特別支援教育推進体制モデル事業 特別支援教育 コーディネーターの役割 大分県教育委員会配布CD-ROM 「小・中学校における軽度発達障害児の 支援体制の整備Vol.1」より抜粋 小・中学校における特別支援教育への転換 ○特殊教育に係る小・中学校の制度と「特別支援教室(仮称)」 の役割 ・通常の学級に在籍した上で障害に応じた教科指導や障害に起因する困 難の改善・克服のための指導を必要な時間のみ特別の場で指導を行う。 ○学校内における特別支援教育体制の確立(平成19年度) ・校内委員会の設置 ・特別支援教育コーディネーターの指名 ○「個別の教育支援計画」の策定 ・LD、ADHD等を含め、すべての障害のある子どもについての教育 的支援等をまとめた教育計画の作成。 当面は、「個別の指導 計画」の作成 ○「広域特別支援連携協議会」の設置 特別支援教育コーディネーター (文部科学省特別支援教育イメージ図) ・学校内、または、福祉、医療等の関係機 関、保護者との連絡調整 ・個別の教育支援計画の調整 小・中学校 教員 教員 他の特別 支援学校 他の小・中 学校等 保護者 校内の連絡調整 特別支援教育コーディネーター(仮称) 連絡調整 他機関との連携協力 支援地域全体を視野に入れた連携協力 特別支援教育コーディネーター(仮称) 他機関との連携協力 保護者 幼稚園 高校 福祉、医療、労働等関係機関、 大学、NPO 特別支援教育基礎資料 文部科学省特別支援教育課 平成15年6月 連絡調整 校内の連絡調整 教員 特別支援学校(仮称) 教員 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内の関係者や関係機関との連絡調整 (1)校内の関係者との連絡調整 ・校内委員会の推進役として、校内の教職員の連絡調整役。 (2)関係機関との連絡調整 ・関係機関との連絡調整が必要になった場合の窓口。 ・地域の乳幼児検診、発達相談や療育システム、医療機関について情報の 収集・整理。必要に応じて教員や保護者へ情報を伝達。 ・医療機関や相談機関につなぐ場合は、結果のフィード バックやフォローアップ体制の事前の確認。 ・ケース会議のための情報収集と準備 (3)保護者との関係づくり ・学校として、自校の教育や対応の方針を具体的に説明し、理解を得る。 ・個人情報の保護の観点から情報の管理を慎重にし、誤解や学校への不信 感が生じないよう配慮すること。 ・学校だよりやPTA活動、教育相談等の機会を活用してわかりやすく説 明することが大切。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 保護者に対する相談窓口 (1)保護者の気持ちの受け止め ・受容と共感を大切にしながら信頼関係が築けるように配慮する。 ・保護者の児童生徒への願いや課題、学習面、行動面、対人関係をていね いに聞き取る。 ・家庭の様子、生育歴、療育や医療等の経過についての情報を把握する。 (2)保護者とともに考える対応策 ・問題点や改善点について徐々に内容を絞り、答えを早急に求めない。 ・家庭、学校、関係者が共通理解をしながら、それぞれの立場でできるこ とを考え、一貫性のある対応策が導き出せるようにする。 (3)保護者への支援体制 ・担任とコーディネーターが連絡を取り合うことを保護者に説明し、担任 とともに組織的・継続的に保護者を支援することへの理解を得る。 ・状況に応じて、校内委員会や専門家チームでの検討について説明する。 ・コーディネーターだけでなく校内委員会のメンバーも含める等、複数の 窓口を用意することも考慮する。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 担任への支援 (1)担任の相談から状況を整理する ・担任から相談があった場合、担任の話に耳を傾け、話の内容 や状況から児童生徒の情報を偏りなく多角的に聞き取る。 ・担任と一緒に、児童生徒を取り巻く状況の整理をする。 (2)担任とともに行う児童生徒理解と支援体制 ・状況判断をし、担任ができることを見極めながら助言をする。担任の児 童生徒への理解を深めるために、総合的な理解を進めたり、今後の対応 への見通しを説明したりすることが大切。 ・校内における組織的な支援体制や、担任への支援体制の模索を行う。 ※児童生徒が直接相談に来た場合は、ていねいに事情を聞き、相談内容を 把握した上で、担任と連携をとり、児童生徒を取り巻く状況を整理する。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 巡回相談や専門家チームとの連携 (1)巡回相談員との連携 ・校内委員会として年間を通じて巡回相談員の相談日、相談者を調整。 ・巡回相談員の校内委員会への参加も含めて相談体制づくりを模索。 ・巡回相談員と、ケースについての話合いができることが望ましい。 (2)専門家チームとの連携 〈専門家チームへの判断依頼〉 ・校内委員会において、専門家チームへの依頼が必要かを検討する。 ・専門家チームに報告する資料を校内委員会の構成員が分担して作成する。 (校内委員会で収集した情報、実態把握・評価と判断、「個別の教育支援 計画」や「個別の指導計画」、専門家チームに依頼する理由と依頼の内 容等) ・ 専門家チームに判断を求める前に保護者に十分な説明を行い理解を得る。 