フレッシュコンクリートの性質

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フレッシュコンクリートの
性質
コンクリート工学研究室
岩城 一郎
コンクリートの製造
 どこで?:生コン工場,コンクリート製品工場,現場
(ダム,大型構造物の場合)
 製造の手順:材料の入手や吟味→配合設計
→練混ぜ→(型枠,示保工の設計・施工)→打込み
→必要な強度が出るまでの管理(養生等)
生コン工場
コンクリート製品工場:常磐興産ピーシー㈱HPより
フレッシュコンクリートの性質
 フレッシュコンクリート:まだ固まらないコンクリート
 コンシステンシー(Consistency):変形あるいは流動に対する
抵抗性の程度(軟らかさの程度).一般にスランプ試験(後
述)で判定
 ワーカビリティー(Workability,最も重要かつ多く使われる用
語であるが,定義は極めてあいまい):コンシステンシーおよ
び材料の分離(後述)に対する抵抗性の程度(作業のしやす
さ)→スランプ試験やその後,コンクリートをたたいたときの崩
れ具合により判断→構造物や施工法により良し悪しが異なる.
 フィニッシャビリティー(Finishability):仕上げの容易さ(平滑
な表面仕上げ)
 「・・・が高い,・・・に優れている.」といった使い方をする.
材料分離とは?
 材料分離:コンクリートの構成成分の一部が他から
離脱する現象(望ましくない)
 コンクリートは,各材料間の粘着力や摩擦力によっ
て均質な状態にある程度保持可能⇔分離させない
ことは不可能(各材料の密度や大きさの違いにより,
重力や他の外力の影響を受けて多かれ少なかれ分
離する)
 配合,取扱いが不適当な
場合,過度な分離が生じる.
三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社
材料分離のタイプ
 タイプI:粗骨材の分離
 タイプII:モルタルまたはペーストの分離
 タイプIII:水の分離
材料分離の例
 コンクリートの打込み中に生じる分離:タイプI→ジャンカ,
豆板,Honey comb(締固め不足,ペーストが回らない),
施工不良(初期欠陥)→適切な配合,施工により対応
 コンクリートの運搬(長時間の振動)中に生じる分離:
タイプII→トラックアジテータ(攪拌装置)により分離を防御
 コンクリートの打込み後に生じる分離:
タイプIII→ブリーディング
ブリーディング水
タイプI
タイプII
三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社
タイプIII
ジャンカの例
日経コンストラクション:「コ
ンクリート名人養成講座」
ブリーディングとは?
 ブリーディング:コンクリート中の固体成分が重力により
徐々に沈下する現象→水が浮上する現象→コンクリート
表面に浮き上がるだけでなく,骨材下面に堆積→乾燥
後空隙として残存→強度上の弱点
 レイタンス:ブリーディングとともに表面に浮き出て沈殿し
た微細粒物質(脆弱層を形成)→コンクリートを打ち継ぐ
蒸発
際に除去する必要あり.
レイタンス
水
隙間
打設直後 骨材 セメント 数時間後
硬化後