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第7章
イノベーションに求められる
「両利きの経営」とは
2班
吉川
小林
坂野
石原
知宏
菜緒
佑真
慧 1
~イノベーション研究の先端で
経営学者が取り組む疑問とは~
1. 企業は どうすれば
イノベーションを起こせるのか
2.知は,知と知から生まれる
3.知識はほどほどに幅広く
2
1. 企業は、どうすればイノベーションを起こせるのか

キーワードは,「両利きの経営」
両利き(Ambidexterity)とは、右手も左手も
利き腕であるかのような企業経営のこと

日本では...
「イノベーションのジレンマ」ばかりが注目

世界では...
「両利きの経営」を多くの学者が研究
☛今まさに日進月歩で研究が進められている!
3
2. 知は,知と知から生まれる

企業イノベーションとは
「企業が革新的な技術,あるいは商品や
ビジネスモデルを生み出すこと」

イノベーション概念の生みの親は・・・
☝【シュンペーター】
他のものを創造すること、あるいは同じ
つまり……
ものを異なる方法で創造することは、こ
New Combination
れらの構成素材・影響要素を異なるやり
方で組み合わせることであるいわゆる開
「新しい組み合わせ」
発とは、新しい組み合わせを試みること
のこと☺
に他ならない……
4
2. 知は,知と知から生まれる

New Combination「新しい組み合わせ」とは?
「これまで商品Aで使っていたビジネスモデルを、
別の商品Bに応用してみよう」

New Combinationの例……『紙おむつ』の製造
従来の製造技術
吸収力の高い
紙おむつ
航空宇宙産業で
使われる技術
5
3. 知はほどほどに幅広く

イノベーションを起こしやすい組織の条件
組織の知が多様性に富んでいること。
しかし、
知の多様化のしすぎもよくない
広範囲の知を取り込む≒効率の悪化

イノベーションに効果的なのは、
ほどほどに幅の広い知識を持つこと
6
3. 知はほどほどに幅広く

企業の「知の範囲」の計測(2002年)
企業の特許引用のデータを用いる
☛申請時に、参考にした他の特許を記載する
☛幅広く新しい知識の開拓への積極性がわかる

その結果…


企業の知の幅が広くなるほど、
新しい特性を持つ製品を生み出す傾向
極端に幅の広い知を持つと逆効果
☛ほどほどに幅の広い知識を持つ企業が,
優れたイノベーション成果を出すことを裏付けた
7
オープン・イノベーション戦略とは

企業と企業が提携して共同研究開発や技術ラ
イセンシングを行い、外部の技術やアイデア
を組み合わせて革新的な商品やビジネスモデ
ルを生み出す戦略のこと。
*技術ライセンシング:特許権や著作権を保有して
いる権利者が、第三者に対してその使用を有償で許諾
すること。

従来主流であったクローズド・イノベーショ
ン戦略の対義語とされる。
8
オープン・イノベーションの事例

オープン・イノベーションを推進する部署を設
け、外部から情報収集を行うためのWEBサイト
を自社で設けている企業が数多くある。
例:P&G社 「コネクト+デベロップ」
Kraft社 「Collaboration Kitchen」

オープン・イノベーションを仲介するための企
業も存在。
例:ナインシグマ・ジャパン
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オープン・イノベーションの成功例
 P&Gの「Pringles
Prints」
ポテトチップスの「Pringles」1枚1枚に、直接印刷を
施すという技術をもつ、イタリアのパン屋と提携。
2年かかるとされていた市場への投入を、
1年に短縮することに成功!
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イノベーションの研究結果

世界34ヶ国の情報通信装置産業437社の特
許引用のデータを用いて、研究開発の提携をし
ている企業同士の「組み合わせによる知の範囲
の指数」を計算

アライアンスによって知識の幅が広がることが
企業のイノベーション成果に与える影響を分析
したところ、「ほどほどの知の広がり」が最適
という結論に至った。
11
コミック業界における人材の多様化

アルバ・テイラーとヘンリッヒ・グレーヴァの
研究

「クリエーターたちが経験したジャンルが多様
であるほど、そのチームは大ヒットか大外れの
コミックを生み出す可能性が高い」
今までにない新しいイノベーティブな作品→大ヒット
革新的過ぎて読者に理解されない→大外れ
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スパイダーマンでの例
スタン・リーが
関わったジャンル
•
•
•
•
•
西部劇
SF
戦争もの
メロドラマ
怪奇・ホラー
スティーブ・ディッコ
が関わったジャンル
• ヒーローもの
今までとは違う、人間味あふれるヒーローとして
世界中に親しまれ、大ヒット
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人材の多様化に対するデメリット

メンバー間のコミュニケーションが難しくなる
→円滑な意思の疎通やブレインストーミング
がしにくい。
→創造的に知を組み合わせるのが難しくなる
*ブレインストーミング:数名毎のチーム内で1つのテーマに対し
お互いに意見を出し合う事で沢山のアイディアを生産し問題の解
決に結び付ける創造性開発の事。
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イノベーションや人材の多様化などで
ただ単に知識を組み合わせるだけでは不十分
では、どうしたらよいのか?
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段階1
知の探究(exploration)
知の範囲を広げるために新しい知を探すこと
例えば・・・ 企業の提携、人材の多様化
段階2
知の深化(exploitation)
すでに有している知識を改良し、積み重ねること
例えば・・・
性能改善、コストカット、
利益
企業にとって「知の探索」と「知の深化」を
バランスよく行うことは最も重要!!!!!!
しかし・・・・
企業というのは「知の深化」に偏りがちで、
「知の探索」をおざなりにする傾向がある
なぜか?
「知の探索」は多くの負担・費用・時
間を必要とし、その苦労が成果に現れ
るかどうか不確実であるから
例えば、
A企業があるヒット商品を生み出す
↓
組織の体制・ルールも
その商品の方向性に準じたものへ変化
つまり企業は現在の事業が成功すればするほど、
中・長期的なイノベーション停滞する
コンピテンシー・トラップ
・実例を考える
パナソニック(松下電器)
→事業部門制を採用し、新製品の開発よりも
既存商品の改善に主軸をおく
→イノベーションを起こせず営業不振に陥る
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/2012111
2/330253/chart1_t.jpg
実例を考える
ミネソタ州 スリーエム社

