予稿1 - 中原 新太郎

Download Report

Transcript 予稿1 - 中原 新太郎

参考資料:ICTを活用した地域の安全・安心について
2013.05.31
(株)地域・技術経営総合研究所
中原 新太郎
1
目次
1.はじめに
2.なぜ、安全・安心とICTなのか
3.自然災害とICT:教訓と課題
4.重大事件とICT:教訓と課題
5.総務省、自治体の取組
6.これからの安全・安心対応のICT
-期待される公共ブロードバンド移動通信システム7.まとめ
参考資料[大安協と、その成果の御紹介]
参考文献
2
1.はじめに:1995年からもうすぐ20年
1995年は平成日本の防災の一大エポック
自然災害
1/17:阪神・淡路大震災(大都市圏直下型地震)
事件・事故
3/20:地下鉄サリン事件(世界初の都市型毒ガステロ)
↓
少子高齢化だけでなく、災害・事件についても日本は「課題先進国」
↓
多発する災害に鍛えられた高度先進技術の応用と運用
↓
日本の経験と日本発のICTによる対策を世界へ提供
世界に貢献できるのは環境技術だけではない。
世界に提供できるソフトもゲーム・アニメだけではない。
3
対策:技術+人・組織の対応(ソフト)
2.なぜ、安全・安心とICTなのか
•
•
社会環境の変化:災害の質の変化と劇場型事件の増加
ICT技術の発達:一部の専門家の世界→利活用の多様化
ICTの活用がもたらすものは?(期待をこめて)
• ICTをテコにしたコミュニティーの力の復活へ
– 防犯カメラの活用
– 地域SNS(ひょこむ、はまっち、大津SNS等)/mixiのコミュニティ
– 電子メールの活用など
• ICTをテコにした組織間の壁を打破した防犯/防災/減災体制へ
– 学校、PTA、自治会、警察、地元企業などが瞬時にやりとりできる
– 作法を決めておく必要があるが、決めておけば、
組織の長を通さなくても、現場同士でやりとりできる
- GISや経路探索ソフトを使った避難路の指定
4
- スマートフォンアプリや電子掲示板の活用
2.1.社会環境の変化
by大安協(一部加筆)
•
犯罪に対する住民の不安増大
– 90年代後半から犯罪認知件数は増大
– 犯罪件数:95年:178万件、03年:279万件、08年:182万件
– 検挙率:95年の42.2%か。03年の23.2%まで低下
– なお、02年からは改善、犯罪件数も03年がピーク(警察白書)
•
自治体財政の緊迫化
– ICT活用によるコストダウンと選択による受益
– NPO、コミュニティーと行政、産業界との連携
•
コミュニティーの力の衰退
– 核家族化
– 単身世帯の増加(独身者、独居高齢者)
– (自営ではない)共働きの増加
– 近所の気配のしない住宅(気密性増大、壁の遮音性向上、高層住宅)
– →不安な状況の進展に対し、コミュニティーの力が発揮できない
5
2.2.技術の発達と社会構造
•
•
•
by大安協(一部加筆)
ICTの発達と普及
– パソコン、タブレット、スマートフォンの普及
– インターネットの普及
– RFID(無線ICタグ)の進化と普及
– 通信容量の増大と低廉化
– モバイル通信・機器の普及
– カメラ、センサー、表示装置の低廉化
– GPSなどの位置情報測定技術:高度化と低廉化
– GIS(地理情報システム):同上
社会の組織構造の変革
– 地域社会に混在する性格の異なる組織間の連携構造
=多様な主体が安全・安心まちづくりという目的で結集できる
– 既存の縦割り型情報システムの壁を撤廃するポテンシャル
– 組織の壁を超える動き
技術スタッフとしてのNPOなどの発達(地域SNS/IX、FM局の運用) 6
2.3.
