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日語文法研究
（大学院）
４月30日（木）～
担当 神作晋一
第６章 動詞述語
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ねらい：
動詞述語の形態と意味による分類を考え
ます。
自動詞、他動詞、対をなす自他動詞を取
り上げ、「する」と「なる」に代表される日本
語の話し手の事態の把握について考えま
す。
第６章 動詞述語
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キーワード：
活用、母音動詞、子音動詞、不規則動詞、
動態動詞、状態動詞、意志動詞、無意志
動詞、移動動詞、作成動詞、着脱動詞、
変化動詞、自動詞、他動詞、有対自他動
詞、非対格自動詞
第６章 動詞述語
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§１ 動詞の形態的分類
§２ 動詞の意味的分類
§３ 対を成す自動詞と他動詞
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ーースルとナル
§１ 動詞の形態的分類
§１ 動詞の形態的分類
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動詞の特徴
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形を変える
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述語になる
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活用のこと
花が咲く
ラーメンを食べた
名詞を修飾
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桜の花が咲く季節
季節の野菜を使った料理
§１ 動詞の形態的分類
表１ 学校文法の動詞活用
一段活用
カ行変格
活用
サ行変格
活用
見（ない）
見（よう）
こない・
こよう
しない・
しよう
読み（ます） 見（ます）
き（ます）
し（ます）
読む
見る
くる
する
読む（とき）
見る（とき）
くる（とき）
する（とき）
読め（ば）
見（れば）
く（れば）
す（れば）
読め
見（ろ）
こい
し（ろ）
五段活用
読ま（ない）
未然形
読も（う）
連用形
終止形
連体形
仮定形
命令形
§１ 動詞の形態的分類

（学校文法の）活用表の問題
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活用形の名称に意味と機能が混在
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連体形
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意味（未然・仮定・命令）、機能（連用・終止・連体）
終止形と同じ（二つに分ける根拠がない）
名詞修飾「読む本・読まない本・読んだ本・読まな
かった本」
学習者は、（一つ一つ積み上げるので）、活用
表から（適切な表現を）判断できない。
§１ 動詞の形態的分類
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日本語教育における活用表
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動詞の形態素を分析し、語幹の形で分類
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五段動詞 子音動詞 子音語幹動詞 G１
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語幹が子音で終わる Yom-
一段動詞 母音動詞 母音語幹動詞 G２
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ローマ字表記にする Yom- tabe-
語幹が母音で終わる tabe-
不規則動詞 「来る」と「する」 G3
表２ 日本語教育の動詞活用
子音動詞
読む
母音動詞
食べる
不規則動詞
来る
不規則動詞
する
§１yom-u動詞の形態的分類
tabe-ru
ku-ru
su-ru
辞書形
中止形
マス形
yom-i
tabe
ki
si
テ形
yon-de
tabe-te
ki-te
si-te
タ形
yon-da
tabe-ta
ki-ta
si-ta
タラ形
yon-dara
tabe-tara
ki-tara
si-tara
タリ形
yon-dari
tabe-tari
ki-tari
si-tari
ナイ形
yom-ana-i
tabe-na-i
ko-na-i
si-na-i
命令形
yom-e
tabe-ro
ko-i
si-ro
受身形
yom-are-ru
tabe-rare-ru
ko-rare-ru
sare-ru
使役形
yom-ase-ru
tabe-sase-ru
ko-sase-ru
sase-ru
可能形
yom-e-ru
tabe-rare-ru
ko-rare-ru
(deki-ru)
バ形
yom-eba
tabe-reba
ku-reba
su-reba
意向形
yom-oo
tabe-yoo
ko-yoo
si-yoo
§２ 動詞の意味的分類
§２ 動詞の意味的分類

動態動詞：動きや変化を表す 動作動詞
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「動く」「食べる」「書く」「話す」など
状態動詞：物事の性質や属性を表す

「ある」「いる」「わかる」「できる」
§２ 動詞の意味的分類
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自動詞：主体自体の動きや変化を表すもの
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「機械が動く」 ガ格補語は必須
「犬が（道を）歩く」 経路を表すだけ
※下線部（ヲ格補語）は必須ではない
他動詞：主体が何かに働きかける様子を表
すもの


