第3章 データリンク - 教職員・研究者のためのコンピュータ利用案内

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3.1 データリンクとは
4407010 榎本健太
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データリンク
通信媒体で直接接続された機器間で通信する。
– 通信媒体の例
→ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、光ファイバー、電波、赤外線 など
– 具体的な通信手段
→イーサネット、無線LAN、MPLS など
データリンクとはネットワークの最小単位である。
↓
インターネットによる通信は「データリンクの集合
体」といえる。
2
3.1.1 MACアドレス
• データリンクに接続しているノードを識
別するために利用される。
• 48ビットの長さを持つ。
• ネットワークインターフェイスカード(NIC)
は世界中で1つしかない。
3
MACアドレスのフォーマット
4
3.1.2 媒体共有型のネットワーク
• 通信媒体を複数のノードで共有するネッ
トワーク
例:イーサネット、FDDI
・MACアドレスが必要である。
・基本的に半二重通信である。
半二重通信:データ送信中はデータの受信ができず、
データ受信中はデータの送信ができない。
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コンテンション方式
データの送信権
を競争で奪い取
る方式である。
CSMA/CD方式が採用されている。
CSMA/CDでは衝突を早期に検出、素早く通信路を開
放する制御が加えられている。
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トークンパッシング方式
トークンというパケットを巡回させ、トークン
で送信権を制御する。またトークンを持つ
ステーションのみがデータを送信できる。
衝突が発生しない。
誰でも平等に送信権が回ってくる。
アーリートークンリリース方式、アペンドトークン方式、
複数のトークンを同時に巡回させる
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トークンパッシング方式の図
信号を受け取った
後のトークン
(ビジートークン)
信号を受け取る
前のトークン
(フリートークン)
トークンパッシング方式
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3.1.3 媒体非共有型のネットワーク
• 通信媒体を共有せずに専有する方式である。
・適用例…ATMなど。
• ステーションをスイッチに直接接続する。
・多くの場合全二重通信である。
• スイッチの高機能化をする。
・VLAN構築やデータ流量の制御が可能である。
・スイッチが故障すると全てのコンピュータが
通信不可能という欠点あり。
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3.2 イーサネット(Ethernet)
4407402 丹野 雅弘
イーサネットとは
 イーサネットは、現在最も普及している
データリンク。
 制御の仕組みが単純で、NICやデバイスド
ライバが作りやすく、そのため低価格であ
る。
 互換性と将来性を備えたデータリンク
イーサネットネットワーク
イーサネットの種類と特徴
 10BASE、100BASE、1000BASE。
 10BASE2、10BASE5、10BASE-T。
 速度の違うものは、速度変換機能を持つブ
リッジやスイッチングハブやルータなどで
変換をすれば、繋げることができる。
イーサネットの種類
CSMA/CD方式
• データ送信の制御をしている。
• 機能
1. 搬送波が流れていなければ(データが流
れていなければ)すべてのステーション
はデータを送信してよい。
2. 衝突が発生したかどうかを検出し、衝突
が発生した場合には送信をやり直す。
CSMA/CD方式の図
半二重通信
• 半二重通信とは、送信している間は受信でき
ず、受信している間は送信できない通信のこ
と。(例:トランシーバー)
• Ethernetの世界では、10Base2 や 10Base5 の
ように同軸ケーブルを使用したバス型ネット
ワークが代表的な例と言える。
全二重通信
• 全二重通信とは、送信と受信が同時に行える
通信のこと。(例:電話)
• Ethernetの世界では、ツイストペアケーブルを
使う10Base-T や 100Base-TX がこれにあたる。
イーサネットのフレームフォーマット
主なイーサネットのタイプフィールドの
割り当て
3.3 MPLS
4407036 榊原 悠
3.3.1 MPLSとは
 MPLS(Multi-protocol Label Switching)
IPパケットに「ラベル」を貼り付けて、
