地域力創造と地域おこしのヒント

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地域力創造と地域おこしのヒント ~地域に飛びだそう!

前総務省自治財政局長 (初代 地域力創造審議官) 椎 川 忍

自分にしかできない・できなかったと自負 できる仕事をしよう!

(30代) ・ 国際消防救助隊創設 ・ アメリカのFEMAに研究員として滞在 ・ 消防・救急ヘリの報告書を1人で草稿 ・ 宮崎県財政課長として、消費税導入予算、「アイデア事業」を考案 (40代) ・ 総務部長として「出前県庁」を企画・実施 ・ 島根県立大学の創設(学長のトップハンティングなど) ・ 高度情報通信網や県庁の情報化推進 (50代) ・ 自治大学校の経営改革 ・ 地域経営塾 ・ 定住自立圏 ・ 「緑の分権改革」

仕事以外にライフワークを持とう!

・ 人生は長い ・ 公務員(仕事)だけが人生ではない ・ 社会とつながり、社会に貢献できる人間になる ために ・ 結局、自分が幸せな人生を送るため ・ 定年退職しても、広く世間づきあいができ仲間 づくりができるように ・ 社会常識を身につける ・ 肩書きを捨てても尊敬される自分になる ・ 一兵卒として汗を流して働く尊さを実感する

公務員の常識は、社会の非常識?

・ 勉強は自分の時間とお金を使ってするもの ・ 講演者の著書、HP、主張などには事前に目を通し て、問題意識をもって質問するつもりで ・ 自分は何を求めて、何を勉強しようとしているかを 明確に意識する ・ 講演は、きっかけであり、人脈づくりでしかない ・ 自分で、本を読み、調べ、議論しながら勉強するの が本来の姿 ・ 日本のどこかに解決の糸口、ヒントがあるはず ・ 気づきのない人、感性の弱い人、創意工夫のない 人は見逃しているだけ

講演を聴いても勉強にはならない!

・ 「いい話だった」、「ためになった」と思っても、 7~8割は右の耳から左の耳へ抜けていくだけ ・ そう思ったら、即実行、即行動に移すしかない ・ 2、3日たったら全部忘れてしまっている ・ 結局、勉強は自分でするもの ・ 問題解決のヒントは、人から与えられるものも でもなければ、人の話を聞いてわかるもので もない

私の活動

・ NPO法人大山中海観光推進機構(大山王国)理事 ・ NPO法人地域力創造研究所(佐藤喜子光理事長)副理事長 ・ 地域に飛びだす公務員ネットワーク代表 ・ 地域に飛びだす公務員を応援する首長連合を提唱し賛同者に(2011.3. 17発足) (注)他に、大森先生、小田切先生、安田先生など ・ 地域力おっはー!クラブ代表 (注)官民の朝勉強会 ・ 総務省地域力創造応援団顧問 ・ 大学共同利用機関法人人間文化研究機構「国際日本文化研究センター」 共同研究員(森里海連環) ・ 遣島使(島根県観光宣伝大使)

地方行脚と連続講座

・ 毎週のように地方に出かけ、地域を見て回る ・ 自分の足で歩き、自分の眼で確かめる ・ 現場主義に徹するため、民俗学や地理学の気持ちを持ちたい ・ 自分の経験と思いを伝える連続10時間講座 1時間や2時間の講演では、自分の思いや考えは伝わらない。 それぞれの地域のやり方で、いろんな方々とコラボレーションし ながら全国展開 ・ 「緑の分権改革」、地域に飛び出す公務員、地域力創造と地域 おこしのヒント関係の本を3部作で出版予定 2011年11月刊行 「緑の分権改革~あるものを生かす地域 力創造」(学芸出版) 2012年10月刊 「地域に飛びだす公務員ハンドブック」(山陰 の今井書店) 検討中 「地域力創造と地域おこしのヒント(仮題)」(NTT出版)

出版(3部作のコンセプト)

・ 本を売るのではなく、これまでのネットワーク(絆)を 確認する作業だと気づく ・ 多極分散で出版活動(東京、関西、地方) ・ 「緑の分権改革」(教科書、京都から) ・ 「地域に飛び出す公務員」(ハンドブック、山陰から) ・ 「地域力創造と地域おこしのヒント」(ノウハウ本)

