内水面漁業協同組合を中心とした 流域環境・魚類資源管理

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Transcript 内水面漁業協同組合を中心とした 流域環境・魚類資源管理

内水面漁業協同組合を中心とした
流域環境・魚類資源管理モデルの検討
明治大学政治経済学部
大森正之ゼミナール
3年 中川翔太 堀口紘平 山根正之
2014年12月11日、12日、13日
1
目次
はじめに
第1章 日本の流域環境・魚類資源管理
第2章 米英の流域環境・魚類資源管理
第3章 流域環境・魚類資源のための2つの選択肢
おわりに
2
流域環境と魚類資源は内水面漁協が分割して管理している
多摩川漁協の管理区域
『Science Window』
2007、引用
奥多摩漁協と氷川
漁協の管理区域
秋川漁協の
管理区域
川崎河川漁協の
管理区域
40
内水面漁業協同組合とはなんだ??
通常は省略して内水面漁協と呼ぶ
両毛漁協訪問(5月23日)
内水面漁協は、流域環境と魚類資源を管理している組織
内水面漁協には魚の増殖が義務づけられている
人工放流
人工放流の様子
自然増殖
魚の産卵場所の造成
3
②内水面漁協は釣り人から遊漁料を集めている
遊漁券
内水面漁協
流域環境・
魚類資源の管理
釣り人
遊漁券
魚の採捕
内水面漁協が
個別にもつ管理区域内で
釣りをすることができる
遊漁料
河川湖沼
(内水面)
遊漁券にはもう1つ種類がある
県内共通遊漁券(一部の県でのみ採用されている)
県内で了承を得ている内水面漁協の管理区域内でどこでも釣りをすることができる
*増殖された雑魚(コイ、フナなど)のみが対象、アユやマス類は対象外
4
内水面漁協は負のスパイラルに陥っている
水質汚染・
外来魚・害鳥
魚が減少
流域環境・魚類資源
の管理が不十分
内水面漁協
組合員が減少
負の
スパイラル
組合業務の
ボランティア化
遊漁者
が減少
遊漁料収入
が減少
内水面漁協の
経営が悪化
3
流域環境・魚類資源管理制度の再編、
の選択肢
2つ
◆地方公共団体を主体とした
流域環境・魚類資源の管理
この2つのどちらかを選択しなければならない
◆水系漁協を主体とした
流域環境・魚類資源の管理
6
1-1 日本の流域環境・魚類資源管理制度の歴史
~1900年代
内陸部で淡水魚(アユ・ヤマメ類・コイ)はタンパク源として重
宝されていた。
1901年
旧漁業法が制定された。内水面と海面の漁業の区分はない。
1949年
新漁業法が制定され、内水面の漁協の区分ができた。
1960年頃~
高度経済成長とともに水質汚染が深刻になる。
1970年頃~
外来魚(ブラックバスなど)の食害が問題視される。
1990年頃~
カワウの食害が問題視される。
2014年
「内水面漁業の振興に関する法律案」が参議院で可決された。
7
1-1 日本の流域環境・魚類資源管理制度の歴史
~1900年代
内陸部で淡水魚(アユ・ヤマメ類・コイ)はタンパク源として重
宝されていた。
1901年
旧漁業法が制定された。河川湖沼と海の漁業の区分はない
1949年
淡水魚を食べていた集落は流域環境と魚類
資源を守っていて、後に内水面漁協になった
新漁業法が制定され、河川湖沼の漁協の区分ができた
1960年頃~
高度経済成長とともに水質汚染が深刻になる。
1970年頃~
外来魚(ブラックバスなど)の食害が問題視される。
1990年頃~
カワウの食害が問題視される。
2014年
「内水面漁業の振興に関する法律案」が参議院で可決された。
8
1-1 日本の流域環境・魚類資源管理制度の歴史
~1900年代
内陸部で淡水魚(アユ・ヤマメ類・コイ)はタンパク源として重
宝されていた。
1901年
旧漁業法が制定された。内水面と海面の漁業の区分はない。
