ場では誰もが見知らぬ者
であり、見知らぬ者どうしの対面と対話が始まる。コミュニケーションし始め、コ
ミュニケーションする限りでのコミュニティ、それがキャンプという社会空間。
まわりの空間をいっぱい吸い込んで、思い切り吐き出すような感情表現、それを再
び自分の肌にまとってみる、Tシャツを舞台にしたワークショップでは、着る物を
デザインすることで着る者が自分自身とまわりの空間を感情的にデザインしてい
く。それから、パーティ。それは見知らぬ者どうしが惹かれあう宴の空間。始発の
対話がたどり着く終点、いや、中継点。
なんとなく参加する中で、夏という時間とおゆみ野という場所に「こんな体験」が保存
されればいいと思う。クラブ会場のインテリア素材となったダンボールや布は、
《記憶》をしまって包み込んで保存してくれるかもしれない。


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作品記録
(別途の映像ファイルに写真収録)
①ワークショップ 6・15(感情Tシャツ、四コマ写真漫画、DJ+
生演奏、ウッドマネキンペイント)
②現地調査 7・06(扇田地区をキャンプ場に決定)
③キャンプ 8・10(テント設営、花火(ナノハナビ))
④キャンプ 8・24(草刈、テント設営、感情Tシャツ・ワーク
ショップ、バーベキュー、花火)
⑤キャンプ 8・31
⑥クラブ・パーティ 9・07(ぷらっとおゆみ野での会場設営、ダ
ンボールと布の世界、照らされる感情Tシャツ、ゆらめく風船。
ドリンク・バー。大画面でファミコン。地元ダンスチームとDJ
のコラボ、雨にもかかわらずTシャツペイント)


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資料1
• 資料1~3
チラシ①②③(7月中旬、8月中旬、ゲリラワークショッ
プにて配布)


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資料2


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資料3


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資料4
• 資料4、5
ポスター用イメージ原案


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資料5


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資料6
• Tシャツプリント用ロゴマーク(2パタン、6色、2サイ
ズ)。Tシャツ200枚に各種プリントしワークショップ
に使用


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活動記録1
• おゆみ野住民説明会(4月27日)以降の活動。
当日はゼミ生13名参加、説明会終了後に『夏の道』を中心に散策
6・02 現地にてワークショップに関する説明会(鎌取コミュニティセンター)
6・15 ワークショップ(Tシャツ、4コマ漫画、ウッドマネキンペインティング、
DJ、ポラロイド写真)(鎌取コミュニティセンター)・・・写真収録
7・05 東京レヴュー
7・06 千葉レヴュー、扇田地区の現地下調べ・・・写真収録
7・08 現地で中高生のグループとの打ち合わせ。
7・18 現地にて地域の人と共に説明会関連のビラ配り、ポスター張り。
7・28 DJワークショップの説明会(鎌取コミュニティセンター)および地元ダ
ンスチーム groove との打ち合わせ。
キャンプ地は学園前インフォメーションセンター脇の空き地。


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活動記録2
8・09 草刈およびテント設営予行演習。学生はテントで野営。
8・10 camp. 花火大会、30名近くの参加。・・・写真収録
8月中旬 チラシ配布
8・23 雨天ゆえテント設営不可。本日より岡原ゼミは三日間運営のヘルプ。
8・24 camp. キャンプ地水没、高台を再び草刈してテント設営。「自
由が丘原」と命名。 感情Tシャツ・ワークショップ、四コマ漫画作成、バー
べキュ、花火を連続して実施。学生は泊り。隣接するマンションの住民も
多数参加。・・・写真収録 翌25日キャンプ地撤収
8・31 camp. テント設営、 感情Tシャツ・ワークショップ。
9・04 ゲリラ・ワークショップ―Tシャツペイントのパフォーマンスを予告なし
に、学園前駅にて実行、下校途中の生徒にアピール。
9・06 ぷらっとおゆみ野にてクラブ会場設営。
9・07 club. 学園前駅にてゲリラ・ワークショップ。 会場ではダンス
チームのライブパフォーマンスをプロデュース。VJ、DJ、MCによる競演。
ダンサー、観客など40名近く参加。・・・写真収録


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活動の継続
• ゲリラ・ワークショップの実施

(駅前でのTシャツ・
ボディペインティングに味をしめた学生たち、不定期におゆ
み野に登場します。さらに《千葉サブゼミ》と称してDJ、VJを
加えた企画を進行中です)

