自死遺族支援研修会プログラム 講話③ Reの活動から

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Transcript 自死遺族支援研修会プログラム 講話③ Reの活動から

自殺対策シンポジウムin長崎
NPO法人 自死遺族支援ネットワークRe
山口和浩
図1 自死遺族の心理
離人
疑問・愕然
「強烈な嘆き・何で
自殺したの?」
時間が経った後に
「当時のことを覚え
ていない
否認
「自殺したなんてウ
ソでしょ」
他罰感
怒り
「○ ○のせい で父
は自殺したのだ、
あいつが原因だ」
「勝手に死ぬなん
て卑怯だ」
自 死
遺 族
自責の念
安心・救済
「あの時、気付いて
いれば、私のせい
で自殺したんだ」
(自殺未遂を繰り
返していたために)
「正直ホッとした」
罪悪感
「私だけ生きて楽し
い思いをして申し
訳ない」
不安
羞恥
「○○が自殺した
何て知られたくな
い、言えない」
「いつか私も自殺し
てしまうのかな」
心理
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不安、緊張
不眠
生活能力の低下
抑うつ
幸福感(楽しむ等)の喪失
対人関係が困難
孤 立
安易な慰め、励まし
批判、風評
大切な人の自殺
悲しみ,自責の念
怒り,罪悪感
etc
グリーフワーク
分かち合いの会 概要
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スタッフ
遺族1名、看護師1名、臨床心理士1名
行政スタッフ1名
場 所
社会福祉法人カメリアの研修施設の1室
日 時
毎月第2土曜日10時~12時半
参加費
1人300円
対 象
大切な人を自殺で亡くした方
(家族、友人、身近な人)
分かち合いでのルール(Re版)
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参加者は、自死(自殺)で大切な人を亡くした方だけ
ご参加下さい
自分の事を話して下さい(苦しかった事、辛かった事、
悩んでいる事)
他の人が話をしている時は、最後まで聴いて下さい
お互いに話した事は、この場だけで、他では話さな
いで下さい(プライバシーを守る)
無理に話をしなくても構いません(パスのルール)
他の人の批判、助言はしないで下さい
分ち合いでの変化
警戒・うつむき・一人ぼっち
遺族同士の分ち合い
(悲嘆との向かい合い)
開放感、安心感
(次へのステップ)
参加者の声
今年の4月に始めて参加したとき、思わず大泣きして
しまいましたが、その後、すっきりしました。
きっと、ずっと悲しい思いをどこにも話すことが出来
ず、また、家庭内でも家族同志でも気を使って話して
なかったんだとつくづく思いました。
きっと初めて心の内を聞いてもらって、ほっとしたん
だと思います。
もし、あなたが悩んでいるなら、ぜひ話してみて下さ
い。きっと何かを感じられると思います。(40代女性)
※無断転載禁止
参加者の声
7月14日、分かち合いの会に参加させていただ
いて胸の中にあった、わだかまりや悩み事を話せ
て、とても、ありがたいと思いました。参加されてい
た方々 のお話に耳をかたむけて、有意義なひと時
を過ごしました。Reに来たら、“仲 間がいてくれる”
と思うと、いつもうれしいです。もし、一人で悩みを
抱えている方がおられたら、あなたも来てみません
か...。
~Mより~
※無断転載禁止
なぜ 「語れない」のか

自殺への偏見
「弱いから自殺するんだ」
「自殺する人は勝手だ」
「自殺するくらいなら、もっとできる事もあったはず」
・・・etc
社会の圧倒的な圧力でもって、
「語れない」雰囲気を作り出している
分ち合い

悲しみを癒すのは個人の作業
(悲嘆と向き合う、亡くなった人との関係を再
構築する)


悲しみと向き合い、体験を紡ぎ、次につ
なげる
ファシリテーターの役割
(悲しみに向き合う手助け、安全で安心の場
の提供)
「語る」
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故人と向き合う
自分自身と向き合う
「語る」には「相手」が必要
語りの相手は、ご遺族だけではない
遺族支援
経済的支援
(生活的支援)
社
会
的
支
援
心理的支援
孤立から社会へ

孤立からの開放(心理的・社会的)
《体験の社会化》
体験を「語る」ことで、故人や自分自身と向き合
い、その体験を社会化させることによって、回復
のスピードが増していくこともある
▼「人間の回復力」に焦点をあてる
▼回復を信じる
課題
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「子どもたち」への分かち合い
体験を社会化
相談機関の充実(スピード感のある対応)
「分かち合い」以外の遺族支援の構築
★行政、民間との連携
★地域社会の協力