ヲ格補語が必須
「パソコンを壊す」「パスタを食べる」「コーヒーを飲
む」
§２ 動詞の意味的分類
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意志動詞：主体でコントロール可能な変化・動
きを表す動詞
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
「歩く」「食べる」「書く」 →依頼や願望、意志の形
→ 「歩いてください」「食べたい」「書こう」
無意志動詞：主体でコントロール不可能
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

「疲れる」「古びる」→依頼や願望、意志の形は不可
「*疲れてください」「*古びたい」
※「～てほしい」に注意
§２ 動詞の意味的分類
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意志動詞・無意志動詞：
両方ある場合 例：「忘れる」
通常は無意志動詞
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「財布を忘れた」「忘れやすい」
意志動詞に見える場合
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
「こんな経験は一日も早く忘れてください／忘れ
たい」
本質的には「希求」しているだけで、コントロール
（この場合は本当に忘れること）はできない。
起きる


朝６時に起きよう。（意志動詞）
交通事故が起きた。（無意志動詞）
§２ 動詞の意味的分類
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その他の性質の動詞：
移動動詞：主体の移動を表す
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作成動詞：主体の働きかけの結果

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「着る」「はく」「脱ぐ」
変化動詞：物事の変化を表す


「作る」「建てる」「書く」
着脱動詞：主体が対象を身に着ける


「行く」「来る」
「変わる」「太る」「やせる」
それが表す出来事や事態の性質で決まる。
§３ 対を成す自動詞と他動詞
スルとナル
§３ 対を成す自動詞と他動詞
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有対自他動詞：形態的な共通点を持つ
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例：「コップが割れる」（自） 「コップを割る」（他）
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例：「電気がつく」（自） 「電気をつける」 （他）
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
tuke-ru 対 suk-u
例：「テレビが消える」（自） 「テレビを消す」 （他）
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ware-ru 対 war-u
kie-ru 対 kes-u
例：「窓が開く」（自） 「窓を開ける」 （他）

ake-ru 対 ak-u
一段動詞（Ｇ２）と五段動詞（Ｇ１）
§３ 対を成す自動詞と他動詞
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対を成す自動詞：主体でコントロールできない。
①「誰か・何かが、ドアを閉めた」
②「（①によって）、ドアが閉まった」
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
外部からの刺激や働きかけで対象（ドアが）変化
→通常「ヲ格」（対格）①だが、 ②のように「対
象」が「ガ格」で現れる
→他の自動詞と違う「非対格自動詞」
§３ 対を成す自動詞と他動詞
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非対格（たいかく）動詞・非能格（のうかく）動詞
他動詞 ― 対格動詞
自他両用の機能を兼務する動詞―能格動詞
（開く、閉じる、など）
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形が同じで、自動詞の主語と他動詞の目的語が
一致するもの
窓が開く（「窓」は自動詞「ひらく」の主語）
彼が窓を開く（「窓」は他動詞「ひらく」の目的語）
§３ 対を成す自動詞と他動詞
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非対格（たいかく）動詞・非能格（のうかく）動詞
自動詞
非能格動詞 ー 意図的行為 意志動詞
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（動作主、意味上の主語）
ー 生理現象
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彼が笑う
彼が飽きる（むせる） 赤ん坊が泣く
非対格動詞 ー 無意志動詞
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無意志動詞
（意味上の目的語）
ドアが閉まる 心が変わる 体が疲れる
ドアを閉める 心を変える 体を疲れさせる
§３ 対を成す自動詞と他動詞
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他動詞：「だれガ何かヲどうスルか」
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非対格動詞：「何かガどうナルか」
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例：「皿を割った」
自分の不注意で、責任を感じている。
例：「皿が割れた」
出来（しゅったい）した出来事だけ、責任逃れ？
※「知らないうちに」「気がついたら」という意味合
い
「なくなった」（不見了）と「なくした」（弄不見了）