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6月26日 第9回発表
藤井 海太
IMD
World Competitiveness
Yearbook
今回の概要

競争力の指標として有名な、IMDのWCY (World Competitiveness
Yearbook) がどのようなものかを紹介していく

特に、使われている指標やランキングの方法について扱う
WCYとは?

IMD (International Institute for Management Development, 国際経
営開発研究所, スイスに本部を置く調査研究機関)が毎年発表してい
る、国の競争力を示すランキング

WCYの国際競争力とは、企業の活動を支援する環境の整っている度
合い、と見ることができる

指標の作成は統計データとアンケート調査の結果を用いて作成される
調査の概要(2008年)
評価対象国・地域
55ヶ国・地域
収集データ項目
331項目
ハードデータ(統計データ)
208項目
ランキング算定に使用する項目
131項目
背景情報を示すために使用する項目
77項目
ソフトデータ(アンケート調査)
123項目
アンケート調査の送付先
評価対象国の企業人(経営幹部層)
回答者数
3960人
調査協力機関
世界52機関(日本では三菱総研)
データについて

4つの大分類、さらにそれぞれにつき5つの小分類に分けられる

小項目が含む項目数は同じではない
経済状況
(80)
政府の効率性
(73)
ビジネスの効率性
(70)
インフラ
(108)
国内経済(28)
財政(12)
生産性(11)
基礎インフラ
(24)
貿易(21)
租税政策(14)
労働市場(22)
技術インフラ
(21)
国際投資(19)
制度的枠組(15)
金融(20)
科学インフラ
(22)
雇用(8)
ビジネス法制度
(21)
経営慣行(10)
健康と環境(22)
物価(4)
社会的枠組(11)
意識と価値(7)
教育(19)
ランキングはどのように算出されるか?

ランキングのための基礎的単位として、STD数値と呼ばれる、数値
データを標準化したもの(standardized value)を用いる

STD数値を求めるのに使われるのが、標準偏差方法(SDM ;
Standard Deviation Method)である

SDM
1. はじめに、項目ごとに平均値を算出。次に、標準偏差を計算する
2. 最後に、各国それぞれの項目ごとにSTD数値を計算する。

小分類のランキングは、小分類を形成している項目のSTD数値を加
重平均で算出することにより決定(背景情報のための項目は除く)

このとき、ハードデータのウェイトを1、ソフトデータのウェイトを0.5とす
る

小分類を統合することで、大分類のランキングを決定する。同様にし
て、総合ランキングも決定する。

このとき、小分類のウェイトはすべて等しい。5%×20=100%
ソフトデータの扱い

回答者は、競争力に関する質問に、1から6の数値で回答する。1が否
定的な認識を表し、6が肯定的な認識を表している。

平均値を算出し、スケールを1-6から0-10へと変換する。

そして、標準偏差値へと変換することで、ランキングに利用する
IMD WCY まとめ

競争力に関連する幅広い指標から、多面的でバランスのとれた競争
環境が整備されていることが評価される形になっている

国際競争力を、企業の活動支援する環境が整っているかどうかで判
断している

IMDの国際競争力の視点は、現在よりも中長期的な将来であると言
える
まとめ

IMDの国際競争力とは、国の魅力度ともいえるものだった

他の指標はどのようなものなのだろうか?

産業競争力が強いとは、なにをもって競争力があると言うのかを考え
ていかなければならない
次回に向けて
 引き続き「国の競争優位」を読み進める
 同時に、競争力指標に関する調査も進める
以上で発表を終わります