1949年
新漁業法が制定され、内水面の漁協の区分ができた。
1960年頃~
高度経済成長とともに水質汚染が深刻になる
1949年に新漁業法ができてから
1970年頃~
内水面漁協の仕組みに変化がない
外来魚(ブラックバスなど)の食害が問題視される
1990年頃~
カワウの食害が問題視される。
2014年
「内水面漁業の振興に関する法律案」が参議院で可決された。
9
1-1 日本の流域環境・魚類資源管理制度の歴史
~1900年代
内陸部で淡水魚(アユ・ヤマメ類・コイ)はタンパク源として重
宝されていた。
1901年
旧漁業法が制定された。内水面と海面の漁業の区分はない。
1949年
新漁業法が制定され、内水面の漁協の区分ができた。
1960年頃~
高度経済成長とともに水質汚染が深刻になる。
1970年頃~
外来魚(ブラックバスなど)の食害が問題視される
内水面振興法で
1990年頃~
地方公共団体にも責任が課される
カワウの食害が問題視される
2014年
「内水面漁業の振興に関する法律案」が参議院で可決された
10
1-2 日本の流域環境・魚類資源管理
協力金は主に放流費用
に使われている
協力金
工場
政府
補助金
内水面漁協
遊漁料
組合費
公害防止協定
遊漁料は
内水面漁協の
主要な収入源である
流域環境・
魚類資源の管理
河川湖沼
釣り人
魚の採捕
11
1-4 放流金額と釣り人数
(赤)A県の放流金額 (青)釣り人数
10000
2500
9410万円
(万円)
2020万人
8000
(万人)
2000
6000
770万人
v
4000
1000
2010万円
2000
0
1500
1983年
1988年
1993年
1998年
2003年
2008年
500
2013年
0
釣り人数が減少し、魚の放流金額も減少
12
内水面漁協の経営実態
①外来魚、カワウ、魚病の被害などによっ
②魚の数の減少などで釣り人が減少
③組合員の無償労働により費用削減
1980年代の経営状態
赤字経営
て総支出が増加
青線:総収入
赤線:総支出
総収支
赤字
赤字
黒字
①
損益分岐点
①外来魚、カワウ、魚病
の被害などによって
総支出が増加
②魚の数減少などで
釣り人が減少
③
総支出→
(1980年代)
総支出→
(現在)
③組合員の無償労働に
より費用削減
赤字
②
総収入→
釣り人数
0
釣り人数(現在)
釣り人数(1980年代)(遊漁券購入者)
※訪問調査を参考に試算
独自に作成
14
水枯れの現場
水質汚染により
浮き上がっている魚
カワウが魚を
食べているところ
このままでは
このままでは
流域環境と魚類資源
釣り場と魚が
が守れなくなる
守れなくなる!!
13
19
1-5 問題点を分析
内水面漁協の経営難の原因は
である
資金不足
内水面漁協の釣りイベント
◆養殖事業などの生産・販売活動がほとんどない
◆遊漁料の収入が減少
◆外来魚・カワウ・魚病の対策費用の増加
人材不足
◆専業の漁師がほとんどいない
◆釣り人が減少
◆組合員の高齢化が進み、組合員数も減少
組合員による人工放流
15
アメリカ・イギリスの
流域環境と魚類資源の管理を見てみよう
16
2-1-1 アメリカは州政府が流域環境と魚類資源を守っている
流域環境と魚類資源を守るためにSFR法というものがある
資金
情報
資源
賦課金
釣り関連企業
ボート関連企業
啓蒙・広報活
動
連邦政府
流域管理費用
州政府
釣り人
流域利用
ライセンス
料
河川湖沼
流域環境・
魚類資源の管理
各州政府が
主体となって
守っている
17
2-1-2 フィッシング・ライセンス制と県内共通遊漁券の違い
県内共通遊漁券の特徴
◆県内でどこでも釣りができるよう
になる遊漁券である。
内水面漁協が増殖した雑魚のみ
