Search for Proton Decay via e+π0 in a Large Water Cherenkov

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Decay via e π
in
a Large Water
Cherenkov Detestor
高エネルギー物理セミナー
11月11日
山崎秀樹
motivetion
• 現在の宇宙は物質優勢(粒子と反粒子の数に
差がある)の宇宙である。
• 宇宙創成から物質優勢の宇宙になる過程が存
在する
→バリオン数非保存の問題
• 大統一理論がバリオン数非保存の鍵を握る
• 陽子崩壊事象の予言→検証実験
ビッグバン宇宙論
ビッグバン!!(超高密度、超高温)
1000兆度 (100GeV)
電弱相転移(真空の相転移) 自発的対称性の破
れ→フェルミオン、弱ボソンの質量獲得
1兆度 (100MeV)
クォーク・ハドロン相転移 クォークや反クォークがグ
ルーオンによって集まり、メソンやハドロンを作る
これより冷えると陽子(938MeV)や中性子(940MeV)の
対生成はなくなり、反粒子の数は対消滅で急速に減るが粒
子は残っている
→残ってないと今の宇宙は存在しない→バリオン数非保存
バリオン数非保存(生成)
• 初期の宇宙ではバリオン数は0
(クォーク 1/3 反クォーク -1/3)
• しかし宇宙が冷えていく中でバリオン数が出
来た
• 元は0なんだけど、冷えていく過程で何らか
のからくりで生じた
バリオン数生成機構
Sacharovの条件
バリオン数非保存には次のような条件がある
1.バリオン数を変化させる相互作用の存在
バリオン数を変化させる必要がある
2.CP不変性の破れ
CP不変の場合、1の相互作用でバリオン数が
変化してもCP変換させた反応によりバリオン
数は依然変化しない
3.非熱平衡反応
1の条件があっても可逆反応なら
バリオン数対称性は保たれる
Grand United Theory (GUT)
• 電弱相互作用と強い相互作用を統一する理論
• 大統一理論のゲージ群G
G⊃SU(3)×SU(2)×U(1)
SU(5) 最小のゲージ群
SO(10) などがある
• 大統一理論ではクォーク・レプトンの区別はしない
バリオン数 レプトン数は保存しない→陽子崩
壊の予言
陽子崩壊
• 超重ゲージボソン X がレプトン数 バリオン
数を変化させる相互作用を及ぼす
• CP不変を破る
• 宇宙の膨張率とXボソンの崩壊率が同じ
→崩壊の逆反応が起ころうとする時には宇宙
は膨張しているので、Xボソン生成が起こら
ない→不可逆反応
陽子崩壊の検証
• GUTのエネルギースケール MX 1015GeV
加速器によって超重ゲージボソンを取り出す→今の
技術では不可能
• では陽子がひとりでに崩壊するのを観測すればよい
→水分子中の陽子崩壊を観測
• 陽子が崩壊する確率は、例えば寿命が1030年 とす
ると
30
1
p  (1  exp( 
30 ))  10
10

MX
4
4
g mP
5
 ( p  e  )  10

0
30~40
年
Super Kamiokande
水チェレンコフ検出器
• 場所:岐阜県旧神岡鉱山跡地
• 大きさ:高さ41M 直径:39M
• 内部 外部検出器(μ粒子検出用)に分けられる
8インチ 光電子増倍管 1885本
純水(50kt 内部水槽
22,5kt)
1000m
(μ粒子遮蔽)
20インチ 光電子増倍管 11146本
カミオカンデ内部
内部検出器の20インチ光電子増倍管が
びっしり敷き詰められている
陽子崩壊Event数の期待値
• 内部水槽の体積 V:
22.500ton=2.25×1010cm3
• 核子の数 NA=6×10/cm3 (密度)
• 陽子の割合 H2O:
10
proton2+proton8+neutron8→
18
10
• 陽子の個数 Np V  N A   7 1033
18
p T  N p 
• 期待値
陽子の寿命が1033年とすると、陽子崩壊は41
4日で八個起こる計算
Cherenkov光
水中で発生するチェレンコフ光(青白い光)の
光子数と到達時刻を光電子増倍管(PMT)で
測定
水中の光の速度
C/n=C/1.33
粒子のエネルギーの再構成
光電子増倍管で観測された光電子の和を光
の減衰等を補正して粒子のエネルギー損失
を計算
予想されるEventのシミュレーション
(p→ e+π0 )
e+
Cherenkov光
γ γ
観測できる物理量は?
• 粒子のエネルギー
• 粒子の方向
• 粒子の判別(PID)
電子・γかμの区別→崩壊モードが判別できる
• バックグラウンドと陽子崩壊Eventを区別で
きる
PID(Particle identification )
• Cherenkovリングは粒子によって形が違う
→間違える確率は1.0%
• eライクなリング:ぼやけたリング eやγによるもの
• μライクなリング:明瞭なリング e以外の荷電粒子に
よるもの
eライクなリング
μライクなリング
shower
Non shower
エネルギー、運動量の再構成
• PMTで測定した光電子の数の和よりエネルギー、
運動量を再構成する
Ptot 