縁by大安協
縁(しょくえん)=地縁=コミュニティ
=地面に打つ「くい」
織縁=同じ企業やNPOに属する
職縁=同じ仕事をしている
識縁=同じことに興味がある
幟縁(しえん)=ICTの支援で結集できる同じバナー
(幟)のもとに集う(この指とまれ)ソサエティ
近世まで縄張りといえば、地縁中心主義の
ことだったが、近代は縄張りに対する横串
だったはずの職能系列などを縦割りと呼ぶ
幟(のぼり、シ)=志(2)
志(1)=こころざし
志(2)=しるし
7
3.自然災害とICT:課題と教訓
災害発生の度に、その教訓とICT進歩で、対応が進化
・1995年:阪神・淡路大震災→パソコン通信+スニーカーネット
(死者:6,434名 行方不明者:3名 負傷者:43,792名)
課題・教訓:電話の輻輳、安否確認・生活情報提供の必要性
・2004年:新潟県中越地震→ 緊急地震速報、GIS、無線LAN
課題・教訓:速報システム、映像情報の重要性認識(しかしシステム貧弱)
・2005年:スマトラ沖地震→特定非営利活動法人BHN(Basic Human Needs 1992年設立)
を経由した業界団体(CIAJ)主体の支援
(通信業界OBからなるスタッフを派遣、救援チームのための無線
通信網と被災者のためのFM放送局構築+FMラジオ16千台寄贈)
課題・教訓:日本の社会システムは世界に通用、人というソフトの強さ
・2007年:新潟県中越沖地震→緊急地震速報、BCP(事業継続)(←リケン工場被害)、
コミュニティFM (日経地域情報化大賞2007特別賞)
(部品工場被災、死者15名 負傷者2345名 )
課題・教訓:複数機関(警察・消防・防衛・県庁)での情報共有の重要性
・2009年:台風9号→ 地域SNS、SNSコミュニティ
(兵庫県の佐用町、穴粟市中心に多数の家屋が床上浸水、倒壊)
課題・教訓:SNSによるコミュニティ力回復で被害の局限化/復旧加速
8
2011.3.11東日本大震災にて
①スキルと意識の高い「個人」が初動から活動
②ソーシャルメディアの躍進(Twitter、Facebook、地域SNS)
③スマートフォンアプリや電子掲示板の開発
④シミュレーターの利活用本格化
⑤IT企業による支援活動、企業のCSR、NPOの活躍
⑥オールドメディア(紙の新聞)とICTのハイブリッドの出現
⑦公共クラウドの進展
⑧情報ボランティアの出現
9
浮き彫りになった課題、内包されている課題
①広域の情報送付先の欠如、情報司令塔の不在
->公職にない特定個人への情報殺到、司令塔化(多大なストレス)
②最前線からは情報発信できず<-機材以前に時間の余裕無
③高齢者等、情報弱者への対応の遅れ
④防災無線、定点カメラ、優先回線等非常用機器の不具合続出
⑤衛星電話等、非常用通信機器の不備(情報面での孤立地域の出現)
⑥住民台帳等基礎住民情報のバックアップ
⑦カルテ等の医療情報のバックアップと仮説医療施設への供給
⑧個人に必要な情報の選別と供給体制
⑨省庁・部局間の壁:権益以前に使用言語が異なり通訳が必要
⑩他地域へ避難した住民のケア
⑪地権者の確定が困難であるが故の復興計画の遅れ
⑫復興作業者、住民双方の心のケア(PTSD等)
⑬ITスキルの有無で経済格差(特に障碍者や母子家庭等の社会的弱者)
⑭放射性物質以外のアスベスト等有害物質の見逃し
10
総務省 つながる!こわれない!災害に強い情報通信技術のご案内より
11
総務省 つながる!こわれない!災害に強い情報通信技術のご案内より
12
総務省 つながる!こわれない!災害に強い情報通信技術のご案内より
13
総務省 つながる!こわれない!災害に強い情報通信技術のご案内より
14
総務省 知識情報社会の実現に向けた情報通信政策の在り方~東日本復興及び日本再生に向けたICT総合戦略~
平成23年7月25日情報通信審議会
15
災害用のシステムは日常からの使用が重要
