まとめ - 京都大学

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すざく衛星搭載X線 CCD カメラ XIS の
2x2 モードと Window モードの較正 (Ⅱ)
○ 加藤 豪、 木村 結樹、 小川 和輝、 青山 翔一、 池上 嘉夫、 石崎 良則、 森 浩二 (宮崎大学)、 林田 清、 常深 博 (大
阪大学)、小澤 碧、 内山 秀樹、 鶴 剛、 松本 浩典、 小山 勝二 (京都大学)、 堂谷 忠靖 (ISAS/JAXA)、 すざく XISチーム
abstract
「すざく」衛星に搭載されている X線 CCD カメラ XIS は、天体に応じて様々な観測モードを使いわけることができる。今回、我々は明るい
(X線強度の強い)天体の観測に適した 2x2 モードと Window モードの較正をおこなったので、その結果を報告する。
2x2 モードでは 1 イベントあたりの情報量に制限があり電荷トレイル補正が行えないため、標準的に使用されている 5x5 ( 3x3 ) モードに
比べゲインが低くでる傾向がある。現状では約 5 eV @ 1 keV 、10 eV @ 6 keV の差と経年変化が見られる。これらの差は8月末に公開され
た較正ファイルを用いると殆どなくなり( < 0.5 eV )、経年変化が見られない。
一方、現在の Window モードでは、標準的に使用されている Full window モードに比べ、6 keV 付近で輝線中心値が 30 ~ 50eV ほど
低くでる傾向がある。これは主に、CTI の補正量が不足していたことに起因している。そこで、Window モード用に新に較正ソフトウェアを
改修することで、この差を補正することにした。その結果、+/- 20 eV の精度でエネルギースケールが一致するようになった。
2x2 モードの較正
1、Introduction
2、結果
• 5x5 モードでは X線イベントの中心のピクセルを含む
25 ピクセル全ての電気信号が取り出される
• 2x2 モードでは X線イベントの中心のピクセルを含む
2x2 の領域の電気信号と、その外側にあるピクセルで
イベントの有無を読み出す(図1)
• 以下に 現状版較正用ファイルと改訂版較正用ファイルでの 5x5 PI と 2x2 PI の差を
示す
半年後
半年後
05/08/16
06/02/01
06/08/29
図1: 5x5 モードと 2x2 モード
のイベント抽出方法
1-1
• 2x2 モードは 5x5 モードよりデータ量が少ないので
電荷トレイルの補正ができない
• 現時点では観測数が少なく地上での較正が困難なために、
観測数が多くデータ量も多い 5x5 モードで観測された
データを地上で 2x2 モードに変換し、較正を行う
1-2
• 2x2 モードの較正は 5x5 モードと 2x2 モードのデータとで、
event by event の 5x5 と 2x2 の PI の差を比較することで
行う
縦軸 : 5x5 PI と 2x2 PI の差( eV )
● : 現状版較正用ファイル での 5x5PI と 2x2PI の差
■ : 改訂版較正用ファイル での 5x5PI と 2x2PI の差
 現状版較正用ファイルでの 5x5 PI と 2x2 PI の差は約 5 eV @ 1 keV 、
10 eV @ 6 keV であり、経年変化がある
 改訂版較正用ファイルでの 5x5 PI と 2x2 PI の差は殆んどなく ( < 0.5 eV )、
経年変化がない
Window モード の較正
3、結果
1、Introduction
Full Window モードの違い
2、較正方法・データ
2-1 較正方法
• Window モード用にソフトウェアを改修
• アーカイブデータを用い、Window モード
のエネルギースケール(@6 keV)を調査
2-2 データ
• 全て SCI - OFF 、アーカイブ
データの Window モード観測
• ~6 keV に鉄輝線のある天体
を選択
2x2 モード
• 現状版較正用ファイルを改訂版較正用ファイルに改修し 5x5 PI と
2x2 PI の差を調査
- 5x5 PI と 2x2 PI の差が殆んどなくなった ( < 0.5 eV )
図7 : Window モードデータの輝線中心値 (@6keV) と理論値の差
●・・・ 現状 ソフトウェア
1-1 Window モードと較正の現状
Imaging Area
• 撮像領域は ACTY 方向に限り、1/8、
1/4 の範囲を指定できる(図6)
高速転送
• CCD の一部だけを読み出すことにより、
露出時間を短くできる
低速転送
→パイルアップを抑えることができる
Frame Store Area
• Frame Store Area での高速転送と
低速転送の回数の比が異なる(図6)
¼ Window
Full Window
→現状のプロセスは、 Window モードに
図6 : 1/4 Window モードと
対応していないので、見直す必要がある
(2007 秋天文学会年会より)
横軸 : エネルギー ( eV )
(XIS0)
■・・・ 改修版 ソフトウェア
(XIS1)
• SCI -OFF 、アーカイブデータの Window モード観測について、横軸に打ち上げからの日数、
縦軸に理論値との差をプロット
• 赤線は現状ソフトウェア、緑線は改修版ソフトウェアのプロットの平均をそれぞれ示す
 現状のソフトウェア (赤) では、輝線中心値が理論値より
20~60 eV (@6keV) 低く出る
 改修版ソフトウェア (緑) では、 +/- 20 eV で理論値と
一致するよ うになった
まとめ
Window モード
・ Window モード用にソフトウェアを改修し、SCI - OFF アーカイブ
データで、 Window モードのエネルギースケールを調査
- +/- 20 eV で理論値と一致するようになった