Transcript プログラム案
2013.12.1 sun. 府中グリーンプラザ けやきホール 代表挨拶 本日は、私たちEnsemble Castor(アンサンブル・カストール)の第1回演奏会にご来場下さいまして、誠にありがとう ございます。私たちは、東京農工大学管弦楽団の木管パートOB・OGが中心となり、木管アンサンブルの音色の美しさ や面白さ、演奏の楽しさなどを広めていくことを目的に演奏活動をしています。 本日の演奏会は、同じ楽器群のアンサンブル(フルート、クラリネット、ファゴット)、木管五重奏と木管六重奏という 構成になっています。クラリネットアンサンブルや木管五重奏では「有名な曲を木管でやるとどうなるか」(編曲もの)を、 フルート・ファゴットアンサンブルや木管六重奏では「その楽器編成のために作られた曲はどのようなものか」(オリジ ナル曲)を演奏いたします。また、演奏する音楽の時代もバロックからロマン派、さらにはこの季節に見合ったクリスマ スの音楽まで幅広くなっています。 このように、木管アンサンブルには音楽の時代も楽器の編成もたくさんのレパートリーがあります。本日の演奏会は、 そんな木管アンサンブル曲の『多様性』を存分にご堪能下さい。 最後になりましたが、第一回演奏会にお越し下さった皆様方を始め、演奏会にご協力いただいた皆様に感謝を申し 上げ、御挨拶といたします。 DATA 団体名:Ensemble Castor(アンサンブル・カストール) 由 来:ビーバー(齧歯目ビーバー科ビーバー属;Castor属)ぽい人と一緒に(Ensemble)演奏する ビーバー?:チケットやチラシに載っています。是非モデルを探してみてください。 プログラム 1.クラリネット五重奏 モーツァルト:「魔笛」より序曲 W.A.Mozart: Ouvertüre, “ Die Zauberflöte” Cl:大塚清香、杉野歩、ポンサトーン・ラクシンチャラーンサク、 真茅久美子、吉澤健太郎 2.ファゴット三重奏 ワイセンボーン:ファゴット三重奏曲よりポロネーズ J.Weissenborn: 6 Pieces for 3 Bassoons,Op.4 マーティン: ポルカ・イタリアーノ G.Martin: Polka Italia Fg:内海遥、鈴木健太、中村聡 3.木管五重奏 近衛秀健:クリスマスソング・コレクション H.Konoe:Christmas songs collection Fl:高橋佑季、Cl:池木萌、Ob:藤原英美子、Fg:樋本健志郎、Hr:堀本茜 ~休憩(15分)~ 4.混成五重奏 テレマン:ターフェルムジークNo.2 Telemann:Tafelmusik Ⅱ TWV43:d1 Fl:八木友飛、中村真由美、佐藤祐一、Fg:鈴木健一、Pf:福山真梨 5.木管六重奏 ラインベルガー:六重奏曲 J.G.Rheinberger:Sextet,Op.191b Fl:佐藤祐一、Cl:吉澤健太郎、Ob:茂木勇、Fg:鈴木健一、 Hr:北条友理、Pf:福山真梨 曲紹介 1.クラリネット五重奏 モーツァルト 「魔笛」より序曲 「魔笛」は、モーツァルトが残した最後のオペラです。1791年9月の初演から3か月後に亡くなったこともあり、 最後まで「もう一度魔笛を聴きたい」と言っていたそうです。物語は王子様がお姫様を救出するというよくある形式 で始まりますが、途中から善悪の立場が変わるなど、意外な展開を見せます。序曲や夜の女王のアリアなどの 有名なメロディ一は耳に残りやすく、多くの人に愛される作品になっています。 序曲は緩やかな序奏と速い主部の繰り返しからなっています。最初の3つの和音は第二幕の儀式の場面でも使 われ、宗教的な意味を持つとされ、続くメロディは闇の世界を表現しているとされています。アレグロの主部では 反対に軽快でわくわくさせる掛け合いを見せ、最後に華やかなコーダで序曲は終わります。 本来オーケストラで演奏される序曲をクラリネット五重奏で演奏するため、迫力や音色の変化などの面では不利 ですが、同一楽器ならではの和音や掛け合いをお見せできればと思います。 2.ファゴット三重奏 ワイセンボーン ファゴット三重奏曲よりポロネーズ マーティン ポルカ・イタリアーノ ワイセンボーンは1837年、ドイツ・テューリンゲン州の生まれで、ブラームスやブルックナー、そして本日のトリを 飾るラインベルガーと同時代に活躍したファゴット奏者です。彼はファゴット・アンサンブルのために重要なレパー トリーを残しており、今回演奏する「6つのファゴット三重奏曲」はその1つです。セレナーデ、ポロネーズ、ポルカ、 マズルカ、トルコ行進曲、葬送行進曲の6つの小品のからなる楽曲のうち、今回はポロネーズをお送りします。わく わくするような序奏から始まり、歯切れのよいメロディーでポロネーズの舞踏会が幕を開けます。2ndファゴットの 憂いを帯びたソロから導かれる中間部では夕暮れ時の海岸で恋人への愛を歌います。