緑の分権改革

~あるものを生かす地域力創造 (2011年11月、学芸出版、椎川忍著)

「径寸十枚非是国宝、照于一隅此即国宝」 「好事与他忘己利他、慈悲之極」 (最澄 「山家学生式」より) 「山川草木国土悉皆成仏」

ご推薦いただいた方々 ・ 原口元総務大臣、藻谷浩介さん(「デフレの正体」の著者) ・ 菅原文太さん、横石知二さん((株)いろどり)、向山洋一さん (TOSS)、斉藤俊幸さん(地域再生マネージャー)、大和田順 子さん(アグリビジネス) ・ 大森彌先生、月尾嘉男先生(東京大学名誉教授) ・ 安田喜憲先生(国際日本文化研究センター)、宮口侗廸先生 (早稲田大学)、岡崎昌之先生(法政大学) ・ 横道清孝先生、福井秀夫先生(政策研究大学院大学)、小西 砂千夫先生(関西学院大学)、小田切徳美先生(明治大学)、 飯盛義徳先生(慶應義塾大学)

地域から日本を変えよう!

「地域に飛び出す公務員ハンドブック」

(山陰の今井書店から発行、デザイナーも山陰の若 手デザイナーを起用)

序章 「公務員十戒」 ・肩書なしでも尊敬される人間になれ ・常に健康チェックし、身体を鍛え、気力を充実させよ ・うちにこもらず、広い世界に飛び出し、人脈を広げよ ・仕事以外にプラスワンで社会貢献活動をせよ ・現場主義で改革・改善を心がけ、常に一歩前進せよ ・公務員の最終ミッションを忘れるな ・理屈ばかりこねずに、まず実践せよ ・権限を振り回さず、いつも謙虚に行動せよ ・仕事から逃げずに自分の責任を果たせ ・上司にこびず、正しいと考えることをやり抜け <コラム:子どもの頃から大嫌いだったマラソンを克服!>

1 「公務員参加型地域おこし」のススメ ・「住民協働」とは? ・「新しい公共」はむずかしすぎる ・「公務員参加型地域おこし」を実践しよう ・サラリーマン化せず、地域経営に参画しよう ・経営する力を身につける ・ランチェスター戦略に学ぶ ・ピントのずれた公務員にならないために ・公務員がやってはいけない仕事 ・予算がなくても公務員ができること ・公務員の常識は世間の非常識? <コラム:20年来、私の頭にあったこと>

2 さあ、地域に飛び出そう! ・地域活動は実名で堂々と ・共感からスモールサクセス、そして信頼関係へ ・組織の風土改革をし、イノベーションを起こす ・メーリングリストは関わり方を考える ・ブログとツィッターを使いこなす ・フェイスブックなどのSNSとホームページも活用する ・地域担当職員になろう ・大豊町の役場機能転換への挑戦 ・現場主義の手法 ・地域力創造訓 <コラム:ICTが社会構造を変える!>

3 みんなで横に連携しよう ・「地域に飛び出す公務員ネットワーク」に入ろう ・「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」を大きなうねりに ・「自治体職員有志の会」もおもしろい ・「東北まちづくりオフサイトミーティング」は震災で飛躍 ・「TOSS」の先生方と協働しよう ・「ノンパ」「チョウチョの会」「いちゃりば」などたくさんのネット ワークが共振 ・「全国地域リーダー養成塾」に集おう ・「地域づくり団体全国協議会」のユニークな活動 ・「JOIN」で民間企業・団体との輪を広げよう ・「自治大学校校友会」の力強いネットワーク <コラム:地域に飛び出す仲間たち>

4 絆を再生すればすべての問題が解決できる ・「やねだん」の集落に補欠なし~300人の大家族づくり ・あるものを生かし、芸術文化を重視した地域づくり ・「故郷創世塾」の強い絆 ・命を救う「ふれあい囲碁」 ・「魅知普請の創寄り」で三方よしの人の輪(和)づくり ・戸枝さんが進める障がい者のノーマライゼーション ・上勝町のめざす「美しいニッポンの村・サステナブルビレッジ」 ・エコでアートで、自ら考え行動する地域づくり ・絆の再生の詩 ・絆を紡ぐ「達人」がいる <コラム:幸せな人生を送るために>