〈専門家チームからの指導・助言の活用〉 ・専門家チームへの連絡調整と専門家チームからの情報を収集する。 ・専門家チームからの助言を、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計 画」の作成や改善、校内での支援につなげていく。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割① (1)校内委員会での役割 ・特別な教育的支援を必要としている児童生徒のニーズを把握し、校内委 員会が運営されるように、長期的、短期的見通しをもって会議に臨む。 その際、保護者と連絡して進めることが大切。 ・校内委員会においては、児童生徒についての情報提供や専門家チームへ の判断を依頼するための協議を円滑にできるように推進する。 ・「個別の指導計画」については、校内委員会で話合いをしながら作成し、 コーディネーターとして援助できることや校内での支援の役割を明確に すること。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割② (2)校内の状況の把握と情報収集の推進 〈教職員の気付きとニーズの把握〉 ・学習面,行動面で気になる児童生徒が学校、学級にいる場合や、児童生 徒への指導について悩んでいる教員がいる場合等、コーディネーターや 校内委員会が校内の状況を把握できるような校内体制をつくるよう提案 する。 ・問題行動などが見られる場合には、早急な対応が可能な機動性のある体 制がとれるようにする。 〈保護者のニーズの把握〉 ・日頃から、保護者の学校への要望やニーズを把握しておきます。 ・保護者が子どもについて気になるとき、学級担任以外にも、コーディネ ーター等の相談窓口があることを広報しておく。 〈校内リソースの把握〉 ・特別支援教育や教育相談について研修を受けていたり、活用できる資格 等をもっていたりする教職員についての情報を把握しておく。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割③ (3)ケース会議の開催と校内委員会 〈ケース会議のための情報収集と進め方〉 ・ケース会議が必要と考えられる児童生徒については、校内委員会だけで なく、必要に応じて柔軟にかかわりのある人たちで小さなチームをつく ってケースを検討する会議を運営する。 ・保護者の協力のもとに、以前、該当児童生徒にかかわっていた方々から、 情報を収集できるよう連絡調整してみることが望ましい。 ・会議の進め方として、児童生徒の状況報告、児童生徒の現状と課題の明 確化、これからの具体的な取組みや指導方針の確認等。 〈ケース会議の結果と校内委員会〉 ・ケース会議の結果を記録して、「個別の指導計画」につなげる。 ・コーディネーターは、小グループでのケース会議の実施状況を把握し, 会議の内容を校内委員会で報告し合い、職員間の共通理解を図るととも に、必要に応じて校内委員会で専門家チームに判断等を依頼するかどう かを検討する。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割④ (4)「個別の教育支援計画」の作成に向けて 「個別の教育支援計画」とは、該当の児童生徒に対して、乳幼児期から 就労までの長期的な視点で部局横断的に関係機関(教育、福祉、医療等) が連携し、保護者の積極的な参画を促して作成するものである。作成に 当たっては、例えば「個別の教育支援計画」策定検討委員会を設置して 検討を行うことも考えられる。 ・「個別の教育支援計画」の作成に当たり、外部の関係者・関係機関と連 携協力する際の重要な役割を果たす。 ・幼稚園・保育所等から小学校、中学校の関係機関等の間での情報の交換 を行うことが大切。 ・「個別の教育支援計画」に記載された内容については、十分に把握して いること。また、収集した情報を整理し、「個別の教育支援計画」の改 善の際に活用しやすいようにすること。 ・個人情報については、適切な取扱いがなされるように留意する。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割⑤ (5)校内委員会での個別の指導計画の作成への参画 ・作成された「個別の指導計画」を校内での会議等で報告し、教職員間の 共通理解を図る。 ※コーディネーターとしては、共通理解の徹底、「個別の指導計画」が実 施されやすいような支援体制の提案、その他必要な連絡調整を行う。 ・実施後の評価は、指導に当たる教員とともに、校内委員会において評価 を行う。それに基づき、「個別の指導計画」の必要な改善を行う。なお、 学期ごとや学年ごとなど定期的に評価を行うことが望ましい。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割 (ガイドライン) 校内委員会での役割⑥ (6)校内研修の企画と実施 〈研修会の立案〉 ・教職員の特別支援教育に関する意識や知識を把握するとともに、研修内 容等の要望も聞いて、LD、ADHD、高機能自閉症についての具体的 な知識、指導の方法等、研修会で目指すことを明確にする。 ・年間計画については、教職員の理解が具体的な支援につながる研修内容 を企画する。 