• GISで避難路を設定するだけでなく、実際にPTAと
児童が歩いてみてコースの高低、障害物の有無等
を確認するのが良い。
• コミュニティFMや地域ワンセグも普段から視聴して
もらえる番組作りを。
• 独居老人や新住民のコミュニティへの組み入れ。
• 情報リテラシー教育。
• システムの定期的な更新とメンテナンス。
• 情報消防団の設置(ひょこむ和崎氏提唱)
16
3.自然災害とICT:課題と教訓(まとめ)
発生直後は 多(被災地)→一(首長)の情報集約
次いで
多(指揮命令)→多(被災地現場部隊)
復興時は
一(公的機関)→多(被災者)の情報提供
と時期により、情報伝達の形態が異なる。
また、情報伝達の形態により、最適な通信システムも異なる
映像情報(特に現場からのもの)の有用性と、
複数機関/組織(警察・消防・防衛・県庁)での情報共有の重要性
しかし、緊急時に実際に使える通信システムは少ない。
通信インフラの重要性の再認識:被害の局限化に必須。
↓
復旧の加速にも寄与。
途切れない通信網への期待
国際貢献としてのソフト(人)も含めたシステムの提供
17
4.重大事件・犯罪防止とICT :課題と教訓
• 1995年:地下鉄サリン事件
• 1999年:京都市立日野小学校児童刺殺事件
• 2001年:大阪教育大学附属池田小学校事件
• 2008年:秋葉原通り魔事件
教訓:映像監視の大切さ(プライバシー保護のバランスの学習)
対策
• 不審者情報の提供(HP/メール)
• 監視カメラの設置
(目的は監視のみならず、威嚇による犯罪抑制効果も)
18
5.総務省・自治体の取組
5.1.非常災害対応のための関係機関の重要通信網の現状
情報通信審議会情報通信技術分科会公共無線システム委員会公共ブロードバンド移動通信システムの技術的条件案
19
主な対応機器:防災情報システムby総務省
20
参考:防犯カメラのネットワーク利用
by大安協
21
参考:子どもの登下校見守り実証実験
by大安協
22
参考:ユビキタス街角見守りロボット
by大安協
23
参考:総務省地域安全安心情報共有システム by大安協
24
大阪の先進事例(大安協)
門真市PTA協議会「セーフティネットワークシステム」
25
大阪の先進事例(大安協)
東大阪市島之内地区「デジタル防犯マップ」
26
大阪の先進事例(大安協)池田市「ANSINメールシステム」
27
大阪の先進事例(大安協)
大阪府警本部「ひったくり抑止パイロット地区事業」
スーパー防犯灯」
は、正式には
「街頭緊急通報
システム」といい
ます。
これは、ひったくり
等の街頭犯罪の
抑止に大きな効果
を発揮するとともに
犯人検挙に大変
役立つもので、皆
さんが事件や事故
に巻き込まれた
場合、簡単に早く、
直接警察本部や
警察署に通報で
きるシステムです。
28
6.これからの安全・安心対応のICT
•
•
•
•
状況把握のため、映像情報システムが必須
災害に強い無線伝送が望ましい
災害時に混雑する公衆網より長時間占有できる専用網
他府県からの応援への対応、広域対応、
組織間連携には全国同一システムである必要
↓
公共ブロードバンド移動通信システム
「普段使っていないものを緊急時だけ使えるかという話になる。
普段使っているものの安全性を高めないと、通信途絶と孤立の
問題には対応できない」新潟県 泉田知事(新潟中越地震の経験)
29
安全・安心を確保するICTシステムの課題(私見)[調達面]
•
•
•
•
•
•
•
•
•
平時には、調達数少←自治体緊縮財政
災害・事件が起きてから緊急調達急増
調達が活発なのは半年のみ(喉元過ぎれば)
担当者、首長が変わると教訓活かされず
↓
調達の急増に対応できない(部品手配、IC増産)
調達少ない平時は生産ラインが維持できない
半年後には、仕掛品、部品在庫の山
↓
メーカーにとっては参入リスク大
製造は企業の社会的責任への対応頼み?
