Transcript 樽美澄香
第3回 色覚バリアフリーを考慮した 進化的計算による配色補正 情報工学科 05A2301 樽美 澄香 (Tarumi Sumika) 2008年 9月 1日 本日の発表内容 1. 色覚バリアフリーについて 2. 進化的計算を用いた配色補正法の提案 一般的な色弱者向け基本補正(全般) 個人にあわせた「明度・彩度」による補正(個人) 自動補正を行うための配色最適化のルール生成 色盲・色弱の基本知識 「色盲(色覚障害)」とは 人間の目の網膜にある「赤」「緑」「青」を感じる 3種類の錐体細胞のうち、どれかの機能が損なわれた状態。 「色弱」とは 3種類のうち1種類の感度曲線がずれて他色と近づいた状態 ⇒ 特定の色について差を感じにくい症状。 症状(色盲全体に対する割合) 第一色盲(25%)「赤」変異 第二色盲(75%)「緑」変異 第三色盲(0.02%)「青」変異 赤&緑が見分けづらい 青&黄が見分けづらい 色覚バリアフリーについて 「色覚バリアフリー」とは 色盲の人に分かりやすい(バリアフリー)色遣いにすること。 色盲でない人にも分かりやすい(ユニバーサル)色遣いになる。 特徴 配色に気配りをするのみ。 追加のコストを一切かけずに達成できる。 変更法 推奨されている、全ての人にみやすい色のセットを使う。 表・グラフは記号をつかい、色だけでデータを区別させない。等 色覚・具体的な変更方法の詳細は『ユニバーサルデザインにおける色覚バリアフリ ーへの提言』(2003)にある。ネットで参照可能。 ※ 本研究では、この文献を参考にした補正を行う ※ 色盲の人の色の見え方 (青と黄色はあまり変わらない) 見え方が 大きく異なる 見にくい配色のWebページ例 Web上で色盲の見え方をシミュレートできるサービス(無料) Vischeck:http://www.vischeck.com/ Webページだけでなく画像のチェックも可能 本研究(システム)での配色補正手順 ・・・配色(色の組み合わせ)を観測後・・・ 1. 一般的な色弱者向け基本補正(全般) 前述のバリアフリーで推奨されている基本的な色の補正をする。 2. 個人にあわせた「明度・彩度」補正(個人) IGAを用いて、個人の症状にあわせた「明度」「彩度」の最適な変更値 の探索をし、補正をする。 3. 自動補正を行うための配色最適化のルール生成 2.の結果を基に、以降似たような見づらい配色には自動補正するために ルールを生成する。 1.一般的な色弱者向け基本補正 一般的に「見えづらい」とされる色を補正する 前述の『色覚バリアフリーの提言』で示されている、色弱者全般に 通用する見やすく変更するためのルールを適用する。 変更ルール例 見えづらい配色 見やすくする変更法 赤色&緑色 マゼンタ(赤紫色)&緑色 水色&黄色 青色&黄色 濃い赤色 明るい赤 / 朱色 etc. 2.個人にあわせた「明度・彩度」補正 色弱者は「明度・彩度」の差に敏感 少ない変化量で色を判別できるようになる。 「本来の配色から、なるべくかけ離れない」という 研究の方針に適すパラメータ IGA(第1回発表)を用いて、 個人にあわせた最適な補正値を探索、明度・彩度を補正する。 色相(H)明度(L)彩度(S)で色を表すHLS表示系を使用する。 3.配色最適化のためのルール生成 過去に補正した見づらい配色に対して、 自動補正を行うためにルールを生成する。 <ルール書式> 1. 「見づらい配色」を観測して代表色で分類する。 2. If – then ルールのように、 [配色] – [補正値](2.明度・彩度補正)を記憶する。 生成されたルールを基に、次回以降は自動補正を行う。 # 今後の予定 # 研究状況 IGAによる配色補正(最適化)方法を検討 バリアフリーな配色についての調査 学生会発表用の原稿を作成する システムの開発途中 次のステップ システムの完成(次回までに新しい配色の提案部分) システムを改良する(アドオン化・例外処理) # 進捗状況 # 7月 <GA調査> <外部設計> <開発> <テスト> 今現在 11月 参考文献 WEB岡部正隆, 伊藤啓, 橋本知子, “ユニバーサルデザインにおける色覚バリアフリーへの提言”, <http://www.nig.ac.jp /color/handout1.pdf > 賀川経夫, 西野浩明, 宇都宮孝一, “IECを利用した配色支援手法に関する一考察”, 情報処理学会火の国情報シンポジウム2004論文集, 2004 *ご清聴ありがとうございました* 樽美 澄香