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南魚沼市学習指導センター
道徳教育研修講座
○ 道徳の教科化等の
道徳教育の動向について
○ 「わたしたちの道徳」を活用した
道徳授業の在り方
平成26年7月11日 14:00~16:15
県立教育センター教員研修班
佐藤 裕
本日の予定
1道徳の教科化等の道徳教育の動向について
「わたしたちの道徳」を活用した 道徳授業の
在り方
14:00~14:50
2 「わたしたちの道徳」を活用した模擬授業
14:50~15:30
3演習「わたしたちの道徳」を活用
した授業づくり
15:30~16:15
1 道徳教育の目標(平成20年)
Ⅰ 道徳教育の目標と道徳授業の目指すもの
(学習指導要領、解説書より)
1 道徳教育の目標 (平成20年3月 小学校学習
指導要領 総則第1-2)
人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、
学校、その他社会における具体的な生活の中に活
かし、豊かな心をもち、伝統と文化を尊重し、それら
をはぐくんできた我が国と郷土を愛し,個性豊かな
文化の創造を図るとともに、公共の精神を尊び、民
主的な社会及び国家の発展に努め、他国を尊重し、
国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来
を拓く主体性ある日本人を育成するため、その基盤
としての道徳性を養うことを目標とする。
1 道徳の時間の目標
3 道徳の時間の目標(学習指導要領
とその意義
第3章 道徳「第1目標」)
道徳の時間においては、以上の道徳教育の目標
に基づき,各教科、外国語活動、総合的な学習の
時間及び特別活動における道徳教育と密接な関
連を図りながら、計画的、発展的な指導によってこ
れを補充、深化、統合し、道徳的価値の自覚及び
自己の生き方についての考えを深め、道徳的実践
力を育成するものとする。
車に例えるならば、道徳的実践力はエンジンの働きをする。
優秀な車には優れたエンジンが搭載されている。車にとってエンジンは最も重要な部分
であり、そこには最高の技術が集められている。
もちろん車はエンジンだけでは動かないが、エンジンが故障していたのでは、どんなこと
をしても走行(道徳的実践)することはできない。
1
道徳教育の目標
(平成20年3月小学校学習指導要領
総則第1-2)
人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的
な生活の中に活かし、豊かな心をもち、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんで
きた我が国と郷土を愛し,個性豊かな文化の創造を図るとともに、公共の精神を尊
び、民主的な社会及び国家の発展に努め、他国を尊重し、国際社会の平和と発展や
環境の保全に貢献し未来を拓く主体性ある日本人を育成するため、その基盤として
の道徳性を養うことを目標とする。
道 徳 性 の 育 成
・人間性の中の道徳的な側面の育成
・子どもの『道徳実践』につなぐ
⇒
「自発的・自律的(自分の心の命令で
になされる道徳的に価値ある行為」
学校の道徳教育の目標
「道徳の時間」が主として担う役割」
各教科や特別活動等における道徳教育と
密接な関連を図りながら、計画的、発展
的な指導によってこれを補充・深化・統合
し、道徳的価値の自覚及び自己の生き方に
ついての考え方を深めていく。
道徳的実践を支え
促す、内面的な資
質ないし原動力
道徳的心情を豊か
にする
道 徳 的 実 践 力 の 育 成
道徳的な判断力を
高める
道徳教育と道徳の時間の目標(構造図)
「道徳の時間」の目標
道徳的心情と判断力を基礎と
した実践意欲と態度の向上
1 道徳の改訂ポイント(12項目)
1
2
3
4
道徳の時間の「要」としての役割の明確化
改正教育基本法の理念と道徳教育の目標の反映
各教科等と道徳性育成とのかかわりについて一層の重視
小学校への「自己の生き方」の位置付けと小・中・高での「生き方」の一貫
性
5 改訂の重点に即し、全体の系統性を重視した内容項目の改善