5 地域資源を発掘・再生・創造する ・地域資源とは? ・自然・風土をあるがままに受け入れる ・歴史・伝統・文化を大切にする ・脱近代主義へ回帰する ・見方を変えればなんでも資源になる ・新しい地域資源をつくり出す ・地域の総力を発揮して「あるものを生かす」 ・不要なものをなくして「まるごと活用」 ・地域や資源の特徴を生かしてブランド化する ・価値を再認識して、市場価値を高める <コラム:国宝十一面観音の旅>

6 地域の人間力を高める ・地域おこしにも勉強が必要 ・まちづくり教育や「子ども農山漁村交流プロジェクト」に取り 組もう ・「地域力創造アドバイザー」を有効活用 ・「地域おこし協力隊」は強力なサポーター ・「集落支援員」の力で集落点検やワークショップを ・地域密着の元祖「緑のふるさと協力隊」 ・頼りになる「地域実践活動に関する大学教員ネットワーク」 ・期待大きい「域学連携」 ・「域学連携」の先兵、木島平の「農村文明塾」 ・見習いたい高知県方式の地域産業おこし <コラム:野心的な人材力活性化研究会の思い出>

7 地域の経済循環を高め、 ICT をフル活用する ・自分たちの暮らしぶりやライフスタイルを見直す ・大企業に頼らず、自分たちでやる~奥出雲町の挑戦 ・市場(お金)ではなく人の輪(和)で勝負 ・地産地消の取組やお裾分けの気持で ・地域通貨は工夫次第 ・地域ファンドをつくろう ・上勝町の「いろどりネットワーク」 ・韓国の「情報化村」に学ぶ ・電子自治会と自治会ネット構想 ・電子マーケットをつくろう

終章 大山王国と私 ・ 「大山王国」のめざすもの ・ 観光を切り口にした地域おこし ・ 地域の暮らしぶりが観光資源に~ネパールのシルバリ村の 取組 ・ 「自然との共生」「森里海連環」「緑の分権改革」 ・ 「第3の波」で強調された「生産消費者」 ・ 私が魅力を感じ、リピートする観光地 ・ 観光地に求めるもの、あってはならないこと

いま、自治体、地域、公務員が考えるべきこと ・ 我が国をめぐる厳しい環境 少子高齢、安定(低)成長、デフレ、自殺、虐待、凶悪犯罪、鬱、非行、学級 崩壊などの社会問題の増加、コミュニティーの崩壊、助 け合いの精神の喪 失など(経済成長をめざし目標は達成したものの、失ったものも多い) ・ 東日本大震災・原発事故 大震災、大災害はこれからも繰り返し起きる。エネルギー問題への対応 ・ 地方分権(地域主権)改革の進展 ~住民自治=住民責任 最終的には住民が自分たちで考え、実行し、責任を持つ ・ 加えて、ICTによるネットワーク型社会の到来 組織を介することなく、個人が直接結びつく時代(タテよりヨコ) ・ 自治体や公務員に求められるもの 役所(役場)を管理運営したり、制度を運用するだけではダメ 地域社会の一員として、また、時にはリーダーとして地域を経営する

具体的にすべきこと

・ 組織・地域の風土改革 うちにこもらず外に開かれ、チャレンジ精神を尊び、イノベーションを起こせ るような組織であり、地域でなければならない トップ(経営者)や幹部職員(経営陣)の責任が大きい ・ 人材育成 長い時間がかかるので、気がついたらすぐに取り組む ・ 横のネットワークの強化 地方分権(地域主権)時代は、ICTを駆使して、情報、ノウハウ、人材を横で 共有すべき ・ 公務員の立ち位置(ミッション)の再確認 北川正恭氏、片山善博氏、椎川(「公務員参加型地域おこし」)など ・ 地域に飛び出し、広く世間と交わり、住民目線で活動 地域が元気になり、住民が幸せを感じられるようにする ・ イノベーションを起こす 単なる改革ではない飛躍、異文化との融合による新たな地域力の創造

「緑の分権改革」を進め、ハイブリッドな国家、 社会構造の構築をめざす

・ 超近代主義と脱近代主義 ・ 原子力発電と再生可能エネルギー ・ トリクルダウンとファウンテンモデル ・ グローバルな経済競争と日本にしかない良いところの追求 ・ 市場経済(お金)と社会関係資本(人のつながり) ・ 西洋文明と日本の伝統、文化

イノベーションを起こすためには

・ 異分野・異業種の人との交流・ネットワークを拡大す る ・ 人の意見や経験談を良く聞く ・ 現場からの発想、消費者・お客様(住民)の求めて いるものを大切にする ・ 自分で徹底的に考え抜く ・ 既成概念にとらわれず、創意・工夫する ・ イノベーションのための七つの機会(P.Fドラッカー 「イノベーションと企業家精神」(上田惇生訳)、200 7年) ・ イノベーションの原理と条件(同)

地域経営とは?