〈研修会の実施と評価〉 ・外部の講師には、事前に校内の教職員の特別支援教育に関する理解やニ ーズ、学校の状況についての情報を提供する。 ・実施後は、実際の学級経営や指導に役立っているか、教職員の意見をて いねいに収集しながら、次回の研修会の内容の改善に役立てる。 特別支援教育コーディネーターの役割 モデル事業における調査結果 委員 役 割 コーディ ・軽度発達障害児の気づき及び実態把握 ネーター ・個別の指導計画の作成 ・専門機関への相談、情報交換 ・保護者(本人)への説明、連携 ・具体的な支援方法に関する援助 ・保護者や本人の心理面の対応とその情報提供 ・軽度発達障害児に関する学習指導上の調整 ・校内委員会の年間計画・月計画の位置づけ ・軽度発達障害児に関する校内研修の企画・運営・実施 ・校内委員会等の企画・運営・実施、資料の作成 ・校内委員会等の委員との連絡調整 ・軽度発達障害児の気づきにおける担任との相談 ・支援体制の実施状況の把握 ・会議の資料の保管、個人ファイルの作成・整理・保管 ・軽度発達障害児に関する全般的な情報提供 ・担任への支援 等 特別支援教育コーディネーターの役割 コーディネーターの役割 〈校内における役割〉 ○校内委員会のための情報の収集・準備 ○担任への支援 ○校内研修の企画・運営 〈外部の関係機関との連絡調整など 担任 の役割〉 ○関係機関の情報収集・整理 ○専門機関等への相談をする際の 情報収集と連絡調整 ○専門家チーム,巡回相談員との連携 〈保護者に対する相談窓口〉 関 係 機 関 コーディ ネーター 保 護 等 関係する 教員等 者 図:全特長(中間報告)より 特別支援教育コーディネーターの指名に関する配慮事項 教頭 コーディネーターの資質 教務主任 ○学校全体,そして地域の盲・聾・養護 学校や関係機関にも目を配ることがで きる ○必要な支援を行うために教職員の力を 結集できる力量 等 生徒(生活)指導主任 養護教諭 教育相談担当者 障害児学級担当者 校務分掌での位置づけ ・校内委員会の役割の一つとして位置づける場合や、既存の生活指導部や 教育相談部等の組織に位置付ける場合等、各学校の実情によりさまざま に考えられるが、各学校の校長の判断で実情に即するとともに、その位 置づけを明確にすることが求められる。 コーディネーターの条件と対応 コーディネーターの条件 ・軽度発達障害児の理解 (専門性) 各自が研修等に参加して 自己研鑽を積むことは必要 だが、すぐには解決できな い課題。 専門性のある専門機関等 との連携をする。その過程 で身についていく。 指名する際に、校長の判 断で対応できる。 ・校内において指導的立場のある 教員(指導力) ・運営面で推進が可能な教員 (連絡・調整力) コーディネーターは、そ の名称のとおり、校内や関 係機関との連携をコーディ ネートすることが、最大の 役割である。 連絡・調整力は身につけ ていただきたい力である。 コーディネーターの役割① 気づき 相談を受ける 相談窓口 コーディネーター コーディネーターの役割② 担任と相談をする。 ・どんな困難があるのか ・改善の可能性はないのか ・さらに詳しい実態の把握が 必要か コーディネーター 担任とともに行 動観察をする 校内委員会で検討するかを 判断する 校内委員会の開催 コーディネーターの役割③ 校内委員会の開催に向けて いつ、誰に、何を検討するか を企画し、連絡調整する どんな資料を作成し、提 案するかを検討する コーディネーター 可能であれば、家庭の様 子などの情報を得る。 専門家チームや巡回相談 員に参加を依頼するかを 検討する。 コーディネーターの役割③ 校内研修に向けて 校内委員会に提案 する どんな内容の研修 を受けたいかを訪 ねる コーディネーター 研究主任と相談する テーマに沿った 講師を選定し、 依頼する ヒント① 校内のリソースを把握しておく。 親の会等の 関係者を 知っている。 個人的に学 習会に参加 している。 コーディネーター 養護学 校の免 許を取 得 学校心 理士の 資格を 取得 LD教 育士の 資格を 取得 養護学 校で勤 務の経 験 ヒント② 子どもの学校外での関係者を把握しておく。 A病院 を受診 してい る。 教育セ ンター の教育 相談を 受けて いる。 B大学 の研究 室で指 導を受 けてい る。 家庭教 師に勉 強を教 えても らって いる。 C療育センターで 訓練を受けている。 ヒント③ 学校を中心に支援地図を作製する。 教育センター の○○先生 幼稚園の○○ 先生 □□病 院の○ ○医師 中学校の○○ 先生 A施設の○○ 施設長 大学の○○教 授 □□市 教育委 員会の ○○先 生 児童相談所の ○○指導員 NPOの○○ さん 〈参考・引用文献〉 ・文部科学省 「小・中学校におけるLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性 障害)、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイ ドライン(試案)」 平成16年1月 ・特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議 「今後の特別支援教育の在り方ついて(最終報告)」 平成15年3月 ・全国特殊学校校長会 盲・聾・養護学校における「個別の教育支援計 画」について(中間まとめ) 平成16年5月.