を対象となるものである。
*雑魚(コイやフナ)
画像 青森県内水面漁業協同組
合連合会HPより
フィッシング・ライセンス制の特徴
◆州内でどこでも釣りができるよう
になる釣りのライセンスである。
釣る魚に関わらず釣り人が絶対に
負担するものである。
フィッシング・ライセンス
18
2-1-3 SFR(Sports Fishing Restoration)法
流域環境と魚類資源を守るために釣り・ボート関連企業
から賦課金を徴収し、各州へ配分する基準を決めた法律
賦課金の徴収元
◆釣り具
◆釣り・ボート関連商品の
輸入税
◆ボートの燃料
(主にガソリン)
etc…
資金の配分基準
◆流域面積
◆釣り人口
◆沿岸地域と内陸地域
etc…
19
2-1-5 アメリカの資金と人材について
資金はフィッシング・ライセンス料と賦課金によって集められ、
人材は州政府から派遣されている。
資金
賦課金と
ライセンス料が
資金源
人材
州政府が管理している
フィッシング・ライセンス、
賦課金
州政府
20
2-2-1 イギリスの流域環境と魚類資源管理
流域環境と魚類資源を管理するためにロッド・ライセンス制がある
公有地、共有地
釣り人
中央政府
私有地、
ナショナル・トラスト
ライセンス
料
釣り人
地主
ライセンス
料
許可料
流域環境・
魚類資源の管理
魚の採捕
魚の採捕
河川湖沼
中央政府
河川湖沼
保護団体
流域環境・
魚類資源の管
理
21
2-2-3 ライセンス収入の使途
ライセンス収入の使途
ライセンス収入の使途の割合
◆釣り場管理・復元・補完・創出・・・48%
◆漁師・釣り人の保護・・・23%
◆密漁の監視・・・16%
◆魚の調査・保全・・・12%
etc…
『英 国内水面漁業・遊漁制度の資源 ・環
境保全機能』大森正之,2007年 引用
GO FISHING.co.ukのデータを元に作成
22
2-2-4 イギリスの資金と人材
資金
人材
ロッド・ライセンス
政府
地域住民
ボランティア
許可料
地主
公有地、共有地
23
2-2-4 イギリスの資金と人材
資金
人材
ロッド・ライセンス
政府
地域住民
ボランティア
許可料
地主
私有地
24
2-3-1 日米英を比較
日本
魚の帰属
資金徴収方法
管理主体
(人材)
アメリカ
イギリス
無主物
国民の
共有財産
国民の
共有財産
遊漁料
ライセンス、
釣り具等への
賦課金
ロッド・ライセンス、
許可料
州政府
中央政府、
自然保護団体、
地主、地域住民
漁協
25
2-3-1 日米英を比較
日本
魚の帰属
資金徴収方法
管理主体
(人材)
アメリカ
イギリス
無主物
国民の
共有財産
国民の
共有財産
遊漁料
ライセンス、
釣り具等への
米英では
賦課金
ロッド・ライセンス、
許可料
魚は国民の共有財産なので
中央政府、
釣りに対して利用料金を課される
自然保護団体、
漁協
州政府
地主、地域住民
26
2-3-1 日米英を比較
アメリカ
米英では
日本
魚の帰属
資金徴収方法
管理主体
(人材)
無主物
遊漁料
漁協
イギリス
ライセンス制により
国民の
国民の
資金を集めている
共有財産
共有財産
ライセンス、
釣り具等への
賦課金
ロッド・ライセンス、
許可料
州政府
中央政府、
自然保護団体、
地主、地域住民
27
2-3-1 日米英を比較
日本
魚の帰属
資金徴収方法
アメリカ
国民の
国民の
無主物
共有財産
共有財産
米英では行政に流域環境と
ライセンス、
魚類資源を管理する責任がある
ロッド・ライセンス、
遊漁料
釣り具等への
賦課金
管理主体
(人材)
イギリス
漁協
州政府
許可料
中央政府、
自然保護団体、
地主、地域住民
28
2-3-2
アメリカとイギリスの制度を日本に適用
2-3‐2英米から何を取り入れられるだろう?
