研究活動と知的財産(1)

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本資料の利用について
本資料は、「平成24年度特許庁大学知財研究推進事業」において、特許庁の委託
を受けた国立大学法人大阪大学 知的財産センターが開発したものであり、著作者
人格権は国立大学法人大阪大学に、著作財産権は特許庁に帰属しています。
本資料は、著作権法上認められる利用のほか、非営利目的に限り、改変・引用・
複製・頒布を行うことができますが、これらの行為及びその内容に関する責任は利
用者自身が負うものとします。
本資料は、正確を期して開発したものですが、不正確な情報や、古くなった情報を
含んでいる可能性があります。
本資料を利用したことから生じるあらゆる損害・損失について、国立大学法人大阪
大学及び特許庁は、一切の責任を負いません。
営利目的での利用、翻訳の希望その他、不明な点がありましたら、以下へご連絡く
ださい。
特許庁 企画調査課 活用企画班 03-3581-1101 (内線)2165
第3時限 研究活動と知的財産(1)
◇研究ノート
◇先行技術文献調査
2
第3時限 目次
3-1 研究ノート


研究ノートとは
研究ノートの必要性
3-2 先行技術文献調査



先行技術文献調査とは
先行技術文献調査の必要性
先行技術文献調査
3-3




先行技術文献調査の具体例
検索の例1(特許検索)
検索の例2(特許検索)
検索の例3(商標検索)
検索の例4(意匠検索)
3-4
先行技術文献調査用サイトへのアクセス
3
3-1
研究ノートとは
研究ノートとは
手書きが原則で、
日付、記入者の
サイン、確認者
のサインが必要
実験のデータや
アイデアなどを
記録するもの
※手書きで証明する必要性がなくなった →研究ノートの電子化
現状調査アンケート結果 (2012年7月実施)
「研究ノートの記載方法について」
研究開発従事者回答数213件中
紙媒体
電子化
記載していない
65%
25%
10%
4
3-1
研究ノートの必要性
何のためにつける
・実験の再現性の担保
・ねつ造でないことの証明
・いつ発明したかの証明
特に先に発明した者が特許を受ける権利を有する(先発明主義)
アメリカでは裁判時の証拠として重要。(アメリカ以外は先願主義)。
そのアメリカも、最近、先発明主義から先願主義へ移行することが決まった。
(2011.09.16→2013.03.16施行)
5
第3時限 目次
3-1 研究ノート