• 活動記録の展示

(活動記録となるビデオ作品を、ま
ずは文化祭(三田祭)で、上映します。写真の展示も合わせ
て行います。なお、おゆみ野でお世話になった住民の方々を
是非とも三田祭に招待させていただきたく思います)

• キャンプ・パフォーマンス

(ストリート・ノマドとして、
世界各地の市街でのキャンプを「社会学的実践」として随時
敢行します)


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住民の声


ワークショップ 6・15 に対して
「こども達は、いつもと違った表情を見せていました。結構、創意があるんだな・・・
というのが、率直な感想です。
ありがとうございました。
今回の菜の花展の企画の中で、私が知る限りでは、中学生の参画の場はありま
せん。中学生が関われる企画があるといいなぁと思います。
ただし、中学生、難しいです。引っ張り出すのが、情緒は不安定だし、プライドと
高い理想を持っているわりには、技術はないし、・・・しかし、乗ってしまったら、こ
んなに愉快な人類はいない、と感心するほど楽しく、優しい生き物です。岡原ゼミ
の手腕を発揮してください」
(6月16日付メール)。


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住民の声


キャンプ 8・24 に対して
「Tシャツワークショップ、とても楽しかったです。
バーベキューに関しては、わたしは居合せることができなかったので、様子がよく
わかりませんが、Tシャツほどはうけていません。
早くから火を起こして準備して、手間をかけているのに参加者の感想から楽し
かったという言葉が出ないのは、何故でしょうね。

このバーベキューは、9月7日にどのように繋がるのですか?
そのあたりが見えないので、チームおゆみ野のメンバーも、関わり方がわからず、
ちょっと戸惑っているな…という感じです。
やるからには、徹底して地域住民に開く(広報も含めて)、でなければ、バーベ
キューは、身内の行事にして、チラシにはうたいこまない方がいいのではないか、
というのが、率直な感想です。
少々生意気なことを申しましたが、是非成功してほしいというみんなの思いです
ので、お伝えしておきます。いずれにしても、草刈から始めようというあのエネル
ギー、いいですね。」
(8月25日付メール)。


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住民の声
• 総括
「慶応大学
club OyumiNo
学園前インフォそばという悪条件(天候も含めて)にめげずがんばりました。
ナノハナビに協力してくれました。」(MLより)
「子どもたちの為にたくさんのメニューを準備し、この次はどうなるのかな…と心待ち
にしていると、しばらく音信が途絶える。
おゆみ野では、
「岡原ゼミ、どうなっちゃったの?」
という声が、菜の花初期にとびかいました。
そして、忘れた頃に連絡があり、計画がうんと先に進んでいる。
こりゃ、大変だ!とみんながアタフタする。
次に何をするか、わくわくする計画なのに、なぜか説明を聞けば聞くほどとりとめ
がない。
したがって、わたしたち住民は何をどう手出しすれば良いのかさっぱりわからな
い。
「だいじょうぶかな~、岡原ゼミ、放っておいて」
というのが菜の花中期のおゆみ野の声。


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住民の声
(つづき)
他のゼミなら、おそらくわたしたち住民に頼ったようなことも、自分たちで準備して
しまう。連絡も頻繁にこないので、もしかしてあきらめちゃったのかなと思っている
と、どかん!と計画が実行される。
予測がつかないゼミ。
学生さんたちの点のような動きを必死でつなぐように、岡原先生から入ってくる
メールのタイミングも、なかなかのもの。
炎天下の突然の草刈に、ナノハナビへの柔軟な対応、そして、クラブおゆみ野の
出現…、計画的だったのか、行き当たりばったりだったのか、未だに謎ですが、
「おもしろいことやってるね、岡原ゼミ」
と、ついに、みんなに言わせました。


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住民の声
(つづき)
しかし、おゆみ野に残った岡原ゼミへの不満もあります。それは、
「クラブおゆみ野」の計画を聞いたとき、「参加したい!」と思うおばさん層がおゆ
み野には、いっぱいいたことに、もしかして気がついていないんじゃぁないかな?
ということ。
若い子を狙っていたと思うけれど、