米英から何を取り入れられるだろうか
 行政の責任を追加する
 ライセンス制を取り入れる
資金の配分基準:アメリカ
資金の使途
:イギリス
29
流域環境・魚類資源管理制度の再編、
の選択肢
2つ
◆地方公共団体を主体とした
流域環境・魚類資源の管理
◆水系漁協を主体とした
流域環境・魚類資源の管理
30
3-1-1 地方公共団体が流域環境・魚類資源を管理する
地方公共団体が流域環境と魚類資源の管理義務を負い、
内水面漁協にその管理を委託する
地域住民
地方環境税
ボランティア
釣り人
内水面漁協
ライセンス料
遊漁料
魚の採捕
漁業権の返還
漁業権の免許
地方公共団体
流域環境・魚類資源
流域環境・
の管理を委託
魚類資源の管理
河川湖沼
流域環境・
魚類資源の管理
31
3-1-2 流域環境と魚類資源を管理するための地方環境税を導入
日本で地方環境税の導入県例
茨城県:森林湖沼環境税
神奈川県:水源環境保全税
高知県:森林環境税
静岡県:森林づくり県民税
長崎県:ながさき森林環境税
兵庫県:県民緑税
山梨県:森林環境税
山口県:森林づくり県民税
33
47
etc….
多くの県で森林保全のために個人に対して
500~1000円の環境税を課している
環境整備をして防災と森づくり(一部生態系保護)
流域環境を守るための
地方環境税を導入する
もしくは
の都道府県で導入済み
既存の森林環境税の使途に
流域環境を守る項目を追加する
32
3-1-2 英米のライセンス制の特徴を取り入れる
徴収したライセンス収入の
配分基準・使途を明確にする必要がある
県内共通遊漁券
英米のライセンス制
◆県内の釣りができるようになる
遊漁券であり、内水面漁協が
増殖した雑魚のみを対象となる
ものである。*雑魚(コイやフナ)
◆各州内でどこでも釣りができるよう
になる釣りのライセンスである。
釣る魚に関わらず釣り人が絶対に
負担するものである。
画像 青森県内水面漁業協同
組合連合会HPより
33
3-1-3 ライセンス料の配分・使途
県内共通遊漁券
資金の配分基準:
◆購入場所
配分基準
アメリカを参考に:
◆釣り場ごとの釣り人数
◆流域面積
◆魚種の重要性(需要と希少性)
◆流域住民の人口
資金の使途:
◆運営資金
◆放流費用の援助
使途
イギリスを参考に:
◆密漁者の監視
◆魚の調査
◆釣り場の清掃活動
◆釣り場の復元・補修
◆啓蒙活動
34
3-1-5 地方公共団体の資金と人材
資金はライセンス料と地方環境税から集め、
人材は地方公共団体と組合員から派遣する
資金
人材
フィッシング・ライセンス
組合員
地方環境税
地方公共団体の職員
河川湖沼
35
3-1-6 負のスパイラルから正のスパイラルへ
水質汚染・
外来魚・害鳥
魚が増加
魚が減少
流域環境と魚類資源
流域環境と魚類資源
の管理が充実
の管理が不十分
内水面漁協
流域環境と魚類資源の
管理の従事者が増加
組合員が減少
釣り人が
釣り人が
増加
減少
負の
正の
スパイラル
組合業務の
組合業務の
有償化
ボランティア化
フィッシング・ライセンスと
遊漁料販売額
地方税による収入が増加
が減少
内水面漁協の
内水面漁協の
経営資金が充実
経営が悪化
36
地方公共団体が流域環境と魚類資源を管理した場合の
個別内水面漁協の総収支
総収支
青線:総収入
赤線:総支出
③全ての釣り人が
①地方環境税の導入
②内水面漁協の活動を有償化
流域環境と魚類資源を管理できる
対象ライセンス制の導入
①地方環境税の導入
損益分岐点
組合業務の
総支出
有償時
(提案実行後)
赤字
②赤字
総収入
(提案実行後)
総支出(現在)
②内水面漁協の
活動を有償化
➡魚が増加
①
②
③全ての釣り人が対象
ライセンス制の導入
➡遊漁券未払い者へ
負担が拡大
③
釣り人数
総収入(現在)
0
釣り人数(現在)
釣り人数(提案実行後)
(遊漁券購入者)
※訪問調査及び資料13、22、23、
24を参考に試算 独自に作成
37
流域環境・魚類資源管理制度の再編、
の選択肢
2つ
◆地方公共団体を主体とした
流域環境・魚類資源の管理
◆水系漁協を主体とした
流域環境・魚類資源の管理
38
3-2-1 1つの水系を1つの水系漁協による管理
支部
内水面漁協