研究ノートとは
研究ノートの必要性
3-2 先行技術文献調査



先行技術文献調査とは
先行技術文献調査の必要性
先行技術文献調査
3-3




先行技術文献調査の具体例
検索の例1(特許検索)
検索の例2(特許検索)
検索の例3(商標検索)
検索の例4(意匠検索)
3-4
先行技術文献調査用サイトへのアクセス
6
3-2
先行技術文献調査とは
先行技術調査とは、
出願や審査請求の前に、自社の発明に関連する技術分野
でどのような先行出願が存在するかを把握するために、公
開されているすべての資料を調査することを言う。
特許性調査、無効調査、
技術情報収集などのすべ
ての調査が含まれる。
7
3-2
研究開発
先行技術文献調査の必要性
技術動向調査
発明創出
設計
製造前
出荷前
出願前調査
他社権利調査
他社からの
侵害警告
公知例調査
◎重複研究の回避
=過去の存在技術、今後開発すべき技術の把握
◎発明の手がかり
=他人を知ることで、新たなアイデアを見いだす
(特許のすきまを埋める、代替技術)
◎研究開発テーマの設定
◎技術変化、商品需要予測
◎無駄な出願の防止
◎明細書作成の参考
◎従来技術の正確な把握
◎他社権利との抵触関係調査
=出荷差し止め、損害賠償の未然防止
◎他社からの技術導入・提携の検討
◎権利行使の阻止
=他社権利の出願前の公知例を調査
(特許文献、雑誌・カタログ等)
8
3-2
先行技術文献調査
インデックスサーチ
IPC
: International Patent Classification (国際特許分類)
世界共通の特許分類で約7万の分類項目。
FI
: File Index
IPC第4版を我が国独自に細分化したもの。
約19万の分類項目。
Fターム
: File Forming Term
IPCやFIとは異なる複数の技術的観点で
分類項目を作成したもの。
テキストサーチ
書誌事項
技術用語(同義語に注意)
出願人名、発明者名等
9
3-2
先行技術文献調査
上位階層
(例)H04M 1/02
セクション(A~H)
H 電気
クラス
H
H04 電気通信技術
H04M 電話通信
サブクラス
H04M 1/00 サブステーション装置
H04M 1/02 ・電話機の構造的態様
下位階層
H04
H04M
H04M 1/00
H04M 1/02
IPC(国際特許分類)
10
3-2
先行技術文献調査
FI(ファイルインデックス)
IPCを細分化した我が国固有のインデックス(AからZまで)
国際特許分類(IPC)では技術の区分けが粗いため
日本の技術分野を考慮して更に細かく区分したもの[IPC第4版をもとに作成]
(例) H04M 1/02・電話機の構造的態様
A 表示・ボタン
B 特殊な電話機〔構造・用途が特殊なものを含む〕
C ・コ-ドレス電話機
D ・公衆電話機
E ・多機能電話機
F ・・ボタン電話機
G ・インタ-ホン
H ・ハンドセツト形
J ・装飾電話
Z その他のもの
H04M 1/02 A
11
3-2
先行技術文献調査
従来技術を効率的に検索するために開発された検索キー
FIを複数の異なる観点で区分(目的、用途、構造、機能、材料等)
Fタームによる多観点検索
5K023
AA01, AA02, ‥‥
BB01, BB02, ‥‥
AA00
AA01
‥
AA07
‥
用途
公衆電話
‥
携帯電話
‥
BB00
BB01
‥
BB03
‥
BB
観点3
CC01, CC02, ‥‥
5K023
H04M 1/02-1/23@Z
AA
観点2
テーマコードを特定
電話機の構造
テーマコード
観点1
(約1800テーマ)
目的・効果
調査する発明の技術的特徴が
タームリストのどれに該当するか
携帯電話機
アンテナ
装飾性向上 ‥ 小型、軽量
‥
検索式の
入力、検索
小型化
AA07 * LL05 * BB03
※後述のIPDLのパテントマップガイダンスを利用
12
3-2
先行技術文献調査
http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl
技術用語や出願
人名で調査が可
能
IPC、FI・Fターム
が分かればこち
らで調査
IPCやFIの内容を
確認する
特許庁から出願
人に通知した書
類を提供
13
3-2
先行技術文献調査
IPC、FI、Fタームの説明文の照会、
キーワードに該当するIPC、FI、Fタームの照会ができる。
FIを入力
例: H04M1/02@A
Fタームを入力
例: 5K023
IPCを入力
例: H04M1/02
キーワードを入力
例: 携帯電話
14
3-2
先行技術文献調査(パテントマップ)
初めての海に船を出す船乗りが正確な海図を必要とするように、経営者が新たな研究開発
