統合計画でのミュオン実験・制御システム

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MLFミュオン施設での
DAQ
2005年10月14日 J-PARCにむけてのデータ収集ワークショップ
ミュオングループ 河村 成肇
現在のシステム
原子核実験的なR&Dを必
要とする実験では、
Rodemを用いず、exp2k
単独での制御となる。
Event by event data
PMT
LeCroy TDC3377
K3929/K3976
NIM/ CAMAC
m-e崩壊電子
SCSI
Exp2k
on Linux
TCP/IPで
相互制御
m
sample
実験条件制御
クライオスタット
電磁石
Rodem
(LabView macro)
on PC
Rodemにより、
自動的に実験条
件を変化させる
ことができる。
現在のシステム
Paw++(CERN lib)
TCP/IP
Exp2k
Exp2k
CAMACの制御、DAQ
Linuxベース オリジナルプログラム
温度、磁場制御機構の開発 △
Rodem
温度、磁場の制御
Windowsベース LabViewのマクロ
CAMAC制御機構の開発 △
現在のシステムの問題点


NIM/CAMACを使っているため将来性がな
い。
Exp2kとRodemという二つのデータ収集システ
ムのどちらがメインか判然としない。
Exp2kはLinux+CERN libを用いるため物性ユー
ザーにはなじみずらい。
 Rodemにはデータビューアの実装がない。
 Exp2kは様々な遠隔操作機能を実装、Rodemでも
vcnなどを使えば一応可能。
 VMwareなど使えばいくらか緩和?

J-PARCで問題となる点

ビーム強度が上がる
⇒パルスあたりのミュオン数の増加
⇒検出器でのシグナルのパイルアップの問題
⇒検出器の高セグメント化
KEK booster 32-pair counters
RIKEN-RAL 192 single counters
J-PARC muon >1000 counters?
⇒コストの問題

CAMAC(600ch程度が限界)を用いることは不可能
統合計画でのシステム
MultiPMT
anodePMT
Event by event data
LeCroy TDC3377
K3929/K3976
第1段階 検出器の高セグメント化
第2段階 CAMAC⇒VMEへの置換
第3段階 DBサーバとの連携
NIM/
NIM/CAMAC
VME
m-e崩壊電子
DMA
Exp2k
UniDAQ?
on Linux
DBサーバとの連携
TCP/IPで
相互制御
m
sample
実験条件制御
クライオスタット
電磁石
Rodem
(LabView macro)
on PC
J-PARCでの検出系の開発

KEK共同開発研究として以下の開発を行っ
ている。
アバランシュフォトダイオードを用いた検出
 FPGAを用いたトリガーシステム
 VMEベースのDAQシステム

中村哲(東北大)
 河村成肇(KEK)
 宮寺晴夫、今尾浩士(東大)

APDとは・・・

自己増倍機能を持った高感度光センサ
光半導体素子を使って微弱光検出をする際のノイズ→検出回路のノイズ
APDは検出素子自身に増倍機能がある→読み出し回路の雑音 1/10~
1/100

ダイオードのブレークダウン電圧以上に設定する→不安定な平衡状態
→光子の入射で一気にブレークダウンを生じ、APDの接合間電圧が、ブ
レークダウン電圧まで一気に降下。このときパルス電流が発生し、それがさ
らに内部増幅(アバランシェ増幅)され大きなパルス電流を生む。

アバランシェ:pn接合領域で、電子・空孔ペアが加速され、原子との衝突でさ
らに複数の電子・空孔ペアを作り出す過程。
メリット
デメリット
小型
素子は安価
磁場の影響を受けにくい
熱の発生が少ない
増倍率
有効面積が小さい
時間分解能
暗電流対策として冷却システムが必要
APDモジュール

APD素子+プリアンプ
生シグナルとCFDを出力。
浜松ホトニクスと共同開発
Active Area
Break Down V
5x5mm2
400-500V
Cut-off Frequency
40MHz
Photo Sensitivity (580nm, Gain=50)
21A/W
Quantum Efficiency (580nm, 25C.)
85%
Gain (360V, 20C.)
102
Capacitance (360V, 25C.)
80pF
Dark Current (360V, 25C.)
7nA
新開発のAPD
C4777-3939
波長依存性等への対策
通常のプラスチックシンチレーターの波長は青
⇔ APDは赤外域に最大感度
Matreial
Density
(unit)
NE-102
g/cm3
1.03
Refractive
Index
1.58
Melting
Point
degree C
75
Conversion
Efficiency
29
Photons
per MeV
10000
Emissiom
Maximum
nm
423
•580nm近辺で発光するプラスチックシンチレー
ターの採用(BC-430)。
→Decay Constantが数倍悪い
•APD素子のゲインの改造(×2~3)。
→プリアンプのゲイン向上と併せて×10倍
Decay
Constant
ns
2.4
Hygro
scopic
no
Radiation
Length
cm
Radiation
Hardness
Rad
Afterglow
% at 6ms
APDのジッターとデッドタイム
コインシデンスを取った2台のAPDの時間の差を解析
35.8ns(rms)・・・1台のAPDでは25.3nsの時間分解能
信号間の間の時間を解析→デッドタイム
50ns・・・APDの出力シグナルのパルス幅(25ns)×2=検出限界以下
100
100
Number of Events
80
60
40
10
20
0
-60
-40
-20
0
Time Jitter [ns]
時間分解能の測定
20
40
60
1
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
2000
Time Intervals Between Events
デットタイムの測定
APDの耐磁場性能
1.3
1.2
Signal Gain
1.1
1
0.9
0.8
0.7
0
0.5
1
1.5
Magnetic Field [Tesla]
1.9Tでもほとんどゲイン変化が見られない。
2
APDを用いたmSR測定
100000
Events
10000
1000
f (t ) = N0 exp ( -t / m) { 1 + A・cos( + mH0 t ) }
N0 = 1.527×10 5,
A =0.2451,
 = 206 [deg] ,
H0 =37.13 [gauss].
100
0
2000
4000
6000
8000
Time [ns]
10000
12000
14000
16000
APDを用いて得られたAlのmSRヒストグラム
その他の開発状況

Multi-anode PMT
⇒ 第2実験室大オメガ用検出器に実装

トリガー系の改良
中間子施設では短期間(数日~数週間)に実
験が入れ替わる ⇒ FPGAを用いたトリガー
系の開発に着手(Verilog HDLベース)

VMEベースのDAQ(UniDAQ+AMT TDC)
まとめ

統合計画ミュオン実験施設でのデータ収集・制
御システムの開発はまず検出器の高セグメント
化、CAMACとVMEの置換から行う。(既にテスト
的な作業は開始されている。)
本当にVMEでよいのか?将来性は?
 DAQプログラムはどうするか?スクラッチ?外注?


第2段階としてDBサーバとの連携
職人技(?)の解析方法からの脱却
 簡易な実験・解析システムの構築