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・個人情報の保護の観点から情報の管理を慎重にし、誤解や学校への不信 感が生じないよう配慮すること。 ・学校だよりやPTA活動、教育相談等の機会を活用してわかりやすく説 明することが大切。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 保護者に対する相談窓口 (1)保護者の気持ちの受け止め ・受容と共感を大切にしながら信頼関係が築けるように配慮する。 ・保護者の児童生徒への願いや課題、学習面、行動面、対人関係をていね いに聞き取る。 ・家庭の様子、生育歴、療育や医療等の経過についての情報を把握する。 (2)保護者とともに考える対応策 ・問題点や改善点について徐々に内容を絞り、答えを早急に求めない。 ・家庭、学校、関係者が共通理解をしながら、それぞれの立場でできるこ とを考え、一貫性のある対応策が導き出せるようにする。 (3)保護者への支援体制 ・担任とコーディネーターが連絡を取り合うことを保護者に説明し、担任 とともに組織的・継続的に保護者を支援することへの理解を得る。 ・状況に応じて、校内委員会や専門家チームでの検討について説明する。 ・コーディネーターだけでなく校内委員会のメンバーも含める等、複数の 窓口を用意することも考慮する。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 担任への支援 (1)担任の相談から状況を整理する ・担任から相談があった場合、担任の話に耳を傾け、話の内容 や状況から児童生徒の情報を偏りなく多角的に聞き取る。 ・担任と一緒に、児童生徒を取り巻く状況の整理をする。 (2)担任とともに行う児童生徒理解と支援体制 ・状況判断をし、担任ができることを見極めながら助言をする。担任の児 童生徒への理解を深めるために、総合的な理解を進めたり、今後の対応 への見通しを説明したりすることが大切。 ・校内における組織的な支援体制や、担任への支援体制の模索を行う。 ※児童生徒が直接相談に来た場合は、ていねいに事情を聞き、相談内容を 把握した上で、担任と連携をとり、児童生徒を取り巻く状況を整理する。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 巡回相談や専門家チームとの連携 (1)巡回相談員との連携 ・校内委員会として年間を通じて巡回相談員の相談日、相談者を調整。 ・巡回相談員の校内委員会への参加も含めて相談体制づくりを模索。 ・巡回相談員と、ケースについての話合いができることが望ましい。 (2)専門家チームとの連携 〈専門家チームへの判断依頼〉 ・校内委員会において、専門家チームへの依頼が必要かを検討する。 ・専門家チームに報告する資料を校内委員会の構成員が分担して作成する。 (校内委員会で収集した情報、実態把握・評価と判断、「個別の教育支援 計画」や「個別の指導計画」、専門家チームに依頼する理由と依頼の内 容等) ・ 専門家チームに判断を求める前に保護者に十分な説明を行い理解を得る。 〈専門家チームからの指導・助言の活用〉 ・専門家チームへの連絡調整と専門家チームからの情報を収集する。 ・専門家チームからの助言を、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計 画」の作成や改善、校内での支援につなげていく。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割① (1)校内委員会での役割 ・特別な教育的支援を必要としている児童生徒のニーズを把握し、校内委 員会が運営されるように、長期的、短期的見通しをもって会議に臨む。 その際、保護者と連絡して進めることが大切。 ・校内委員会においては、児童生徒についての情報提供や専門家チームへ の判断を依頼するための協議を円滑にできるように推進する。 ・「個別の指導計画」については、校内委員会で話合いをしながら作成し、 コーディネーターとして援助できることや校内での支援の役割を明確に すること。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割② (2)校内の状況の把握と情報収集の推進 〈教職員の気付きとニーズの把握〉 ・学習面,行動面で気になる児童生徒が学校、学級にいる場合や、児童生 徒への指導について悩んでいる教員がいる場合等、コーディネーターや 校内委員会が校内の状況を把握できるような校内体制をつくるよう提案 する。 ・問題行動などが見られる場合には、早急な対応が可能な機動性のある体 制がとれるようにする。 〈保護者のニーズの把握〉 ・日頃から、保護者の学校への要望やニーズを把握しておきます。 ・保護者が子どもについて気になるとき、学級担任以外にも、コーディネ ーター等の相談窓口があることを広報しておく。 〈校内リソースの把握〉 ・特別支援教育や教育相談について研修を受けていたり、活用できる資格 等をもっていたりする教職員についての情報を把握しておく。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割③ (3)ケース会議の開催と校内委員会 〈ケース会議のための情報収集と進め方〉 ・ケース会議が必要と考えられる児童生徒については、校内委員会だけで なく、必要に応じて柔軟にかかわりのある人たちで小さなチームをつく ってケースを検討する会議を運営する。 ・保護者の協力のもとに、以前、該当児童生徒にかかわっていた方々から、 情報を収集できるよう連絡調整してみることが望ましい。 ・会議の進め方として、児童生徒の状況報告、児童生徒の現状と課題の明 確化、これからの具体的な取組みや指導方針の確認等。 〈ケース会議の結果と校内委員会〉 ・ケース会議の結果を記録して、「個別の指導計画」につなげる。 ・コーディネーターは、小グループでのケース会議の実施状況を把握し, 会議の内容を校内委員会で報告し合い、職員間の共通理解を図るととも に、必要に応じて校内委員会で専門家チームに判断等を依頼するかどう かを検討する。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割④ (4)「個別の教育支援計画」の作成に向けて 「個別の教育支援計画」とは、該当の児童生徒に対して、乳幼児期から 就労までの長期的な視点で部局横断的に関係機関(教育、福祉、医療等) が連携し、保護者の積極的な参画を促して作成するものである。作成に 当たっては、例えば「個別の教育支援計画」策定検討委員会を設置して 検討を行うことも考えられる。 ・「個別の教育支援計画」の作成に当たり、外部の関係者・関係機関と連 携協力する際の重要な役割を果たす。 ・幼稚園・保育所等から小学校、中学校の関係機関等の間での情報の交換 を行うことが大切。 ・「個別の教育支援計画」に記載された内容については、十分に把握して いること。また、収集した情報を整理し、「個別の教育支援計画」の改 善の際に活用しやすいようにすること。 ・個人情報については、適切な取扱いがなされるように留意する。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン) 校内委員会での役割⑤ (5)校内委員会での個別の指導計画の作成への参画 ・作成された「個別の指導計画」を校内での会議等で報告し、教職員間の 共通理解を図る。 ※コーディネーターとしては、共通理解の徹底、「個別の指導計画」が実 施されやすいような支援体制の提案、その他必要な連絡調整を行う。 ・実施後の評価は、指導に当たる教員とともに、校内委員会において評価 を行う。それに基づき、「個別の指導計画」の必要な改善を行う。なお、 学期ごとや学年ごとなど定期的に評価を行うことが望ましい。 特別支援教育コーディネーターの具体的な役割 (ガイドライン) 校内委員会での役割⑥ (6)校内研修の企画と実施 〈研修会の立案〉 ・教職員の特別支援教育に関する意識や知識を把握するとともに、研修内 容等の要望も聞いて、LD、ADHD、高機能自閉症についての具体的 な知識、指導の方法等、研修会で目指すことを明確にする。 ・年間計画については、教職員の理解が具体的な支援につながる研修内容 を企画する。 〈研修会の実施と評価〉 ・外部の講師には、事前に校内の教職員の特別支援教育に関する理解やニ ーズ、学校の状況についての情報を提供する。 ・実施後は、実際の学級経営や指導に役立っているか、教職員の意見をて いねいに収集しながら、次回の研修会の内容の改善に役立てる。 特別支援教育コーディネーターの役割 モデル事業における調査結果 委員 役 割 コーディ ・軽度発達障害児の気づき及び実態把握 ネーター ・個別の指導計画の作成 ・専門機関への相談、情報交換 ・保護者(本人)への説明、連携 ・具体的な支援方法に関する援助 ・保護者や本人の心理面の対応とその情報提供 ・軽度発達障害児に関する学習指導上の調整 ・校内委員会の年間計画・月計画の位置づけ ・軽度発達障害児に関する校内研修の企画・運営・実施 ・校内委員会等の企画・運営・実施、資料の作成 ・校内委員会等の委員との連絡調整 ・軽度発達障害児の気づきにおける担任との相談 ・支援体制の実施状況の把握 ・会議の資料の保管、個人ファイルの作成・整理・保管 ・軽度発達障害児に関する全般的な情報提供 ・担任への支援 等 特別支援教育コーディネーターの役割 コーディネーターの役割 〈校内における役割〉 ○校内委員会のための情報の収集・準備 ○担任への支援 ○校内研修の企画・運営 〈外部の関係機関との連絡調整など 担任 の役割〉 ○関係機関の情報収集・整理 ○専門機関等への相談をする際の 情報収集と連絡調整 ○専門家チーム,巡回相談員との連携 〈保護者に対する相談窓口〉 関 係 機 関 コーディ ネーター 保 護 等 関係する 教員等 者 図:全特長(中間報告)より 特別支援教育コーディネーターの指名に関する配慮事項 教頭 コーディネーターの資質 教務主任 ○学校全体,そして地域の盲・聾・養護 学校や関係機関にも目を配ることがで きる ○必要な支援を行うために教職員の力を 結集できる力量 等 生徒(生活)指導主任 養護教諭 教育相談担当者 障害児学級担当者 校務分掌での位置づけ ・校内委員会の役割の一つとして位置づける場合や、既存の生活指導部や 教育相談部等の組織に位置付ける場合等、各学校の実情によりさまざま に考えられるが、各学校の校長の判断で実情に即するとともに、その位 置づけを明確にすることが求められる。 コーディネーターの条件と対応 コーディネーターの条件 ・軽度発達障害児の理解 (専門性) 各自が研修等に参加して 自己研鑽を積むことは必要 だが、すぐには解決できな い課題。 専門性のある専門機関等 との連携をする。その過程 で身についていく。 指名する際に、校長の判 断で対応できる。 ・校内において指導的立場のある 教員(指導力) ・運営面で推進が可能な教員 (連絡・調整力) コーディネーターは、そ の名称のとおり、校内や関 係機関との連携をコーディ ネートすることが、最大の 役割である。 連絡・調整力は身につけ ていただきたい力である。 コーディネーターの役割① 気づき 相談を受ける 相談窓口 コーディネーター コーディネーターの役割② 担任と相談をする。 ・どんな困難があるのか ・改善の可能性はないのか ・さらに詳しい実態の把握が 必要か コーディネーター 担任とともに行 動観察をする 校内委員会で検討するかを 判断する 校内委員会の開催 コーディネーターの役割③ 校内委員会の開催に向けて いつ、誰に、何を検討するか を企画し、連絡調整する どんな資料を作成し、提 案するかを検討する コーディネーター 可能であれば、家庭の様 子などの情報を得る。 専門家チームや巡回相談 員に参加を依頼するかを 検討する。 コーディネーターの役割③ 校内研修に向けて 校内委員会に提案 する どんな内容の研修 を受けたいかを訪 ねる コーディネーター 研究主任と相談する テーマに沿った 講師を選定し、 依頼する ヒント① 校内のリソースを把握しておく。 親の会等の 関係者を 知っている。 個人的に学 習会に参加 している。 コーディネーター 養護学 校の免 許を取 得 学校心 理士の 資格を 取得 LD教 育士の 資格を 取得 養護学 校で勤 務の経 験 ヒント② 子どもの学校外での関係者を把握しておく。 A病院 を受診 してい る。 教育セ ンター の教育 相談を 受けて いる。 B大学 の研究 室で指 導を受 けてい る。 家庭教 師に勉 強を教 えても らって いる。 C療育センターで 訓練を受けている。 ヒント③ 学校を中心に支援地図を作製する。 教育センター の○○先生 幼稚園の○○ 先生 □□病 院の○ ○医師 中学校の○○ 先生 A施設の○○ 施設長 大学の○○教 授 □□市 教育委 員会の ○○先 生 児童相談所の ○○指導員 NPOの○○ さん 〈参考・引用文献〉 ・文部科学省 「小・中学校におけるLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性 障害)、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイ ドライン(試案)」 平成16年1月 ・特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議 「今後の特別支援教育の在り方ついて(最終報告)」 平成15年3月 ・全国特殊学校校長会 盲・聾・養護学校における「個別の教育支援計 画」について(中間まとめ) 平成16年5月.