「ラベル」を元にIPパケットを転送する方式
• 今までは
→IPアドレス経路制御表を元にして転送
• MPLSを用いると
→MPLSネットワーク内では、
「ラベル」を見て転送処理
3.3.1 MPLSとは
• 利点1
転送処理の高速化
→固定長のラベルで処理の単純化
• 利点2
ラベルを利用してつくった
仮想的なパス上でIPパケット通信が可能
3.4 無線通信
4407036 榊原 悠
4.3.1 無線通信の種類
• 通信距離に応じて様々な種類がある。
・短距離無線
・無線PAN
・無線LAN
・無線MAN
・無線RAN
・無線WAN
・・・数m
・・・10m前後
・・・100m前後
・・・数km~100km
・・・200km~700km
4.3.2 IEEE802.11
• 無線LANプロトコルの物理層とデータリンク層
の一部(MAC層)を定義した企画
• 様々な種類の総称でもあり、1通信方式でも
ある
• 電波or赤外線を用いて通信する。
→速度は1~2Mbps
• 性能が劣るため最近はあまり使われない
3.4.3 IEEE802.11b,IEEE802.11g
• 2.4GHz帯の電波を利用
→速度は1~2Mbps
• 30~50mで通信可能
• 一般の無線LANはこの規格を利用している
3.4.4 IEEE802.11a,IEEE802.11n
• 5GHz帯の電波を利用
→最大速度は54Mbps
• 電子レンジなどの電波帯を利用しないので干
渉されにくい
• 802.11b,802.11gとは互換性がない
3.4.5 無線LANを使用する場合の留意点
• 無線LANは幅広い範囲で使用可能
→利用者以外でも使われてしまう!
■対策として…
送受信時の暗号化
• 帯域が近い製品がある場合
何らかの誤作動や電波干渉によって通信転
送能力が低下
3.4.6 Bluetooth
• IEEE802.11b/gと同じ帯域(2.4GHz)
• 速度は3MHz,10mで最大8台まで可
• 小さな機器を対象
例:携帯電話、キーボードやマウス、ワイヤレ
スヘッドフォン
3.4.7 WiMAX
•
•
•
•
•
マイクロ波を使って無線接続を行う
無線MANに属する
IEEE802.16の中で標準化
WiMAX Forumによって命名
WiMAX Forumはメーカー間の機器互換性や、
サービスの相互接続性などを検証
3.5.PPP
(Point-to-point protocol)
4407010 榎本健太
3.5.1.PPPとは
• OSI参照モデルの第2層に相当するデータリンクプロ
トコル
• 電話回線やISDN、専用回線(専用線)、ATM回線な
どで利用されている
• ADSLやケーブルテレビなどを使ったインターネット接
続では、PPPoEとして利用されている
3.5.2.LCPとNCP
 LCPは上位層に依存しないプロトコル
・コネクションの確立や切断
・パケット長の設定
・認証プロトコルの設定
・通信品質の監視の設定
 NCPは上位層依存プロトコル
・上位層がIPのとき、IPCPと呼ばれる
・IPアドレス設定
・TCP/IPのヘッダ圧縮が可能
3.5.3 PPPのフレームフォーマット
• HDLCと呼ばれるプロトコルと同じ方式
• “01111110” (フラグシーケンス)を前後に置きフ
レームとして区切る
• PPPはソフトウェアで実行されるため、コンピュータ
に大きな負荷がかかる
フラグ
1オクテッ
ト
(0111111
0)
アドレス
1オクテッ
ト
(11111111
)
制御
1オクテッ
ト
(00000011
)
タイプ
1オクテット
データ
0~1500オクテッ
ト
FCS
4オクテッ
ト
フラグ
1オクテッ
ト
(01111110
)
PPPoE(PPP over Ethernet)
• ADSLやケーブルテレビなどで利用されるプロトコル
• イーサネットのネットワーク機器やNICなどを用いる
ので、安価である
• PPPの認証機能などを利用して、プロバイダが顧客
の管理をしやすくなる。
3.6 ATM
4407010 榎本健太
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ATMとは(1)
・Asynchronous Transfer Mode
・“セル”と呼ばれる単位で処理するデータリンク
セル
「ヘッダ5オクテット」
+
「データ48オクテット」
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ATMの通信回線(1)
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ATMの通信回線(2)
• TDM(Time Division Multiplexor)の拡張利用
で通信効率を向上
• 回線の順番に関係なく、データが来た順にスロット
に入れる
• 受け取ったデータがどの通信のものか不明
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ATMの通信回線(3)