30
7.まとめ
ICTシステムは急速に進化→災害・事件毎に進んだシステムへ
キーワードは無線と映像
これは日本発のシステムとして、海外へも展開・貢献可能
ICTの発達
と普及
防犯利用可能
ツールの増加
文鎮型、ネットワーク
型組織への理解
組織の壁を
超えた連携
犯罪認知
件数の増加
×
×
効果的に
対処できない
コミュニティー
自治体財政
の力の衰退
の緊迫化
ICTをテコにした
コミュニティーの復権
31
ご静聴ありがとうございました。
連絡先
株式会社 地域・技術経営総合研究所 中原 新太郎
Email:[email protected]
参考文献
・情報通信審議会情報通信技術分科会公共無線システム委員会
公共ブロードバンド移動通信システムの技術的条件案
・日経地域情報化大賞2007ホームページ
http://www.nikkei.co.jp/riaward/2007/
http://www.nikkei.co.jp/riaward/2007/sympo/
・大安協ホームページ
http://www.osaka-anzen.jp/
・大安協会長代行中野氏講演資料(@CEATEC2006)
32
参考:社会安全システムと情報通信技術とによる
幟縁(しえん)の支援
大阪市立大学 創造都市研究科
都市情報学専攻 教授
中野 潔
kiyoshi◎gscc.osaka-cu.ac.jp
(◎を半角アットマークで置き換えてください)
KANSAI@CANフォーラム
情報通信学会 関西支部
大阪安全安心まちづくり支援ICT活用協議会
情報処理学会EIP研究会
•
•
運営委員
副支部長
会長代行
運営委員
-目次-
A 情報通信技術による社会安
• C 非接触ICカードによる大規模
全システムへの需要
災害時の所在地確認の可能性
B 社会安全と防犯関連実証実
験プロジェクト
33
社会安全システムとは何か [I]
• 社会安全システムの構築
• 社会安全システムの具体的
– 社会の安全・安心を確保するために、情
ターゲット
報通信技術(ICT)と人的仕組みを組み合
– 防犯
わせたシステムを構築すること
• 無線ICタグによる児
– 既存の物理的社会システムに安全・安
童の見守り
心を維持するためのプロセスを盛り込む
• 防犯カメラによる商
こと
店街、学校の見守り
• 背景
– 防災、減災:震災、水害
– 関西における学校内外での児童を対象
などの損害を軽減
とした残虐な事件
– 交通の安全確保
– 学校を舞台にした児童や教員を対象とし
– 食の安全確保
た残虐な事件
– 医療・福祉分野での安全
– 大阪府:29年連続でひったくり認知件数
確保
全国1位。
• →犯罪の多い土地柄として、社会に
認知
A 情報通信技術による
社会安全システムへの需要
34
社会安全システムとは何か [II]
•
具体的な構成要素
• アプローチ
– 活用されるICTの具体例
– 対症療法型
• カメラ
– 事前企画型=企画・設計段階から、安
全・安心の確保、災害の軽減を体系的
• 無線ICタグ
に考慮
• 非接触型ICカード
• 対象
• バイオメトリックス(生体認証)
– まちづくり、都市計画
• GPS(全地球位置確認システム)
– 既存の物理的社会システム
• 地理情報システム
» ビル管理
• メール自動配信システム
» 鉄道運行管理
• 各種データベースによる情報共有
» 道路管理
– 人的仕組みの具体像
» 食品流通
• 従来の血縁、地縁、企業縁の枠を
» 医療廃棄物物流
超えた人的ネットワークの再構築
» 産業廃棄物物流
A 情報通信技術による
社会安全システムへの需要
35
国の施策と大阪府での安全まちづくり
•
•
u-Japanと安全
•
– 食の安全、防犯、災害対応の3つをま
とめた「安全・安心な生活環境の実現」
=最重要の課題
大阪府の対応
– 協議会と研究会
• 「大阪『安全なまちづくり』ICT推進
研究会」発足:04年5月
•
• 大阪安全・安心まちづくりIT活用
協議会:04年5月
– 協議会に一本化。研究は、協議会の
中の部会で実行
• 大阪安全安心まちづくり支援ICT
活用協議会(大安協)
企業40、自治体20、研究者5
http://www.osaka-anzen.jp/
A 情報通信技術による
社会安全システムへの需要
大阪府安全まちづくり条例:02年4月:
全国初
– 「安全まちづくり推進協議会」大
阪府全域において、市町村、警
