Transcript 第9講
価格の戦略 価格設定 価格とは • 製品やサービスに対して課された金額 • 製品やサービスの所有や利用から得られる 効用と交換に消費者が支払う価値の総称 • マーケティングミックスにおいて価格のみが 収益を生み出す • 変更が容易で柔軟性に富む要素 価格戦略への影響要因 • 内部要因 – 価格目的 – コストマーケティングミックス – 企業資源 • 外部要因 – 市場 – 需要 – その他の環境要因 価格戦略の区別 • 価格設定戦略 – マーケティング全体の視点から基本価格ないし は価格水準を作ること • 価格調整戦略 – 設定された基本価格を調整し、必要に応じて修 正・変更していくこと 価格目的 目標利益 競争企業に対抗 売上げの増大 イメージアップ 市場占有率の増大 環境保全 価格とマージンの安定化 社会的責任の遂行 長期的利益の最大化 コスト 費用は価格設定の下限を定める。 金 額 総コスト 固定費 変動費 販売量 マーケティング・ミックス • 価格は他のマーケティング・ミックスの1要素 • マーケティング戦略を強化する役割を担う • 他の要因の戦略とマーケティング目標に沿っ て統合 • 全体的なマーケティング・ミックスを考慮 その他の企業資源 • • • • 高品質製品の製造を可能とする「ヒト」 工場、物流施設、営業所などの「モノ」 環境変化へ対応するための「カネ」 原材料の確保、特許、イメージなどの「情報」 市場 • 市場と需要が価格の上限を決定 • 競争企業の数と製品差別化の程度による特 徴付け – 純粋競争 – 独占的競争 – 寡占的競争 – 独占 • 競合製品の情報、競争企業の数、潜在的な 競争など 需要 • • • • 価格弾力性 需要量の見通し 消費者の購買力 価格に対する消費者の知覚 需要曲線 A 価 格 ( 単 価 ) B 売上(需要量) 需要の価格弾力性 価格の変化量 価格の変化率 元の価格 需要の変化量 需要の変化率 元の需要量 需要量の変化率 需要の価格弾力性 価格の変化率 弾力的な需要と非弾力的な需要 基準は1 非弾力的需要(E<1) 価 格 弾力的需要(E>1) 売上 法的規制 • 法令遵守・コンプライアンス ① 法律に書いてある禁止事項は行わない ② 法律の趣旨を理解し、趣旨に反することは行わ ない。 • 独占禁止法 – 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する 法律は独禁法 • 景品表示法 – 不当景品類及び不当表示防止法 費用重視型の価格設定 利益 マージン 営業費 価格 製造原価 知覚価値重視の価格設定 価格 製品価値 顧客 価値 価格 費用 製品 競争重視の価格設定 • 市場価格重視法 – 市場価格重視の価格設定 – 業界の平均水準に価格を設定 – 競争企業の動向に注意を払う必要がある • 入札価格法 – 請負業者を決定するために、入札業者に価格を 提示させる方法 新製品価格設定戦略 • 上層吸収価格設定戦略 – 高い価格を設定し、だんだん値段を下げていく戦 略 • 市場浸透価格設定戦略 – 安い価格で市場の導入し、早期に大きな市場を 形成することをねらう戦略 上層吸収価格戦略 • メリット 多額の開発費の早期回収に貢献 導入期に必要な生産性・販売費をカバー 価格弾力性の異なるセグメントにアプローチ • 採用条件 特許などにより参入障壁が高い 高品質のイメージの創造 市場浸透価格設定の採用条件 • 需要の価格弾力性が高いこと • 大量生産によるコスト削減が予想される • 消費者の支出項目に入っても不自然ではな いこと • 潜在的競争の脅威が大きい場合 製品ミックス価格設定戦略 • • • • • 製品ラインの価格設定 オプション製品の価格設定 補完製品の価格設定 副産物をともなう価格設定 セット製品の価格設定 割引価格設定戦略 • • • • • 現金割引 数量割引 業者割引(機能割引) 季節割引 アロウアンス