特別支援教育推進体制モデル事業
特別支援教育
コーディネーターの役割
大分県教育委員会配布CD-ROM
「小・中学校における軽度発達障害児の
支援体制の整備Vol.1」より抜粋
小・中学校における特別支援教育への転換
○特殊教育に係る小・中学校の制度と「特別支援教室(仮称)」
の役割
・通常の学級に在籍した上で障害に応じた教科指導や障害に起因する困
難の改善・克服のための指導を必要な時間のみ特別の場で指導を行う。
○学校内における特別支援教育体制の確立(平成19年度)
・校内委員会の設置
・特別支援教育コーディネーターの指名
○「個別の教育支援計画」の策定
・LD、ADHD等を含め、すべての障害のある子どもについての教育
的支援等をまとめた教育計画の作成。
当面は、「個別の指導
計画」の作成
○「広域特別支援連携協議会」の設置
特別支援教育コーディネーター
(文部科学省特別支援教育イメージ図)
・学校内、または、福祉、医療等の関係機
関、保護者との連絡調整
・個別の教育支援計画の調整
小・中学校
教員
教員
他の特別
支援学校
他の小・中
学校等
保護者
校内の連絡調整
特別支援教育コーディネーター(仮称)
連絡調整
他機関との連携協力
支援地域全体を視野に入れた連携協力
特別支援教育コーディネーター(仮称)
他機関との連携協力
保護者
幼稚園
高校
福祉、医療、労働等関係機関、
大学、NPO
特別支援教育基礎資料 文部科学省特別支援教育課 平成15年6月
連絡調整
校内の連絡調整
教員
特別支援学校(仮称)
教員
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン)
校内の関係者や関係機関との連絡調整
(1)校内の関係者との連絡調整
・校内委員会の推進役として、校内の教職員の連絡調整役。
(2)関係機関との連絡調整
・関係機関との連絡調整が必要になった場合の窓口。
・地域の乳幼児検診、発達相談や療育システム、医療機関について情報の
収集・整理。必要に応じて教員や保護者へ情報を伝達。
・医療機関や相談機関につなぐ場合は、結果のフィード
バックやフォローアップ体制の事前の確認。
・ケース会議のための情報収集と準備
(3)保護者との関係づくり
・学校として、自校の教育や対応の方針を具体的に説明し、理解を得る。
・個人情報の保護の観点から情報の管理を慎重にし、誤解や学校への不信
感が生じないよう配慮すること。
・学校だよりやPTA活動、教育相談等の機会を活用してわかりやすく説
明することが大切。
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン)
保護者に対する相談窓口
(1)保護者の気持ちの受け止め
・受容と共感を大切にしながら信頼関係が築けるように配慮する。
・保護者の児童生徒への願いや課題、学習面、行動面、対人関係をていね
いに聞き取る。
・家庭の様子、生育歴、療育や医療等の経過についての情報を把握する。
(2)保護者とともに考える対応策
・問題点や改善点について徐々に内容を絞り、答えを早急に求めない。
・家庭、学校、関係者が共通理解をしながら、それぞれの立場でできるこ
とを考え、一貫性のある対応策が導き出せるようにする。
(3)保護者への支援体制
・担任とコーディネーターが連絡を取り合うことを保護者に説明し、担任
とともに組織的・継続的に保護者を支援することへの理解を得る。
・状況に応じて、校内委員会や専門家チームでの検討について説明する。
・コーディネーターだけでなく校内委員会のメンバーも含める等、複数の
窓口を用意することも考慮する。
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン)
担任への支援
(1)担任の相談から状況を整理する
・担任から相談があった場合、担任の話に耳を傾け、話の内容
や状況から児童生徒の情報を偏りなく多角的に聞き取る。
・担任と一緒に、児童生徒を取り巻く状況の整理をする。
(2)担任とともに行う児童生徒理解と支援体制
・状況判断をし、担任ができることを見極めながら助言をする。担任の児
童生徒への理解を深めるために、総合的な理解を進めたり、今後の対応
への見通しを説明したりすることが大切。
・校内における組織的な支援体制や、担任への支援体制の模索を行う。
※児童生徒が直接相談に来た場合は、ていねいに事情を聞き、相談内容を
把握した上で、担任と連携をとり、児童生徒を取り巻く状況を整理する。
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン)
巡回相談や専門家チームとの連携
(1)巡回相談員との連携
・校内委員会として年間を通じて巡回相談員の相談日、相談者を調整。
・巡回相談員の校内委員会への参加も含めて相談体制づくりを模索。
・巡回相談員と、ケースについての話合いができることが望ましい。
(2)専門家チームとの連携
〈専門家チームへの判断依頼〉
・校内委員会において、専門家チームへの依頼が必要かを検討する。
・専門家チームに報告する資料を校内委員会の構成員が分担して作成する。
(校内委員会で収集した情報、実態把握・評価と判断、「個別の教育支援
計画」や「個別の指導計画」、専門家チームに依頼する理由と依頼の内
容等)
・ 専門家チームに判断を求める前に保護者に十分な説明を行い理解を得る。
