Transcript 当日のパワーポイント
国の予算は国民がつくる ~「がん予算提案書」の挑戦から~ ことしもまた、新たな縁を結ぶ会 ’09 第2部「さまざまな挑戦」 がん対策推進協議会委員 日本医療政策機構理事 埴岡 健一 2009年4月25日 出典:NHKウエブサイトより 「がん対策基本法ができたときに、 山本孝史議員に『これからはがん 対策をあなたたちが作るんだよ』 と言われた。そのときは、そんな ことできるはずがないと思った。 でも、やれば、できた。 国の予算は国でなく、国民 みんなでつくる。国民とは、 患者であり、現場の医療者 であり、地域の行政担当者 であり、がんに関わるさま ざまな人たち… ワーキング座長 有識者枠委員 患者代表委員 患者代表委員 現場の声に基づいた提案だ。モデ ルを作ってもらった。こういう風に作 れば、参加意識と当事者意識が高 まって、みんなで考えられるようにな る。がん以外にも広げていく。 協議会座長 医療従事者 厚労大臣 提案書5点セット 協議会が予算概算要求に 関して提案するのは、同省 によると極めて異例 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 対策や予算を霞が関で考え るのでなく、地域・現場から 考えていかなければ… 3 提案書策定の経緯 ワーキンググループが、会議運営、アンケート、タウンミーティング運営、提案書執筆を一貫して実施 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 4 提案書取りまとめ担当委員(50音順) 内田 健夫さん 日本医師会常任理事(医療関係者①) 海辺 陽子さん 癌と共に生きる会副会長(患者代表①) 江口 研二さん 帝京大学医学部内科学講座教授(医療関係者②) 金子 明美さん フォーエバー代表(患者代表②) 関原 健夫さん 日本対がん協会常務理事(患者代表③) 富樫 美佐子さん あけぼの会副会長(患者代表④) 中川 恵一さん 東大病院放射線科准教授(医療関係者③) 埴岡 健一 日本医療政策機構理事(有識者①) 本田 麻由美さん 読売新聞編集局社会保障部記者(有識者②) 門田 守人さん 大阪大学大学院医学系研究科教授(医療関係者④) 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 5 提案書作成のプロセス • 全国各地の現場(患者、医療従事者、行政など)から、 広く意見を聴取。 • ①意見収集⇒②コメント抽出⇒③論点整理⇒④推奨 施策作成 • アンケート(都道府県庁がん対策担当者、都道府県が ん対策推進協議会委員) • タウンミーティング(東京、仙台の2カ所で実施。多くの 立場から参加を得た) • 意見提出者総数292人(アンケート183人、タウンミー ティング意見シート提出109人) • 292人の立場による内訳(患者・市民108人、医療従事 者103人、行政38人、有識者16人、その他27人) 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 6 仙台タウンミーティング風景 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 7 ②提案書本文74P ③施策シート集73P ①要旨9P ④アンケート回答集250P ⑤タウンミーティング意見集40P 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 8 提案書の内容 ■ 提案の内容(3つのポイント) 1、がん対策予算を大幅に増やす必要がある 2、がん対策予算の策定プロセスを改善すべき である 3、70本の推奨施策への取り組みを進めてほし い 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 9 がん予算は足りない、ニーズに合ってない 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 10 地方自治体からの声(見えてきた課題と解決策) 財務省 厚生労働省 指 摘 さ れ た 主 な 課 題 – 概算要求 具 体 的 な 問 題 – 概算要求や実施要綱の 中身が見えないため、地方 自治体側が、準備作業を 並行して進められず、結果 的に予算案を立てられない 場合がある – 財政抑制 • 地方自治体との事前 協議が不足している – 財政負担 • 補助金の補助要綱など に 厳しい条件をつけること がある • 財務省との調整が不足 している Change 地方自治体 • 1/2負担など自治体負担 が発生する場合、負担で きないことがある 地域のニーズに沿った 使いやすいがん対策予算 抜本的な改革案 – 実施体制や人材 • マンパワーが全般的に 不足している • 財政課を説得できる人材 がいない • 概算要求作成後、地方 自治体への説明や報告 が不足している – (例)厚労省担当者、 財務省担当者、地方 自治体担当者が事前に 議論できる仕組みの構築 – – 補助金などが必要でも、 条件が必要以上に厳しく、 自治体側が補助金獲得を 諦める場合がある – 自治体内で予算を取りやす く、追加人材も不要な既存 事業やハード事業(建築や 機器購入)に重点を置き、 新規事業やソフト事業に 視点が向かない場合がある – – 具 体 的 な 改 善 案 – 今回のような地方自治体 アンケートの継続実施 – 2015/10/2 – 補助要綱の策定過程を 透明化する – 予算を交付金化(国の補助 100%)にする – 補助要綱などの条件につい て、協議会としても注視する 姿勢を見せる – 県議会や知事のイニシア ティブにより予算化や 重点化を目指す – – がん予算提案書の挑戦 11 70本の施策の分野と本数 ◆がん対策の総論 1 がん対策全般 2 がん計画の進捗・評価 本数 8 4 ◆分野別施策 1 医療従事者の育成 2 緩和ケア 3 在宅医療(在宅緩和ケア) 4 標準治療の推進 5 医療機関の整備等 6 相談支援および情報提供 7 がん登録 8 がんの予防(たばこ対策) 9 がん検診 10 がん研究 11 疾病別対策 合計 約600億円 2015/10/2 6 7 6 3 6 10 3 4 6 5 3 70 がん予算提案書の挑戦 12 70本の施策の中の5つの柱 ① がん難民対策(切れ目のない医療の実現) ② がん診療にかかる医療従事者の確保と育成 ③ がんおよびがん対策の現況の“見える化” (可視化) ④ がん対策の情報提供と普及啓発 ⑤ 地域のベストプラクティス(好事例)の育成・ 発掘と全国浸透 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 13 元気の出るがん対策 • 「国は現場が分かってない」「基本法ができてもがん 難民は減らない」「どうせ、聞いてもらえない」⇒⇒⇒ • 患者:「政策決定に参加できた」 • 医療者:「現場の声が聞いてもらえた」 • 地方行政:「本当の問題がやっと分かってもらえた」 • 地域:「国への推奨施策で地域からやれることはない か」 • 霞が関:「この提案書によってもう一度、がん対策の重 要性を訴えていこう」 • 永田町:「マニフェストづくりに参考になる」 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 14 ありがとうございました 新しい政策決定の「かたち」を広めよう 2015/10/2 がん予算提案書の挑戦 15