6 「道徳推進教師」を中心とした協力体制づくりの明示
7 道徳教育の全体計画に各教科等の「内容及び次期」を含めることを追記
8 内容項目は各学年ですべて取り上げることを明確化
9 各学校での重点化に配慮すべき事項の一層の具体化
10 道徳の時間について「言語活動」「情報モラル」を含め、5つにわたる事
項を明示
11 道徳性をはぐくむ体験活動について記述を充実
12 道徳の時間の授業の公開を明記
(東京学芸大学 永田繁雄教授 平成25年度道徳講座資料より抜粋)
道徳の時間の意義
3 道徳の時間の意義
(1)人間としてよりよく生きるための「芯」を創る時間
(2)計画的・継続的な指導で児童生徒の道徳的価値の内面化を
図るきっかけとする時間
(3)道徳的価値に照らして、トータルとして自己を見つめる時間
(4)学校における道徳教育の「要」となる時間
(5)学校・家庭・地域連携の「要」としての時間
赤字の項目・内容 は押谷由夫先生の論文より引用
Ⅱ 現代の子どもをめぐる問題状況と
道徳教育
1 子どもの問題発生と道徳教育(解説書P20~)
① 社会全体のモラルの低下
② 家庭や地域の教育力の低下
③ 社会体験、自然体験の不足
④ 社会の変化に伴う様々な課題
Ⅱ 現代の子どもをめぐる問題状況と
道徳教育
2 現代社会と道徳教育の必要性
3 学校おける道徳教育の現状
⇒
平成25年2月26日「教育再生実行会議」
いじめ対策の第一の方針として
「道徳の教科化」への動き
1 道徳の教科化等の道徳教育の動向について
教育再生実行会議 (H25/2/26 第一次提言)
・「いじめの問題等への対応について」についてまとめ(資料参照)
・法の成立、施行
・道徳教育の重要性・抜本的な充実、
新たな枠組みによる「教科化」について検討
・「心のノート」の全面改定
・教員の指導力向上など、
・道徳教育の充実方策について検討を行うとともに道徳の特性を
踏まえた新たな枠組みによる教科化の具体的な在り方を 検討
↓
平成25年12月26日に
「今後の道徳教育の改善・充実方策について」
(資料 概要を参照)
1 道徳の教科化等の道徳教育の動向について
課題として挙げられていること (報告より)
道徳教育の課題
道徳教育、道徳の時間の目標についての課題
道徳教育、道徳の時間の目標についての課題
道徳教育の指導方法にかかわる課題
1 道徳の教科化等の道徳教育の動向について
☆道徳教育の評価
・これまで通り、数値による評価は行わない。
・児童生徒のよい点や進歩の状況などを積極
的に評価
・指導要録の中に、児童生徒の学習の様子を
記録し、その意欲や可能性を引き出すための記
述式の欄を設ける、行動の記録をより効果的に
活用する方策などが提言
1 道徳の教科化等の道徳教育の動向について
○教育課程上の位置付け
・学校教育法施行規則や学習指導要領において「特別の教科
道徳」(仮称)として位置付けた上で、目標や指導方法等につ
いて改善を行うことが提言
平成26年2月17日
文部科学大臣より「道徳に係る教育課程の改善等につい
て」が中教審に諮問された。 「特別の教科・道徳」(仮称)の
あり方について専門的な議論が始まる。
平成26年3月18日 第1回 道徳教育専門部会 スタート
今日現在まで、6回の部会が開催。
1 道徳の教科化等の道徳教育の動向について
【諮問内容の概要】
・道徳教育の目標と道徳の時間の目標の見直し、相互の関係をより明確にする
・児童生徒の発達段階毎に重視すべき内容や共通に指導すべき内容を明確にする
・児童生徒の発達段階をより重視した指導方法の確立・普及、道徳的実践力を育成するための
具体的な動作等を取り入れた指導や問題解決的な指導等の充実などの観点を中心に改善に
取り組む
・数値による評価を行うことは不適切であるが、児童生徒の成長の振り返りや指導計画・指導
方法の改善のため、道徳教育の特性を踏まえた多様な評価方法を検討する
・道徳の時間を、教育課程において、例えば「特別の教科 道徳」(仮称)として新たに位置づけ、
所用の改善を行う
・「特別の教科 道徳」(仮称)に、検定教科書を導入する
・学級担任が「特別の教科 道徳」(仮称)の指導を行うことが原則。教員の指導力の向上を図る