投資や技術導入を行う際には、「特許マップ(あるいはパテントマップ)」とよばれる「特許の地
図」を持っているかどうかが成功の鍵を握るものとなる。
[出所:特許庁ホームページ 技術分野別特許マップ (機械6 焼却炉技術)] 15
3-2
先行技術文献調査(パテントマップ)
しかしながら、これまでに蓄積された特許情報の量は膨大であり、そのすべてについて、そのまま利用することは効率
的でない。そこで、それぞれの利用目的に応じて特許情報を収集し、分析し、加工・整理することにより、視覚的に受け
入れられるものとすることが行われている。
事業の
成功
自社開発方向性を評価
する必要がある。
競合他社はどのような特
許権を持っているか?
新規事業は市場ニーズと
マッチしているか?
訴訟に巻き込まれたらど
のようにするか?
16
3-2
先行技術文献調査(パテントマップ)
パ
ッ
テ
ン
ト
マ
ッ
プ
の
作
成
1.目的の明確化
2.調査設計、分
析項目の設定
3.特許情報の収
集、基礎データの
作成
6.特許マップ・出
願動向分析
5.特許マップ・出
願動向作成
4.自身での作成
の必要性検討
17
3-2
先行技術文献調査(パテントマップ)
パテントマップの代表例
解析の形態による特許マップの種類
形態1:
統計的に解析した特許マップ
A.件数推移マップ
B.構成比マップ
C.マトリクス表示マップ
D.レーダーチャート表示マップ
E.分布表示マップ
F.時系列表示マップ
G.要素別表示マップ
H.技術発展・展開表示マップ
I.リスト表示マップ
形態2:
内容を解析した特許マップ
18
3-2
先行技術文献調査(パテントマップ)
パテントマップの代表例(要素別表示マップ)
制動装置
(1700件)
座席
(1400件)
全体構造技術
(○○件)
付属品技術
(○○件)
車輪
(1500件)
盗難防止装置
(1200件)
推進装置
(1800件)
フレーム構造
(2300件)
注)件数は仮である。
製造技術
(○○件)
細部構造技術
(○○件)
「要素別表示マップ」では、その製品の要素技術別の特許が表示されて、特許の件数から、
将来の動向を予測したり、開発の重点部分などを知ることができる。
19
3-2
先行技術文献調査(パテントマップ)
パテントマップの代表例(技術発展表示マップ)
http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/map/kagaku18/s/s-1-2.htm
特許庁ホームページより
「技術発展表示マップ」では、ある技術分野の代表的な重要特許を時系列的に系統的に並べて、
技術の発展状況を示したものである。この特許マップによって、技術開発の大きな流れを把握し、
技術開発の方向を模索することができる。
20
3-2
先行技術文献調査(パテントマップ)
パテントマップの代表例(件数推移マップ)
http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/map/denki06/map/map4.htm 特許庁ホームページより
「件数推移マップ」では、比較すべき技術要素や方式毎に、出願年を横軸に出願件数をプロット
したもので、棒グラフや折れ線グラフで表現される。技術開発の開始時期、急増時期、退潮時
期をとらえることができる。
21
3-2
先行技術文献調査(パテントマップ)
パテントマップの代表例(リスト表示マップ)
「リスト表示マップ」の例(他社注目特許一覧表)
「リスト表示マップ」の例(注目特許審査経過リスト)
http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/map/kikai06/map/map12.htm 特許庁ホームページより
これらの表の作成作業は「パテントレビュー」と呼ばれ、新製品、新技術開発の際の戦略立案時
の特許の状況の整理に活用され、リストされた特許の製品との関係について重要度を把握する
ために用いられる。
22
3-2
先行技術文献調査(パテントマップ)
パテントマップの代表例(バブルチャート)
http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/map/denki15/s/s-1-2.htm特許庁ホームページより
このバブルチャートは、当該技術分野の出願に記載されている課題を整理して、時系列的に並
べたものであり、技術開発を企画・立案する際に、開発テーマの選定や優先度の検討に有効な
ツールである。
出典:平成16年度・特許流通支援チャート「携帯機器用電源」
23
第3時限 目次
3-1 研究ノート