「おばさんたちも、クラブおゆみ野で楽しみたかった」
という声が、菜の花後ぽつりぽつりとありました。
一言でまとめれば、
「見かけによらずパワフルで柔軟な、つかみどころのない学生」と、彼らに
「翻弄される先生」というのが、今年の夏の岡原ゼミの印象でした。
おしまい。
Tシャツゲリラ隊に会いたい!」
(10月11日付メール)


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学生の声
• 重要なのは社会をデザインするということに対する真摯な態度だったの
ではないでしょうか。社会とは手で触れるものではありません。「人」と
「人」の間にのみ存在する実感を伴いにくい、しかし無視することのできな
い存在なのです。 コミュニケーションが発生することを僕は歓迎したいと
思います。しかし、自分が自分の身を引き受けて輪に入る場合とは異な
るこのようなイベントの場合、その際の覚悟がイベントの質を決定すると
いうことを身をもって知ることができました。
• 個人の思いの発露としての表現ではなく、またはそういった部分を少しは
含んでいたとしても、事業としてアートプロジェクトをやるのなら、価値の
受け手である住民や地域のことを第一に考えなければいけないのだとい
う教訓を得ました。
とくに私達のゼミではそういった部分を欠いていたのではないかという反
省が個人的にあります。また、私達の欠いていたものは内部的なネゴシ
エーションでもありました。互いに思いを伝えようとしない、または聞こうと
しないなかで、一部の人間が走るしかないという状況が出来あがってい
ました。
なにがわるいというわけでもなく、シナジーが生まれるような土壌を生み
出すことができなかっただけかもしれません。


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学生の声
• ワークショップ中、自分がコミュニケーションの只中にいる時には、私を混
乱させる疑問は頭にはなく、人との相互関係にただ身をおき、その時間
を人と共有していた。学生にも住民の方にも戸惑いは感じられたけれど、
それら問題点も含めてコミュニケーションが生まれていたと思う。
• 子供たちにはやはり自分たちの大切な場所、特別な場所があり、場所へ
の愛着がある。そう意識はしていなくても、彼らにとって何かしらの意味を
持つ、ほかの場所とは違う場所がある。自分の育っていく場所が、記憶
に残るいろんな意味で素敵な場所であることは大事なことだと思う。各ゼ
ミの作品やワークショップによって、その場所が彼らにとって新たな意味
をもつものになったかもしれないし、また場所に限らず、彼らの内面に何
らかの影響を残すものであったと思う。経験や記憶や思い出が、その人
を作っていくものだと思うから、今回の出来事も、大切な、貴重なものと
なってほしい。
学生たちの生の声を記す全文は別途文書ファイルを参照してください。


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ゼミメンバー
















岡原正幸(文学部助教授)
浅尾荘平(美学美術史専攻3年生)
漆山乃介(社会学専攻3年生)
江口温子(美学美術史専攻3年生)
香月浩一(社会学専攻3年生)
兜木悠介(社会学専攻3年生)
黒田衣麻(教育学専攻3年生)
菅本かおる(社会学専攻3年生)
中澤壮介(社会学専攻3年生)
名波薫(社会学専攻3年生)
久野聡紀(社会学専攻3年生)
藤澤順一(社会学専攻3年生)
星野貴彦(社会学専攻3年生)
山口夕貴子(社会学専攻3年生)
渡辺郁(社会学専攻3年生)

賛助メンバー
戸掘貴雄(ギタリスト)
鈴木信之(DJ)
桃林さやか(運営)
加藤美穂(運営)
丸山嘉弘(VJ)
鳥取泰男(ビデオ)
DJの指導協力
DJ junta
DJ pepper
DJ mayuka
テーマソング監修
A.S.E.(元BOAT)


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感謝の言葉
岡原ゼミ一同は、この夏、こんな体験ができたこと、すごく感
謝しています。
なにより、私たちのわがままな要望
に付き合っていただいた地域の方々に、無心にスプレーして
くれた子供たちに、通りすがりに遊んでくれた親子たちに、一
心不乱の舞台を見せてくれたダンスチームに、それを観にき
た観客の皆さんに、感謝します。
こんな体験を支え
てくれた事務局や学生幹事会の方々に、他のゼミの皆さん
に、感謝します。
こんな体験の生まれる場を創造して
くれた主催や後援や協賛、協力の方々に、感謝します。
おゆみ野の住民すべての方々に、感謝します。
ほんとうに有難うございました。