ユーザ - Keio University

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Help Me!:参加型センシングにおける参
加機会創出のための
情報の価値付けと可視化システム
Mina Sakamura
Keio University
2014.3.14
1
• 参加型センシングにおいて、物理センサを用いた
タスクの価値付け、可視化を行うことでユーザ
の参加機会を創出するシステム”Help Me!”の
提案
2
概要
• Sensor Networksの普及
– 物理センサの小型化、高機能化、高精度化
– センサの無線通信機能や遠隔運用技術等、システ
ム技術の発展
防犯、医療、工場、家庭、農業、交通分野などにおける活用
• Mobile Sensingの普及
Physical World
– スマートフォンの普及
•
•
•
•
日本:4人に1人
アメリカ:2人に1人が所有*
物理センサやGPSが搭載
無線通信技術の発展
Electric
Sensor
3
*Feb 2013. Our Mobile Planet by Google
Human
Sensor
背景
①タスク発行
A
B
②タスク閲覧・選定
C
③情報収集・提供
タスク設置者
④インセンティブ付与
ユーザ
*タスク・・・情報収集の具体的な内容や目的
Ex) 「歩行中の騒音を収集してください」「バスの列をレポートしてください」
4
Mobile Sensingの流れ
Opportunistic Sensing
Participatory Sensing
(本研究対象)
概要
タスク承認後モバイル端末や物理セ
ンサで自動的にセンシング
モバイル端末を通してタス
ク達成のため自発的に雰囲
気、状況などを投稿
参加形態
無意識的に参加
意識的に参加
取得情報の特徴
客観的、定量的、限定的
主観的、定性的、広範囲
ユーザの負担
少ない
多い
例
THE COPHENHAGEN WHEEL
Weather News
5
Mobile Sensing =
Opportunistic Sensing + Participatory
Sensing
• 多数のタスクが混在した状況において、ユーザ
がどのタスクを実行すれば良いか分からない
– 取得すべき情報やタスクの更新頻度は様々
– タスク選定はユーザ依存
参加機会損失、参加者数減少、モチベーション低下、
情報の非効率な流通、タスク未達成
どれに参加す
ればいいの?
:センシングタスク
6
問題意識
• ユーザが参加する際のタスク選定において、ど
のタスクを達成すれば良いか判別出来るように
する
モチベーション向上、参加者の増加、参加機会の創出、情報の効
率的なやり取り、達成タスクの増加
7
目的
• R1: ユーザのタスクに対する価値付け
– 参加すべきタスクへの価値を定量化
• 価値付けの基準
• タスクの最終更新時間
• ユーザのニーズ
• センシング対象の状況変化
• R2: タスクに付加された価値の可視化
– タスク選定の際の判別の容易化
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機能要件
• A1:物理センサを用いて状況変化を監視、タスクの更
新の必要性を定量化
• A2:Task Mapの作成
高
: 状況が変化しており早急に情報更新の必要があるタスク
: 状況が変化した可能性があり情報更新の必要なタスク
参加価値
: 状況が安定しているタスク
低
Participatory Sensing
Task Map
9
アプローチ
Help Me !
一次セン
サ:物理セ
ンサ
物理センサだけでは分からない情報を要求
人ならば分かる情報を送信
二次センサ:ユーザ
10
Follow
取得したい
事象
Help Me!システムモデル
タスク内容
物理センサ
ユーザ
1)バスやタクシーの例
人の存在(赤外線センサ)
具体的な混雑状況
2)会議室の使用状況
ドア開閉(加速度)、照度
室内の人数、使用状況
3)ゴミ箱
重さ、照度
内容物、様子確認
4)花
気温
種類、開花状況
5)天気
気温、湿度、風量
雨の匂い、雲の様子、ゲリラ
豪雨
6)交通状況
GPS、加速度
渋滞の原因、道の様子
7)高齢者見守り
高齢者宅の家電の使用状況
様子確認
8)節電対策
照明やエアコンなどの
ON/OFF
部屋の様子確認
9)工場の機械の動作
機械の異常
実際のエラー確認
10)冷蔵庫の使用状況
冷蔵庫のドア開閉(加速度)
内容物確認
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Help Me!システム応用例
• 金銭的なインセンティブ
– Examining micro- payments for participatory sensing data
collections
•
•
ゴミ箱の様子を撮影するタスクに対してどの程度金銭的な報酬を付与すること
が最も効率的か
導入資金や継続コストが高
人間の動機付けは必ずしも金銭的なものだけではない
• 非金銭的なインセンティブ
– アプリケーション配布
•
THE COPHENHAGEN WHEEL
• ナビ、走行距離や消費カロリー
– ボランティア精神
•
Using Strangers as Sensors
• 見知らぬ人であっても情報収集
本研究では参加のきっかけ創出、参加することのメリットの理 解により
ユーザのモチベーション向上を狙う
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関連研究(1/2)
• タスクに関する設定や配信を容易化するツールやシ
ステム
– Sensr / Medusa / PRISM
• 参加型センシングのためのシステム
本研究:参加型センシングと物理センサを同一プラットフォー
ムで実現するためのシステム構築
• ユーザのプライバシー
– Automatically characterizing places with
opportunistic crowdsensing using
smartphones
• 物理センサの情報から行動推定が可能
ユーザやサーバ側でプライバシー設定、配慮をすることが重
要
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関連研究(2/2)
予め作成したタスクに対して物理センサ又はユーザが情報提供を行い、
Task Mapが更新される場合
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システム構成図
• P.S. Andrewをベースとして開発
– XMPPを用いて物理センサ・ユーザからのデータを統
合的に取り扱い可能
– 本研究:Sensor-Over-XMPPの拡張によるタスク
に合わせた動的なインタフェースの作成
• テキスト、選択肢、写真、動画、音声ファイル
DB
XMPP Server
アプリケーション
イベントノード(仮想センサ)
Subscribe
物理センサ
ユーザC
Meta node:センサのフォーマット
ユーザA
Data node:実際のセンサデータ
Publish
ユーザB
15
センサネットワークと
参加型センシングの統合アーキテクチャ
• XMPP Server
• Android
– XPERIA
• SONY,Android 4.1
– GALAXYS4
• Help Me!Server
• SAMSUNG,Androi
d 4.2
• 使用センサ
– Sun SPOT
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実装環境
• Android アプリケーションの作成
– タスク:SSLabの使用状況に関するレポート
取得する情報
物理センサ
ドア開閉(加速度)
参加ユーザ
室内の人数、イベント内容、終了予定時刻、コメント
• ユーザが入力する情報
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質問文
内容
選択肢
今何人いますか?
