Design Step 2 - 山口大学 生体情報システム工学研究室

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先端論文紹介ゼミ
生体情報システム工学研究室
2011/01/14
M1 内山 祥吾
1
紹介論文
 A Combined Adaptive Law for Fuzzy Iterative
Learning Control of Nonlinear Systems With Varying
Control Tasks
 様々な制御器による非線形システムのファジィ反復学習
制御のための複合適応則
2
Abstract
 様々な制御器を用いて、0以外の初期リセット状態誤差、
入力外乱の不確かな非線形システムの反復制御を行う
ため、新たな適応ファジィ反復学習制御器を提案する
 その構造は、非線形対象を近似するファジィ学習要素と
スライディングモードに似た手法で、ゲイン、外乱、
ファジィ近似誤差を抑えるロバスト学習要素から成る
 提案する適応則は適した制御パラメータを得て、閉ループ
システムの安定性と誤差の収束性を保証する
3
1. Introduction
 繰り返しの追従制御や周期的外乱除去問題に対し、
反復学習制御(ILC)は有効な制御方法の1つである
 反復学習制御器は誤差と前試行の入力情報を用いる学
習メカニズムにより制御入力を更新する
 近年、反復学習制御に適応制御の概念を取り入れ、
連続する反復試行間で、制御自身が制御器のパラメータ
を調整する適応反復学習制御(AILC)が研究されている
4
1. Introduction
 その設計や分析は、一般的に未知のパラメータが既知の
非線形関数によって線形化されるという事実によるもので
ある
 非線形システムが線形化できないとき、ファジイシステム
やニューラルネットワークをベースにした制御器がよく使
われている
 本論文で提案する適応ファジィ反復学習制御器の特徴は
次の3つに要約される
5
1. Introduction
1)従来は前試行の多くの制御パラメータを格納し、メモリの
容量が大きくなっていたが、それを減らすことができる
2)時間領域のみ、反復領域のみ、その両方の領域でパラ
メータの更新を既存の反復学習適応アルゴリズムでカ
バーすることができる
3)初期状態誤差が存在する無限回の反復で、追従誤差ベ
クトルのノルムの収束、残差の調整が見れ、正の学習ゲ
インが可能な限り大きく設定された場合の学習速度の向
上、さらに周期的でない外乱を抑制することもできる
6
2. Problem Formulation and Design Approach
 次の反復非線形システムを考える
:システムの状態ベクトル
:制御入力
:入力外乱
:未知で正の連続非線形関数
:反復回数
 反復領域の学習回数が十分大きいとき
T
T
k
k
k
k
k
k
n 1, k



















X
t

x
t
,
x
t
,

,
x
t

x
t
,
x
t
,

,
x
t
制御目標は状態ベクトル
を
1
2
n
1
1
1
T
有界ベクトル X dk t   xdk t , xdk t ,, xdn1,k t  に追従させることである
 調整可能な適応則は次の4Stepで表される
7
2. Problem Formulation and Design Approach
Design Step 1: The design issue for initial state errors
 状態誤差を次のように定義する
e1k t   x1k t   xdk t , e2k t   x1k t   xdk t ,, enk t   x1n1,k t   xdn1,k t 
 まず、次の誤差関数を定義する
はフルビッツ多項式
 有界な初期誤差の不確かさ
補助誤差関数
の係数
を次のように定義する
を導入して
ここでsatは飽和関数で次のように定義される
は初期値を変化させることで時間的に変化する境界層
8
2. Problem Formulation and Design Approach
Design Step 1: The design issue for initial state errors

より、
は次のようになる
(4)式、(5)式より
が適切な大きさで
が全ての時間間隔[0,T]で可能な限り小さく
でき、
が証明された時、誤差関数は
を満たす
9
2. Problem Formulation and Design Approach
Design Step 2: Construction of the controller
 誤差関数(2)式と補助誤差関数(3)式を用いて制御器を次のように定義する
ここで、
と
さらに
き換えると
は
のフィードバック要素で次のように表される
は
の重要な学習要素で
すなわち
の微分により設計する
なので(9)式を書
10
2. Problem Formulation and Design Approach
Design Step 2: Construction of the controller
 (10)式の右辺第1,第2項を(3)式を用いると
(10)式に(11)式を代入すると
-
このとき
、
となり、
0に収束する
 しかし、
を近似設計する
は全ての時刻tにおいて
は未知であるため次のStepで2つの要素
11
2. Problem Formulation and Design Approach
Design Step 3: The learning components of UFL and URL
 未知の非線形関数
をファジィシステムで近似する
ここで、
はファジィルール数、
は後件パラメータ
はメンバーシップ関数、
は基底関数
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2. Problem Formulation and Design Approach
Design Step 3: The learning components of UFL and URL
 ファジィシステムをベースにしたファジィ学習制御
と
スライディングモードをベースにしたロバスト学習制御
それぞれ
と
を補償するために提案する
ここで、
は
はファジィパラメータベクトル、
は有界な制御パラメータ
全てのパラメータは、閉ループ安定性、収束性を保証するため
適応則で調整される
13
2. Problem Formulation and Design Approach
Design Step 4: The parameter adaptive laws
 時間領域、反復領域を組み合わせた次の適応則を提案する
これらの適応則の
学習ゲインである
適応則は、
と
はそれぞれ重みゲインと
のとき時間領域の適応則
のとき反復領域の適応則である
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3. Analysis of Stability and Convergence
 提案したAILCシステムの安定性と収束性を考えるため、Lpe[0,T]の
概念を用いる
はスカラー関数の絶対値、ユークリッド、ベクトルのノルムである
 まず始めに、第1反復における内部入力の有界性を設計する
15
3. Analysis of Stability and Convergence
Lemma 1:

