Transcript 講義資料0710
ミクロ経済学Ⅰ 初級ミクロ経済学 -宿題の解説等- 2015年7月10日 古川徹也 2015年7月10日 ミクロ経済学 1 需要の価格弾力性練習問題(1) 【2014年度】 ある財の価格が100円から110円に 値上がりしたとき,需要量が200万個 から190万個に減少した。(100円 ,200万個)における需要の価格弾力 性を,下の中から選びなさい。 (a) -1/2 (b) -2 (c) -1 (d) -1/4 2015年7月10日 ミクロ経済学 2 需要の価格弾力性練習問題(2) 【2013年度】 ある財の価格が100円から110円に 値上がりしたとき,需要量が60万個か ら48万個に減少した。(100円,6 0万個)における需要の価格弾力性を, 下の中から選びなさい。 (a) -1/2 (b) -2 (c) -1 (d) -1/4 2015年7月10日 ミクロ経済学 3 第2回宿題:第1問 第1財の価格が1,第2財の価格が3,所得が24で あるとする。以下のAからDの中で,消費者が選択 すると考えられるものを選びなさい。またその理 由を説明しなさい。 第1 財消費量 第2 財消費量 限界代替率 A 6 6 1 C 12 4 1/3 B 9 3 1/3 D 15 3 1/5 2015年7月10日 第1 財消費量 第2 財消費量 ミクロ経済学 限界代替率 4 解説 消費者が選択するための条件は2つ ① 予算を使い切っている。 ② 限界代替率(MRS)=価格比が成立 両方にあてはまるのはCしかない。 2015年7月10日 ミクロ経済学 5 第2問 講義で考えたような2財モデルを考える。 また,第1財が下級財ならば,第2財は 必ず正常財となる。その理由を説明しな さい 2015年7月10日 ミクロ経済学 6 注意:「講義で考えたような」 • 「講義で考えたような」とは,講義で 実際に取り上げたモデルということ。 • 無差別曲線が右下がりになったり,無 差別曲線が原点に対して凸にならない ような場合は考えないと言うこと,で ある。 • ようするに授業で考えたとおりに単純 にやればよいということ。 2015年7月10日 ミクロ経済学 7 解説(1) • すでに見たように,消費者が選択する第1財,第2財 の需要量に関しては,予算制約を等号で満たす必要 がある。 p1 x1 p2 x2 M • ここで,第1財が下級財であったとする。すると,所 得が Mから M に増加すると,x1は小さくなる。 • p1 , p2 は一定だから,等号となるには x2 は大きくな らなければならない。すなわち,第2財は正常財であ る。 2015年7月10日 ミクロ経済学 8 第3問:解説 諸君にとって「下級財」と言えるものは何か。 例を1つあげ,その理由を説明しなさい(下級 財の意味がわかっている理由が述べられれば, どのような財であってもかまわない)。 →諸君にとってその財が,「所得が増えると需 要を減らす」(所得が減ると需要を増やす)財 であることが説明できていれば正解とする。 2015年7月10日 ミクロ経済学 9 第3回宿題:問題1 下の表は,各生産量における限界費用,平均費用を表し ている。以下の各設問に答えなさい。また解答の理由( 簡単な計算式等)についても説明すること。 生産量 0 1 2 3 4 限界費用 0 2 4 6 8 平均費用 - 5 4 13/3 5 2015年7月10日 ミクロ経済学 10 問題1:設問 (1)この企業が生産する財の価格が8のとき ,利潤を最大にする生産量を求めなさい。 【解答】利潤を最大にする生産量では,「価格 =限界費用」が成立している必要がある。した がって,生産量4のとき利潤は最大となる。 2015年7月10日 ミクロ経済学 11 問題1:設問 (2)(1)における,企業の利潤を求めなさ い。 【解答】「利潤=収入-総費用」より, 利潤=(価格-平均費用)×生産量 が言える。したがって, となる。 2015年7月10日 (8 5) 4 12 ミクロ経済学 12 問題1:設問 (3)損益分岐価格を求めなさい。 【解答】損益分岐価格は,「限界費用=平均費 用」が成立する生産量に対応する限界費用(平 均費用)である。したがって,この場合は4。 2015年7月10日 ミクロ経済学 13 問題1:設問 (4)短期では,赤字であっても生産を続けた ほうが望ましい場合がある。その理由について 説明しなさい。 【解答例】短期では固定費用があるから,価格 が平均可変費用を上回るかぎり,すなわち操業 停止価格を上回る限りはプラスの生産したほう が赤字を減らすことができる。したがって利潤 の最大化を目指す企業は,生産を続ける。 2015年7月10日 ミクロ経済学 14 問題2:設問 短期では,費用を最小化する可変生産要素(L)の投入 量は可変生産要素の価格とは無関係に決まるが,長期 では2つの可変生産要素(L,K)の価格は費用の最小化 のためにとても重要である。その理由を等量曲線,等 費用線を用いて説明しなさい(欄が不足する場合裏面 使用可)。 【解答例】短期の生産関数は,横軸に可変生産要素投 入量,縦軸に生産量をとった2次元のグラフで表すこ とができる。 2015年7月10日 ミクロ経済学 15 問題2:解答 【解答例】短期の生産関数 y f (L) は,横軸に L ,縦 軸に y をとった2次元のグラフで表すことができる。 このとき,与えられた生産量 y を生産するための費 用を最小にするL は,生産関数の逆関数 L f 1 ( y ) に よって決まる。これは w とは無関係である。 これに対して長期の場合は,与えられた生産量を生 産する L と K の組み合わせは,等量曲線上に多数見 つかる。したがって,費用 wL rK を最小にする組み 合わせは,等量曲線と等費用線が接する点となり,そ れは各生産要素の価格 w, r に依存して決まる(図があ ればなおよい)。 2015年7月10日 ミクロ経済学 16 問題3:設問 長期では,企業は超過利潤(正常利潤を上回る 利潤)を獲得し続けることはできない。この理 由を,参入が生じることを使って説明しなさい 。 【解答例】超過利潤が発生していると参入が生 じる。その結果市場供給曲線は右にシフトし, 市場均衡価格は下がる。市場均衡価格は長期の 損益分岐価格まで低下するから,企業は超過利 潤を得ることはできない。 2015年7月10日 ミクロ経済学 17