Transcript 第7回

非営利組織の経営Ⅳ/Ⅴ部
佐藤建仁
田中清隆
人事と人間関係の3側面
Key Word (P,183)
人に関する決定が、究極的な、そしておそらく唯一の組織
管理の手段である。
使命達成のために最大限の効果をもたらす、
人のマネジメントとしての側面
「人間変革機関」としての
自己開発という側面
非営利機関で働くことの
意義としての側面
【使命達成のために最大限の効果をもたら
す、人のマネジメントとしての側面】
・なされるべき仕事から出発する一連の人事
プロセス
・「多数の利害者が存在する」という
非営利組織特有の性質に関するマネジメ
ント
・なされるべき仕事から出発する
一連の人事プロセス
成果によ
る評価
Key Word (P,184)
(P,190)
Key Word (P,184)
使命
仕事
「なされるべき仕事」
と「強み」の
高い要求
マッチング
非営利組織のトップは、何も生み出さない人を
③焦点は常に実績に。
②複数の人物に目を向けなければならない
去らせることに躊躇しがちである。
①なされるべき仕事から始まる
その人物の具体的な強みを見なければならない。
・なされるべき仕事から出発する
一連の人事プロセス
何が必要か
を考える責任
仕事
使命
それぞれが
何をしようとしているのか
明確に理解
仕事
Key Word (P,225)
『非営利機関は情報を基盤とする組織でなければなら
ない』
・「多数の利害者が存在する」という
非営利組織特有の性質に関するマネジメント
・コミュニティ
→病院の例
・ボランティア
→報酬や昇進ではない「何か」
・理事会
Key Word (P,200)
関係は双方向であってはじめて機能する
理事会について
・非営利組織に特有な存在(企業と違い深く関わってく
る)
・使命に根ざした活動の補助+資金獲得の役割
・「干渉問題」→役割を明確に示し、関係を維持
役割の明示と情報の双方向性の確保
Key Word (P,222)
強力な理事会を持つことが非営利組織のためになる
Key Word (P,226)
非営利機関の理事会は、CEOにとって必要な道具であると同時
に、良心ともいうべき存在である。
人事と人間関係の3側面
使命達成のために最大限の効果をもたらす、
人のマネジメントとしての側面
「人間変革機関」としての
自己開発という側面
非営利機関で働くことの
意義としての側面
【非営利機関で働くことの意義としての側面】
Key Word (P,189)
非営利機関の大きな強みは、人々が生計のためではなく、
大義のために働いているところにある。しかし、この事実が
また、非営利組織に対し、情熱を維持し、仕事を単なる雑
事にさせてはならないという大きな責任をもたらす。
Key Word (P,222)
組織に働く者が給与や昇進だけで動機づけられていないこ
と、彼らがそれ以上の何かを必要としているということを・・・
<中略>非営利機関ではその何かが、企業よりもずっと必
要とされている。
組織に働く者が求める「何か」
・自分の行なったことがどのような形で成果
と結びついているかという「実感」
・何かをやり遂げたという達成感、満足感
・自分が必要とされているという誇り
それらはどのようにして与えられるか
ー仕組みの再考ー
・使命を実感、共有すること 例:小児癌病棟
Key Word (P,190)
使命を意識することこそが、非営利機関に計り知れない強みをもたらす。
・それぞれが何をしようとしているのかを明確にす
ること(≒情報の双方向性、共有)
・「仕事」から始まり、「能力」と「実績」に焦点を当て、
高い「要求」をする人事
人事と人間関係の3側面
使命達成のために最大限の効果をもたらす、
人のマネジメントとしての側面
「人間変革機関」としての
自己開発という側面
非営利機関で働くことの
意義としての側面
【「人間変革機関」としての自己開発という側面】
■活動のプロセスの中での気づき
高い基準を求める→自分の弱みの発見
新たな課題を発見→必要な能力の発見
■動機づけとしての使命
・「共通のビジョンがあるから質が維持される」
・「動機づけさえ適切であれば、能力の開発がまさ
しく彼らのニーズの一部になっていくのです。」
成果を求めれば自己開発の必要性に気づ
く
自己開発は何かしらの意義がなければ見
出されない
意義を享受するには使命へのより深い取
り組みを求めるようになる
非営利組織の3側面
使命達成のために最大限の効果をもたらす、
人のマネジメントとしての側面
「人間変革機関」としての
自己開発という側面
非営利機関で働くことの
意義としての側面
3側面それぞれお互い不可欠な表裏一体の関係
それぞれの側面のバランスを意識して活動していくことが重要