と
を満たす未知の非線形システム
(1)式を考える
有界な目標状態ベクトル
と適応則(17)-(19)式を備えた適応
ファジィ反復学習制御器(7),(8),(14),(15)式が得られるのであれば、
初期反復のすべての内部信号は有界であることを保証する
すなわち、
Lemma 2:
 Lemma1の問題条件を考慮して、
提案した、適応ファジィ反復学習制御器は、
すべての
において有界であり、
が
16
3. Analysis of Stability and Convergence
Theorem 1:
 Lemma1の問題条件と
を考慮して、
提案した適応ファジィ反復学習制御器は次の条件を満たすため追従
性能とシステムの安定性を保証する
t1)
t2)
t3)
t4)
あるなら
と
が正定数で、
がフルビッツ多項式で
mは正定数で
17
3. Analysis of Stability and Convergence
Remark 1:
 メモリのサイズが実際の実行にかかわっているなら、
適応則(17)-(19)式を次のように修正できる
を設定し、
これは、ファジィパラメータベクトル
が前反復情報
を必要
としないことを意味する。これにより、メモリを減らすことができる
 しかし、
とすることはできない
このとき、適応則(39),(40)式は
、
常に正になるため、パラメータを調整できないためである
18
3. Analysis of Stability and Convergence
Remark 2:

,
,
に加えて、パラメータ
 パラメータ は s t    t   
状態追従誤差は小さくなる



を設計する
e t なので、値が十分に大きいとき、
 重みゲイン
は、1や0に近い値だとよりよい学習性能になる
という技術的分析に対する証明の糸口はないが、Remark1より
にするとメモリのサイズが減らせるには良い方法である
 学習ゲイン
は正定数で、値が大きいと
速度が上がるため、大きい値が好ましい
や
の収束
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4. Simulation Example
Example 1 (Application to Repetitive Tracking Control of
an Inverted Pendulum):
 提案システムの性能を、次の台車付き振子で検証する
制御目的は状態ベクトル
目標ベクトル
設計は次のように要約される
D1)
また、
を
に追従させることで、
ここで、
,
,
20
4. Simulation Example
Example 1 (Application to Repetitive Tracking Control of
an Inverted Pendulum):
D2)ファジィシステムを次のように設計する
はファジィ設定、
はメンバーシップ関数
は調整可能な値で、4つのルールを設計し、パラメータは
a11, a21, a12 , a22 , a13 , a23 , a14 , a24   0.5,0.5,0.5,0.5,0.5,0.5,0.5,0.5


W 0 t   w10 t , w20 t , w30 t , w40 t   0.1,0.1,0.1,0.1
T
T
 0 t   0.1,  0 t   0.1
で、
D3)制御器は
D4)重みゲイン
条件で検証する
b11, b21, b12 , b22 , b13 , b23 , b14 , b24   1,1,1,1,1,1,1,1
と学習ゲイン
の有効性を次のシミュレーション
21
4. Simulation Example
Example 1 (Application to Repetitive Tracking Control of
an Inverted Pendulum):
 10回の反復の初期状態
初期状態誤差
ステップD1の設計パラメータ
外乱
振幅
周波数
 学習性能の有効性検証で、学習速度、学習誤差、設計パラメータに
ついて議論をする
22
4. Simulation Example
Discussions of the simulation results: 1)
23
4. Simulation Example
Discussions of the simulation results: 2), 3)
24
4. Simulation Example
Remark 3:
 一般にファジィルールが多いほど、ファジィ近似誤差は小さくなる
しかし、多すぎると調整と保管を行うファジィパラメータが多くなること
を意味する
したがって、実用的なファジィルール数を選択することが妥当である
 ルール数は時として、非線形関数の複雑性に依存するが、
ファジィ近似誤差は提案した適応ファジィ反復学習制御器において
非常に小さくする必要はないと強調する、つまり、ファジィルールの数
を大きくする必要はない
 本論文で、近似誤差の不確かさを保証するためスライディングモード
に似たロバスト適応制御を用いることは、すべての試行で内部信号
が有界で、誤差は の有界制約なしで残差に収束することを示す
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4. Simulation Example
Example 2 (Application to Repetitive Tracking Control of
an Mass-Spring-Damper System):
 質量-バネ-ダンパ系システムで提案システムの性能を検証する
 プラントパラメータ
 初期状態、外乱、ファジィシステムはExmple1と同じ
 目標信号
 10試行の振幅、周波数
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4. Simulation Example
Example 2 (Application to Repetitive Tracking Control of
an Mass-Spring-Damper System):
 Fig.3より提案した学習制御器の有効性を証明できたが、目標信号の
振幅と周波数が試行毎に異なるため、 の収束がExample1のように
単調にはならなかった
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5. Conclusion
 初期状態誤差や入力外乱が存在する非線形システムの
追従制御問題の解決のため、新しい適応ファジィ反復学
習制御法を提案した
 台車付き倒立振子システムと非線形質量-バネ-ダンパ系
システムを理論的な結果を得るためにシミュレーションに
用いた
 学習ゲインや適応則の重みゲインの選択は、学習誤差の
収束速度を上げる方法の研究のため論じている
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ご清聴ありがとうございます
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