研究ノートとは
研究ノートの必要性
3-2 先行技術文献調査



先行技術文献調査とは
先行技術文献調査の必要性
先行技術文献調査
3-3




先行技術文献調査の具体例
検索の例1(特許検索)
検索の例2(特許検索)
検索の例3(商標検索)
検索の例4(意匠検索)
3-4
先行技術文献調査用サイトへのアクセス
24
3-3
検索の例1(特許検索)
骨の先端にLEDランプをつけて、夜間の安全
性を高めた傘
どのような検索がより確実で効率的か?
25
3-3
検索の例1(特許検索)
http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl
公報テキスト検索機能を利用し
て技術用語を用いて検索を行う。
26
3-3
検索の例1(特許検索)
(1)検索キーワード入力画面
検索対象文献を選択
検索項目を選択可能
検索項目を選択可能
27
3-3
検索の例1(特許検索)
(2)検索可能範囲について
28
3-3
検索の例1(特許検索)
(3)検索項目を選択して、検索キーワードを入力
公報全文選択
29
3-3
検索の例1(特許検索)
(4)検索した結果120件の公報がヒットした。
検索項目を選択可能
検索結果が表示される。
30
3-3
検索の例1(特許検索)
(5)ヒットした公報の一覧表示画面
検索項目を選択可能
31
3-3
検索の例1(特許検索)
(6)一覧表示結果の文献番号をクリックしてその内容を表示
検索項目を選択可能
32
3-3
検索の例1(特許検索)
(7)類似の発明を記載した公報を発見
33
3-3
検索の例1(特許検索)
(8)公報の連続表示方法(スクリーニング)
このボタンをクリックすることで、文献を
連続して表示できる。
34
3-3
検索の例1(特許検索)
(9)パテントマップガイダンスで、“傘”の「分類」もしくは「Fターム」を特定。
35
3-3
検索の例1(特許検索)
(10)分類は「A45B」付近で、Fタームのテーマコードは「3B104」。
36
3-3
検索の例1(特許検索)
(11)適切な観点は「AA08」と「BC03」
37
3-3
検索の例1(特許検索)
(12)特許分類検索により3B104のテーマを「AA08」と「BC03」を用いて検索
38
3-3
検索の例1(特許検索)
(13)ヒット件数は50件
39
3-3
検索の例1(特許検索)
(14)類似の公報発見!
40
3-3
検索の例2(特許検索)
磁石を枕に入れた安眠枕
どのような検索がより確実で効率的か?
41
3-3
検索の例2(特許検索)
(1)検索キーワード入力画面
検索項目を選択可能
42
3-3
検索の例2(特許検索)
(2)ヒットした公報の一覧表示画面①
43
3-3
検索の例2(特許検索)
(3)ヒットした公報の一覧表示画面②
44
3-3
検索の例2(特許検索)
(4)類似の発明を記載した公報を発見
検索項目を選択可能
45
3-3
検索の例2(特許検索)
(5)パテントマップガイダンスで、“枕”の「分類」もしくは「Fターム」を特定。
46
3-3
検索の例2(特許検索)
(6)分類は「A47G」付近で、Fタームのテーマコードは「3B102」。
47
47
3-3
検索の例2(特許検索)
(7)適切な観点は「AB06」
48
3-3
検索の例2(特許検索)
(8)特許分類検索により3B102のテーマを「AB06」を用いて検索
49
3-3
検索の例2(特許検索)
(9)ヒット件数は72件
50
3-3
検索の例2(特許検索)
(10)類似の公報発見!
51
3-3
検索の例3(商標検索)
ここでは、商標の読み方(称呼)で検索す
る方法を紹介する。
52
3-3
検索の例3(商標検索)
検索をしたい商標の読み方を全角カタ
カナで入力する
商品区分を用いて絞りこむこともできる。
(例えば 10を指定すると医療用機械器具及び医療
用品を指定商品とする商標が検索される。)
類似群コードを用いて絞りこむことができる。
(例えば 25B01を指定すると、文房具類(鉛筆、
シャープペンシル、ボールペン、消しゴム、筆箱
など)をして指定商品とする商標が検索される。)
53
3-3
検索の例3(商標検索)
読み方がアイプリズム又はアイプリズムに似て
いる商標が14件検索された。
54
3-3
検索の例3(商標検索)
なお一覧に表示された件数が多いときは、
ここに数字を入力してクリックをすると、そ
の番号から一覧表示がされる。
この商標に関する情報を表示するときは、
数字をクリックする。
55
3-3
検索の例3(商標検索)
56
3-3
検索の例4(意匠検索)
ここでは、意匠をキーワードで検索する方法を紹介する。
ここでは、意匠公報をキーワード
検索する方法を紹介する。
57
3-3
検索の例4(意匠検索)
ここでは、意匠に係る物品名が「傘」アン
ド「柄」である意匠公報を検索する。
物品だけでなく、意匠権者、登録日など
を用いて絞り込みができる。
58
3-3
検索の例4(意匠検索)
検索の結果60件の意匠公報がヒットし
た。
一覧表示をクリックすると、検索結果一
覧画面が表示される。
59
3-3
検索の例4(意匠検索)
意匠権者や出願日、登録日などの詳細
情報が表示される。
(公報表示や経過情報も表示可能)
一覧表示画面のいずれかをクリックすると、
その意匠の詳細が表示される。
60
第3時限 目次
3-1 研究ノート


研究ノートとは
研究ノートの必要性
3-2 先行技術文献調査



先行技術文献調査とは
先行技術文献調査の必要性
先行技術文献調査
3-3




先行技術文献調査の具体例
検索の例1(特許検索)
検索の例2(特許検索)
検索の例3(商標検索)
検索の例4(意匠検索)
3-4
外国の先行技術文献調査用サイト
61
3-4
米国における特許情報のアクセス
http://patft.uspto.gov/
62
3-4
欧州特許庁における特許情報のアクセス
http://worldwide.espacenet.com/quickSearch?locale=en_EP
63
3-4
中国における特許情報のアクセス
http://english.cnipr.com/sipo_EN/search/tabSearch.do?method=init
64
3-4
韓国における特許情報へのアクセス
http://kpa.kipris.or.kr/kpa2010/loin1000a.do?searchType=A
65