マルチユーザ・コンテキストアウェアサービス環境における 柔軟な機器

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Transcript マルチユーザ・コンテキストアウェアサービス環境における 柔軟な機器

マルチユーザ・コンテキストアウェアサービス環境
における
柔軟な機器排他制御手法
慶應義塾大学 環境情報学部4年
米澤拓郎
[email protected]
[email protected]
機器利用方法の変化
• 変化する生活環境
• 機器利用方法の変化
Ubicompを実現する
スマートスペース
コンテキストアウェアサービス
• コンテキストアウェアサービス
– 人の動きや、空間状態の変化に応じた機器制御
• 個人の嗜好にあった環境を構築可能
– 「部屋に入ったら、音楽を流す」
– 「眠ったらライトを消す」
環境変化
マルチユーザ環境
• 研究室、オフィス、家庭
– 複数ユーザがコンテキストアウェアサービスを利用する環
境
• マルチユーザ・コンテキストアウェアサービス環境
問題意識
• マルチユーザ・コンテキストアウェアサービス環境
→機器に対して複数ユーザの要求衝突が発生
• 同時に複数の要求を満たすことのできない機器
– 排他制御の必要性
• 誰の要求を優先すべきか?
優先ユーザの決定方法
• ユーザ同士の話し合い
– 多数の機器
– 大変
• 要求が衝突する機器上で優先ユーザを決定す
べき
– どういう基準で決定すればよいのか??
シナリオ
• move!
o208
Takuroの机
takuroの机の上に
公共的な機器
ある機器
にある機器
優先ユーザの決定基準
• 要求を行うユーザ同士の関係で、優先ユーザの決
定基準が違う
– ユーザの立場
• 階層的な構成
• 機器が置かれた空間によって、決定基準が違う
– 誰が優先されるべき場所か
• o208
• ι208
• SSLab
これらの要素を反映して
優先ユーザを決定し、
排他制御を行わなければ
ならない
関連研究
• 要求衝突回避の方法
– OS
• スケジューリング
– ラウンド・ロビン・スケジューリング
– 優先順位スケジューリング etc..
– 分散OS
• ゲーム理論を用いた資源取得 [T.W.Malone 1988]
– コンテキストアウェアサービス
• コンテキストアウェアサービスを定義する文章レベルで要求衝突
の回避 [T.Zhang 2004]
マルチユーザ・コンテキストアウェアサービス環境に
適した、柔軟な排他制御方法ではない。
本研究の目的
• 要求を行うユーザ同士の関係と機器が置かれ
た空間を考慮した排他制御を実現するフレー
ムワークの構築
アプローチ
• 要求を行うユーザ同士の関係を反映
– マルチレベル優先順位決定ポリシによる排他制
御
• 機器が置かれた空間を反映
– 空間単位ポリシ配布手法
マルチレベル優先順位決定ポリシ
• マルチレベル優先順位決定ポリシ(MPDP)
– 階層的にグループを構築
MPDP: Multi-level Priority Determination Policy
– グループごとに優先順位決定方法 (PDAlgo) を適用
• 自由に定義することが可能
PDAlgo: Priority Determination Algorithm
• 管理者が設定
– XMLで記述
:ユーザ
:グループ
:PDAlgo
要求到着順
並び順が
優先順位
master
要求到着順
B4
要求到着順
並び順が
優先順位
B3
ランダムに
決定
B2B1
bachelor
move!
空間単位MPDP配布手法
• 空間単位MPDP配布手法
– 機器の存在する空間を考慮して,ポリシを配布
• 空間の定義
– 管理者自身で定義可能
• 部屋単位か
• デスク単位か
空間単位MPDP設定手法
空間単位MPDP配布手法
• マルチレベル優先順位決定ポリシによる排他
制御
• 空間単位MPDP設定手法
この2つを実現したシステム
DAREGAYAの構築
設計
DAREGAYAの設計
• DAREGAYA
– MPDPを用いた排他制御機構 DARE
DARE: Do the Adaptable Require mutual Exclusion used MPDP
– 空間単位MPDP配布機構GAYA
GAYA: Give MPDP Adapt for each activitY
spAce
DAREGAYAの概要
空間 A
コンテキスト
アウェア
サービス
MPDP
DARE
GAYA
機器情報・
所属空間情報
情報機器 クライアント
GAYA
サーバ
コンテキスト
アウェア
サービス
MPDP
MPDP配布ホスト
機器制御
要求
DARE
MPDP
GAYA
情報機器 クライアント
空間 B
サブネットに1台
DARE構成図
GAYA構成図
所属空間通知
MPDP
機器情報(所属空間、IP、機器ID..)
MPDP
MPDP
実装
DAREGAYAの実装
• 実装環境
項目
環境
OS
Windows XP Pro SP2
JDK
Java2Platform SE 5.0
DAREGAYAの実装
• DARE
– PDAlgoインタフェイスの定義
• 実装したPDAlgo
– 要求到着順、明確な優先づけ、ランダム、多数決
• GAYA
– 機器所属空間認識モジュール
• RFCODE社製RF-IDを用いて実装
評価
評価
• 評価方針
– 定量的評価
• DAREの排他制御を完了するまでの実行時間
– 柔軟性の対価となるオーバヘッド
• GAYAのMPDPを配布完了するまでの実行時間
– 空間数の増加による実行時間の変化
– 定性評価
• 単純なポリシによる排他制御との比較
– 明確な優先順位だけ
– 要求到着順だけ
評価環境
• DARE及びGAYAサーバモジュール実行環境
OS
CPU
Memory 接続形態
WindowsXP SP2 Intel PentiumM 1.8Ghz 1.0GB
IEEE802.11g
• GAYAクライアントモジュール実行環境
OS
CPU
Memory 接続形態
WindowsXP SP2 Intel PentiumM 1.6Ghz 768MB
IEEE802.11g
DAREの排他制御を完了するまでの
実行時間
•
•
ランダムにユーザの要求を発生させ、それぞれ50回ずつ計測
平均実行時間15ミリ秒
– 100ミリ秒(ユーザが処理を意識してしまう時間)以下なため、有効な時間であ
る
• 参考:http://www.bohmann.dk/articles/response_time_still_matters.html
空間数の変化によるGAYAのMPDP配
布時間変化
• 空間数を変化させて配布時間を測定
– 608バイトのMPDPを配布する。
• 測定結果
– 近似:y = 0.19x + 22.12 (ミリ秒)
– 100個の空間があったとして,約41ミリ秒
定性評価
比較項目
DAREGAYA
ユーザの関係考慮
○
機器が存在する
○
空間の考慮
設定のしやすさ
△
単純なポリシ
×
×
○
• DAREGAYA
– ユーザが階層的なグループとして存在し,様々な空間か
ら構成される環境において有効
• 単純なポリシ
– ユーザが皆同じ立場で,1つの空間から構成される環境
において有効
まとめ
• マルチユーザ・コンテキストアウェアサービス環境の
ための柔軟な排他制御手法
– MPDPによる排他制御及び空間単位MPDP配布手法の提
案
• DAREGAYAシステムの設計・実装
• 評価
– 実用的な実行時間
– 環境に適応した排他制御を実現したい場合に有効
今後の課題
• 多様なPDAlgoの用意
• MPDP記述の柔軟性の強化
– 不特定多数のユーザが機器利用を行う際の対応
• 公共空間等
ご清聴有難う御座いました