養殖魚
支部
内水面漁協
個別内水面漁協の統合
養殖事業
水系漁協
養殖魚の販売料
養殖魚の販売
市場
支部
内水面漁協
釣り人
遊漁料
流域環境・
魚類資源の管理
魚の採捕
河川湖沼
39
3-2-2 1つの水系漁協が一つの水系内の
流域環境と魚類資源を管理する
流域環境と魚類資源の管理が統一されていない
多摩川漁協の管理区域
『Science Window』
2007、引用
奥多摩漁協と氷川
漁協の管理区域
秋川漁協の
管理区域
川崎河川漁協の
管理区域
40
3-2-3 水系内の各内水面漁協を支部として残す
水系内の内水面漁協を統合し、
水系漁協とする
多摩川水系漁協
奥多摩支部
氷川支部
秋川支部
多摩川支部
川崎河川支部
『Science Window』
2007、引用
41
3-2-5 1つの水系で1つの養殖事業
資金を得るために養殖事業を行う
内水面漁協に足りない資金を獲得する!!
それ以外にも様々なメリットがある
養殖魚の販売
他にもメリットがある
資金を獲得できる
放流費用の削減・遺伝子の保存・
魚病の対策
42
3-2-6 水系漁協の資金と人材
資金は遊漁料と養殖事業の販売収入から集め、
人材は水系内の各内水面漁協から派遣する
資金
遊漁料と養殖事業
遊漁料と養殖事業の
販売収入で資金不足
が解消する
1つの水系漁協に
まとめることによって
人材不足が解消する
人材
各内水面漁協組合員
(養殖事業職員) 43
3-2-7 負のスパイラルから正のスパイラルへ
水質汚染・
外来魚・害鳥
魚が減少
魚が増加
流域環境と魚類資源の
管理が充実
管理が不十分
内水面漁協の
内水面漁協
組合員が増加
組合員が減少
釣り人が
釣り人が
増加
減少
正の
負の
スパイラル
組合業務の
内水面漁協の
ボランティア化
経営改善
遊漁料収入
が増加
が減少
養殖事業の
内水面漁協の
経営が悪化
収入
44
水系漁協が流域環境と魚類資源を管理した場合の各支部の総収支
総収支
青線:収入
①養殖事業に伴う
費用が増加
①養殖事業に伴う費用が増加
④養殖事業により放流費用が削減
②養殖事業による販売収入の発生
③水系漁協にすることで事務費用が削減
⑤水系漁協に統合すること魚が増加
経営が黒字になる!!
赤線:支出
④
損益分岐点
総支出
(提案実行後)
③
黒字
③水系漁協にすることで
事務費用が削減
赤字
①
④養殖事業により
放流費用が削減
総収入
(提案実行後)
総支出(現在)
0
⑤水系漁協に統合する
ことで魚が増加
②
⑤
釣り人数
総収入(現在)
(遊漁券購入者)
釣り人数(現在)
②養殖事業による
販売収入の発生
釣り人数(提案実行後)
(i)釣り人が増加
(ii)遊漁料未払い者が減少
※訪問調査及び資料12を参
考に試算 独自に作成
45
3
水質汚染・
外来魚・害鳥
魚が減少
釣り人が
減少
流域環境・魚類資源の
管理が不十分
遊漁料収入が減少
内水面漁協
組合員が減少
内水面漁協の
経営が悪化
負の
新たな選択をしなければ
スパイラル
流域環境・魚類資源を将来世代に残すのは困難である
組合業務が
ボランティア化
46
おわりに
残された課題
釣り関係企業に対する
賦課金徴収を今後どうするか、
日本版SFR法を作るのか
魚を国民の共有財産
とする考えをどのように
普及していくか
将来世代に環境教育を浸透さ
せるためにはどのような啓蒙・
広報活動を行っていくか
47
参考文献・資料
1.大森正之―(2000)『内水面漁業制度への批判論と
近年の流域環境・魚類資源問題-内水面漁協を対象
とする調査票調査に向けた諸論点の整理-』
2.大森正之―(2000)『内水面漁業制度の確立過程と
流域環境・魚類資源問題-1949年衆議院水産委員
会での議論を中心に-』
3.大森正之―(2001)『内水面漁業協同組合における
環境保全機能の現状と限界‐環境経済学からの分
析とその理論的・政策的含意‐』
4.大森正之―(2007)『英国内水面漁業・遊魚制度の
資源・環境保全機能』
5.P・F・ドラッガー 上田惇生+田代正美 訳(1991)
『非営利組織の経営』
6.Dingell-Johnson sport Fish Restoration ACT
櫻井政和(2011年)『米国における「スポーツフィッ
