cooling down

Download Report

Transcript cooling down

用語解説
クーリング・ダウン
~ cooling down ~
クーリング・ダウンとは?
試合や練習およびトレーニングの直後に、激しい運動によって
疲労した身体を、安静時の状態まで回復させるための手段.
一般的に、試合や練習場、あるいはトレーニングルームで、
運動直後に行うものを指す.
アフター・ケア
マッサージや入浴、食事などの、一般的に時間をおいて、
着替えてから行われるもの.
完全休息よりも、軽い運動を行う方が疲労回復や障害予防などの
効果を得られる → 積極的休養 (active recovery)
筋ポンプ作用 ~Muscle pump~
静脈弁と筋の収縮・弛緩作用が協調して行われるポンプ作用
静脈弁
筋肉の弛緩時 (休憩時)
筋肉の収縮時 (運動時)
筋収縮時、下肢静脈が周囲の筋によって圧迫され、静脈内の血液は
心臓方向へ押しやられる.
運動中の心臓の働きを助ける第二の心臓 (セカンドハート) として、
血液循環に重要な役割を果たしている.
心臓に及ぼす過度のストレス軽減
激しい運動を急に中止すると・・・
筋ポンプ作用の停止
Qu ickTi meý Dz
TIFFÅi LZWÅj êLí£Év ÉçÉOÉâÉÄ
ǙDZÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóv Ç­Ç•
ÅB
心臓への血液還流量が一時的に減少
心臓の負担増加
(運動後も心拍数上昇)
脳貧血・失神・めまい・吐き気
クーリング・ダウンによって筋ポンプ作用を維持し、血液循環を保つ
筋肉内の疲労物質や老廃物質の除去
筋内の過剰な乳酸の蓄積
筋ポンプ作用による乳酸の除去
クーリング・ダウンによる疲労回復の促進
乳酸
乳酸は有酸素運動時にはエネルギー源
として筋肉で利用される
乳酸 + CO2
筋収縮の阻害・筋疲労
乳酸
Lactate Shuttle
クーリング・ダウンが血中乳酸除去に及ぼす効果
QuickTimeý Dz
TIFFÅiLZWÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ
ǙDZÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ­Ç•
ÅB
(池上ら, 1986)
40%VO2maxの強度でクーリング・ダウンを行うと、
血中乳酸の半減時間が2分の1 (30分→15分) に短縮!
筋肉内の疲労物質や老廃物質の除去
筋内の過剰な乳酸の蓄積
筋ポンプ作用による乳酸の除去
クーリング・ダウンによる疲労回復の促進
乳酸
乳酸は有酸素運動時にはエネルギー源
として筋肉で利用される
乳酸 + CO2
筋収縮の阻害・筋疲労
乳酸
Lactate Shuttle
呼吸の調節による過換気の防止
運動直後は呼吸が荒い (早く深い呼吸の繰り返し)
呼気中への炭酸ガス (CO2) の過剰排泄
過換気 ~hyperventilation~
動脈血中の炭酸ガス分圧が低下し、呼吸性アルカローシスとなり、
呼吸困難感や四肢の痺れ感、痙攣、悪心などを引き起こす.
クーリング・ダウンによって徐々に呼吸を整え、
血液中の炭酸ガス濃度をコントロールする.
筋肉痛の防止効果は・・・
以前は・・・
クーリング・ダウンを行うことによって、筋肉痛の
防止効果があると考えられていた.
運動後の乳酸は30〜60分後には代謝され、
筋肉痛が発生する8〜12時間後には存在していない.
乳酸は筋肉痛の原因物質ではない!
クーリング・ダウンは筋肉痛には防止・軽減効果がない
今のところ、運動後に行う様々なトリートメントで、
筋肉痛を完全に予防したり、軽減したりする方法はない
クーリング・ダウンの具体的な方法
スポーツの種類あるいは強度によっていくつか方法がある.
基本的には・・・
血液の循環を適度に保ちながら、ゆっくりと運動強度を落としていく
低強度の有酸素運動
・クーリング・ダウンとして行う運動
ジョギング、速歩が最も一般的である.
環境が整っていれば、各種有酸素系の
マシーン (自転車など) あるいは水泳
なども理想的である.
QuickTimeý Dz
TIFFÅiLZWÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ
ǙDZÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ­Ç •
ÅB
・クーリング・ダウンの時間
乳酸の除去だけに着目すると運動時間は長いほどよい.
費やすことのできる運動時間を考えると、10〜20分ぐらい
が妥当である.
心拍数が「100拍/分」または「運動開始時+10拍」になる
ことを一応の目安にするという意見もある.
・クーリング・ダウンの強度
本人が軽いと感じる強度の運動で実施し、徐々に強度を
下げていくことが効果的である.
加えて・・・
主運動により負担がかかって緊張している筋をリラックスさせる
→ ストレッチ
酷使した筋や関節の炎症や充血を抑える → アイシング
クーリング・ダウンの問題点
ウォーミング・アップと比較して、軽んじられる傾向にある.
クーリング・ダウン不足はすぐに現れない!
次回の運動に影響を及ぼすものであり、疲労蓄積、傷害発生
の原因となることを認識する (させる) べきである.
クーリング・ダウンの問題点
クーリング・ダウンは疲労の回復に重要である.
「疲労」「回復」の評価が曖昧である!
「疲労」と「回復」を確実に評価できる指標が見つからない限り、
最適なクーリング・ダウン法を見つけることも困難である.