察署と連携した総数約60が組
織:04年6月現在、9市が独自の
まちづくり条例を制定:府と連携し
た取り組み
地域での取り組みに特色
– 大阪市鶴見区では、約60名のレ
ディース隊(区内のひったくりを1
年間で45%削減)
– 茨木市春日丘では、自治会連合
によるあんしんパトロールが、世
代を超えて実行
– その他の地域でも、地域の子供
の見守り、地域防犯マップ作りな
どユニークな取り組みが発生
36
近畿地域におけるセキュリティ産業 [I]
• 近畿地域におけるセキュリティ産業
の現状
– 犯罪の増加等に対するセキュリ
ティ意識の浸透、セキュリティ情
報への社会的ニーズの高まりを
受け、社会の安全・安心を支え
る防犯設備関連市場が拡大
– 全国シェアの2割以上をしめる
防犯設備機器の製造業が集積
(約7割強が中小企業)
– 1970年代にセンサ技術を活
用したベンチャー企業が創業し、
年間売上高が100億円以上が
35.9%を占め、成長発展中
• セキュリティ産業の発展可能性と
将来市場推計
– セキュリティ関連企業に必要な
技術の集積
– 関連する優れた大学/研究機関
の集積
– 技術と技能を有する多様な中
小企業の集積
– 旺盛な新商品/サービス開発力
【参考】「近畿地域におけるセキュリティー関連産業の振興に関する調査研究」(平成16年12月 (財)産業研究所)
A 情報通信技術による
社会安全システムへの需要
37
「大安協」の概要[I]
• 「大安協」=「大阪安全・安心まち • ■目的(続き)
づくり支援ICT活用協議会」の略
– 実現促進・支援(続き)
称
• 活動を展開し、そこから
• ■目的
生まれる新しい防犯モデ
– ICTを活用した安全・安心ま
ルの社会実証実験を推
ちづくりの実現促進・支援
進する
• 新たなビジネス/防犯モデ
• 創出されたモデルを大阪
ルを創出し、「安全なま
府域、さらに全国へと広
ち・大阪」の実現促進を
めていくことによって「安
図る
全・安心なまちづくり」を
実現するとともに、地域
• 民間企業が主体となって、
の活性化に寄与する
相互の企画や技術のマッ
チングを図るための各種
交流
B 社会安全と防犯関連実証実験
プロジェクト
38
「大安協」の概要[II]
• ■設立及び事業期間
– 2004年12月15日から3年間
– 現在はKANSAI@CANフォーラム
の安全・安心部会として活動
• ■会員
– 一般会員:26団体(防犯設備/
電機/エネルギー/警備/通信/
システムベンダ 等)
– 特別会員:14団体/個人(学識
者/自治体/NPO 等)
• ■主要実施事業
– ICTを活用した社会実証実験
の企画、推進、支援
– 同実験関連業務を通じた企業
マッチング、関連機関との連携、
調整、情報発信
– 情報発信、交流の推進(シンポ
ジウム、マールマガジン、ホー 無料のメールマガジンを発行しており
ムページ等)
ますので、御購読ください。
http://www.osaka-anzen.jp/
で申し込み可能
B 社会安全と防犯関連実証実験
プロジェクト
39
社会実証実験プロジェクトの概要と課題[I]
プロジェクト名
主体
主な想定防犯Action
主な利用技術
E01 地域安心安全情報共有
システム
豊中市(LASDEC事業を
拡充)
情報提供、アラーム
携帯電話メール配信、
GIS連携
E02 街角見守りロボット=中
央区中央小学校
立命館大学、BKCリアゾン
オフィス、富士電機システ
ムズ、関西電力他
見守り、監視、アラーム、救
助
ICタグ/防犯カメラ/携帯
電話連携
E03 防犯カメラのネットワーク
利用
地域安全環境研究会、テ
レビ岸和田、京阪神ケー
ブルビジョン
監視
IPカメラ/CATV連携・配
信技術
E04 子供の登下校見守り=帝
塚山学院小学校
NAJ、ホーキング、帝塚山
学院
見守り、監視、アラーム
ICタグ/防犯カメラ/携帯
電話連携技術
E05 地域安心安全情報共有
システム
枚方市(LASDEC事業を
拡充)
情報提供、アラーム
携帯電話メール配信、
GIS連携
B01 アクティブ型ICタグを利用
した生徒の安心安全確保=古
江台中学校
高千穂交易、エスキューブ、 見守り、監視、アラーム、救
松下電工、NTT Com
助
B02 Nコードを使った安全・安
心まちづくり=堺市
NCプロジェクト、中部日本
電気ソフトウェア
B 社会安全と防犯関連実証実験
プロジェクト
見守り、監視、アラーム
