最小コア

Download Report

Transcript 最小コア

第Ⅱ部 協力ゲームの理論
第11章 仁(nucleolus)
nucleolus
細胞核の中にある小球体
のこと、核の中心
2008/07/02(水)
ゲーム理論合宿
M1 浦田淳司
内容
第10章 コア
第11章 仁
• 最小コア
– εコア
– 最小コア
• 辞書式中心
• 仁
– 定義
– 性質
1
考え方
コア: いかなる提携によっても、拒否されない配分の集合
コアが空の場合は?
話し合いにより、何らかの配分で交渉が成立することも
前提
・全てのプレイヤーが協力関係に合意
・ゲームは合理的 v(N)=∑v(i)
最小コア
仁
2
要求(超過:excess)
利得ベクトルxに対して提携Sの要求
要求 e ( x ; S )  v ( S )   x i
S  N , (S   , N )
i S
Sの要求が正:Sはxに対して、不満
負:Sはxに対して、剰余
要求が大きいほど、不満が大きい
3
εコア
コアは
C  x ; x  A *, e ( x ; S )  0 ,  S  N 
と表現できる
コアが空の場合は?
要求eがε以下であれば、納得する
⇒コアの条件緩和、εコア
C (  )  x ; x  A *, e ( x ; S )   ,  S  N 
コアが空でない時:ε≦0のεコアを作成
⇒コア(交渉)の範囲を狭くする
4
εコア(事例① )
プレイヤー:{1、2、3}
二者の提携値に比べて、
三者の提携値は高くない
v ( )  v (1)  v ( 2 )  v ( 3 )  0
v (12 )  80 , v (13 )  90 , v ( 23 )  100
v (123 )  120
・三者の合意形成コスト
・利得の最大値が存在 etc
A (120,0,0)
x1  x 3  90
x1  x 2  80
プレイヤー設定
1:来島風景づくり委員会
2:今治市
3:今治造船
コアは空
x 2  x 3  100
B
C
5
εコア(事例①)
A’ (160,-20,-20)
配分a=(40,40,40)を含むコアを考える
e ( a ;1)  0  40
A
x1  x 3  70
e ( a ; 2 )  0  40
x1  x 2  60
e ( a ;3 )  0  40
e ( a ;12 )  80  ( a 1  a 2 )  0
x 2  x 3  80
e ( a ;13 )  90  ( a 1  a 3 )  10
e ( a ; 23 )  100  ( a 2  a 3 )  20
最大要求e=20をεとする
・ e
B
B’
εコアの制約条件
C
C’
e ( x; S )  v ( S )   xi  
iS
v (1)  x1    x1   20
x1  x 2  v (12 )    60 ....
6
最小コア
最小コア:空でないεコアの中で、εが最小のもの
先の例では、C(ε=10)={a=(30,40,50)} が最小コア
求め方 e ( x ; S )  v ( S )   x i  
を線形計画法で解く
iS
最小コアC(ε*)とすると、
 *  min[  ( x ), x  A*]  min max[ e ( x ; S ) : S  N ]
x A
最小化
最大不満
7
最小コア・辞書式中心(事例②)
プレイヤー:{1、2、3}
2,3の提携で大きな提携値
三者提携でも特に大きな提携値
v ( )  v (1)  v ( 2 )  v ( 3 )  0
v (12 )  30 , v (13 )  40 , v ( 23 )  80
v (123 )  120
x1  x 3  v (13 )
x1  x 2  v (12 )
コア
B
プレイヤー設定
1:観潮船
2:今治造船
3:旧八木邸持ち主(藤高さん)
A
x 2  x 3  v ( 23 )
C
8
辞書式中心・最小コア(事例②)
  v (1)  x1
   x1
  v(2)  x2
   x2
   x1 ,   x1  40
  v (3)  x3
   x3
   x 2 ,   x 2  80
  v (12 )  ( x1  x 2 )
  30  ( x1  x 2 )
   x 3 ,   x 3  90
  v (13 )  ( x1  x 3 )
  40  ( x1  x 3 )
  v ( 23 )  ( x 2  x 3 )
  80  ( x 2  x 3 )
x1  x 2  x 3  v (123 )
x1  x 2  x 3  120
x1  x 3  v (13 )  
A
最小コア  *   20
x1  x 2  v (12 )  
x1  x 3  v (13 )
x1  x 2  v (12 )
x 2  x 3  v ( 23 )
x 2  x 3  v ( 23 )  
B
最小コア
C
9
辞書式中心・最小コア(事例②)
最小コア C (    20 )  {( 20 , x 2 , x 3 ), ただし
1
x 2  x 3  100 , x 2  30 , x 3  40 }
x 1  20 で固定して、プレイヤー2,3で最小コアを求める(最小コアの縮小)
   x2 ,    x3
   x2
  v (12 )  ( 20  x 2 )
  x 2  100
  v (13 )  ( 20  x 3 )
  10  x 2
x 2  x 3  100
  x 2  80
 * *   35
辞書的中心c=(20,45,55)
辞書式中心の求め方
最小コアが一点
最小コアが一点でない
一定の利得を得ている
プレイヤーの利得固定
最小コアが一点
・・・・
10
仁の定義
要求ベクトル:提携Sの配分xに対する
要求e(x;S)を大きい順に並べたベクトル
a=(20,60,40)については
e ( a ;1)  0  a 1   20
( a ; 2, 
)
, 60
 ( a )  ( e20
200 ,a20
40 ,  50 ,  60 )
2
c=(20,45,55)については
e ( a ;3 )  0  a 3   40
a ;12
 30
( a,135
a 2 ), 
 45
 50,  55 )
 ( c )  ( e (20
, ) 20
, 35
e ( a ;13 )  40  ( a 1  a 3 )   20
⇒cはaよりも受容的である
e ( a ; 23 )  80  ( a 2  a 3 )   20
(⇔cはaより辞書的順序で小さい)
仁:いかなる配分よりも受容的である配分の集合
11
仁の性質
仁:いかなる配分よりも受容的である配分の集合
準仁:いかなる準配分よりも受容的である準配分の集合
ゲームが合理的⇒仁(準仁)はただひとつの配分からなる集合
ゼロ単調ゲームでは準仁と仁は一致
準仁は辞書式中心に一致
仁の求め方は
辞書式中心と同じ
Q.辞書式中心と仁の違いは??
仁は
辞書的中心は点、仁は集合(要素)を指す
交渉集合・カーネルの発展として、任意の提携構造に関して定義された概念
→詳しくは第14章で?
12
第11章 仁
了
第12章 τ値 へ
13
おまけ:
14