新入社員合同研修会(後期)
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目次
タイトル
スライドNo
タイトル
スライドNo
1.薄板製品とその製造工程
3
14.板厚の変動要因
18
2.亜鉛メッキ設備の概要
4
15.板厚精度の向上対策
19
3.亜鉛メッキ製品品質の特徴
5
16.日本工業規格(JIS)の検索手順
20
4.亜鉛メッキ鋼板の後処理
6
17.剪断面の形状
21
5.ミルシート事例
7、8、9
18.断面性状に関するクリアランスの影響 22、 23
6.引張試験
10
19.良好な剪断面を得る丸刃のセット
24
7.引張試験片
11
20.薄板製品の価格体系と品質課題
25
8.エリクセン試験
12
21.エキストラの構成項目
9.硬度試験
13
22.品質クレーム対応について
28
10.硬度の換算
14
23.プレス割れ発生時の原因追究
29
11.曲げ試験
15
24.クレーム処理
30
12.ランクフォード試験
16
13.圧延方向との関係
17
25.参考
NS Fellows Corporation
26、27
31、32
1
薄板製品とその製造工程
熱延鋼板
Box焼鈍
Skin Pass
NS Fellows Corporation
2
亜鉛メッキ設備の概要
『溶融メッキライン』
冷
却
スキンパスミル
化成処理槽
アンコイ
ラー
加熱炉
『電気メッキライン』
洗浄槽
アンコイ
ラー
メッキ槽
熔けたメッキ金属
リコイラー
コンダクターロール
メッキ槽
電極
化成処理槽
リコイラー
-
+
整流器
NS Fellows Corporation
メッキ金属を溶かし込んだ液体
3
亜鉛メッキ製品品質の特徴
溶融メッキ鋼板
メ
ッ
キ
特
性
加
工
性
電気メッキ鋼板
両面合計で60~600g/m2
片面で10~60g/m2
製造が困難
表裏の目付を独立に変えられる
表面外観
スパングルの大きさが3種類(レギュ
ラー・・ミニマム・ゼロ)
スパングルは無く、均一で美麗
耐蝕性
目付が厚いため耐蝕性に優れ、
屋外使用に向く
目付が薄いので室内用又は塗装
前提の屋外使用
メッキライン内の連続焼鈍が前提の
ため材質はやや限定
熱延鋼板・冷延鋼板製品をメッキす
るため材質の選択肢大
浸漬メッキのため密着性は原板の
影響を受けやすい
材質向上、亜鉛-地鉄の合金化、
材質向上(加工性、ハイテン)、Zn-地鉄
の合金化、Zn,Al,Mg,Snとの合金化で
表面の電気的改質などで飛躍的
用途に応じた耐蝕性の飛躍的な改善
な改善がある
電気的メッキのため合金層が無く、
メッキ密着性も高い
目付量
差厚メッキ
原板
メッキ層
最近の技術進歩
NS Fellows Corporation
複数金属での合金メッキが開発さ
れ薄目付での耐蝕性向上がある
4
亜鉛メッキ鋼板の後処理(防錆処理)
処理方法
特
徴
主 な 用 途
オイリング(塗油)
古典的な防錆法で短期的な白錆防止と共に
潤滑性を付与。
プレス部品向
(塗装向には脱脂が必要)
リン酸塩処理
不溶性金属リン酸塩皮膜(結晶状)の生成で
外気を遮断すると共に表面を粗くする。
塗装密着性を要求する部品
(塗装下地用)
クロメート(クロム
酸)処理
亜鉛の表面にクロメート皮膜を生成させ、白
錆の発生防止を図る。
主として無塗装向部品
(クロムの有害性から適用
が少なくなっている)
潤滑鋼板
プレス油の代替処理として、塗装前の有機化 家電用のプレス部品向
合物による脱脂処理工程省略を狙ったもの。 裸使用や塗装印刷向もある。
各社で特殊な潤滑皮膜処理方法を開発。
耐指紋性(UF鋼
板)
電気亜鉛メッキ鋼板に特殊な有機複合皮膜
処理を行い、触っても指紋が付かないように
したもの。
家電用で裸使用での耐指
紋性が要求される部品向
クロメートフリー
クロメート処理によるクロムの有害性を避け
る目的で各社それぞれ独自に開発した無公
害の特殊被膜処理方法
耐蝕性、塗装性、導電性等
いずれもクロメート処理材と
同等の性能を確保している。
NS Fellows Corporation
5
NS Fellows Corporation
6
NS Fellows Corporation
7
NS Fellows Corporation
8
引張試験(Tensile Test)
NS Fellows Corporation
9
引張試験片(JIS5号)
NS Fellows Corporation
10
エリクセン試験(Erichsen Test)
NS Fellows Corporation
11
硬度試験(Hardness Test)
NS Fellows Corporation
12
硬度の換算(近似値)
ビッカース ブリネル
180
178
176
174
172
170
168
166
164
162
160
160
156
154
160
150
148
156
154
160
150
149
147
146
144
142
141
139
138
136
135
133
131
129
ロックウエル
HRB
HR30T
90.0