allrings
pi
i
M tot  E  P
2
tot
2
tot
allrings
2
i
Etot  i
p
測定したRing Eventで
の和を計算する
バックグラウンドは?
•最大のバックグラウンドは大気ニュートリノ
ニュートリノは水中の核子(16O)と弱い相互作用をす
る
 N lN  X
データ採集
'
N: 核子 X: πなど
• 外部検出器からの信号がない(宇宙線μ粒子を除く)
• エネルギーが22MeV(電子)以上(放射線元素
Eventを除く)
• 発光点が有効領域(壁から2m)の中
• 合計 3468 Events
解析方法
•
•
•
•
陽子崩壊のモンテカルロシミュレーション(MC)
大気ニュートリノのモンテカルロシミュレーション(MC)
事象の選択条件(次ページ)を絞る
陽子崩壊モンテカルロシミュレーションで選択条件を満
たした事象の数からefficiencyを算出→44%
• 大気ニュートリノモンテカルロシミュレーションで選択条
件を満たした事象の数をバックグラウンドの事象とする
• データで選択条件を満たした事象がバックグラウンドよ
り多いか判定する
多ければ陽子崩壊が起こったとし、それ以下な
らeffiiencyより寿命の下限を求める
Event選択条件
•eライクなリング3個(もしくは2個)
•85MeV/c2<π0<185MeV/c2(3リング Events)
•No Decay Electron
p→ e+π0のシグナルにDecay Electronはない
•800MeV/c2<ProtonM<1050MeV/c2
陽子の質量 938MeV
•Total Momentum<250MeV/c
•6800p.e.<Total p.e.<9500p.e.
+
0
p→e π 探索
(414days)
p →e+π0 (MC) 大気ニュートリノ(MC)
全質量
全質量
Decay Eventの範
囲
data
全質量
一つもない
p→e+π0探索(414days)
Signal
414日間の観測では
Region
Decay Eventは
全運動量
確認されなかった
陽子の寿命は
1.6×1033年
全質量
やっぱりないです
90% CL
1489days
全質量
探索その(2)
全運動量
全運動量
+
0
p→e π
804days
Decay Eventの範
囲(414daysと同じ)
一つもDecay Eventがない
全質量
τ(p→e+π0)の理論からの予想
否定された
様々な崩壊モードでの探索
1996年~2001年までの
観測ではどの崩壊モードで
も陽子崩壊は確認されな
かった。
2001年にカミオカンデで
半分以上のPMTが破損す
る事故が発生→
2006年度7月に測定再開
Summary
• 1996年から2001年までの観測では陽子崩
壊は見つからなかった
• より複雑なゲージ群の大統一理論では陽子
崩壊の可能性がある
• SUSY SO(10) GUTが有力
• 次世代実験 Hyper-Kamiokande
Hyper-Kamiokande
陽子崩壊に対して、
1035– 1036 年の感度
見つかるかも!!
Backup
光電子増倍管(PMT)
宇宙創成からの過程
大局的対称性と局所的対称性
位相変換のパラメーターΛが時空点によらない場合
が不変である(大局的対称性)。
位相変換のパラメーターΛ(x)が時空点による場合
が不変(局所的対称性)ではない。
と、非斉次な変換(余分な項が増える)になり、ラグラジアンは不変になる
これでは観測される物理量が不変でないことを意味する。これでは
困るので、
ラグラジアンが不変になるように補正してみる。
ゲージ変換
変換を施してもラグラジアンLが不変になるような微分演算子Dを定義する
とおくと、
となり、ラグラジアンは不変となった(ゲージ対称性)。
このような変換をゲージ変換と呼ぶ。また場Aはゲージ場と呼び、
その場の媒介粒子をゲージ粒子を呼ぶ。
ゲージ理論と電磁気学
電磁場のベクトルポテンシャル
Bは磁場
ゲージ場とすると、
の式にあてはめる。
ベクトルポテンシャルはゲージ場であるとすると、マクス
ウェル方程式が導かれ、電磁気学はゲージ理論で記述
できることができる。
ゲージ対称性の破れ
ゲージの強さを考え、ゲージ対称性に対応させるため共変微分でゲージ場の強
さを加味したラグラジアンを表す。
ゲージ場の質量項を加えたいが・・・・・
は明らかにゲージ対称性
ではない。これではゲージ対称性があからさまに破れてしまう。
これは質量(
)を持っているはずのZ、Wボソンがゲージ理論では
質量を持てないことを意味している。そこでここからZ,Wボソンが質量をもつ機構を説明する。
自発的対称性の破れ
ポテンシャル
真空の相転移が起こり、温度が下がるにつれ、ポテンシャルの形が変わる。
図1
場のポテンシャル
ポテンシャルの安定点では真空期待値
を取る。
ヒッグス機構(1)
局所的対称性の下での、ゲージ場の強さと含めたラグラジアンは
複素場の自由度を二つの実場
で置き換える。
また、安定点の周りの取り方は自由である。次に
とゲージ変換し、ラグラジアンを書き直すと・・・・・次のページへ→
ヒッグス機構(2)
ラグラジアンは次のように書き直される
の運動項および質量項
ゲージ粒子が質量を持つようになった!!
このようにラグラジアンにわざわざゲージ場の質量項を入れなくても、ゲー
ジ粒子が質量を獲得している。これをヒッグス機構と呼び、
をヒッグ
ス場と呼ぶ。