室内の人
数
0~25人から選択
何が行われていま
すか?
イベント
内容
定例ミーティング、会議、話し合いや相談、論文読み、輪講、勉
強や研究、何も行われていない、その他から選択
終了予定時刻を入
力してください
終了予定
時刻
0:00~23:59を設定または分からないを選択
コメント(Option)
コメント
特記事項を自由に記述
プロトタイプ
• 通知
– タスクが異常状態の時10分に一度振動通知
• 情報公開
– Twitterによるリアルタイムな状況の公開
• 作成したタスクへの操作
–
–
–
–
18
投稿
購読
監視
削除
プロトタイプ
Task Map
19
Menu
タスクの投稿画面
アプリケーション画面の様子
• 評価方針
– プロトタイプにより情報収集・提供すべきタスクの更新を
ユーザに促し、実際に更新できたか
– 期待される効果があったか
• 被験者
– 徳田研究室に所属する16名のユーザ
• 期間
– 2014.1.15~17
• プロトタイプとして作成したAndroidアプリケーショ
ンを配布
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評価
• 投稿数
投稿数(個)
0
1
2
3
5
6
8
12
人数(人)
2
5
3
2
1
1
1
1
(計48個)
• 投稿までの時間
• イベント数
右:30分毎
左:5分毎
– 計17(検出されたイベント:16)
• 考察
– ユーザの参加数によりタスクの達成度は異なる
•
21
参加者数が少ない朝や深夜はタスクの更新必要性高
評価結果概要
• アプローチ、ユーザビリティ、目的達成度、期待される効果などに関して
アンケートで5段階評価と理由を得た
• ①タスクの価値付け
– ドア開閉だけでなく照度などを考慮しタイミングを見直す
必要も
• ②タスクの可視化
– 安心感を与えた一方タスクが増加した場合現在の表示
方法では不十分
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定性的評価
• ③ユーザビリティ
– ユーザの状況、タスクに合わせた通知や設定が必要
• ④目的達成度
– 更新の判断にはユーザのばらつき
23
定性的評価
• ⑤期待される効果
– 参加する負担が少なく、集団意識や自分に有利な情報
がある場合貢献
• ⑥類似アプリケーションについて
– 緊急時、バスやタクシーの混雑具合、イベント検知、キャ
ンパス内での応用
• Comment
– 貢献度の可視化、Thank You Point の導入
– 人ではなくシステムからの質問でも答える気持ちになった
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定性的評価
• タスクの価値付け
– より詳細な状況取得の必要
• 照度や椅子の加速度など異種物理センサの組合わせ
• タスクの可視化
– タスクが増加した際
• ユーザによる可視化設定やタスクの緊急度の振分け
• ユーザのニーズを取り入れたTask Mapの作成
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考察
• システムの妥当性について
– 通知回数の見直し
• ユーザの状況とタスクに合わせた通知、設定の必要
– モチベーション
• 貢献度の可視化、ポイント制の導入
• 参加意欲の低いユーザに有益な情報を与える必要
• 応用アプリケーションについて
– 室内、屋外問わず今後様々なアプリケーションに応
用が可能
• 多くのユーザが意欲的
• より広範囲、高密度の情報取得が可能
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考察
• タスクの価値付けと可視化
– 価値付けの指標の追加
– ユーザの状況とタスクの種類に合わせた価値付けと可視
化
• ユーザによるタスクの作成
– 物理センサの動的な異常状態の定義
• システムの追加機能と応用アプリケーション
– 貢献度の可視化、Thank You Pointといったインセン
ティブの導入
– 通知方法、通知手法の見直し
– タスク自体の増加
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現状の課題と今後の展望
• 参加型センシングにおいて、物理センサを用いタ
スクの価値付けと可視化を行うことでユーザの
参加機会を創出するシステム”Help Me!”の提
案
– プロトタイプの作成と評価、考察
28
まとめ
• ご静聴ありがとうございました
29
以上です