75.0
89.0
74.5
88.5
88.0
87.5
73.5
87.0
86.0
73.0
85.5
72.5
85.0
72.0
84.0
83.5
71.5
83.0
71.0
82.0
70.5
81.5
70.0
80.5
80.0
69.5
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79.0
69.0
HR15T
89.0
88.0
87.0
抗張力
MPa
26
600
ショア
25
545
24
515
22
490
86.5
86.0
13
曲げ試験(Bend Test)
荷重
板厚と同じ間隔
の曲げを1t曲げ
という
クラックの有無
NS Fellows Corporation
14
ランクフォード試験(Lankford Test)
r値=εw/εt
εw :板幅ひずみ
εt :板厚ひずみ
NS Fellows Corporation
15
圧延方向との関係
圧延方向
C方向
L方向
L方向:Longitudinal Direction(長さ方向)
C方向:Crosswise Direction(横方向)
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16
板厚の変動要因
・板幅方向のクラウン及びエッジドロップ
・板長さ方向の圧延の変動
加熱炉のスキッド部・長さ方向の温度差
冷間圧延時の張力の変動
など
NS Fellows Corporation
17
板厚精度の向上対策
(クラウン及びエッジドロップ対策)
NS Fellows Corporation
18
日本工業規格(JIS)の検索手順
JISの規格書は、店頭で購入できますが、以下の手順で無料で閲覧できます。ただし、印刷はできません。
1.日本工業標準調査会(JISC)のホームページにアクセスする
「 http://www.jisc.go.jp/」
2.データーベース検索の「JIS検索」をクリック
3.規格番号を入力して検索の例
例えば、 JISG3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JISG3302 を入力
4.JISリストの規格番号をクリックし、規格の閲覧PDFをクリック
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19
剪断面の形状
a.剪断面
b.だれ部
c.破断面
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d.かえり(通称バリ)
20
断面性状に関するクリアランスの影響
NS Fellows Corporation
21
c.
NS Fellows Corporation
22
良好な剪断面を得る丸刃のセット
クリアランス
ラップ
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23
薄板製品の価格体系と品質課題
エキストラとは・・・・
基準(ベース)製品に対するコストアップ代の割増料金。
即ち、材質、寸法、外観、形状等の品質要求に関し、また小ロットによる生産性や歩留
の低下などの要因に対して統一基準で整理されたもの。
同じ抗張力仕様での課題(例)
・270(N/mm2)級・・・SPCC,SPCD, SPCE(SPCF),SPCG:絞り性と部品強度の関係
・400 (N/mm2)級・・・SS400(一般構造用)とSAPH400(自動車構造用)の違い
異材納入問題
・ポカミス・・・人的ケアレスミス対応
地道な教育訓練、手順書化、設備対応
・母材不足時・・・顧客の期待と信頼を如何に確保し続けるか。
エキストラの高い材料だからと勝手に納入することは危険である。
Spec GuaranteeとPerformance Guarantee
・日本ではSpec保証は少なく、殆どはPerformance保証である。
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24
エキストラの構成項目-1
1.ベース(価格):それぞれの品種ごとに標準サイズで設定。例えば
規格
厚み(mm)
幅(mm)
目付(g/m2)
熱延コイル
SPHC
1.6≦t<6.0
914, 1000, 1219
―
冷延コイル
SPCC
0.9≦t≦1.6
914, 1000, 1219
―
電気亜鉛メッキコイル
SECC
0.9≦t≦1.6
914, 1000. 1219
10/10
溶融亜鉛メッキコイル
SGCC
0.9≦t≦1.6
914, 1000, 1219
60
品種
2.規格エキストラ
設定要素
加工グレード
強度グレード
用途別
協会規格
ユーザー規格
外国規格
グレード(赤字:ベース)
Commercial, Deep Drawing, Extra Deep Drawing, 非時効性付与 等
270, ~400, 440, 490, ・・・・・・・,980N/mm2、BH 性付与等
(強化機構:固溶体強化、析出強化、複合組織など)