・学校・家庭・地域の連携を強化すること
特に道徳の時間の新たな枠組みによる教科化にあたっての学習指導要領の改定に関わる事
項を中心に審議する。
特に、① 教育課程における道徳教育の位置付け
② 道徳教育の目標、内容、指導方法、評価について
1 道徳の教科化等の道徳教育の動向について
【諮問内容の概要】
特に道徳の時間の新たな枠組みによる教科化
にあたっての学習指導要領の改定に関わる事
項を中心に審議する。
特に、
① 教育課程における道徳教育の位置付け
② 道徳教育の目標、内容、指導方法、評価
について
1 道徳の教科化等の道徳教育の動向について
<今後のスケジュール>
(資料3 教職研修2014/4 月号より)
※ 2014年、今秋を目処に答申をまとめ、その答申を受け
て、文部科学省が学習指導要領の改訂作業に入るので
はないか(予定)
※ 来年3月までに全国で指導講習会を開催
早ければ、平成27年度から「特別の教科・道徳」(仮
称)の指導が各学校にてスタートする段取りになること
が見込まれている。
学習指導要領改訂のながれ?
※ 学習指導要領改訂
平成26年3月31日
「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」報告(資料4)
※ 次期学習指導要領に向けての基礎的な資料を得ること目的に開催
・今後育成すべき資質・能力
「21世紀型能力」を踏まえつつ、
「主体性・自律性に関わる力」「対人関係能力」「課題解決力」
「学びに向かう力」「情報活用力」「グルーバル化に対応する力」
「持続可能な社会づくりに関わる実践力」など
・育成すべき資質・能力と教育目標・内容の構造
現在の学習指導要領で定められている各教科等の教育目標・内容を次に3つの視点で分析、
位置づけ直し、意義の明確化を検討し、これらの相互のつながりを意識しつつ扱う
・教科等を横断する汎用的なスキル(コンピテンシー)等に関わるもの
・ 教科等の本質に関わるもの(見方・考え方)
・教科等に固有の知識や個別スキル(知識、やり方)
・教育目標・内容と一体となった学習評価のあり方
「何を知っているか」⇒「何ができるか」へ改善。
パフォーマンス評価を重視。
「わたしたちの道徳」と教科書
1 「わたしたちの道徳」の使用と検定教科書
平成26年2月14日 「わたしたちの道徳」公表
平成26年4月より全国の小・中学校に児童生徒
用として配布
・量的には教科書をカバーするものではないが、
それまでに期間、中心的な教材の一つとして各
学校で使用することになる。
・「特別の教科・道徳」(仮称)では、いずれ検定教
科書を用いると目されている。通常、検定・編集・採
択には3年ほどかかるため、正式な教科としての実
施は平成30年度頃になる見通しがある。
1 わたしたちの道徳の特徴について
・ 道徳の時間の他、学校の教育活動全体を通じて、また家庭や地域において
も活用することを期待
・ 道徳の内容項目毎に「読み物部分」と「書き込み部分」とで構成
・ 児童生徒の発達段階を踏まえ、先人等の名言、偉人や著名人の生き方に関
する内容を多く取り上げる
・ いじめの問題への対応や我が国の伝統と文化、情報モラルに関する内容な
どの充実を図っている。
・児童生徒の多様性に配慮する。
・「礼」我が国の伝統・文化に根ざす内容の充実
・道徳的実践を促す具体的な振る舞い方等の「技法」を身に付けることを盛り込
む
・食育、市民性をはぐくむ教育、法教育の視点を踏まえた指導の充実
・情報モラルをはじめ、取り巻く環境変化を踏まえた内容の充実
・各教科、特別活動、総合などでの活用により、探求的、主体的な学び、将
来設計を具体的に考えるきかっけとなる内容を盛り込む。
・家庭教育、家庭との連携において活用することをより重視した内容を盛り込
む
1 わたしたちの道徳の活用について
○ 活用
・ 学校、家庭や地域で活用するだけでなく、児童生徒が自主的に読ん
だり考えたりして活用
・ 複数学年で使用。考えたこと、書き込んだことを振り返って、自らの成
長を実感
・ 道徳教育の全体計画、道徳の時間の年間指導計画などへの位置付
け、全教職員で共通理解を図り、児童生徒の発達段階を踏まえて計