〈専門家チームからの指導・助言の活用〉
・専門家チームへの連絡調整と専門家チームからの情報を収集する。
・専門家チームからの助言を、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計
画」の作成や改善、校内での支援につなげていく。
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン)
校内委員会での役割①
(1)校内委員会での役割
・特別な教育的支援を必要としている児童生徒のニーズを把握し、校内委
員会が運営されるように、長期的、短期的見通しをもって会議に臨む。
その際、保護者と連絡して進めることが大切。
・校内委員会においては、児童生徒についての情報提供や専門家チームへ
の判断を依頼するための協議を円滑にできるように推進する。
・「個別の指導計画」については、校内委員会で話合いをしながら作成し、
コーディネーターとして援助できることや校内での支援の役割を明確に
すること。
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン)
校内委員会での役割②
(2)校内の状況の把握と情報収集の推進
〈教職員の気付きとニーズの把握〉
・学習面,行動面で気になる児童生徒が学校、学級にいる場合や、児童生
徒への指導について悩んでいる教員がいる場合等、コーディネーターや
校内委員会が校内の状況を把握できるような校内体制をつくるよう提案
する。
・問題行動などが見られる場合には、早急な対応が可能な機動性のある体
制がとれるようにする。
〈保護者のニーズの把握〉
・日頃から、保護者の学校への要望やニーズを把握しておきます。
・保護者が子どもについて気になるとき、学級担任以外にも、コーディネ
ーター等の相談窓口があることを広報しておく。
〈校内リソースの把握〉
・特別支援教育や教育相談について研修を受けていたり、活用できる資格
等をもっていたりする教職員についての情報を把握しておく。
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン)
校内委員会での役割③
(3)ケース会議の開催と校内委員会
〈ケース会議のための情報収集と進め方〉
・ケース会議が必要と考えられる児童生徒については、校内委員会だけで
なく、必要に応じて柔軟にかかわりのある人たちで小さなチームをつく
ってケースを検討する会議を運営する。
・保護者の協力のもとに、以前、該当児童生徒にかかわっていた方々から、
情報を収集できるよう連絡調整してみることが望ましい。
・会議の進め方として、児童生徒の状況報告、児童生徒の現状と課題の明
確化、これからの具体的な取組みや指導方針の確認等。
〈ケース会議の結果と校内委員会〉
・ケース会議の結果を記録して、「個別の指導計画」につなげる。
・コーディネーターは、小グループでのケース会議の実施状況を把握し,
会議の内容を校内委員会で報告し合い、職員間の共通理解を図るととも
に、必要に応じて校内委員会で専門家チームに判断等を依頼するかどう
かを検討する。
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン)
校内委員会での役割④
(4)「個別の教育支援計画」の作成に向けて
「個別の教育支援計画」とは、該当の児童生徒に対して、乳幼児期から
就労までの長期的な視点で部局横断的に関係機関(教育、福祉、医療等)
が連携し、保護者の積極的な参画を促して作成するものである。作成に
当たっては、例えば「個別の教育支援計画」策定検討委員会を設置して
検討を行うことも考えられる。
・「個別の教育支援計画」の作成に当たり、外部の関係者・関係機関と連
携協力する際の重要な役割を果たす。
・幼稚園・保育所等から小学校、中学校の関係機関等の間での情報の交換
を行うことが大切。
・「個別の教育支援計画」に記載された内容については、十分に把握して
いること。また、収集した情報を整理し、「個別の教育支援計画」の改
善の際に活用しやすいようにすること。
・個人情報については、適切な取扱いがなされるように留意する。
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割(ガイドライン)
校内委員会での役割⑤
(5)校内委員会での個別の指導計画の作成への参画
・作成された「個別の指導計画」を校内での会議等で報告し、教職員間の
共通理解を図る。
※コーディネーターとしては、共通理解の徹底、「個別の指導計画」が実
施されやすいような支援体制の提案、その他必要な連絡調整を行う。
・実施後の評価は、指導に当たる教員とともに、校内委員会において評価
を行う。それに基づき、「個別の指導計画」の必要な改善を行う。なお、
学期ごとや学年ごとなど定期的に評価を行うことが望ましい。
特別支援教育コーディネーターの具体的な役割 (ガイドライン)
校内委員会での役割⑥
(6)校内研修の企画と実施
〈研修会の立案〉
・教職員の特別支援教育に関する意識や知識を把握するとともに、研修内
容等の要望も聞いて、LD、ADHD、高機能自閉症についての具体的
な知識、指導の方法等、研修会で目指すことを明確にする。
・年間計画については、教職員の理解が具体的な支援につながる研修内容
を企画する。
〈研修会の実施と評価〉