【自己開発をする目的とは】
Key Word (P,232)
彼らは(非営利機関で働く人々)、金銭的な報酬を得るわけ
ではない。それだけに、組織からきわめて多くのものを得よう
とする。
・自分を信じさせ、支持させる
・自信と自尊 ・満足と自尊
組織に対して最高の成果をあげることが必要
自己開発 をし、自分の最高のものを引き出す
個人の上位目的
組織の上位目的
【自己開発のポイント(目次)】
①選択と集中のための4つのプロセス
(1)自分の気質や個性を明確に理解すること
(2)所属する組織の分析
(3)組織の関係者と話をし、見直しを行う
(4)自己分析と組織分析のマッチング
②自己刷新
自己刷新を行うための手法
1、教えること
2、組織の外に出ること
3、一兵卒として奉仕すること
①選択と集中のプロセス
(1)自分の気質や個性を明確に理解すること
Key Word (P,239)
基本的な問いは、「一人の人間として、自分は何に向いてい
るか」である。
・・・己を知る上で、さらに留意すべきこととして
Key Word (P,244)
自らの強みをはっきりさせるものは、成果である。
好きなことと、うまくやれることとの間には、ある程度
の相関関係があるが、必ずしも一致していない。
ゆえに、より成果に目を向ける必要がある。
①選択と集中のプロセス
(2)所属する組織の分析
基本的な3つの問いかけ
1、組織が有する価値観は自分にあっているか?
2、その組織は堕落していないか?
3、自分の成果が正当に評価されているか?
(3)組織の関係者と話をし、見直しを行う
Key Word (P,234)
自分が依存している人々や、自分に依存している人々と
話をすることこそ、自分の仕事であり、責任である。
何が助けとなり、障害となるか、何を変える必要がある
かを体系的に知ることが出来る。
e.x) ・計画の年に1、2回の見直し
・オーケストラメンバーへの手紙
①選択と集中のプロセス
(4)自己分析と組織分析のマッチング
そのときの自分と組織がうまくかみ合っていないと判断した
場合は辞めることが正しい決断である。
【自己開発のポイント】
①選択と集中のための4つのプロセス
(3)関係者との会話
(1)自己理解
(2)組織の分析
(4)マッチング
②自己刷新
・自らの活動のマンネリ化や緊張感の欠如を防ぐため、
ときどきは変化を与えて、自分自身へ刺激を与えることが必要
Key Word (P,242)
仕事の中に学ぶことを組み込み、かつそれを維持していくに
は、結果と期待のフィードバックの仕組みをつくらなければな
らない。
*自己刷新の必要性は組織そのものにも当てはまる
Key Word (P,246)
非営利機関の役員は、組織が、計画や予算よりもいい成績
を収めた分野についてこそ、第一ページに記させるべきである
そこに予期せぬ成功の兆しが隠されている
自己刷新のきっかけ
②自己刷新
自己刷新のプロセスを維持していくための最も一般的で強力
な手法
1、教えること
2、組織の外に出ること
3、一兵卒として奉仕すること
そして、自分自身を刷新することを促す最も重要な問いは、
Key Word (P,248)
私は、いつもこの問い、「何をもって記憶されたいか」を自ら
に問うている。
【対話編1・企業とNPOのマネジメントの違い】
ドラッカー: (企業からNPOへ転身して)行動を大きく変える必要はありまし
たか?それとも行動は同じであって、目的と方法が変わった
だけですか?
バフォード: 後者だと思います。
バフォード: 私は、それまでずっと持っていた企業家としての能力と同じ
ものを使っています。しかし、今私はそうした能力を、違う種類の
目的のため、違う種類の大義のために使っています。
企業
非営利組織
行動・能力
目的・方法A
目的・方法B
目的・方法・大義が企業とは異なることで、NPOの参加者はどんな意識を
もつことが要求されるのか?
バフォード: 使命と目標、何を第一とすべきかについて、明確な意識を
持つこと
バフォード: 自分自身についての知識(個性・気質)を持っていることが
非常に重要である。
<NPOと企業の違い(私見)>
NPOは使命を中心として回る組織であるからこそ、常に自分自身との
対話作業を継続することで目的を見失わないことが必要である。
【対話編2・非営利機関の(女性)役員の自己開発】
スピッツァー=レーマン: 「私は、最善の自己開発とは、他人を開発する
ことだと思います。」
他人を開発することとは、
・答えを与えるのではなく、ブレーンストーミングや思考を助ける
・目標とビジョンを設定する
・彼らを認め、奨励し、そして彼らに時間と、技能と道具と、環境を与える
役員
開発
満足→自己開発
組織
構成員
最高の成果