アクティブ型ICタグ技術
GPS携帯電話、GIS連
携
40
社会実証実験プロジェクトの概要と課題[II]
プロジェクト名
主な機能
E01 地域安心安全情報共有
システム
・登録ユーザへの緊急情報メール配信、・安心安全掲示板/マップ (グループ単位で
の情報共有)、・警察/消防との連携
E02 街角見守りロボット
・ICタグ付防犯ブザーからのアラームを受けて、街角見守りロボット(防犯機能付自
販機)が映像記録/センタ送信/アラーム鳴動等を近隣自販機と連携して実施
E03 防犯カメラのネットワー
ク利用
・小学校/商店街/集合住宅に設置したIP防犯カメラ映像をCATV経由で行政機関等
に配信
E04 子供の登下校見守り
・ICタグと自販機の連携による児童登下校時刻のメール配信、・映像記録、・位置情
報把握
E05 地域安心安全情報共有
システム (E01改良版
・登録ユーザへの緊急情報メール配信、・安心安全掲示板/マップ (グループ単位で
の情報共有)、・警察/消防との連携 (E01改良版)
B01 アクティブ型ICタグを利
用した生徒の安心安全確保
・アクティブICタグによる学校内の先生/生徒の所在明確化、・不審者の学内侵入を
カメラ追尾、・緊急通報ボタンによるアラーム配信
B02 Nコードを使った安全・安
心まちづくり
・Nコード対応のウェブ上の地図と紙地図、Nコード対応のGPS付き携帯電話による
位置情報把握、・Nコードによる地域情報交換の活発化
B 社会安全と防犯関連実証実験
プロジェクト
41
ユビキタス地域安全システムの必要性 [I]
公共空間
(1)(弱者の)見守り
=・位置把握、・所在
確認等
(4)(犯罪発生時の)
救助/対策支援=・
駆付け支援、・犯人
検挙支援
私的空間
学校/職場等
公道、街頭、駅等
家庭等
・個人認証入退管理、・
個人認証アクセス管
理、・安否確認、・遠隔モ
ニター・監視
・子供、老人等弱者の位置確認、・個
人のトレーサビリティ管理(ユビキタス
認証)
・安否確認、遠隔モニ
タリング等、外部から
のリモートシステム、・
ホームネットワーク
・カメラによる公的空間監視、・記録
蓄積分析による予防保全 (ユビキタ
ス認証)
・警備会社防犯シス
テム、・自衛的防犯対
策、・ホームネット
ワーク=ユビキタスセ
ンサー、情報通信処
理技術などにより、さ
らに広範な各種安全/
安心リモート監視、ア
ラーム、対処システム
が考慮可能
(2)(不審者の)監視
=・侵入検知、・現場
記録
(3)(危険発生時の)
アラーム=・通報、・
呼びかけ
⇔
・警備会社防犯システ
ム、・自衛的防犯対策=
ユビキタスセンサー、情
報通信処理技術などに
より、さらに広範な各種
安全/安心リモート監視、
アラーム、対処システム
が考慮可能
・館内放送、携帯電話への危険情報
配信(街頭では不十分)、・エリア誘導
支援(ICタグ等)
・緊急通報システム、・ユビキタス認
証による位置特定 (TVカメラによる
映像認証含む)、・ICタグによる救急
支援
42
ユビキタス地域安全システムの必要性 [II]
公共空間
学校/職場等
(5)予防情報の提供=・
ハザードマップ、・ノウハ
ウ共有等
⇔
公道、街頭、駅等
私的空間
家庭等
・GIS(ハザードマップシ
ステム)、・自立的移動支
援情報
・学校、職場等公的であるが閉空間においては、個人認証による入退管理、防犯システムの導入
を推進
・家庭等私的空間においては防犯システムに加え、安否確認等外部からのリモートシステムが必
要
・公道、街頭、駅等不特定多数が集まる空間における地域安全システムは未整備であり、対策さ
れていてもスタンドアローンで、包括的なシステムは構築されていない
・さらに、家庭から学校/職場までをシームレスにつなぐ、ユビキタスシステムの構築が望まれる
43
大規模災害時の所在地確認
提案の全体像と位置づけ
•
•
•
本研究の位置づけ
• 全体像(続き)
– アイデアの提唱と検証
– 記名型、無記名型を問わず、非接触IC
カードを個人の識別票として利用。ID(識
– 技術的な開発をしたわけではない
別番号)を家族が記録
前提
– 大規模災害時には、携帯電話の輻輳 – コンビニエンスストアや自動販売機の
Felicaのリーダー・ライターを活用
(電話が掛からなくなること)が起きる
– 長距離徒歩帰宅者が、コンビニエンスス
ことを前提としている。
トアの店頭(店の前のゴミ箱の上など)の