構造用(SS○○○、SM○○○、S○○C、・・・)、自動車用(SAPH, SPFC,・・・)、耐候用(SPA-H,SPA-C)
(鉄鋼連盟規格、自動車工業会規格、・・・・)
(トヨタ規格、日産規格、本田規格、・・・・)
ASTM, BS,DIN, ・・・・
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25
エキストラの構成項目-2
3.サイズエキストラ
厚み:ベース厚み以外の薄手および厚手
幅:ベース幅以外の狭幅および広幅
4.表面仕上(赤字:ベース)
熱延コイル
黒皮、酸洗、ショットブラスト
冷延コイル
ダル、ブライト、(スキンパス)
5.表面処理(赤字:ベース)
合金元素
Zn(亜鉛)、Al(アルミ)、Ni(ニッケル)、Mg(マグネシウム)、・・・・
目付量
多くなるとアップする
後処理
塗油、グロメートフリー、潤滑処理、耐指紋、・・・・・
6.その他
耳仕上
ミルエッジ、スリットエッジ
寸法許容差(厚み、幅)
JIS の A,B,C 許容差表による。個別要請は別途相談。
平坦度
JIS の A,B,表による。個別要請は別途相談。
外観
疵厳格材(自動車外板、クロムメッキ用など)
コイル単重指定
小ロット
特殊梱包
ミルシート発行
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26
品質クレーム対応について
①直ちに顧客に出向く
②状況把握し、対象材(範囲)を確認
③顧客の言い分を良く聞く
対応手順
<第一ステップ>
契約仕様との照合
事故が起きて双方が不備を気付くことが多い
<第二ステップ>
顧客の要求レベルを再確定し、契約仕様を見直す
(品質~価格を連動させた高度な判断と顧客折衝が必要)
<第三ステップ>
トラブル原因の追求
原因は母材(鉄鋼メーカー)か、コイルセンターか
材質、(板厚精度、表面疵、平坦度):母材の問題か、材料引当の問題か
コイルセンターの加工技術・管理:寸法精度、疵・形状検査、梱包・表示、
取扱・保管・輸送(合否判定基準は?、品質検査記録は?・・・・・)
品質要求事項の指示・伝達:受注~加工~出荷関係者の情報の共有化
<第四ステップ>
再発防止策の確立
鉄鋼メーカーとの連携対応、特別管理の設定可否
合否判定基準や作業手順の見直し・設定
対応)
<第五ステップ>
品質情報の共有化(システム
関係者への教育・訓練
顧客への説明
必要に応じて再発防止策の内容説明する
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27
プレス割れ発生時の原因追究
潤滑性との関連
塗油
金型
規則性の確認
表面粗度
機械的性質
割れ部位
非金属介在物
プレス割れ
要因
割れ現象の
状況把握
母材の特性
板厚バラツキ
不良ロットの限定
材質バラツキ
しわ押え力(ブランクホールダー圧)
絞り成形
曲げ成形
金型の温度
伸びフランジ成形
張出し成形
プレス条件
加工成形形態
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28
クレーム処理
• クレームでは信頼を失わない。対応の仕方で信頼を失う。
・誠意と自信を持って立ち向かう。
・逃げ回っていると泥沼にはまる。
・陽気に取組む。
• 災い転じて福となす。
・クレームこそ会社発展のチャンスと捕らえる。
・お客様がヒントを提供してくれている。感謝の気持ちで!!
良い対応
・生涯のお客様を勝ち取る
クレーム
・顧客獲得のチャンス
コンプレーン
・顧客の喪失
悪い対応
・ネガティブな評価
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29
参考-1
自動車向ハイテンの採用拡大
各種ハイテンが採用された「N BOX」 (資料提供Honda)
ホットスタンプ製法:鋼板を加熱し、プレス成型と同時に急冷して強度を上げる。
高強度部品が製造可能であり、加工形状精度のコント
ロールも容易なため部品採用が拡大している。
サイドパネル:従来は440Mpa級まで。今回、優れた伸び特性と外観を有する
590Mpa級冷延ハイテンが世界で初めて採用された。
サスペンションアーム:湾曲した形状でバーリング加工が施される難成型部品。
部分伸びや穴広げ特性に優れた熱延鋼板が要求される。
センターピラー(1500MPa級ホットスタンプ材)
サイドパネル(590MPa級ハイテン)
サスペンションアーム(780MPa級ハイテン)
引張り強度 590MPa
2012.6.15 新日鐵Home Page
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30
参考-2
自動車ボディパネルへの高耐食性鋼板の初採用
軽乗用車ボディパネル(外板)の一部へ樹脂を採用
2013.10.3発売のタント/ダイハツ工業は、外板の一部に樹脂を採用し、
軽量化と風の抵抗が少ない形を実現し、低燃費化(28Km/l)を達成
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