楽器を知り尽くした音楽 家の残したこの曲で、ファゴット・アンサンブルの魅力を感じていただければ幸いです。2曲目は打って変わって楽 しげなポルカです。作曲者の詳細は不明ながら、滑らかなメロディーと伴奏のスタッカートの対比などファゴットの 良さを十二分に引き出した作品となっています。アンコール気分でお楽しみください。 3.木管五重奏 近衛秀健 クリスマスソング・コレクション 12月になり、そろそろクリスマスソングが商店街やデパートに流れ出した頃でしょう。クリスマスソングの中でも、 「もろびとこぞりて」、「ジングルベル」、「ホワイトクリスマス」、「サンタが街にやってくる」、「きよしこの夜」の5曲は きっとどこかで流れているようなおなじみな曲ではないでしょうか。曲名に聞き覚えがない方も、曲を聞くときっと一 度は聞いたことのあるような5曲だと思います。もしかしたら子供の頃に歌ったことのある曲もあるかもしれません。 この有名なクリスマスソング5曲をメドレーにして木管五重奏の編成で演奏致します。曲の中にはジャズ風のア レンジがかかっているものや、様々な楽器にソロの割り振られているものもあります。今まで聞いたことのある曲 より少し大人っぽくお洒落な印象を持つようなメドレーとなっています。 本日はこのメドレーを東京農工大学管弦楽団の現役学生によりお届けします。どうぞごゆっくりお楽しみください。 4.混成五重奏 テレマン:ターフェルムジークNo.2 テレマンは、バロック時代のドイツの作曲家で、当時にしては86歳という長い生涯を送りました。その中で作曲さ れた曲は3600を超えるといい、クラシック音楽で最も多くの曲を作った作曲家としてギネス記録に認定されている そうです。 ターフェルムジークとは「食卓の音楽」という意味で、当時のイベントなどのBGM的な音楽形式を指していたよう です。テレマンのターフェルムジークは、1733年に曲集として発売されました。本日は、その中の四重奏曲(リコー ダー,トラヴェルソ×2,通奏低音)をフルート×3,通奏低音(ファゴット&ピアノ)という現代の編成でお送りしま す。曲は4楽章から構成され、緩急緩急の教会ソナタの形式をとっており、短調ながらも当時ヨーロッパ全土に浸 透していたフランス宮廷文化のような優雅さがあります。フルートが互いに掛け合う優雅な第1楽章Andante,合 奏や独奏が光る軽快な第4楽章Allegroをお楽しみください。 5.木管六重奏 ラインベルガー 六重奏曲 1839年ドイツ連邦のファドゥーツに生まれ、1901年にドイツ帝国のミュンヘンに没したラインベルガーは、ほぼブ ラームスと同年代の作曲家でした。ミュンヘン音楽大学のオルガンと作曲の教授でもあり、宗教曲やオルガンソナ タは彼の代表作です。 六重奏曲は、1898年に作曲されたピアノ三重奏曲第4番 OP.191aを1899年に作曲者本人が編曲したもので、彼 の遺作になったと考えられています。 第1楽章Moderatoは、前半では牧歌的で美しい旋律を各楽器が引き継ぎながら演奏します。途中、転調を繰り返 して旋律が展開されますが、再び牧歌的な旋律が楽器を変えて登場します。 第2楽章Adagio moltは、葬送的な旋律と、それとは対比的な旋律がさまざまな楽器によって交互に繰り返され、 最後は葬送的に締めくくります。 第3楽章Tempo di Menuettoは、前半部と後半部では軽快で小刻みに、中間部では雰囲気を変えてメロディック に舞曲を演奏します。 第4楽章Finale. Allegro moderatoは、冒頭から次第に緊張感が高まります。一度緊張がほぐれて軽快な旋律が 流れますが、また次第に緊張が高まり、ブラームスの影響を受けたかのようなテーマが現れます。曲が展開され た後、後半では冒頭の旋律達が終曲にふさわしい形に姿を変えて演奏され、クライマックスへと向かって行きま す。 この曲は技術よりも表現力やアンサンブル力が求められており、当団では旋律の受け渡しや歌い方、お互いの 呼吸を合わせることにこだわりました。どうぞお聴き下さい。 スタッフ 代表:佐藤祐一、演奏会実行:吉澤健太郎、広報:北条友理、会計・デザイン:福山真梨、HP:鈴木健一・茂木勇、 ステージマネージャ:西村宗親、フロアマネージャ:佐伯碧、受付:佐藤友紀・望月美希、音楽監督:寒河江誠 関連団体 演奏会情報 第42回東京農工大学管弦楽団定期演奏会 日時 2013.12.23 会場 府中の森芸術劇場 どりーむホール 開場 13:00 開演 13:30 曲目 ラフマニノフ 交響曲第二番 ドリーブ バレエ音楽「シルヴィア」 ヴェルディ 歌劇「ナブッコ」序曲 東京農工大学OB管弦楽団 第26回演奏会 日時:2014.10.13 (月・祝) 昼公演 会場:府中の森芸術劇場 どりーむホール ♪ブルックナー/交響曲 第4番 ♪グリンカ/「ルスランとリュドミッラ」序曲 ♪R.シュトラウス/ホルン協奏曲 第1番 URL: http://www.tuat-ob-orch.com/