 識別のために、5オクテットのヘッダを付加
VPI(Virtual Path Identifier)
ヘッダ
VCI(Virtual Channel Identifier)
直接通信を行う2つのATMスイッチ間で設定
される値
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ATMの通信回線(4)
• ATMの利用により、空きスロットを軽減
• 回線の利用効率UP
• ヘッダの分だけ通信速度は低下
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ATMの特徴(1)
• コネクション指向のデータリンク
通信前に、通信回線の設定が不可欠
(例:電話)
• この仕組みをシグナリングという
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ATMの特徴(2)
 同時に複数の通信回線を接続可能
 この回線接続をSVCという
SVC
(Swiched Virtual Circuit)
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ATMの特徴(3)
ATMには、イーサネットやFDDIのよう送
信権はない
好きなときに好きなだけデータを送信可能
ここで問題が・・・。
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ATMの特徴(4)
すべてのPCが同時に大量のデータを
送信
ネットワークが混雑して、ふくそう状態に
対策として、帯域を細分化する機能
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ATMと上位層(1)
• ATMのセルでは一つあたり48オクテットのデー
タしか送れない
• そのため、ATMの上位層としてAAL(ATM Ad
aption Layer)と共に利用
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ATMと上位層(2)
ATMでパケットのセル化
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ATMと上位層(3)
ATMでのIPパケットの配送
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ATMと上位層(4)
192個のセルのうち、一つでも欠けると、
IPパケットは破損
AAL5(IPでの上位層)のフレームチェッ
クでエラー発生
受信したセルはすべて処分
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ATMと上位層(5)
TCPはデータ転送の信頼性のために、
再送処理を実施
192個すべてを再送
セルの喪失しづらいネットワークの作成
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ATMと上位層(6)
• 解決策
・末端のネットワークの帯域の合計をバックボーン
の帯域より小さくする
・ふくそうが発生した場合に、ATMコネクションの帯
域を動的に変動させる技術
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3.7 その他のデータリンク
4407402 丹野 雅弘
1.1.FDDI
(Fiber Distributed Data Interface)
• ネットワークのバックボーンやコン
ピュータ間を高速に接続するために
利用されている。
• トークンパッシング方式(アペンド
トークンパッシング方式)を採用。
• トークンパッシングを使用しているた
め輻輳に強い。
1.2 FDDIネットワーク
2.Token Ring
• IBMによって開発されたトークンパッシング型
のLANで、4Mbpsまたは16Mbpsのデータ
伝達速度を実現する。
• イーサネットの普及とともに使われなくなった。
3.100VG-AnyLAN
• IEEE802.12で標準化されたプロトコル。
• VGは、Voice Gradeの略。
• 音声グレードのカテゴリ3と呼ばれる品
質のUTP( Unshielded Twist Pair )
ケーブルで100Mbpsの速度を実現。
• デマンドプライオリティ方式の採用。
4.ファイバーチャネル
(Fiber Channel)
• 高速なデータチャネルを実現するデータリン
ク。
• SCSI (スカジー、Small Computer System
Interface、小型計算機システムインタフェー
ス)のように周辺機器を接続するバスに近い
仕組み。
• 133Mbps~40Gbpsのデータ伝送速度を実
現。
• SAN(Storage Area Network)を構築するデー
タリンクとして注目されている。
5.iSCSI
• SCSIをTCP/IPネットワーク上で利用