– 災害時伝言ダイヤルがうまく稼動する
リーダー・ライターにカードをかざす。時
なら、本提案の仕組みは多分不要
刻と店の位置とカードのIDが3つ束で記
– 日本版E911(110番や119番通報で所
録される。
在地が自動的に伝わる携帯電話)が
– 家族が、IDを打ち込むと、時刻と位置が
大規模災害時にもうまく稼動するかど
表示される。
うかが鍵。
– 携帯電話や携帯電話メールの発信規制
全体像
や輻輳が起きても、利用できる。
– 非接触ICカードを利用=現状では、
広く普及しているのは、非接触ICチッ
プ Felica(ソニー)を用いたもののみ
44
大規模災害と長距離徒歩帰宅者
• 長距離徒歩帰宅者、帰宅困難者の定義 • 長距離徒歩帰宅者の人数推計
– 東京・直下型地震=約414万
– 「自宅が遠隔なため、帰宅をあきら
人 (本研究での試算。末尾
める人々や、一旦徒歩で帰宅を開始
補足Aを参照)
したものの途中で帰宅が困難となり、
保護が必要になる人々」(「東京にお
– 名古屋・東海地震=約20万
ける直下地震の被害想定に関する
人(静岡新聞記事)
調査報告書」東京都、1997年8月)
– 愛知県・東海、東南海地震=
– 10kmを超えると、1割ずつ挫折し始
約98万人(愛知県などの研
め、20km以上では全員が要保護に
究)
なると仮定(中央防災会議による定
– 関西 京都市約39万人、大
義)
阪市約203万人、神戸市約
– 本研究では、長距離徒歩帰宅者とい
31万人 (観光客含む)(関西
う視点で捉える。
広域連携協議会)
愛知県帰宅困難者等支援対策実施要領・概要版
http://www.pref.aichi.jp/bousai/kitakukonnan
/kitakukonnnan_gaiyou.html
45
非接触ICカードの多目的利用による
所在確認--処理の流れ [I]
•
•
•
非接触ICカードの普及と、コンビニエンスス
トアの長距離徒歩帰宅者への支援→両者
を活用した所在確認システム
非接触ICカード、ICチップのIDを家族が記
録
コンビニエンスストアや自動販売機の非接
触ICカード・リーダー・ライター(R/W)を活用
– 電子マネーEdyのR/Wの利用
– 非常時のために公的予算で配備するこ
とも考える=パソコン用のR/W=
Pasori(パソリ) RC-S320 税込 3129
円
– Edyや電子マネー機能入りの携帯電話
に対応した自動販売機も利用可能
非接触IC
カードの普及
所在確認
システム
コンビニエンス
ストアの長距
離徒歩帰宅
者への支援
カードのリー
ダー・ライター
○○○○○
日日日日日
日日日日日
自販機
コンビニ
46
非接触ICカードの多目的利用による
所在確認--処理の流れ [II]
• 時刻、位置、IDの3つ束を記録
– リーダー・ライターの位置
(たとえば緯度、経度)と時
刻とカードのIDを、記録
– カードのIDを家族は記録し
ておく
– 非常時に特定のサイトにア
クセスし、IDを入力すると、
位置と時刻とがペアになっ
たデータ一覧が表示される
– 末尾の補足[E]に記したが、
氏名により検索できるよう
にするのは、避けるべきで
ある。
カードをかざす
○○○○○
日日日日日
日日日日日
帰宅途中
コンビニ
自販機
所在情報を記録
カードを所持
IDXXXX:○時
IDXXXX:○時
IDXXXX:○時
IDXXXX:○時
所在確認
データ
ベース
×
IDを家族に
知らせておく
IDをキーに
して検索
○○町○丁目
○○町○丁目
○○町○丁目
○○町○丁目
×
×
47
社会実装上の課題と解決策
•
自動販売機
– 「邪魔者扱い」からの脱却を目指
している
– ある程度厳重に作られている
– 遠隔制御などのための、通信回
線の確保が、徐々に進んでいる
– 自販機間の無線LANホッピング
により、一部の通信回線が生き
ていれば、対応できる可能性
– 非接触ICカードや電子マネー対
応携帯電話とのやりとりは、平常
時のマーケティングなどにも活用
しうる
•
コンビニエンスストア
– 非常時の役割について、社会が期
待しており、当該主体も自認してい
る
– バックアップを含めた通信手段の
確保について、相当程度、進んで
いる=衛星通信、衛星携帯電話な
ど
– 電源の確保についても進んでいる
– 店の前のゴミ箱の上など、リー
ダー・ライターの置き場所の確保が、
当初は容易=ゴミがあふれてきた
ときの対処法の検討が必要
48