井原章之 - 秋山研究室

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20pPSA-21
n型にドープしたT型量子細線における
PLEスペクトルの温度依存性
東大物性研、CREST(JST)、ルーセント・ベル研A
井原章之、早水裕平、吉田正裕、秋山英文、
Loren N. PfeifferA、Ken W. WestA
背景 ~ n型ドープ量子細線の意義
ドープ半導体量子構造の光物性
⇔ 状態密度の特異性 、Fermi FillingやScreeningの効果、励起子効果(exciton・trion・フェルミ端特異性)
2次元ドープ量子井戸の研究[1]は多いが
1次元ドープ量子細線の研究は少ない
2次元
電子系
exciton
trion
1次元系および二次元系電子系における発光
(赤線)・吸収(黒線)スペクトルの理論曲線
[1] By Huard et al., Phys.
Rev. Lett. 84, 187 (1999)
1次元
電子系
?
研究のターゲット
背景 ~ n型ドープ量子細線のPLE実験
<オーラル発表での報告>
「低温で測定したn型ドープ量子細線の
PLEスペクトルには、1D DOSの発散を
反映したBand edgeのピークと、Fermi
edgeを反映した吸収オンセットが現れる」
本当?
温度や電子濃度などのパラメータ
を振って確かめる!
n型ドープ量子細線における
一次元電子系のPLEスペクトル
の温度依存性の測定
口頭発表(20aXB-5)で用いた図
試料の構造、および測定配置
<試料成長法>
MBEおよびへき開再成
長法で作製
<wireのサイズ>
14 x 6nm (x 4mm)
<試料の特徴>
①Siの変調ドープ
②ゲート電極の設置
→電子濃度可変
<測定の工夫>
励起と検出を直交
偏光方向も直交
成長に関してはルーセント・ベル研のPfeiffer博士らに依頼。
光学系
自由粒子近似計算
 = 0.2meV
Te = Th = 8K
有効質量近似の2バンドモデル、
伝導帯電子がフェルミ分布、帯間光学直接遷移
  e  h
 (1  m e / m h ) e
 1 
1D
  f e  e  f h  h L   

Dj
発光 I   

Dj
D
1D
j
f e  e L     E g   d 
1D
吸収 A   
( )  1 /

ne 
1

2me

2
1
e
 E g   d 
f e  e d  e
縮退/非縮退電子の吸収スペクトルの変化
③(温度依存性)の場合のシナリオ
Fermi Edge→Band Edgeが現れるは
① 5K、電子濃度依存性
② 50K、電子濃度依存性
③ 温度依存性(高電子濃度)
BE :Band Edge
FE :Fermi Edge
低温ではFE、高温ではBEに吸収ピークが現れる。
「①5K、電子濃度依存性」で観測された傾向と一致!
まとめ
n型ドープ量子細線における一次元電子系の
PLEスペクトルの温度依存性および電子濃度依存性を測定した。
フェルミエネルギー 6meV (フェルミ温度 70K)の
1次元電子系の場合、
①低温(5K)で、Fermi edgeに相当する吸収オンセットが観測された。
②高温(50K)で、Band edgeに相当する吸収ピークが観測された。
これらの結果は、
「低温で測定したPLEスペクトルには、1D DOSの発散を反映した
Band edgeのピークと、Fermi edgeを反映した吸収オンセットが現れ
る」
という主張とコンシステントである。