・外部の講師には、事前に校内の教職員の特別支援教育に関する理解やニ
ーズ、学校の状況についての情報を提供する。
・実施後は、実際の学級経営や指導に役立っているか、教職員の意見をて
いねいに収集しながら、次回の研修会の内容の改善に役立てる。
特別支援教育コーディネーターの役割
モデル事業における調査結果
委員
役
割
コーディ ・軽度発達障害児の気づき及び実態把握
ネーター ・個別の指導計画の作成
・専門機関への相談、情報交換
・保護者(本人)への説明、連携
・具体的な支援方法に関する援助
・保護者や本人の心理面の対応とその情報提供
・軽度発達障害児に関する学習指導上の調整
・校内委員会の年間計画・月計画の位置づけ
・軽度発達障害児に関する校内研修の企画・運営・実施
・校内委員会等の企画・運営・実施、資料の作成
・校内委員会等の委員との連絡調整
・軽度発達障害児の気づきにおける担任との相談
・支援体制の実施状況の把握
・会議の資料の保管、個人ファイルの作成・整理・保管
・軽度発達障害児に関する全般的な情報提供
・担任への支援
等
特別支援教育コーディネーターの役割
コーディネーターの役割
〈校内における役割〉
○校内委員会のための情報の収集・準備
○担任への支援
○校内研修の企画・運営
〈外部の関係機関との連絡調整など
担任
の役割〉
○関係機関の情報収集・整理
○専門機関等への相談をする際の
情報収集と連絡調整
○専門家チーム,巡回相談員との連携
〈保護者に対する相談窓口〉
関
係
機
関
コーディ
ネーター
保
護
等
関係する
教員等
者
図:全特長(中間報告)より
特別支援教育コーディネーターの指名に関する配慮事項
教頭
コーディネーターの資質
教務主任
○学校全体,そして地域の盲・聾・養護
学校や関係機関にも目を配ることがで
きる
○必要な支援を行うために教職員の力を
結集できる力量 等
生徒(生活)指導主任
養護教諭
教育相談担当者
障害児学級担当者
校務分掌での位置づけ
・校内委員会の役割の一つとして位置づける場合や、既存の生活指導部や
教育相談部等の組織に位置付ける場合等、各学校の実情によりさまざま
に考えられるが、各学校の校長の判断で実情に即するとともに、その位
置づけを明確にすることが求められる。
コーディネーターの条件と対応
コーディネーターの条件
・軽度発達障害児の理解
(専門性)
各自が研修等に参加して
自己研鑽を積むことは必要
だが、すぐには解決できな
い課題。
専門性のある専門機関等
との連携をする。その過程
で身についていく。
指名する際に、校長の判
断で対応できる。
・校内において指導的立場のある
教員(指導力)
・運営面で推進が可能な教員
(連絡・調整力)
コーディネーターは、そ
の名称のとおり、校内や関
係機関との連携をコーディ
ネートすることが、最大の
役割である。
連絡・調整力は身につけ
ていただきたい力である。
コーディネーターの役割①
気づき
相談を受ける
相談窓口
コーディネーター
コーディネーターの役割②
担任と相談をする。
・どんな困難があるのか
・改善の可能性はないのか
・さらに詳しい実態の把握が
必要か
コーディネーター 担任とともに行
動観察をする
校内委員会で検討するかを
判断する
校内委員会の開催
コーディネーターの役割③
校内委員会の開催に向けて
いつ、誰に、何を検討するか
を企画し、連絡調整する
どんな資料を作成し、提
案するかを検討する
コーディネーター
可能であれば、家庭の様
子などの情報を得る。
専門家チームや巡回相談
員に参加を依頼するかを
検討する。
コーディネーターの役割③
校内研修に向けて
校内委員会に提案
する
どんな内容の研修
を受けたいかを訪
ねる
コーディネーター
研究主任と相談する
テーマに沿った
講師を選定し、
依頼する
ヒント①
校内のリソースを把握しておく。
親の会等の
関係者を
知っている。
個人的に学
習会に参加
している。
コーディネーター
養護学
校の免
許を取
得
学校心
理士の
資格を
取得
LD教
育士の
資格を
取得
養護学
校で勤
務の経
験
ヒント②
子どもの学校外での関係者を把握しておく。
A病院
を受診
してい
る。
教育セ
ンター
の教育
相談を
受けて
いる。
B大学
の研究
室で指
導を受
けてい
る。
家庭教
師に勉
強を教
えても
らって
いる。
C療育センターで
訓練を受けている。
ヒント③
学校を中心に支援地図を作製する。
教育センター
の○○先生
幼稚園の○○
先生
□□病
院の○
○医師
中学校の○○
先生
A施設の○○
施設長
大学の○○教
授
□□市
教育委
員会の
○○先
生
児童相談所の
○○指導員
NPOの○○
さん
〈参考・引用文献〉
・文部科学省
「小・中学校におけるLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性
障害)、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイ
ドライン(試案)」
平成16年1月
・特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議
「今後の特別支援教育の在り方ついて(最終報告)」 平成15年3月
・全国特殊学校校長会 盲・聾・養護学校における「個別の教育支援計
画」について(中間まとめ)
平成16年5月