・売上高のうち発売から5年以内の新製品の占める
割合の目安が40パーセント
・勤務時間の15%を自分の好きな研究に使ってよい
・売上高約3兆円 営業利益率20%
参考http://www.shoninsha.co.jp/modules/blog/?p=20995
イノベーションのジレンマと
コンピテンシー・トラップの違い
競争環境を一変させる
破壊的イノベーションによる
環境の変化に対応できず、
イノベーションが停滞する
その
原因を
どこに求めるのか?
イノベーションのジレンマ
経営陣の認識力不足
コンピテンシー・トラップ
組織体制の欠陥
経営陣の認識不足→???
組織体系の欠陥→仕組みやルールの変更
→改革方法がある組織体系に目をむける
そこで
コンピテンシー・トラップにはまらないために
「両利きの経営」を目指す
両利きの企業はイノベーションを促す
ー両利きの経営とは
ー両利きの企業文化を上手く作り上げた例
ー企業間アライアンスにおける両利きの経営
ーオープンイノベーションと日本企業
ー昔は日本企業も知の探索が活発だった?
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両利きの経営 とは?
企業が知の幅を広げると 同時に
特定の知識を深めること
特
定
の
知
識
企業
知
の
幅
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両利きの企業文化を作り上げた例
本書ではアメリカの3M社(科学分野の企業
http://solutions.3m.com/wps/portal/3M/ja_JP/
DDSD_JP_3Mcom/Home/Technology_Solutions
/Manufacturing_Services/Worldwide_Capabiliti
es/)やIDEO社(デザインストーミングの会社
http://u-note.me/note/47487352)が紹介され、
どちらの企業もイノベーション企業の代表格と記さ
れている。具体例として企業名が記載されることに
よって知の探索・知の進化がイノベーションに結び
ついていることを示してある。
(日本企業での具体例を探ったところ企業名は発見できたが
具体的な内容を把握できなかったためここでは割愛する)
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企業間アライアンス(提携)における
両利きの経営
企業が他の企業とアライアンスを結ぶときに、
企業が「知の探索」と「知の深化」の両者を
バランスよく配置する必要がある。
この考えに基づけば、新しい企業との提携は
「知の探索」を深め、同じ企業との提携は
「知の深化」を深めることになる
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知の探索
・具体例
台湾と日本における
アライアンスの動き
repository.tama.a
c.jp/modules/xoo
nips/download.ph
p?file_id=225
知の深化
・具体例
NTTデータ、バンダイナムコ
スタジオ、BIGLOBE、ヤフー
4社によるアジャイル(ソフト
ウェア開発をより迅速にする
手法 http://www.sophiait.com/content/%E3%82%
A2%E3%82%B8%E3%83
%A3%E3%82%A4%E3%8
3%ABより)開発を目指すア
ライアンス
会社設立
( http://www.nttdata.com/j
p/ja/news/release/2013/0
60300.htmlより)
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オープンイノベーションと日本企業
最近では積極的にオープンイノベーショ
ンを活用する日本企業も増えてきた。日
本企業が今後この戦略を進めていく上で、
自社が関連する提携の内容を、しかるべ
き担当者や担当部署が詳しく把握するこ
とますます重要である。
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昔は日本企業も知の探索が活発だった?
本書によれば、昔の日本企業に多く見られた「ヤ
ミ研」(開発者たちが正規業務後の深夜にこっそ
り行う研究)が知の探究を促す環境であったとい
う。
「ヤミ研」によってうまれたイノベーションとし
てデジタルカメラ・ブームのきっかけとなったカ
シオのQV-10や青色LEDが紹介されている
近年は企業の透明性への要求やコンプライアンス
上の問題から「ヤミ研」のような活動が行いにく
くなっている。
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最後に…
私たちは誰しも物事を中長期的に捉えるのが苦
手で知の進化のみを歓迎し、企業のコンピテン
シー・トラップに飲み込まれているかもしれな
い。そこからの脱却、ないしそれを防止するた
めには、一人ひとりが、知の探索の重要性を理
解・認識していかなくてはいけない
イノベーションには両利きの経営が求められる
Fin.
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参考文献
電通報
http://dentsu-ho.com/articles/589
アコログ
http://ironjoe.blog7.fc2.com/blog-entry-214.html
Sony Pictures
http://bd-dvd.sonypictures.jp/fr/fr/displayGoodsDetail.do?goodsCode=OPL-34495
コトバンク
http://kotobank.jp/word/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3
%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
お借りした画像
http://i.gzn.jp/img/2006/06/21/pringles_print/print07.jpg
ナインシグマ
http://www.ninesigma.co.jp/oi/
ビズジェネ
http://enterprisezine.jp/bizgene/detail/4528
マーケティングウィキ
http://www.jma2jp.org/wiki/index.php?%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%EF%B
D%A5%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%
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