する規格。
• SCSIのコマンドとデータをIPパケット
に包含して、データの送受信を行う。
• 遠隔地にあるSCSIデバイスを直接
操作することが可能になる。
6.HIPPI
(HIgh Performance Parallel Interface、
高速並列インタフェース)
• 800Mbpsまたは1.6Gbpsのデータ伝送速
度を実現する。
• スーパーコンピュータ同士を接続するの
に利用する。
• 光ファイバーへの変換装置を接続すると
数キロまでケーブル長を伸ばせる。
7.IEEE1394とDOCSIS
・IEEE
AV機器を結ぶ家庭向けLANとして注目される。
100~800Mbps以上のデータリンク速度を実現
する。
・DOCSIS (Data Over Cable Service Interface
Specifications)
ケーブルTV業界でデータ通信を行うための標準
規格で、MCNSが策定した。
CATVの同軸ケーブルにケーブルモデムを接続し、
イーサネットとの変換を行うための仕様を標準
化している。
8.高速PLC
• 家庭内やオフィス内にある従来からの電力線
(電灯線)を利用して数MHz~数十MHzの帯
域を使い、数十Mbps~200Mbpsの伝送速
度を実現する。
• 電力線を使うため、新たにLANを配線しなくて
済む。
• 対応する家電機器やオフィス機器をコント
ロールするという利用方法が期待されている。
• 電波の遺漏による影響が心配されるため屋
内での利用に限定される。
9.データリンクの種類と特徴
WAN: Wide Area Network -「広域通信網」の略。電話回線や専用回
線を使って、本社-支社間など地理的に離れた地点にあるコン
ピュータ同士を接続し、データをやり取りすることを言う。
MAN: Metropolitan Area Network - 都市規模ネットワーク。LAN(ロー
カルエリアネットワーク)よりも大きくWAN(ワイドエリアネットワー
ク)よりも小さな中規模ネットワークを指す総称として使われる。
3.8 データリンクの技術変化
4407402 丹野 雅弘
1.1.スイッチング技術
• スイッチングハブやイーサネットスイッチなど
の機器を利用して、ネットワークに接続されて
いるホスト数が多くても通信性能を下げない
ようにする技術。
1.2.セグメント
• 「区切られた1つのネットワーク」を指す。
• 使われ方は様々で、リピーターを介して、2本
のイーサネットケーブルを接続し、1つのネッ
トワークを構築すると
・ネットワーク層から見ると1つのネットワーク
→2本のイーサネットで1セグメント
・物理層から見ると2本のイーサネットは別物
→1本のイーサネットで1セグメント
1.3 スイッチの転送方式
• ストア&フォワードとカットスルー方式という2つの方
式ある。
ストア&フォワード
FCS(Frame Check Sequence)をチェックしてから転送を
行う。
壊れたフレームやノイズによるエラーフレームを転送
しない
カットスルー方式
遅延を非常に小さく抑えられるというメリットがある。
パケットの検査ができないので破損したパケットが届
いてものまま送り出してしまうといったデメリットもある。
2.1.ループを検出するための技術
・ループとは
ネットワークにおいてフレームを次々にコピーし、
永久に回り続けること。回り続けるフレームが増
えるとネットワークがメルトダウンする。
・ループの解決方法
スパニングツリー方式とソースルーティングの2
つの方式がある。これらの機能を持ち、適切な
ループを作成すれば、トラフィックを分散させたり、
経路の対障害性を高めることができる。
2.2.スパニングツリー
• IEEE802.1Dで定義されている。
• 各ブリッジは1~10秒の間隔で、BPDU
(Bright Protocol Data Unit)というパケッ
トを交換する。
• 使用するポートと使用しないポートを決
定し、ループを消すように制御する。
• ブリッジ機能のみでループを解消できる。
2.3.ソースルーティング
• IBMによってToken Ring用に開発された。
• 送信コンピュータがどのブリッジを経由し
てフレームを流すかを決定し、フレーム
のRIF(Routing Information Field)に書き
込む。
• ブリッジによるループがあってもフレーム
はループすることなく、目的地まで到着
する。
3.1.VLAN(Virtual LAN)
• ネットワークの配線を変えずに、
ネットワークの構造を変えること
ができる。
• 異なるVLAN間のすべての通信を
遮断することで、余分なパケット
が流れず、効率的な運用ができ
る。
3.2.VLANとタグLAN
・単純なVLAN
スイッチのポートごとにセグメントを分け、ブロードキャストドメインを区切ることが
でき、ネットワークの負荷を軽減できる。
・タグVLAN
異なるスイッチをまたがるセグメントを構築できる。
セグメントごとにVLANIDを設定する。