・ 地域経営のための資源を有機的・複合的・総合的 に結びつけ、フル活用して、 住民の幸福感・満足 度を最大化する ・ 最も重要な経営資源は人材であり、特に地域経営 に最も力を発揮すべき公務員の一人あたり生産性 を最大にする ・ 地域住民のパワーを引き出し、有効活用する ・ 人の輪(和)づくりを大切に

続き

・ 地域力の創造(涵養)~結局は人材育成 ・ 地域の財源を涵養(依存財源→自主財源)する ・ 本当の意味の地域経営へ(「依存と分配」から「自立 と創造」へ(原口前総務大臣)) ・ 経営者は、自分の経営理念を毎日のように熱く語り、 それを組織全体に浸透させ、共有できるようにする の

公 務 員 は 自 己 主 張 す べ し

~組織の陰にかくれないで、堂々と実名で勝負しよう (地域社会は個性豊かな個人を求めている) ・私のホームページ(ヤフー・ジオシティーズ) http://heartland.geocities.jp/shiikawas/index.html

・私のブログ (CANPAN(日本財団 公益事業コミュニティーサイト)) http://blog.canpan.info/shimanetottori/ (地域密着型ブログ「じげ風呂」(NPO法人 大山中海観光推進機構)) http://blog.zige.jp/tokyo-chuzai-nikki/ ・私の Twitter http://twitter.com/shiikawas ・私のFacebook http://www.facebook.com

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自分が情報を出さなければ人はつながって 来ない

・ガバナンスのコラム連載(2008年から約3年間) ホームページを見た編集者からの原稿依頼 「公務員参加型地域おこしのススメ」は看板に ・やねだんシンポジュームから始まった縁 立教大学高橋紘士先生、豊重公民館長、南日本放送山形アナウンサー、土居ちゃ ん、森どん ・阿蘇カルデラツーリズム(ゆるっと博)との出会い 佐藤喜子光先生、阿蘇地域振興デザインセンター、坂元事務局長、地域おこしは 観光振興 ・TOSSとのつながり 観光立国からまちづくり教育へ、ふれあい囲碁(日本棋院 安田泰敏9段)

行政情報は分かりづらい、遅い、平板 (穴がない)、不親切

・ 論 自分なりにかみくだき、利活用の具体例、意見、 評などを加えた方が分かりやすい ・ 途中経過の情報も守秘義務に反しなければ、、、 ・ 地域住民にとって、分かりやすく価値のある情報を 出す ・ 結局は、お客様(地域住民)へのサービス精神

「住民協働」、「新しい公共」という前 に

・ 「公務員参加型地域おこし」を実践しよう ・ 思いを共有し、住民感覚で、問題を一緒に解決 ・ 住民を役所に呼んだらダメ ・ 自分たちが地域に出かけよう ・ 地域担当職員制度のメリット ・ 地域おこし協力隊や集落支援員とセットが効果的 (ただし、丸投げはダメ)

地域に飛び出そう!

・ まずは、現場を体感し、現場の思いや悩みを共有しよう ・ セ 無理せず、できることから始めて、皆でスモールサク スを体験し、共有する ・ 忙しいときは細々でもいいから続けることが大切 ・ 「地域に飛び出す公務員ネットワーク」などで仲間づくり ・ 応援する首長連合の輪を広げる

地域担当職員制度

・ 山形県西川町~地域支援職員派遣制度 ・ 広島県庄原市~自治振興区応援隊事業 ・ 高知県檮原町~地域活力支援事業(地域担当職 員) ・ 熊本県山江村~地域づくりサポーター制度 ・ 熊本県水俣市~村まるごと博物館(地域担当職 員)