シュ回復」について~知られざる中核的遊漁振興政
策の概要~』水産庁
7.フライロッダーズ、酒井茂之、『よりよい釣り場づくり
や河川環境の保全に漁業協同組合は不可欠か』
2014年1月号
12.水産庁 内水面漁業の振興に関する法律案の概要
13.内水面漁業の振興に関する法律案
14.中村智幸(2013)『内水面漁協の運営改善に関する
研究(H23~27)』独立行政法人水産総合研究セン
ター
15.櫻井政和(2003)『河川漁協に関する一考察―海面
漁協にとっての他山の石として―』水産庁
16.水産庁(2008年版)『漁業センサス2008』
17.水産庁 全国内水面漁業協同組合連合会(2008年版) 『渓流魚の放流マニュアル』
18.水産庁 全国内水面漁業協同組合連合会(2008年版) 『渓流漁場のゾーニング管理マニュア
ル』
19.農林水産省『農林水産統計』(2012年版)
20.農林水産省『6次産業化総合調査の結果』(2012年
版)
21.公益財団法人日本生産性本部
(1983年版~2013年版)『レジャー白書』
22.Sports Fishing Restoration Act
23.『森林環境税地域座談会開催結果報告書』林業振興・環境
部 林業環境政策課、2002
48
参考URL
1.水産庁
(http://www.jfa.maff.go.jp/ 2014年8月30日閲覧)
2.農林水産省
(http://www.maff.go.jp/ 2014年8月30日閲覧)
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(http://www.env.go.jp/ 2014年8月30日閲覧)
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(http://www.metro.tokyo.jp/ 2014年8月30日閲覧)
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(http://www.jsafishing.or.jp 2014年8月30日)
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(http://www.jaftma.or.jp/index.html 2014年8月30日)
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(http://www.pref.saitama.lg.jp/ 2014年8月30日閲覧)
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(http://www.chikyumaru.co.jp 2014年8月30日)
49
調査協力協同組合・団体・企業
1.川崎河川漁業協同組
(訪問日 2014年3月15日、13日)
2. 秋川漁業協同組合
3.バラキ湖 カンパーニャ嬬恋
(訪問日 2014年5月24日)
4. 両毛漁業協同組合
(訪問日 2014年5月24日)
5. 湊川漁業協同組合
(訪問日 2014年6月19日)
6. 埼玉県漁業協同組合連合会
(訪問日 2014年6月30日)
7. 入間川漁業協同組合
(訪問日 2014年7月1日)
8. 水産庁
(訪問日 2014年7月3日、7日)
9. 手賀沼漁業協同組合
(訪問日 2014年7月8日)
10. 農林漁業信用基金
(訪問日 2014年7月15日、17日)
11. 阿武隈川漁業協同組合
(訪問日 2014年8月1日)
12.鮫川漁業協同組合
(訪問日 2014年8月1日)
13. 阿賀川漁業協同組合
(訪問日 2014年8月2日)
14. 沼沢湖漁業協同組合
(訪問日 2014年8月2日)
15. 新田・太田川漁業協同組合
(訪問日 2014年8月3日)
16. 福島県内水面漁業協同組合連合会
(訪問日 2014年8月3日)
17.全国内水面漁業協同組合連合会
(訪問日 2014年10月30日)
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