画的に活用する
・ 家庭や地域での活用や、児童生徒の自主的活用が促されるよう、家
庭や地域と連携を図るなどの適切な配慮を行う。
◎家に持ち帰って家族と一緒に話し合う、児童生徒の自主的な活用、
学校に備え置くのではなく、児童生徒一人一人に配布したもの
平成26年度に指導用の参考資料を作成し、各学校に配布する予定。
道徳の時間で活用する。
① 読み物資料の中心的な資料として
活用例
② ねらいとする価値への方向づけとして
③ 本時の振り返りとして
コラム・格言の活用
活用例
各教科の学
習内容に関
連させる
(理科)
「自然に親しみ自然
を愛する心情を育て
る」学習において、
教科の学習に入る前、
又は学習が終わった
所で、このページを開
き、子どもの心情を
高める。
活用例
外国語活動で
他者とコミュニケー
ションの在り方、
アイデンティティ等を
考える時に、
「相手の立場に
たって親切に」
「世界の人とつな
がって」を参考に
する。
活用例 特活・総合
「節度のある生活」について
学級で考える機会、児童会
美化・環境委員会の活動
活性化
とリンク
させる。
体験学習
の事前指
導、事後
指導で活
用する。
小学校
活用例
中学校
家族との絆
やっちゃんの詩
ねらい:
家族の愛情を
感じ、家族の幸せ
のために役にたと
うとする心情を育
てる。
「わたしたちの道徳」の
活用:5,6年生
P156~158
「家族っていいな」と
思うことはどのような
ときですか。
【書き込み欄に記入】
• ごめんなさいね おかあさん
ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい
ぼくを背負う かあさんの
細いうなじに ぼくはいう
ぼくさえ 生まれなかったら
かあさんの しらがもなかったろうね
大きくなった このぼくを
背負って歩く 悲しさも
「かたわな子だね」とふりかえる
つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら
私の息子よ ゆるしてね
わたしのむすこよ ゆるしてね
このかあさんを ゆるしておくれ
お前が 脳性マヒと知ったとき
ああごめんなさいと 泣きまし
た
いっぱいいっぱい 泣きました
いつまでたって 歩けない
お前を背負って歩くとき
肩にくいこむ重さより
「歩きたかろうね」と 母心
“重くはない”と聞いている
あなたの心が せつなくて
私の息子よ ありがとう
ありがとう 息子よ
あなたのすがたを見守って
お母さんは 生きていく
悲しいまでの がんばりと
人をいたわるほほえみの
その笑顔で 生きている
脳性マヒの わが息子
そこに あなたがいるかぎり
• ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり
ぼくは生きていくのです
脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが 大切で
悲しさこそが 美しい
そんな 人の生き方を
教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり
※詩の中に不適切ととられかねない用語がありますが、障
害児本人の作品であり、原文を尊重しました。(著書より)
②やっちゃんの「ごめんなさい」には、
お 母さんへのどんな思いがつまって
いるか。
③お母さんの「ゆるしてね」には、
やっちゃんへのどんな思いが
つまってっていたのだろう。
④「ありがとう」と言いあう、やっちゃん
とおかあさんはどんなことを思ってい
たのだろう。(中心発問)
家族の愛情を感じるのは
どんなときか。
今日の学習で感じたことをワークシー
ト に記入し、感じたこと、考えたこと
をまと める。
今日は学期末のお忙しい中、
おつきあいくださり、ありがとうございました。
南魚沼市学習指導センター
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教育支援課教員研修班
佐藤 裕
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